2012-01-01から1年間の記事一覧
オンディーヌとさかな共和国 (世界の傑作絵本B)作者: フィリップ・デュマ,Philippe Dumas,末松氷海子出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 1981/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る小さい頃に読んで印象に残っていた本が図書館にあったのでつい…
マンガ編集者の回想記は少なくありません。 西村繁男の「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」、宮原照夫の「実録!少年マガジン名作漫画編集奮闘記」、内田勝の「『奇』の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた」、あるいは手塚治虫の担当編集者にイン…
原画展はカラー原稿の部屋とモノクロ原稿の部屋にわかれていた。カラーは連載時の表紙に使用されたものと、近年スポーツ新聞などに寄稿したもの。それにKCスペシャルのために書き下ろされた各キャラクターのイラスト。モノクロ原稿は第1回の原稿と最終回の原…
最近の一部のジョジョファンとかワンピースファンの、いかにもソーシャルな感じが苦手なんだけど、あれたぶん「物語は個人に寄り添うものであるから、その解釈の形は人の寄り添い方の数だけ存在する」というのを否定するようなふるまい方を彼らがするからだ…
最近ツイッターから流れ込んでくる情報が重たくなってきて、こっそり非公開リストを作ったら、登録したアカウントが3つだけになった。そのうち1つはbot。以前ツイッターを立食パーティーにたとえた人がいたが、こうなると仕事の行き帰りの喫茶店で、窓のむこ…
湯前まで行けば川崎のぼるに会えるという情報が飛び込んできたのは、たしか5月頃だったと思う。 ふと「巨人の星」でツイッター検索したところ、「湯前まんが美術館」の中の人による個展の情報がひっかかったのだ。原画展は6月30日から8月31日まで。8月5日に…
バリアフリーフェア主催団体、NPOスクエア連絡会の山本さんと石井さんにインタビューさせていただきました。記事には盛り込めなかったのですが、山本さんのお考えで一番面白かったのは、「ぶらり横浜みなとみらいバリアフリー散歩」に書かれた下記の部分です…
戦時児童文学論―小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って作者: 山中恒出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2010/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (5件) を見る『戦時児童文学論』 小川未明、浜田広介、坪田譲治を中心に、第二次…
中島古書店はお世話になってるメディアで取材したお店です。 関内・常盤町ビルに「中島古書店」がオープン-文芸中心に1,000冊 特に実店舗での経験があるわけでもなく、やりたいから始めたという中島さんは弱冠25歳。思わず「む、無謀…!!」と思いましたが、…
この本に関しては公平に語る自信がないのです。発売前にゲラを見せてもらって、作者であるくぼさんの意図を聞いてしまっているので。カンナ道のむこうへ (Green Books)作者: くぼひでき,志村貴子出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2012/07/01メディア: 単行…
近所の喫茶店の女性店長は、うちの犬を見て「かわいい〜。ハイエナみたい」という豪傑。常連客の飼い犬を「ハイエナ」と形容する大胆さが好きだ。その喫茶店はもともと学習塾だったために、さっぱりした内装で一見して喫茶店とは気がつきにくい。清潔感とそ…
ジャック&ベティに日活ロマンポルノを観に行った。 お目当ては相米慎二の「ラブホテル」。 相米さんの映画はあまり観ていないのだけど、理屈をこつこつ書いていくことで11歳の女の子のぴりぴりした感情を描いていた原作小説に対して、映画でしか出来ない大…
木地雅映子はデビューから一貫してサバイバーを書いている。 あるいは学校に、あるいは家族に殺されないために、少年少女はいかにして生きていくるべきか。そういうことをずっと書いている作家だ。 彼女のデビュー作である「氷の海のガレオン」は、「自らを…
梶原一騎の作品はだいたい主人公が呪いにかかる。矢吹丈は戦いという呪いに、星飛雄馬は父という呪いに取り憑かれてしまったので、どちらの物語も後半は主人公が呪いといかに向き合うかが描かれている。わりと健全な精神の持ち主の伊達直人も、「より多くの…
友人の家に行って引っ越しの手伝いをしてきた。 友人は夫婦で「四季賞クロニクル」を所有していたというオタク夫婦だ。四季賞はアフタヌーンがもうけている新人賞で、松本大洋からひぐちアサまで、様々な作家を排出している。四季賞クロニクルはそんなアフタ…
巨人の星原画展が湯前まんが美術館で開催 サイン会、トークショーも な、なんだってー!! 湯前ってどこ? 熊本でした! 行くのに半日かかるそうです! こ…これは…何を質に入れればいいのかしら…。 ツイッターのフォロワーさんに前日開館予定の北九州マンガ…
この間ウェブデザインや広告デザインを扱われているデザイナーさんとお話しする機会がありまして、その人が「ぼくがやってることは時間をかければ誰でもできると思います」と話されていて、「ああ」と思いました。時間をかければある程度のことはなんとかで…
なんで佐藤紅録なんか読んでるのって、そりゃあ、かの少年マガジン編集者宮原照夫が梶原一騎を「少年マガジンの佐藤紅録になってくれ」ってくどいたっていうあの逸話を聞いたからですよ、はい。 さて、「ああ、玉杯に花うけて」は、誇り高き貧乏人と、人身卑…
更新しそびれているうちにまとまった感想を描く気分じゃなくなってしまったので、行った直後のメモをそのまま。 私は大友克洋詳しい人じゃないので、認識を改めてっていう感じの感動が強かった。一番驚いたのは、「AKIRA」(未読)の原画に手塚治虫遺伝子を…
『増刊ヤングコミック』と青年劇画の世界 ──70年代の劇画誌ブームを総括する劇画狂時代―「ヤングコミック」の神話作者: 岡崎英生出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (5件) を見る例によ…
一昨日の連合赤軍のシンポジウムを改めて思い返し、当日はうまく言語化できなかった違和感について書いておく。 シンポジウムで当事者たちの顔や語りに触れて感じたのは、起きた事件とその影響の大きさに比べ、当事者のひとりひとりがあまりにも平凡だったこ…
連合赤軍のシンポジウムを聞いての帰りがけ、自分が60〜70年代になんとなく心を引っ張られる理由はなんだろうと思い返していた。最初のきっかけは、おそらく中学生の頃に観た「私が愛したウルトラセブン」だ。父が子どものためにと録画してくれたウルトラシ…
少年が青年に変化しつつある時期を演じさせると古谷徹さんさいこう。 そして安彦良和の神経質で色っぽい少年たち眼福。 というわけで若い頃の古谷さんの声が目当てに見始めたガンダムがおもしろいです。テレ玉ありがとう。 ガンダムは監督の富野由悠季自身の…
『グラゼニ』 グラゼニうまいなー。 コマ割がリーダビリティ高すぎて何回でも読めるな−。そしていつのまにか凡田がかわいく見えてくる!ふしぎ! 『こんなこいるかな』系のかわいさ! ところで、『BRUTUS』特集号「マンガが好きで好きでたまらない」で解説さ…
昨日記事書いてたらもう少し考えついたことがあったので、メモ。 アダチケイジの絵がいいということを前回少し書いた。その理由の一つはキャラクターの造形でしっかり人格を表現した上で、うまく表情をつけている点にある。 たとえば、ライバルチームに在籍…
4月28日16:00〜18:00 タイトル:近藤日出造と子供漫画批判 講師:富澤達三(神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、歴史民俗資料学博士) 近藤日出造のことも、大人漫画のこともまったく知らない状態で聴講。いわゆる手塚の潮流の前に、浮世絵ミームを…
なのはな (フラワーコミックススペシャル)作者: 萩尾望都出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/03/07メディア: コミック購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (52件) を見る 萩尾望都の「なのはな」読む。 震災後に発表された、福島に住む少女を主…
最近ツイッター有志の児童書の読書会に行っています。 主催は@ko_ffeeさん、@yasumisuさん、@yamada_5さん。 レジュメをきっちり切ってくるようなまじめなメンズの中でぼんやり聴講している私ですが、あまり普段自分から読まないような本ばかり課題に挙がる…
新日本プロレスがブシロードに吸収→ブシロード一社提供で放送らしいですね。 新日の木谷会長のコメントが笑えます。道楽っぽいなー。ボクの趣味も入っている。個人的にも観たかった」というこの番組。「この中で新日本のCMも流しますし、世間に『プロレスっ…
都市から郊外へ―1930年代の東京 世田谷文学館 2012年2月11日〜4月8日 郊外という言葉にファスト風土的なものをイメージして見に行ったらむかしの田園調布あたりのことだった…。 まあ、それはそれとして。 1923年代の関東大震災によって、都市部から郊外への…