ボランティアの前日に金沢観光もしました。
自宅を出て、6時10分ごろに電車に乗ったら、スーツ姿の男性で席に座れず。日本人働きすぎや……。そんなこんなで新幹線で10時前に金沢駅着。
近江町市場→兼六園→いしかわ生活工芸ミュージアム→国立工芸館→石川県立歴史博物館→金沢21世紀美術館の順序で徒歩での散策。近江町市場は観光客向けになっていて正直退屈でしたが、兼六園、続いての博物館めぐりはとても面白かった。丘一つがそのまま庭園になった兼六園は、加賀百万石という言葉を肌で実感させてくれました。
個人的に印象的だったのは西南戦争の死者の鎮魂のために建てられたというヤマトタケル像と根上松。兼六園自体は江戸期の庭園なのに、ヤマトタケルの像を設立というのは政治的意図があからさま。手入れされた庭園の中で浮いていました。
根上松は土を盛った状態で若松を植え、木が育ったら土を取り除き、露出した根の形状を楽しむというもので、自然の造形から美を見出す力の強さに驚きました。あまり日本スゴイはしたくないのだけど、このセンスはたしかにスゴイと言わざるを得ない。
また、兼六園に隣接したいしかわ生活工芸ミュージアムでは1階がショールーム。2階が解説展示になっていて、石川の工芸を一望することができました。
陶器、漆器、螺鈿、友禅、花火、仏壇、竹細工、ろうそく、傘、獅子頭(獅子舞の頭)、銅鑼、表具、金箔、水引細工などなど全36種。「石川にはすべての工芸があるでは?」と思うくらいの充実ぶり。さすが加賀百万石。
写真は松平定信が書いたという看板(扁額というらしい)です。金箔が名物なので、豊臣秀吉の金の茶室も再現されていました。
いしかわ生活工芸ミュージアムに入場するときに、「チケットを見せるとほかの施設が割引になりますよ」と聞いたので国立工芸館へ。
こちらはいわゆる伝統工芸だけでなく、工芸の技術を用いたさまざまな作品が展示されており、見ごたえがありました。
なぜか鳥モチーフが多かった。
そして、加賀本多博物館と石川県立歴史博物館。
加賀本多博物館は名前の通り加賀藩の歴史紹介。石川県立歴史博物館も石川県の歴史紹介で、興味深く楽しみつつ、特に感情の起伏もなく展示を眺めていました。
ところが、「民族」のコーナーの祭礼体感シアター。これがヤバかった。
真っ暗な部屋に入ると、正面、そして壁の両側に能登のお祭りの映像が流れます。
夜の闇の中で、面をかぶった人々が次々と太鼓を叩く映像。街中で獅子舞が踊る様子を記録した映像。50名ほどの大人数で巨大な山車を引く映像。子どもたちが街中で踊る映像……。
強力な映像と音響が次々と繰り出され、その迫力に圧倒されました。笛や太鼓で奏でられる音楽も気持ちよく、しかも東日本の祭りで聴く音とどこか違う。懐かしいようでいて、奇妙な違和感を感じる音がとても刺激的でした。
音楽、舞踏、映像が好きな人なら必見の空間で、これはどれかひとつでも好きな人なら絶対見てほしい。
映像は様々な地域の祭りを数分ごとに流しており、総時間45分ほどあるらしく、遅い時間に訪れたのですべては体験できなかったのが残念。
最後は金沢21世紀美術館に寄りましたが、すでに閉館が迫っていたので無料で閲覧できる部分だけざっと回り、ホテルに向かいました。
今回は特に予習もせずにもっとも有名な観光地だけを回ってみたのですが、次の機会があれば今回気になった博物館をどんどん回っていきたいと思います。