渋谷の渋谷Dimensionで開催されているRAP酒場へ、もつ酢飯のライブを観に行きました。RAP酒場は丸省さん主催のゆるめのサイファー&MCバトルイベント。
20時前くらいに着いたら、ワッショイサンバちゃんは弟を、ムノウちゃんは友人を連れてきていて、久々のライブを前にしてテンション高め。ちょうどバトル参加者の募集中で、各人が100円の参加費をベットしていくところ。参加者が積んだ100円が、そのまま優勝者の総取りになるシステム。バトルの間にライブとDJタイムをはさんでまたバトルという構成。
第1回のバトルにムノウちゃんとぎぎぎのでにろうくんが参加。
この日はほぼバトル初みたいな人も多かったけれど、やっぱり技術がないなりに個性が出せないと難しいですね。ラッパーっぽいクリシェを言うと、よっぽどうまくないと負ける。
ムノウちゃんの一回戦はやたらベタな下ネタ使うサラリーマン。いや、ムノウちゃんにそんなバトル一年生みたいな下ネタで攻めて勝つの無理でしょ……。てか、下ネタ使うのかっこ悪い空気がちょっとずつ出来てる気がしてたけど、こういう場だとそうでもないんだな。ということであっさりムノウ勝利。
印象的だったのはオタクアピールでムノウちゃんを倒しためりーくんと、ぎぎぎのでにろうくんの試合。
「自分が間違いないと思うことを乗せていく それがヒップホップ」というでにろうくん対して、自分がどれだけけいおんが好きか(自分が信じてるものについて語るという形で)を語っためりーくんがすがすがしい。うまく噛み合った試合でした。
あとは、ピースとフローにこだわるでにろうくんと、爽やかかつストレートに攻めるレクサスくんの試合も熱かった。
でにろう×レクサスは延長だったんだけど、2試合目でビートの色が全く変わったのもよかった。うまいMC同士だと、ビートが変わることで「今度は違う面白さになるんじゃないか」ってワクワクした気分にさせてくれるのがいいな。
試合が続いてMCの力が拮抗してくると、手癖じゃ勝てなくなるからお互いの個性が出てくるのも面白い。
最後はでにろう対null。優勝はnullくんでした。
もつ酢飯のライブは「世界一簡単なフックでーーす!」のもつ酢飯のテーマからスタート。フックの繰り返し、ライブで盛り上がるからほんといいよなあ。
もつ酢飯「もつ酢飯のテーマ」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud
そして、かつてアシッドパンドカフェと呼ばれていたこの箱で、SIMON JAPさんに「B-BOYならヒップホップを広めろ」という呪いを授かったドクマンジュくんのビートがかかるの中々エモい。
1on1はムノウちゃんの感じ悪いアオリ口調の悪口パートの後に、ドスの効いたサンバちゃんのバース入るのが迫力ある。
2曲終わって長めのMC。
「イエーイ! もつ酢飯〜〜本日の〜〜おすすめ品〜〜! 新生活が始まって1ヶ月ですが、皆さんいかがでしょうか。我々四月からトウキョウトガリネズミに所属させてもらうことになりました!」
そして、サンバちゃんの「新曲本邦初公開!」に、ムノウちゃんが「え?日本以外ではやってるのかーい!」というボケ。そして、「こういう『無理イズよくな〜〜い』」から新曲の「無理イズよくない」。
田島ハルコさんの可愛らしいトラックに乗せるリリックは、疲れた女の子が自分自身を励ますように「無理イズよくな〜〜い!」と繰り返す、これまたほっこりした内容。
お互いのバースに合いの手を入れることで曲に厚みが出来てるし、もう一度聴きたくなる出来!
マジか! 売れそうじゃん! サブカルじゃん! LOFT(歌舞伎町じゃない方)でかかってそう!
新曲披露のあとは服と化粧の黒歴史を語るブラックリフレクション。「どうして誰も止めてくれないんだー」などなど合いの手がわりにガンガン入る小芝居。
〆のG.I.R.Lは、バースに入る前に社会人として新生活を迎えた2人の近況報告。
ムノウちゃんの「上司に協調性ないって詰められて」と、サンバちゃんの「やめたいですって言ったら上司3人に詰められて最近周りが優しい」で笑いを取ってから、「社会に立てなミドルフィンガーついでに添えな メディスンフィンガー」!
最初の1曲目はちょっと緊張気味でラップが乗ってなかったけど、どんどんテンションが上がってきて、最後は顔に張り付いた汗がいい感じにエモくなってたサンバちゃん(なぜか靴を脱いでいた)と、それを支えるように安定したラップをするムノウちゃんのコンビネーション、絵になってました。
ライブ中もDJ中も誰よりも楽しんでいる表情の丸省さんが印象に残った一夜でした。