ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

lyrical school「WORLD’S END」リリースイベント@CUTUP STUDIO→RAP酒場もつ酢飯@Dimension

 

私のアイドルラップの基準が完全にtofubeatsとE-TICKET PRODUCTIONであることを差し引いてもらっていいのですが、実は新生リリスクの新曲MVが出るたびに「なかなかいいけど、PARADEやプチャヘンザを超えてこないな」と思っていたのでした。

 

実際、ポップスとしてのパンチ力についてはtofubeatsプロデュースって抜けてると思うので、その意見を大きく修正するってわけじゃないんですが、それを念頭に置いても今回のアルバムって断トツでいいんじゃないでしょうか。MVではちょっと物足りないと思った曲も、アルバム1枚の流れの中ではむしろ落ち着いた存在感を発していて、ジャケのデザインも含めてトータルでの完成度が高い。

 

 

WORLD'S END

WORLD'S END

 

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メンバーのラップスキルがあがったことによって「消える惑星」のような夜が似合う曲がすっと耳に残るようになって、これは今までのリリスクにはなかった個性ですね。チルなビートの「常夏リターン」も、くだらない言葉遊びの最後に、急に古風なリリシズムがはさまるという歌謡曲的なバランスの良さが楽しい。

 

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リリイベはもつ酢飯のライブと同日の6月20日、渋谷タワレコCUTUPSTUDIOに行きました。

 

メンバーはサングラスにTシャツで登場。途中でサングラスを外すスタイル。「常夏リターン」の「二度と買わない人プチャヘンザ」を聴いてやっぱりrisanoちゃんいいなと思ったり、「Hey! Adamski!」でのhimeちゃんの「とにかくパーティーを続けよう パーティーを続けよう ずっとずっとその先も今が続きますように」を聴いてぐっときたりしました。ここだけじゃなく、himeちゃんのラップの説得力というか、言葉を人の心に置いていく力の高さってすごいですよね。

 

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メロウな曲が続いた後の「そりゃ夏だ!」のアッパーな盛り上がりが印象に残りました。

 

tofubeats曲、やっぱりアイドル楽曲として強い。誰の耳でも追いつけるビートを作っている感じだし、「女の子が口にしたらかわいいだろうな」って言葉を選ぶのがうまい。オタクが「そりゃ夏だ!」とか「めっちゃかっわっいー!」とかコールできるようにしてくれるのもずるいな……。ラップやクラブミュージックが好きじゃなくても楽しく聴けるし、乗りやすい曲。

 

後ろにもつ酢飯が控えていたので、特典会は出ずに退場。

 

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RAP酒場には先日マザレコの新しいラップ練習会に遊びに来てくれたもるがんさんが来ていました。マザレコ呑みの席で聞いたところ、彼女はバトルをきっかけにもつ酢飯にたどり着いてくれたそうで、動画でのバトルのチェックはもちろん、ライブもわざわざもつ酢飯目当てに来てくれているそう。

 

最近はありとあらゆるところで、バトルブームの終焉を感じているのですが、巻いた種はちゃんと育っている感じで、もつ酢飯になる前から二人を観ている側としてはうれしかったです。

 また実はもつ酢飯最古参(デビューライブ観覧者)の猫まみれ太郎くんが来ていたのも面白かった。猫くんが主催してくれたサイファーも楽しかったな。しかし、彼がコンスタントに舞台に立つ側になったのはちょっと意外で、人の縁って面白い。

 

ライブは「もつ酢飯のテーマremix」からの始まり。ビートはもちろん、歌詞が大幅に変わっていました。

もつ酢飯「もつ酢飯のテーマ」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

服装の黒歴史ソング「ブラック・リフレクション」がウケてたのが何だか面白かったのと、息の合った合間のMCにほっこりしました。

 

2人とも本人いわく「運動神経がない人の動き」なんだけど、それがそのまま滑らかになってるのがちょっと笑えて、でも、どこか華が出てきたという感じもあり。ライブを重ねてきた成果が出てる。

 

そして、半年ぶりに会ったワッショイサンバちゃんがとてもキラキラしていたのにほっこりしました。

 

彼女は昔よく「コンテンツになりたい」と話していて、老婆心ながら「危なっかしいことを言う子だな」と思ってましたし、何となく所作に焦燥感を感じさせるところがありました。でも、この日は「But,無理 is よくない」の「like a コバーン27で死にたい but 早死の努力はしない」とてもポジティブに響いて、気持ちがすっと入ってきました。きっと、ライブを自分のために楽しんで、なおかつお客も楽しませるということが出来るようになっているのだと思う。

 

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ちょっと話した感じ、私生活ではいろいろ苦労もあるそうですが、たとえ時間がかかってもそれを前向きに変えていける聡明さが彼女にはあると思います。頼りになるMCムノウという相棒もいることだし。

 

夏を目標にEPを制作しているそうなので、リリパには前回以上にいろんな人に来てほしいな。

 

そして、この日も丸省さんがゲストライブ中に誰より楽しそうに踊っていて、流行り廃りに左右されない場を作るのはこういう人だよなとしみじみ思いました。

 

 

https://twitter.com/hontuma/status/1009769966801858561?s=20

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ヌード展で思い出した「ストリップは芸術」という不思議な表現 @横浜美術館「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」

評判通りの面白さでした。

 

かつてヨーロッパには「これは裸ではなくヌードである。ヌードにおいては、ポーズは挑発的でなく、背景は日常的でなく、モデルの顔は個性的であってはいけない」という口実があり、タブーである裸を描くために、神話の世界が利用されていたという背景があるのだとか。

 

ヌードという言い訳を前提として裸を描く時代から、人々の日常にある全裸を描く人々が現れる過程がわかりやすく可視化された前半から、人種や性別、立場による裸の扱いの違いを暴いていく後半というのがおおまかな流れ。絵画・写真・立体と、それぞれの表現の違いも面白かったです。

 

直接的なエロティシズムを感じる作品は少なかったけれど、六本木の蜘蛛「ママン(MAMAN)」の作者ルイーズ・ブルジョアによる絵画が、なぜか生々しい性を喚起させました。

 

個人的に印象に残ったのはフレデリック・レイトン 「プシュケの水浴」(1890年発表)です。いかにも全裸を描くために神話の形をとるしかなかった時代に描かれた画なのだけど、このプシュケが先日拝見したストリッパーの渚あおいさんにそっくりなのでした。

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髪形も、小ぶりな乳房も、ナルシシズムにあふれた微笑も、もう渚あおいが白人になったのかってくらい。今までの私だったら「こういう芸術っぽい全裸つまんないな」って思ったはずだけど、「あっ、こういう裸体この間見たわー」って思えたのは大変よかった。

初めてストリップを観た人はよく「ストリップは芸術」と言うんですが、それはこういう神話的な図像が人々の中で芸術とされていることと関わりがあるのではないかと思うと面白いですね。

ヌード絵画の有り様を芸術と思っているからこそ、バシッとポージングを決める踊り子さんのことを「芸術」と表現する。

ただ、「芸術」という言葉を用いることで裸体を特別視することは、裏返すと女性の身体をタブー視する目線が私たちの中に組み込まれていることの証明でもあるんじゃないかなというもやもや感も……。

もちろん、見ている方は美しい肢体を維持し、ポーズやダンスを繰り出す踊り子さんへの敬意を込めてその言葉を使っているのでしょうが。うーむ。

芸術新潮 2018年 04 月号

芸術新潮 2018年 04 月号

 

 

川崎駅の東と西

SPECIAL OTHERSを観にラゾーナ川崎に行った。

 

ラゾーナは川崎駅西口にある神奈川県屈指の巨大ショッピングモールだ。

 

休日ともなると市外どころか県外からも大量の人が訪れ、多くの家族が車で出向いて買い物をし、フードコートでご飯を食べて帰る。

 

でっかいモールの中央にある屋外広場は、屋根の着いたステージを円形の人工芝が取り囲んでいて、スペアザファンだけでなく、買い物を終えたであろう多くの家族が集まっていた。

 

芝の上で走り回る子供と一緒に聴くアコースティックのSPECIAL OTHERS。これがよくないわけがない。スペアザファンも通りすがりのお客さんものんびりと音を楽しんでいて、まるで楽園にいるようだった。

 

スペアザのファンは「地に足の着いた音楽好き」という雰囲気の人が多く、品のいい素朴さにあふれている。きっと、今までもこれからも同じように彼らの作る音楽と過ごしていくのだろう。普段はうっすらと焦燥感の漂う地下アイドル現場やクラブにいるせいか、その翳りのない幸福感が強く沁みた。

 

一方で、ラゾーナの出来る前、もう15年ほど昔に川崎駅東口側のテナントで働いていた自分としては、ちょっと複雑な気分にもなった。

 

東口側はBADHOPの生まれた川崎区側。つまり、ガラの悪い方だ。区の境は京浜東北線の線路に沿って引かれていて、東口は川崎区、西口は幸区(さいわいく)にきっぱりとわかれている。

 

働いていた頃はビル周辺の様子しか知らなくて土地の特徴には疎かったけれど、たしかに昔も今もどこか散らかっていて、翳りのない場所とはお世辞にも言えない。

 

その後、私は同業界の別業種につき、改めて東口のお店にうかがうことになった。東口の店にとってラゾーナ出店の影響は大きく、店舗ごとの自助努力では補いきれないものがあった。ラゾーナの出店だけが理由ではないだろうが、かつてお世話になった店舗の中には、閉店したところもあれば、親会社が変わったところもある。

 

仕方のないことではある。私だって子供がいたらラゾーナの芝生で遊ばせるはずだ。ちょうどいい値段設定の店が一つに集まるモールは便利だし、この日だってシャツを2枚買った。行き届いた使い勝手のいい店に人が集まるのは当たり前のことだ。

 

でも、ルポ川崎のトークイベントで聞いた「川崎の不良は『ラゾーナとか雑魚っすよ』と言う」話にも、少しだけ共感してしまうのだった。

 

優しいけれど緊張感のあるアコースティックを聴き、幸せそうな顔でくつろぐ人々を観ながら、ショッピングモールでは歌われないであろう音楽のことが、頭の隅に居座っていた。

 

ルポ 川崎(かわさき)【通常版】

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GANG PARADE「GANG 2」リリースイベント@タワーレコード横浜ビブレ店

開始直前に着いたら、私がこの店で見た中で一番というくらい人がいました。しかも若い子や女の子で一杯。本当に売れてきている感があって、なんだかしみじみしました。もちろん姿ほぼ見えず。

 
被せが強すぎて声だけだとピンとこなかったのですが、舞台袖のライブが覗ける場所に移動したら、息のあったダンスとお客さんの顔をきちんと見ながらの楽しそうな表情がとても力強く、アイドルっていいなあという素朴な気持ちになりました。Plastic 2 Mercyのサビで、狭いステージの上をそれぞれが笑いながら飛び跳ねているところとか幸福感がすごい。テラシマユウカちゃん、自撮りはクールだけど笑顔がくしゃっとしてていいですね。ノンMCなのも印象的でした。もう担当とかいう時代ではないのか。

 

GANG2は「大なり小なりの針の山」の韻や「幾多のドラマから選択を迫られて」の「た行」の連続など聴き心地の良い言葉選びと、悩みを率直に出しつつ前を向く歌詞が、シンプルな曲調にうまくはまってて、かなり好き。今までの曲って前のめりすぎて、年齢的にちょっと気持ちを乗せづらいところがあったのですが、いい意味でスッと入ってきて長く聴ける曲になってると思います。


舞台袖だったため、ライブ後にメンバーが一旦控え室にはけていくのが見えたのですが、見守るオタクを振り返ることもなく荒い息のまま通り過ぎていったのを、楽しそうに観ていた高校生くらいの女の子たちが「ちょっと怖い」と言っていたのが逆によかったです。

p.s イベント後に公開されたインタビュー3本、それぞれとてもよかったです。一致団結して振付を揃えていくところから一歩先に進んで、今はお互いの個性を活かせるようになったという話が素敵。

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GANG 2

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GANG 2 [CD+DVD](初回限定盤)

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O’CHAWANZ 「TRAILER 1」 リリース記念インストアイベント@タワーレコード渋谷店6階

記憶も薄れてきたころですが備忘録的に。

 

のんのんれめるちゃんが辞めてどうなるのかと思っていたO'CHAWANZ。新メンバー募集かけてたなと思ったら、いつの間にかWEST SIDE PRINT CLUBがスタート。そのWEST SIDE PRINT CLUBには彼女のサーブのあおぎさんがゲスト参加し、結局WEST SIDE PRINT CLUBのメンバーでO’CHAWANZを再開することに。SALさん、相変わらずゆるいな~。


WSPC / WEST SIDE PRINT CLUB


I・YA・DA / O'CHAWANZ

タワーレコード渋谷店のヒップホップコーナー奥がリリイベ会場。スペースいっぱいになるくらい人が集まっていてちょっとびっくりしました。

 

ライブはあおぎさんを加えてWEST SIDE PRINT CLUBをやってからO’CHAWANZという流れ。

 

「音が大きすぎて、かぶせじゃないのに声がちゃんと聴こえない」というゆるさでした。ただ、MATのしゅりちゃんとコラボしたという曲は音量も適切で、今風の音に「おっ」となりました。ららちゃんのポエトリー力が生きていた。ほかはわりと盛り上がりを重視する曲だから音がでかくなりすぎてしまったのか……。

 

MCでららちゃんがあおぎさんの趣味を聞いたところ、キックボクシング(たしか)だというので実演の流れになったところ、あおぎさんがステージから落ちてすごい音がして一見場が凍るというハプニングもありましたが、大事に至らず最終的にはゆるい空気のまま終了。

 

全員「アイドルでてっぺん取る!」というタイプではなさそうなので、これくらいゆるいのがいいのかな。とはいえ、集まった人の数に驚いて、喜んでいるメンバーにはほっこり。アイドルにもいろんな形があるなと実感した夜でした。

EPISODE V

EPISODE V

 

 

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チームamiinAは絶対に私たちを裏切らない/amiinA 1st one man LIVE 『Griffonia〜World of the beginning〜』

amiinAワンマン、本当によかったですね……。

ワンマンって、楽しみは楽しみだけど、だいたい謎の緊張感あるじゃないですか。

この人たちは自分の期待を超えてくるのか? あるいは、ここにいる皆を楽しませることができるのか? とかいろいろ。

節目のライブしか観てないライトなオタクだからもあるとは思うものの、この日の開演前にそういう不安は一切なかったし、パンパンになったフロアも純度の高い期待に満ちていたと思います。

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開始前、舞台にはamiinAの文字が白で書かれた薄いスクリーンが張られて、ステージは見えず。

スクリーンが上がると、ステージの中央頭上には白い円、左手には稲妻モチーフ、右手に樹の枝モチーフがのびる真っ白なセットが目に入りました。

この不思議なセットはVJを映すために用意されたもの。巨大なミラーボールのようにも太陽のようにも見える円の中に、曲に合わせて時計、惑星、地球など様々なイメージが投射されていきました。それらの多くはamiinAがこれまでずっと提示して来た「旅」というコンセプトを想起させ、森林や宇宙、青空といった壮大なモチーフの間を少女二人が駆け抜けていく画がとても美しかったです。

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※終演後写真です

VJの作り込みもすばらしく、ピアノの音に合わせて少しずつ映像全体の色が変わるなんて箇所も。サビや転調だけでなく、一音一音に沿って演出するとは……。

この演出によってamiinAの描きたい世界がよりはっきりして、帰りに改めて曲を聴き直したくなりました。

その効果が最も発揮されていたと思うのが少女の無意識の世界を歌ったmonochrome。

最初は円の中に左右対象のコントラストになった白黒の帯がコマのように回っています。これは「鏡に映るこの姿『本当なの自分?』」という歌いだしと、2人が手を合わせながらお互いの挙動を伺うように見つめあうダンスとシンクロしていました。

自分の心の中を探るような歌詞に沿った、お互いが鏡の中の自分を追いかけるようなダンスが続いた後、曲の転調でパッとamiちゃんはフロアの方に顔を向け、反対にmiyuちゃんはフロアに背中を見せます。

こちらを振り返った瞬間のamiちゃんの、何かに気付いたようなハッとした表情。

その表情に合わせるかのように、これまでシンプルな白黒の幾何学模様で構成されていたVJが、割れたシャボン玉のしずくが飛び散ったような不定形なシルエットに変わりました。

無意識の世界に潜んでいた自分自身の姿を少女が受け入れ、溶け合って新しい姿が生まれる……。そんな物語が頭の中にあざやかに浮かびました。

少女の内面世界というとても抽象的なものを、こんなに明快に表現できるアイドルグループがはたしてほかに存在するでしょうか? 音楽とダンスと演者と映像のすべてがしっかりと絡み合うことによって生まれる表現は、作り手が自分たちの作り出している世界をしっかり理解したうえで、よほど到達点を高いところに持っていないと出来ないはずです。

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ライブ全体の構成も見事で、「この真っ白いキャンバスには皆で絵を描かなくてはいけない」というような歌詞のovertureから始まり、「連れてってよボーイ」というサビが印象的なJubileeから、すべてをダンスで表現するインスト曲Valkyrieで前半が終了。

幕間に二人の歴史を記録した映像の後、2019年2月10日の赤坂BLITZワンマンの発表が映像で流されます。ひとしきり沸いたところで、後半はRun Blueからスタートし、最後はCanvas。そして、アンコールは再びJubileeで締め。セトリはamiちゃん、miyuちゃんが考えたそうですが、淀みない気持ちのいい流れでした。

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演出はもちろん、amiちゃんとmiyuちゃんの成長がすごかった!

コンテンポラリーダンスに近いamiinAの振り付けは、両腕をこれ以上なく大きく振り上げるし、足下も細かにステップを踏み続けます。身体も気持ちもゆるむヒマのない相当な運動量のダンスに、終始踊りながらの生歌なのに、しっかりと歌詞の世界が伝わります。そして、柔らかい笑顔の合間に、時折ふっと見せる高校生らしい凜々しい美しさや、パフォーマンスだけでなく言葉からも伝わる力強さ。

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amiちゃんは初めて見たWonder Traveller!!!3でも、その後のmiinaちゃん卒業ライブでも、Wonder Traveller!!!4でも、5でも6でも泣いていました。人前で嘘偽りのない感情をそのまま表に出す、幼いとも言えるくらいの素直さがamiちゃんの魅力で、運営チームもオタクも、ずっとそれを微笑ましく見てきたはずです。

でも、この日の彼女はMCで「私は狼に例えられるじゃないですか」という前置きとmiyuちゃんに対する感謝の言葉を述べた後、「強くなりたいから、もう泣きません!」と宣言。

そして、赤坂BLITZでのセカンドワンマンを、「発表がありましたが、今日はこのライブに集中したいので!」と言い切る姿がとても力強く、素直さはそのままに、これまで抱えていた幼さをキッパリ断ち切っていました。

一方のmiyuちゃんは手紙に「初めて舞台に立った時にamiちゃんが自分を支えてくれた」話や、「泣かないで終わった曲は一曲も無い」というレコーディングの話。これからのamiinAの話をしてから、「私はステージの上で泣いたことがありませーん!」と笑いながら締めてくれました。

miyuちゃんが舞台の上で、「ハグしよ?」と呼びかけ、一瞬からかわれてるのかと警戒したamiちゃんが、結局照れながらもmiyuちゃんに抱きつく姿がとても美しかった。

この健やかさ自体がamiinAの魅力で、心から応援出来る理由なのだと改めて思いました。

普段はあんまり「売れてほしい」とか言わないし、書かないのですが、アイドル界の希望の象徴として、amiinAのことをもっと多くの人に知ってほしいと改めて思いました。

だって、やっぱり若い子が理不尽な目に遭わされてるの見ると、アイドルなんてロクでもない芸能だって思っちゃうじゃないですか。

でも、amiinAは2人の健やかさを損なわないまま、アイドルという形式がなしえる表現の最高峰を目指していて、ちゃんとその壮大な未来を客に信じさせている。そんな難しい、純度の高いこと、どんな大手だって天才少女だってなかなかできないことですよ。

私はamiinAをもっとアイドルに興味のない人や、小さな子供にも観てほしい。

彼女たちは誰かの憧れや夢を背負う力強さのあるグループで、未来に対する指標になる存在だと思うから。

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その他、上に入れ込めなかったあれこれ。

・後半の一曲目はしっぽをつけてのRun Blue。amiinAはダンスが激しいからしっぽが取れてしまうので普段はつけないのですが、どうしてもやりたくて後半一曲だけつけて登場したのだそう。実際この日も途中で取れてしまったそうです。役目を終えたしっぽをぽいと舞台袖に投げ捨てるmiyuちゃんになんか笑いました。

・今の曲が激しすぎて初期曲のダンスが省エネに見えました。

・signalの「本当の歌選んだからここにいる」のmiyuちゃん。いつ聴いてもグッとくるけどこの日はちょっと泣きました。

・Wonder Traveller!!!はアンコール無しなので、セトリを考えたという2人が「あるか不安だったけど、アンコールありきで考えました!」と話していたのが可愛かった。

校庭カメラガールのキラーチューンの作曲者・TESSEI TOJO曲のUnicornでめちゃくちゃ踊ってしまった。bounce(コウテカ提供時の名義)曲に飼いならされている……。

・きゅうりと野菜が積み上げられたプレゼントボックスくだらなくて笑いました。松村さんのイラストに気がつかなかったの残念。

amiinA主催の後にアエロさんに会うと「どんだけ魂込めて仏像彫ってるか」みたいな運営チームいい話聞けるのがうれしいです。「アエロさんに会って話聞くまでがamiinA」みたいなとこある。

・VJ担当のTONTONさんはパリピ向けのパーティーでも活躍する国際的VJなのだとか……。すごい。sora tob sakanaのVJも担当しています。

VJ TONTON | clubberia クラベリア

・私は後ろで観てても全然不満ないし、モッシュとかも否定的じゃないタイプだけど、今ちょっとフロア激しいので、女限というよりか、まったりゾーンはあってもいいのかなと。ダンスじっくり見たい人もいると思うので。

 ↓昔書いた関連のエントリで、わりと節目の出来事を描いているかなと思うもの。

hontuma4262.hatenablog.com

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