ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

2024-01-01から1年間の記事一覧

古本屋の閉店

使えるお金が少なくて、古本屋でしかほしいマンガを揃えられなかった頃、シリーズの一冊一冊を探し回りながら街を歩いていた。 また、古いブックガイドなどで紹介された24年組やその世代のマンガを読みたくて、古い単行本を探し回っていたこともあった。 棚…

買春処罰法への反対意見と12月23日〆切のクラウドファンディングの紹介

性暴力や女性差別に反対・抵抗することと、性的サービスを提供することを仕事として定義し、労働者の安全と人権の尊重を目指すことは両立できる。 という話からスタートしたい。それが一朝一夕にはいかないことだとわかっていても。 今日、性的サービスの提…

11月3日の野次馬記録

ミーハーなので、横浜DeNAベイスターズがクライマックスシリーズ優勝に王手をかけたと聞いて、横浜公園に行った。筒香がまた横浜にいることもこの日に知ったぐらいの人間だが、優勝の瞬間にファンがどんな風に喜びを表すのか見てみたかった。 試合は5回の途…

月見うどん

身に入むや月見うどんのきみの部分 この間の句会でほめられてうれしかったやつ。これ以外の句はいまいちでした。

ミュージカル『ビリー・エリオット』観劇雑感

『ビリー・エリオット』は2017年の初演から7年ぶりの観劇で、今回は2回観た。 実は1回目、主人公のビリーが明らかに疲れていて、正直ハラハラしながら観た。 この芝居はタップダンス、バレエ、アクロバット、フライング(空中吊り)と高い身体能力が必要な場…

映画「リトル・ダンサー」とミュージカル「ビリー・エリオット」媒体で変わる痛みと希望の描き方

ミュージカル「ビリー・エリオット」を観たので、原作に当たる映画「リトル・ダンサー」(「リトル・ダンサー」は邦題で、原題は「ビリー・エリオット」)も初回上映時ぶりに観た。脚本は映画と同じリー・ホール。続けて観ると、制作側が映画では描けなかっ…

ヴィレヴァンが衰退した理由は品揃えのセンスが悪くなったからなのか?

9月、「ヴィレッジヴァンガードはセンスを売っていたが、そのセンスを継承する社員教育が適切に行われていないため衰退した」という結論に着地する、以下の論考が話題となり、多くの議論を引き起こしていた。 大量閉店「ヴィレヴァン」経営が犯した最大の失敗 …

若い女の子から営業を受けた

この間地下アイドルのチェキ会に行ったら、男に間違えられたようで、それ用の営業を受けた。 グループによってチェキ会のあり方はさまざまだが、だいたい1000〜2000円払ってチェキを撮り、その間に少し言葉を交わす。 ここで演者と積極的にコミュニケーショ…

悲しいので一句

豪雨で東京の電車が止まった夜、一緒に酒を呑んでいた相手に言われたことがショックで、その場で固まってしまった。 その瞬間こそ持ち堪えたものの、翌日になって悲しくなり、久々に道を歩きながら泣いてしまった。 しかし、悲しくてメソメソしている時でさ…

高橋留美子の女の子はよく怒る

阿刀田高編著の『日本幻想小説傑作集 1』を読んだ。 中島敦から黒井千次までという幅広さで、読み応えのある作品ばかりだったが、書き手が全員男性なので、女性の描き方が気になった。 作中で重要な役割を果たす女性が「男性を惑わす力を持つ謎の存在」もし…

cero LIQUIDROOM 20th ANNIVERSARY

1000円で譲りますというツイートを見たのでお願いして譲っていただいたチケットでcero。 よくBGMにしていて、一度観てみたかったけど、曲名と曲は結びついていない程度の知識量で参加したけど、楽しかった。 最初はなんとなくで聴いていたのだが、そのうち奥…

懐かしくて、楽しかった。あの頃と今をつないだBiS "You’ve been cheated"

トー横前広場に作られたライブ会場には、約1000人が収容されていた。関係者スペースや中継用の機材席を含む会場の中は、最後方には少しスペースが残っていて、動けないほどではないけど、前に行こうと積極的に移動することはできないくらいの入り。 しかし、…

金沢観光

ボランティアの前日に金沢観光もしました。 自宅を出て、6時10分ごろに電車に乗ったら、スーツ姿の男性で満席。日本人働きすぎや……。そんなこんなで新幹線で10時前に金沢駅着。 近江町市場→兼六園→いしかわ生活工芸ミュージアム→国立工芸館→石川県立歴史博物…

災害ボランティアで石川県珠洲市に行ってきました

石川県に災害ボランティアに行ってきました。 正月の地震の直後から現地ボランティアの機会を探ってはいたのですが、当初は参加の機会がありませんでした。 石川県が主導している「石川県災害対策ボランティア」は、事前登録したボランティア宛に活動日の1週…

『40歳がくる!』雨宮まみ

40歳がくる! 作者:雨宮まみ 大和書房 Amazon 半年ほど前の発売時、頭痛薬を買うような気分で買った。 当時、あまりにも「生まれてこなければよかった」と思う時間が長いので、このままでは死ぬのではと思い悩んでいた。そんな折、急逝した彼女の本が発売…

美術館や博物館がお得に利用できる「ぐるっとパス」で展示を見たり、昼寝をしたり

利用開始から2か月間、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県内の美術館・博物館などの文化施設の入場料が無料もしくは割引になる「ぐるっとパス」というチケットがあります。正式名称は「東京・ミュージアム ぐるっとパス2024」。金額は2500円。カードかQRコー…

本現場ってこういうことか Ramy T Talata 9th anniversary & Birthday Party YOKOSUKA Bullet's @横須賀 DJ BAR SHELL

2022年の12月、オタクの某さんと呑んでいたら、スマホを眺めていた某さんがいきなり声を挙げた。 なんでも「BELLRING少女ハートvsBELLRING少女ハート '22」をやるという告知がTwitterに流れてきたらしい。 某さんが興奮しているので「そういうの行きたいもん…

5月10日、池袋ミカド劇場SMFesta

池袋ミカド劇場のSMフェスタ楽日。 龍崎紅羽さんの観客調教から観劇。 調教見るのは2回目だが、今回は今までに見たことのないおしおきがあって学びがあった。痛そうだったな…。 Mの中にひとり「先生」とあだなをつけられたおじさんがいて、その人がステージ…

『H2』読み終わった

H2〔文庫版〕 1 (小学館文庫 あI 61) 作者:あだち 充 小学館 Amazon あだち充にはいい印象を持っていなかった。 中学生くらいの頃に読んだ『タッチ』で、話がうまく片付かなかったのか、突如転校か何かで物語から退場させられるキャラクターがおり、脇役にず…

BELLRING少女ハートワンマンライブ「Bad Rich Grumpy Head」@恵比寿LIQUIDROOM

開ヌュで観たベルハーがけっこうよかったので、ワンマンに行ってみた。 2010年代の地下アイドルシーンで抜群の存在感を誇っていたBELLRING少女ハート。 告知でわざわざ「崩壊」という表現を使って解散を選んだあと、There there theres、NILKLYと共通した意…

葵マコ「ブス」2024年4月頭の渋谷道頓堀劇場

葵マコさんの「ブス」という演目は、「ブス」な女の子が周りから馬鹿にされる様を歌う曲で始まる。 最初の衣装はクマの着ぐるみ。巨大なクマの頭を被ったマコさんの顔は、こちらからは見えない。 曲の中の「ブス」な女の子は、周囲から馬鹿にされ、つきあっ…

でんぱ組.incが作った時代

でんぱ組.incが解散する。 アイドル文化にあまり興味がない人にとっては、いちグループの解散に過ぎないと思うけれど、2013年からアイドル文化を見ていたものとしては、ひとつの時代の終わりの印象がある。 でんぱを知ったのは「でんでんぱっしょん」のリリ…

社会通念を根拠にセックスワーカー差別を追認した司法判決 「セックスワークにも給付金を」訴訟レポート

「裁判所こそが不健全です」。 東京地方裁判所西門前で弁護団長・平裕介弁護士は怒りと失望をあらわにしながら言い放った。判決の言い渡しから、わずか10数分後のことだった。 デリバリーヘルスの経営者が「コロナ給付金(持続化給付金および家賃支援給付金…

グレーゾーンに未来はあるか 性風俗と芸能の境界線上で揺れるストリップ(2018.12.28 messyに寄稿)

劇場は、街の人々の居場所だった 「劇場の扉を開けたら、踊り子さんと糸を持ったお客さんが舞台の上に乗ってて。『え?』と思ったらその踊り子さんが『お食べ』ってリンゴをくれたんだよね。一通り観て、それが花電車で切ったものだってわかったんだけど」 3…

ストリップ劇場に女性客が増えている理由を探る~憧れと尊敬、客席の信頼関係(2018.12.14 messyに寄稿)

かつて福島に芦ノ牧温泉劇場というストリップ劇場があり、そこでは「潮吹きショー」を披露する中川マリというストリッパーがいた。体調不良で彼女が現役を退くと共に、芦ノ牧温泉劇場もそのまま閉鎖された。2018年6月のことだ。 2019年2月に、マンガ雑誌『イ…

「ストリップ劇場は女子校みたい」「男の人も踊り子になりたい」劇場は多様なエロとの向き合い方を肯定する場所(2018.12.03 messyに寄稿)

2016年6月、日本のストリップ71年の歴史においておそらく初めて、圧倒的な比率で女性客が男性客を上回った公演がある。 かつて新宿に存在したTSミュージックという劇場での、4人のストリッパーによるチームショーを目当てに、多くの女性たちが足を運んだ。ス…

Burlesque TOKYOに行ってみた

経営者逮捕のニュースで思い出したので記録。 少し前にバーレスクトーキョーにドルオタの知人と行った。 本題に入る前に少し。 バーレスクは芸能のひとつであり、身体表現ジャンルのひとつだけど、バーレスクトーキョーは芸能・表現としてのバーレスクに出会…

現代ストリップは多彩なボディーパフォーマンスの場に 女性たちが憧れるストリップの多様性(2018.11.22、messyに寄稿)

きらびやかな衣装を着て音楽に合わせて踊る女性。会場にはミラーボールや豪華な照明器具があり、ダンサーの姿を美しく照らす。それをキラキラした目で見守る女性たちがいる。 でも、それはアイドルのライブでも宝塚でもミュージカルでもない。なぜなら、ステ…

そりゃみんな好きになるわと思った女子プロレス観戦「STARDOM in KORAKUEN 2024 Feb.2」

やっと女子プロレスを観た。 なぜやっとなのかというと、私がこれまで接してきたさまざまな文化が、しばしばプロレスと交差していたからだ。 梶原一騎とプロレスは切り離せない深い縁があるし、ノンフィクションではプロレスは人気の題材だ。 ももいろクロー…

近くにいても遠い 2024年1月中の友坂麗

久々に友坂麗さんを観たら、見たことのない境地に達していてびっくりしてしまった。 一言でいうと、踊らない、見つめない演目だった。 踊らない、見つめない演目自体は珍しくはないのだけど、友坂さんのステージは初めて観るものだった。 新作の「春よ来い~…