ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

GANG PARADE「GANG 2」リリースイベント@タワーレコード横浜ビブレ店

開始直前に着いたら、私がこの店で見た中で一番というくらい人がいました。しかも若い子や女の子で一杯。本当に売れてきている感があって、なんだかしみじみしました。もちろん姿ほぼ見えず。

 
被せが強すぎて声だけだとピンとこなかったのですが、舞台袖のライブが覗ける場所に移動したら、息のあったダンスとお客さんの顔をきちんと見ながらの楽しそうな表情がとても力強く、アイドルっていいなあという素朴な気持ちになりました。Plastic 2 Mercyのサビで、狭いステージの上をそれぞれが笑いながら飛び跳ねているところとか幸福感がすごい。テラシマユウカちゃん、自撮りはクールだけど笑顔がくしゃっとしてていいですね。ノンMCなのも印象的でした。もう担当とかいう時代ではないのか。

 

GANG2は「大なり小なりの針の山」の韻や「幾多のドラマから選択を迫られて」の「た行」の連続など聴き心地の良い言葉選びと、悩みを率直に出しつつ前を向く歌詞が、シンプルな曲調にうまくはまってて、かなり好き。今までの曲って前のめりすぎて、年齢的にちょっと気持ちを乗せづらいところがあったのですが、いい意味でスッと入ってきて長く聴ける曲になってると思います。


舞台袖だったため、ライブ後にメンバーが一旦控え室にはけていくのが見えたのですが、見守るオタクを振り返ることもなく荒い息のまま通り過ぎていったのを、楽しそうに観ていた高校生くらいの女の子たちが「ちょっと怖い」と言っていたのが逆によかったです。

p.s イベント後に公開されたインタビュー3本、それぞれとてもよかったです。一致団結して振付を揃えていくところから一歩先に進んで、今はお互いの個性を活かせるようになったという話が素敵。

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GANG 2

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GANG 2 [CD+DVD](初回限定盤)

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O’CHAWANZ 「TRAILER 1」 リリース記念インストアイベント@タワーレコード渋谷店6階

記憶も薄れてきたころですが備忘録的に。

 

のんのんれめるちゃんが辞めてどうなるのかと思っていたO'CHAWANZ。新メンバー募集かけてたなと思ったら、いつの間にかWEST SIDE PRINT CLUBがスタート。そのWEST SIDE PRINT CLUBには彼女のサーブのあおぎさんがゲスト参加し、結局WEST SIDE PRINT CLUBのメンバーでO’CHAWANZを再開することに。SALさん、相変わらずゆるいな~。


WSPC / WEST SIDE PRINT CLUB


I・YA・DA / O'CHAWANZ

タワーレコード渋谷店のヒップホップコーナー奥がリリイベ会場。スペースいっぱいになるくらい人が集まっていてちょっとびっくりしました。

 

ライブはあおぎさんを加えてWEST SIDE PRINT CLUBをやってからO’CHAWANZという流れ。

 

「音が大きすぎて、かぶせじゃないのに声がちゃんと聴こえない」というゆるさでした。ただ、MATのしゅりちゃんとコラボしたという曲は音量も適切で、今風の音に「おっ」となりました。ららちゃんのポエトリー力が生きていた。ほかはわりと盛り上がりを重視する曲だから音がでかくなりすぎてしまったのか……。

 

MCでららちゃんがあおぎさんの趣味を聞いたところ、キックボクシング(たしか)だというので実演の流れになったところ、あおぎさんがステージから落ちてすごい音がして一見場が凍るというハプニングもありましたが、大事に至らず最終的にはゆるい空気のまま終了。

 

全員「アイドルでてっぺん取る!」というタイプではなさそうなので、これくらいゆるいのがいいのかな。とはいえ、集まった人の数に驚いて、喜んでいるメンバーにはほっこり。アイドルにもいろんな形があるなと実感した夜でした。

EPISODE V

EPISODE V

 

 

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チームamiinAは絶対に私たちを裏切らない/amiinA 1st one man LIVE 『Griffonia〜World of the beginning〜』

amiinAワンマン、本当によかったですね……。

ワンマンって、楽しみは楽しみだけど、だいたい謎の緊張感あるじゃないですか。

この人たちは自分の期待を超えてくるのか? あるいは、ここにいる皆を楽しませることができるのか? とかいろいろ。

節目のライブしか観てないライトなオタクだからもあるとは思うものの、この日の開演前にそういう不安は一切なかったし、パンパンになったフロアも純度の高い期待に満ちていたと思います。

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開始前、舞台にはamiinAの文字が白で書かれた薄いスクリーンが張られて、ステージは見えず。

スクリーンが上がると、ステージの中央頭上には白い円、左手には稲妻モチーフ、右手に樹の枝モチーフがのびる真っ白なセットが目に入りました。

この不思議なセットはVJを映すために用意されたもの。巨大なミラーボールのようにも太陽のようにも見える円の中に、曲に合わせて時計、惑星、地球など様々なイメージが投射されていきました。それらの多くはamiinAがこれまでずっと提示して来た「旅」というコンセプトを想起させ、森林や宇宙、青空といった壮大なモチーフの間を少女二人が駆け抜けていく画がとても美しかったです。

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※終演後写真です

VJの作り込みもすばらしく、ピアノの音に合わせて少しずつ映像全体の色が変わるなんて箇所も。サビや転調だけでなく、一音一音に沿って演出するとは……。

この演出によってamiinAの描きたい世界がよりはっきりして、帰りに改めて曲を聴き直したくなりました。

その効果が最も発揮されていたと思うのが少女の無意識の世界を歌ったmonochrome。

最初は円の中に左右対象のコントラストになった白黒の帯がコマのように回っています。これは「鏡に映るこの姿『本当なの自分?』」という歌いだしと、2人が手を合わせながらお互いの挙動を伺うように見つめあうダンスとシンクロしていました。

自分の心の中を探るような歌詞に沿った、お互いが鏡の中の自分を追いかけるようなダンスが続いた後、曲の転調でパッとamiちゃんはフロアの方に顔を向け、反対にmiyuちゃんはフロアに背中を見せます。

こちらを振り返った瞬間のamiちゃんの、何かに気付いたようなハッとした表情。

その表情に合わせるかのように、これまでシンプルな白黒の幾何学模様で構成されていたVJが、割れたシャボン玉のしずくが飛び散ったような不定形なシルエットに変わりました。

無意識の世界に潜んでいた自分自身の姿を少女が受け入れ、溶け合って新しい姿が生まれる……。そんな物語が頭の中にあざやかに浮かびました。

少女の内面世界というとても抽象的なものを、こんなに明快に表現できるアイドルグループがはたしてほかに存在するでしょうか? 音楽とダンスと演者と映像のすべてがしっかりと絡み合うことによって生まれる表現は、作り手が自分たちの作り出している世界をしっかり理解したうえで、よほど到達点を高いところに持っていないと出来ないはずです。

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ライブ全体の構成も見事で、「この真っ白いキャンバスには皆で絵を描かなくてはいけない」というような歌詞のovertureから始まり、「連れてってよボーイ」というサビが印象的なJubileeから、すべてをダンスで表現するインスト曲Valkyrieで前半が終了。

幕間に二人の歴史を記録した映像の後、2019年2月10日の赤坂BLITZワンマンの発表が映像で流されます。ひとしきり沸いたところで、後半はRun Blueからスタートし、最後はCanvas。そして、アンコールは再びJubileeで締め。セトリはamiちゃん、miyuちゃんが考えたそうですが、淀みない気持ちのいい流れでした。

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演出はもちろん、amiちゃんとmiyuちゃんの成長がすごかった!

コンテンポラリーダンスに近いamiinAの振り付けは、両腕をこれ以上なく大きく振り上げるし、足下も細かにステップを踏み続けます。身体も気持ちもゆるむヒマのない相当な運動量のダンスに、終始踊りながらの生歌なのに、しっかりと歌詞の世界が伝わります。そして、柔らかい笑顔の合間に、時折ふっと見せる高校生らしい凜々しい美しさや、パフォーマンスだけでなく言葉からも伝わる力強さ。

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amiちゃんは初めて見たWonder Traveller!!!3でも、その後のmiinaちゃん卒業ライブでも、Wonder Traveller!!!4でも、5でも6でも泣いていました。人前で嘘偽りのない感情をそのまま表に出す、幼いとも言えるくらいの素直さがamiちゃんの魅力で、運営チームもオタクも、ずっとそれを微笑ましく見てきたはずです。

でも、この日の彼女はMCで「私は狼に例えられるじゃないですか」という前置きとmiyuちゃんに対する感謝の言葉を述べた後、「強くなりたいから、もう泣きません!」と宣言。

そして、赤坂BLITZでのセカンドワンマンを、「発表がありましたが、今日はこのライブに集中したいので!」と言い切る姿がとても力強く、素直さはそのままに、これまで抱えていた幼さをキッパリ断ち切っていました。

一方のmiyuちゃんは手紙に「初めて舞台に立った時にamiちゃんが自分を支えてくれた」話や、「泣かないで終わった曲は一曲も無い」というレコーディングの話。これからのamiinAの話をしてから、「私はステージの上で泣いたことがありませーん!」と笑いながら締めてくれました。

miyuちゃんが舞台の上で、「ハグしよ?」と呼びかけ、一瞬からかわれてるのかと警戒したamiちゃんが、結局照れながらもmiyuちゃんに抱きつく姿がとても美しかった。

この健やかさ自体がamiinAの魅力で、心から応援出来る理由なのだと改めて思いました。

普段はあんまり「売れてほしい」とか言わないし、書かないのですが、アイドル界の希望の象徴として、amiinAのことをもっと多くの人に知ってほしいと改めて思いました。

だって、やっぱり若い子が理不尽な目に遭わされてるの見ると、アイドルなんてロクでもない芸能だって思っちゃうじゃないですか。

でも、amiinAは2人の健やかさを損なわないまま、アイドルという形式がなしえる表現の最高峰を目指していて、ちゃんとその壮大な未来を客に信じさせている。そんな難しい、純度の高いこと、どんな大手だって天才少女だってなかなかできないことですよ。

私はamiinAをもっとアイドルに興味のない人や、小さな子供にも観てほしい。

彼女たちは誰かの憧れや夢を背負う力強さのあるグループで、未来に対する指標になる存在だと思うから。

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その他、上に入れ込めなかったあれこれ。

・後半の一曲目はしっぽをつけてのRun Blue。amiinAはダンスが激しいからしっぽが取れてしまうので普段はつけないのですが、どうしてもやりたくて後半一曲だけつけて登場したのだそう。実際この日も途中で取れてしまったそうです。役目を終えたしっぽをぽいと舞台袖に投げ捨てるmiyuちゃんになんか笑いました。

・今の曲が激しすぎて初期曲のダンスが省エネに見えました。

・signalの「本当の歌選んだからここにいる」のmiyuちゃん。いつ聴いてもグッとくるけどこの日はちょっと泣きました。

・Wonder Traveller!!!はアンコール無しなので、セトリを考えたという2人が「あるか不安だったけど、アンコールありきで考えました!」と話していたのが可愛かった。

校庭カメラガールのキラーチューンの作曲者・TESSEI TOJO曲のUnicornでめちゃくちゃ踊ってしまった。bounce(コウテカ提供時の名義)曲に飼いならされている……。

・きゅうりと野菜が積み上げられたプレゼントボックスくだらなくて笑いました。松村さんのイラストに気がつかなかったの残念。

amiinA主催の後にアエロさんに会うと「どんだけ魂込めて仏像彫ってるか」みたいな運営チームいい話聞けるのがうれしいです。「アエロさんに会って話聞くまでがamiinA」みたいなとこある。

・VJ担当のTONTONさんはパリピ向けのパーティーでも活躍する国際的VJなのだとか……。すごい。sora tob sakanaのVJも担当しています。

VJ TONTON | clubberia クラベリア

・私は後ろで観てても全然不満ないし、モッシュとかも否定的じゃないタイプだけど、今ちょっとフロア激しいので、女限というよりか、まったりゾーンはあってもいいのかなと。ダンスじっくり見たい人もいると思うので。

 ↓昔書いた関連のエントリで、わりと節目の出来事を描いているかなと思うもの。

hontuma4262.hatenablog.com

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街の話をした

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横浜で働いている時に出会った人で、とても尊敬している人がいます。今でも横浜を拠点に活動しているその人に、5年ぶりくらいに会いに行ったら、活動場所に「ルポ川崎」が置いてあって「おっ」と思ったんですよ。

いかにもその本が似合う人だから。

所用あって街の昔話を聞きに行って、いつも通りとても面白い話を教えてもらいました。そのうち、いつのまにかラップの話になって、いつ会っても教えてもらう存在だった私がその人にいろいろ話をすることができたのがとても楽しかった。

フリースタイルダンジョン見てるよ」「でも、マッチョな世界だよねえ」「FUNIはうちに来たことあるよ。この本の中でもFUNIだけポロシャツで、普通の人っぽいよね」「サイプレス上野って高山さんとやってた? あれは面白かった。それで、サイプレスは覚えた」「いつかサイファーに行ってみるのが目標なんだけど、関内サイファーとか桜木町サイファーとか、2013年くらいで止まってるんだよね。横浜サイファーも今日はやりませんとか」

 

「FUNIさん、ラップうまいんですよ」「BADHOPはすごいんです」「ワーグナープロジェクトのサ上とロ吉はよかったですね。彼ららしくて」「サイファー続けるの大変ですからね。よかったら私の友人たちがやってるサイファーに来てください……」。

 

サイプレス上野はドリームハイツ出身なんです」と話したら、「ドリームハイツは呼ばれて行ったことがある。あそこは面白いところで、ドリームランドの跡地はほんとは別のもの(駐車場だったかな?)になる予定だったのに、地元のおばちゃんが買い取って墓場にしたんだよ」と。

あ、それって

 

ドリームランドの街で暮らす

ボロボロのスニーカーラップ

汚れることだけが自慢の仲間

でも大丈夫すぐ側は墓場

 

のあの墓場ですね。

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私はその人の街や人に関する考え方にとても影響を受けているので、お互いの会話の中に出てきた人物や風景が交差したことが、とてもうれしかったんですよ。

ART LABO OVAの蔭山ヅルさん、ありがとうございました。

独自の遊びを開発し続けるオタクラップイベントTINPOT MANIAX vol.5はこの日も世界で一番だった

川崎駅のアニソンバーで、高野政所さんのDJと丸省さんのアオリに乗って、オタクがどんどん半裸になっていく。勝手に脱いだり、脱がされたり。

ほとんどサバトみたいになったそのフロアは、どう考えてもその日の「世界で一番」だった。

2018年3月で第5回を迎えるTINPOT MANIAX vol.5は、MAZAIRECORDSのほぼオールスター戦だった。運営がサイファーで集めた仲間にどんどんラップを書かせてレコーディングさせるから、ライブの演者は身内だけで5人にのぼっていたし、ゲストも豪華だった。

メジャーデビューと単著出版の経験もある高野政所さんと、TBSラジオの夜の時間に出ちゃうMETEORさん(青い果実名義)。そして、現在は月一でRAP酒場の運営などに勤しむ丸省さんによるORETACHIだ。

私も政所さんの「【ドキュメンタリー】DJって 何考えて曲かけてんの?」を読んで、DJタイムを楽しみにしていた。

t.co

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前科おじさん

前科おじさん

 

イベントはいつも通り、ドクマンジュくんのビートライブから、ヤボシくんの開会のあいさつではじまった。前日にお腹を壊したせいかちょっと元気のないヤボシくんによるアナーキーの物まね(すべった)から、「最近あんまり笑えることないなって人は、今日は笑って帰ってください」というあいさつ。

ライブはuglinexくんからスタート。演劇やってて、音楽にも勉強熱心なアグリくん。終了後の呑み会ではいまいちだったと落ち込んでいたけど、声の通りの良さや立ち居振る舞いの照れのなさはさすが。

uglinex「Afterburn」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

お次のMANOYさんは自己紹介ソングからZOZOTOWNの歌。そして「駅から近いところに住む!最低でも徒歩5分!」という強烈なフックの曲で、ILLな空気を出していた。最初の頃に作っていた曲はけっこう言葉遊びの多いdis曲だったので、いい意味でストレートな内容を面白がっていたら、リスペクトYoung Hastleということで納得。

それにしても、最初の楽曲制作で悪口や自虐を作る人の多いこと。MAZAIRECORDSの特徴なのか、ホップホップの特徴なのか。

お次は前回に引き続きのダンスバトル。ジャバラさんの試演からのダンスバトルだけど、ちょっと中身を再現するのもばかばかしいような内容だったので手元のメモでご容赦を。

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しかし、「みんなうまくなってダンスバトルがつまんなくなってきたから、次はちゃんみなみたいに踊りながらラップするとかになるかも」というドクマンジュくんの言葉はほんとマザレコのイズム。

奇怪な動きを繰り出すオタクを見守っていると、ゲストの丸省さんらが入ってきた。

バトルが終わり、お次は「アニメだろうがニコ生だろうが画面の中!」「年下の女の子声優にお熱になっちまったら終わりや!」というフックが光るオラディーさんのライブ。テーマの共感度の高さもあって(?)、明るく盛りあがっていた。

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そして、イベント直前にアルバムをREVLIGHTをリリースしていたヤボシキイくん。ヤボシくんのライブを観るのはもう4回目くらいなのだけど、この日の照れを排した叩き付けるような歌い方に驚いた。彼の言葉選びは、アニメ的な物語調のキザさとオタクの照れを含んだスラングが混在している。それはともするとパロディっぽくなってしまうのだけど、この日はマイクにちゃんと感情が乗っていて言葉が説得力を持っていた。自分の力を出し切って歌うというのは、なかなか出来ないこと。続けているとそういうことが出来るようになるんだという事実と歌詞の真摯さにグッときてしまった。

mazairecords.bandcamp.com

ライブが終わって高野政所さんのDJへ。サイドMCの丸省さんが合いの手を入れながらDJを盛り上げていく。FUNKOTを日本に広めたパイオニアと呼ばれる政所さんだけど、選曲は多彩で嵐のREMIXなんかもガンガン入る。

猿のように飛んだり跳ねたりするオタクを観て、丸省さんがアオリを入れる。

「さっきダンスバトル観たけど!みんなすごい心を解放してておじさんキュンとなっちゃったよー!」

「みんな俺たちに優しいなーーー!!」(盛りあがってくれるから)

「お前たち、知らない音楽で踊れる遊び方のプロだぜ!!!」

DJ中、なぜか誰が脱ぎ出したのにつられて、どんどんみんなが服を脱いでいく様がめちゃくちゃアホすぎて、正しい同調圧力で、何か感動してしまった。高まったオタクが服を脱いでいく現場、いったいいつ振りだろう。しかも、周りだいたい知り合いなもんだから調子に乗ってメンズ全員ほぼ半裸という状態になってしまった。

DJ終わった後のマザレコメンバーの「いやー、これはヤバいね」「池袋BEDの、警察来た!やべー!みたいの憧れだったからね-」にも笑ってしまった。パーティーが過ぎる。

感動的なDJの後はヒップホップ大喜利

3人1組で行う大喜利で、お題は「一般人が知らないラッパー界のルール」「KEN THE 390の次の客演」「気持ちがレイムじゃ○○になれない」「ラッパーがTwitterで炎上した。なんて書いた?」「ちくわをクールなアイテムに変身させなさい」などなど。

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記すまでもないくだらないアンサーの連続だったけど、途中から誰かが「キッド・フェ○チオ」と言い出して、「亀○・フレシノ」などの下ネタを繰り出してから、METEORさんが「ザ・チ○ポ」しか言わない人になってしまった。

そのMETEORさん、回答を終えてから「実は、『ザ・チ○ポ』『ザ・ウ○コ』『ザ・マ○コ』って言っときゃいいだろうって思ってたんです。そんな風に見下してました!ごめんなさい!」と謝罪していた。

大喜利が終わって、あらいぐまMCさんのライブはフリージャズの音色に合わせたアブストラクトで無軌道なラップ。大柄な体躯で「1000円ちょうだい!」「バーニラ!バニラ!」などと叫ぶさまは、なんだか悲しい怪獣のようだった。

いきものの記録(track3[:バイト、track4:JAM2 ) by あらいぐまMC | Free Listening on SoundCloud

ジャバラさんは「ちゃんとしたヒップホップをやります」という前置きからの入り。ジャバラさんもヤボシくんと違った意味でたいがいキザなんだけど、ここを押せば盛りあがるというのをつかんだライブで、ちゃんとかっこよさに対するこだわりが形になっている感じ。最後の方でドクマンジュ、ヤボシキイを加えてやったチルなトラックに会わせて「寝て起きる!寝て起きる!無敵の三本ペニス」というフックの曲がマザレコらしかった。

TINPOT MANIA「OTK HUSTLER PT.2」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

そして、ORETACHIのライブ。

これまでのイベントの流れに答えるようなアツいライブと爆笑エモMCをかましてくれた3人。セトリは覚えていないけど、METEORさんのマイクに全体重を乗せるような動作も、丸省さんの高い声のアオリも、政所さんのDJとちょっと投げやりなツッコミも間違いなかったこんなにパーティーの本質を凝縮したような人たちがこの場を心から楽しんでくれて、最高にバカな遊びに参加してくれたというのが優勝でなければなんなんだ。

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しかし、ワンパク村で観たときも思ったけれど、ORETACHIのMCは話芸として密度が濃すぎて書き残せない!

umaneco presentsおいでよ !ワンパク村!~クリスマスだよ全員集合~で、もつ酢飯ライブ納めをしました - ホンのつまみぐい

最後のドラムのないビートだけでラップさせる「地獄のオープンマイク」ではヒシヌマくんのFUKUSHIMAギャグに笑い、METEORさんの「独自の遊びを開発しろーーー!!!!」のパンチラインにうなずいていた。

「独自の遊びを開発」って、完全にチンポマニアックスのことだ!

マザレコのメンバーはチンマニとかチンポジムのことを「公園の砂場遊び」と言う。でも、この公園の砂場遊びは何の前触れもなく「この日の世界で一番」をかっさらっていく。

かつて里咲りさ(現:Pinokko)は「いちばん面白いことは観客が20人しかいない時に起きるんだ」と言った。もっとスカした言い方だと「革命はテレビに映らない」というやつだ。

都築響一 里咲りさの姿勢に感銘を受けた話

その「いちばん面白いこと」がマザレコのイベントにはあって、それは本当に奇跡的なことなんだと思う。

→→→→

ちなみに、クラブイベントじゃないけれど新しい悪ふざけも予定されているので、ラップ一回やってみたいけど、サイファーとか敷居が高いという人はぜひ!

 これまでのイベントの歩み

 

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関係者インタビュー

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最近

 

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ここ数ヶ月のライブの感想を読み返していたのですが、どの現場でもどこか気乗りしていないことが多い。

「ライブを観る」というのは、誰かの生き様を目の当たりにすること。

それなりの回数や年月見てきた人の変化や戦いを目にすると、その成否に関わらず自分の停滞ぶりに不安を感じてしまうからではという結論に達しました。

安定と停滞は違う。

自分で自分に納得いくまで、現場を減らそうと思います。

さすがにamiinAのワンマンは行きますが。