ホンのつまみぐい

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"MONSTER VISION" リリースライブ視聴感想/般若、漢 a.k.a. GAMI、サイプレス上野とロベルト吉野、R-指定、DOTAMA、T-Pablow、CHICO CARLITO、Dungeon Monsters

AbemaTVの配信で観たMONSTER VISIONリリースライブの雑感。ちまちま打っていたら長くなった。

 

MONSTER VISIONはフリースタイルダンジョンのモンスター7名の対バンライブ。イベントのタイトルはモンスター7名によるマイクリレー曲「MONSTER VISION」に寄っている。持ち時間は各メンツ30分ほど。それぞれのライブの作り方に個性が出ていて面白かった。

 

CHICO CARITOは歌部分も含めた音楽的センスの高さが抜群。クラブに対するあこがれを募らせるよう明るくて幸福な曲「那覇のクラブ」が印象深い。また、「昨日は沖縄の慰霊の日でした」という言葉から自身の由来を語る「Orion's belt」には誠実さを感じた。MCで「ダンジョンでもっとも人生が変わったのは俺だと思っています」と話していたけれど、キャリアを積んだ他MCに見劣りしない音楽的強度があったと思うし、もっと長くゆっくり聴きたいと思わせる内容だった。

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T-pablowは相変わらずライブが下手で、音源とのギャップが激しい。川崎クラブチッタよりさらに大きい新木場コーストでは、映像からでもその弱みが明らかだ。

でも、途中で入った長めのMCからにじむ真摯さにやはり心を打たれてしまった。川崎の工業地帯の貧困の中で育ち、本当にヤクザのカバン持ちになるしかない生活を送ってきたこと。そこから音楽によってはいあがり、町にとっての希望になろうとしていること。どれも私にとってはすでに自明のことなのだけど、彼のそうしたバックボーンを知らずに「不良がイキってる」という貧しい言葉を投げつける人も少なくない。

そうした外野の声を自覚しながら、「オレの友達にはレイプされて妊娠した子もいる。そういう子に何か言えますか?」と話し、自分たちが町の希望となることの意味を語ってからのPAIN AWAYは胸に来た。自分が人前で歌うことの意味を、こんなに自覚している21歳の青年がいるだろうか。「普段は友達(BADHOPのメンバー)が一緒に騒いでくれるんだけど、みんな一緒に飛び跳ねてくれますか」からのLifestyleで〆。

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ダンジョンで時の人となってから、もっともハイペースに音源発表を続けているDOTAMA。新曲の謝罪会見は「謝れと皆 俺に言う」「何に謝ればいいの」などの言葉を散らしながらクレーマー社会を風刺する内容。普遍性のある内容とラップと本人のキャラクターがよくあっていて完成度が高い。ちなみに、彼はちょうどこの前の週に「自身のバンドFINAL FRASHのリリースパーティーの中止」をアナウンスし、ファンや関係者に謝罪する羽目に陥っている。状況から考えると「急きょ決定したダンジョンモンスターズとしてのミュージックステーション出演のため、中止にせざるを得なかった」ようなのだが、結果的に「現場よりテレビ」という悪評を彼が引き受けることになってしまって、はたから見ていて気の毒だった。

しかし、一方でこのタイミングで「謝罪会見」という曲がリリースされ、奇妙な説得力を持ってしまうことの縁も感じてしまった。「誰に謝ればいいの 謝る相手が多すぎて」。リリースパーティーの中止が彼の瑕疵だとは思わないが、結果として嘘なく歌える妙なリアリティを抱えた曲になっている。MCでは「30歳過ぎてからだってやれる」というようなことを話してから、所信表明的な「ベストソング」。

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「この先の答えは彼方向こう そうだろ相棒」というCRIME6の声をスクラッチするロベルト吉野のDJ。サ上とロ吉の入りは基本これなので、もはや見慣れているはずなのに、その前の演者3人がプレーンに入場してきた反動もあって、なんだかすごくかっこよく見えてしまった。いや、もともとかっこいいんだけど、あの入りが緊張感と高揚感を演出していることを今更ながらに確認。ロベルト吉野のDJルーティンからのPRINCE OF YOKOHAMAからのぶっかます、よっしゃっしゃす〆、サ上とロ吉。コール曲と知名度の高い曲のおいしいところだけをどんどんつないで客を引っ張るタイトな構成。「練習はちゃんとやる」とサイプレス上野はよく言うけれど、たしかにこのスピード感はお互いが体で覚えこまないと出来ない。

練習と言えば、B-BOYイズムのレコードをスクラッチして「メリーさんの羊」「チューリップ」を弾くという、特殊な練習の必要そうな荒業をワンマンライブぶりに見た。映像とAbemaのコメント欄で初めて知ったけど、ピッチを調節しながらスクラッチで必要な音を取って演奏しているらしい。サイプレス上野が「チューリップ」に合わせての合唱をうながす。コーストが歪んだスクラッチのチューリップに合わせて一体になる様子が可笑しい。

その後は新曲「上サイン」のサビだけ披露。上サインは右手で漢字の「上」を作る、彼オリジナルのハンドサインだけど、MCで無理やり会場中にやらせてから南国風のビートで「大人も子供も上サイ~~ン」と歌うのに笑ってしまった。お次はTV朝日の看板アニメのサンプリングしたふざけた曲、1pacからHIPHOP体操第2で〆。一体感作りに力を注ぐエンターテイメントな構成。しかし、その「客を引っ張り込んで離さない」という執念はある意味で攻撃的だ。

客から「演者にはフロアの人間を殺すつもりで来てほしい」という言葉を聞くことも、演者から「みんなのファンをいただきま~す」という言葉を聞くこともあった女性地下アイドルのオタクとしては、凝縮されたステージングからにじみ出る貪欲さが懐かしく、画面越しからでも気持ちよかった。

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漢a.k.aGAMIのライブ前に客演作のSALU「Lifestyle」が流れる。BADHOPのアンセムにかけていたのだろうか。サイドMCにマスター、DJにDJBAKUを連れてのライブ。DJBAKUが入りを間違えたり、思いっきり噛んだりと、曲が止まる場面がちょこちょこある適当さにカルチャーショックを受ける。しかし、般若やサ上とロ吉のような勤勉で稽古好きなギャングスタラッパーというのもおかしいか……。クラブって「しょせんライブは酒のつまみ」みたいなところあるし。

間に晋平太との試合のことや、昔のサ上とロ吉のことなどを話して笑いを取る。危ういネタや楽曲で売りながらうまいことなごませるこのバランス感覚が「TVじゃモンスターお茶目なおじさん」でやれるところなのだろう。ただ、他MCと比べて「内輪向けの言葉で話してる」とも思わせたのだけど。「何食わぬ顔してるならず者」「my money long」「新宿ストリート・ドリーム」などの代表曲を披露。

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DJ松永はDMC東予選に出場ということで、R-指定ひとりで登場。連覇を続けるバトルMCとしての葛藤を歌った刹那でスタート。戦いに赴く相方へのエールか。ピンチヒッターのDJもつけずに、PAにお任せしていることを告白する長めのMC。改めて聞くとR-指定は話がうまい。情報を誤解の生じない範囲にまとめて、わかりやすく伝える力が圧倒的だ。そのままテレビに出せるしゃべりがステージ上でできている。大量のお題を募っての長めの聖徳太子フリースタイルも見事。

今回はR-指定名義ということで、ソロの際に制作した曲を中心のセトリ。聴き比べるとDJ松永のトラックは、感情を挑発してくるようなちょっとねじれた作りなのだとわかる。最後はバトルブーム後の未来を悲観的に綴った未来予想図で〆。「どんなバカでも誤読しない」ように作られた歌詞に物足りなさを感じる曲だけど、安定感のある歌メロは印象的。ミュージックステーションでも最も安定感があったのは彼だったと思う。

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般若のライブは、一言で表すと「直球」。滑舌のよい明瞭なラップと節回しはどこか演歌的だ。こぶしが利いているといえばいいか。MCはほぼなしだったけれど、合間に「お題募集しまーす」と叫んで、適当に「はい、〇〇。はい、〇〇」と言った後、特に客に奉仕するでもなく自分の楽曲を始めるネタふりに笑う。MCと曲の切り替えがしっかりできているので、不親切な緩急のつけ方があんまり浮かないのが強い。ある意味で、一番世界観ががっちり固められているんだろうな。

やっぱフィジカルの強さは正義。最後はDOTAMAを呼び込んで本音で〆。

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ダンジョン挑戦権獲得バトルとMONSTER VISIONの披露は離席していて見られず。というか、後で見るかと思っていたら視聴期限を勘違いしていた。般若のライブの感想がちょっと短いのも、後で見るつもりで離席していたからだったり……。

最後にMONSTER VISION披露からMV制作のメイキング映像を流して終わり。各人が「こんなに金と手間のかかったMVを作ることなかなかない」と話していて、前週のミュージックステーションでの浮き足立ちっぷりも含めてちょっとわびしい気分になる。金のかかったMVが必ずしも似合っていないところも含めて。「俺だけこんな適当な格好で」みたいなことを話しつつ、それを気に病む様子のないR-指定のふてぶてしさが印象に残った。

MONSTER VISION

MONSTER VISION

  • Dungeon Monsters
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250

 

2017年前半のアイドルイベントで、書き残していたものいろいろ

行った現場の感想はなるべくすべて書きたいのですが、リリイベとかだと特に大きな事件が毎度あるわけじゃないのでエントリ立てるのもなーって時があって放置しがち。

とはいえ、やっぱアーカイブとして残しておきたいのでまあぽつぽつと。

Especia「Wizard」 タワーレコード横浜ビブレ店 2月17日 

ちょっと前にEspeciaオタの方々と呑んだ時に「生で観たことはないです」って言ってしまったけど、この日観てましたね……。結果的にウソをついてしまった。5人の時の印象が強かったので、パッと出てこなかったのもありますが。

解散直前のもう数えるほどしかライブがないという時期。メンバーもオタもまだちょっと状況を受け止めきれてない印象でした。ライブはいい意味で品がよくて、この路線なら逆にもうちょっとしっかり「音楽を売る」ことに注力できたのでは……と思った記憶があります。まあ、そんな初見が思うようなことは運営もオタも考えてただろうと思いますが……。個人的には富永さんの少し切なげな雰囲気が好きです。別現場で知り合った方々もいらしてましたが、解散直前のリリイベという状況でどう声をかけていいのかわからず、そっと離脱。

Especiaのオタさんたちは、後に3人態勢時のセトリやMC、ラジオの書き起こしにイラスト、楽曲レビュー、妄想インタビューなどをつづったファンジンを制作・発表していて、「記録しておかないと何も残らないのでは」という切迫感があったのかなと思って少し切なくなりました。とはいえ、自分たちの愛情を未来に向けて共有できる形で残したオタの方々には本当に尊敬しかないです。レビューなどの音楽的教養のたしかさやデザインの美しさも含めクオリティが異常と言えるほど高い。なにより、こんなにたくさんの人を動かした存在だということ自体が、ある種価値の証明になっていると思います。ツイッターで「忘却に対する抵抗」と表現したら制作した方々に喜んでいただけたのは、ちょっとうれしい思い出。

↓からダウンロード出来ます。

www.southwardfantasyassociationsoceiety.com

 


Especia「Danger」Music Video

WIZARD

WIZARD

 



寺嶋由芙「天使のテレパシー」タワーレコード川崎店 3月24日 

たとえ川崎が品川から20分くらいでも東京と神奈川って集客違うんですが、なんだかんだかなり人集まってるのは由芙ちゃん、ファンに信頼されてる感じ。

ただ、何となく客の年齢層あがったなと思いました。ずっと応援してる人も、新しく入ってきた人も。バンドとかだと客と一緒に年を取るって、どっちかというとイイ話のはずなんですが、アイドルだと「若い人に入ってきてほしい」と思ってしまうのなんなんでしょう。

いわゆるアイドルソングの「天使のテレパシー」に、カップリングは町あかりによるなんちゃって演歌「終点、ワ・タ・シ」。ただ、やっぱり「ぜんぜん」や「#ゆーふらいと」が盛り上がっていた印象。フロアの反応も含めて安定感のあるライブで、「でも、それだけじゃダメ」という状況だからいろんな楽曲にチャレンジしているのかなと思ったり。

この日彼女が告知していたワンマンライブの日はやなことそっとミュート、Especia、ゆるめるモ、東京パフォーマンスドール、みきちゅのワンマンライブがあり、「ああ、年度末なんだな」としみじみ実感させられました。言うまでもなく年度末解散・脱退も多かった……。

 


寺嶋由芙 (Yufu Terashima) / 天使のテレパシー

天使のテレパシー (通常盤)

天使のテレパシー (通常盤)

 


東京女子流 2017 tvk 秋じゃないけど 収穫祭、横浜公園野外ステージ 5月27日

横浜公園にステージを作っての野外イベント。行く予定なかったんですが、唐突に中江ちゃんの顔が頭に浮かんで見に行ってしまった……。あまり女子流の楽曲にはくわしくないのですが、古い人気曲も新しめの曲もある程度のクオリティに仕上がってるところがさすが。

白い衣装で滑らかに回る姿が正統派のかわいらしさで、次に控える関内デビル(DISH//の子が参加している番組)待ちの女の子が「可愛い~~」と口にしていました。女子流は戦略についていろいろ言われているけど、まだまだ若い彼女たちが、ちゃんとエンターティナーならびに表現者たらんとしているのはやっぱり強みだなと。久々の中江ちゃんはデコ出しがちょっと大人っぽいようなやんちゃなような感じでよかったし、もちろんほか3人もほがらかでかわいらしかったです。


東京女子流 8/31シングル「深海」Hi-ra Mixのダンス&リリック

 

深海(通常盤)

深海(通常盤)

 


BiS「SOCiALiSM」 タワーレコード横浜ビブレ店 5月31日

カミヤサキがピンク坊主になってアヤ・エイトプリンセスとトレード加入。もうWACKについていく心の体力はないのですが、「サキちゃん元気かな」くらいの気分でのぞきに行きました。

前日の新メンバー加入ワンマンの評価も高く、人であふれる会場。そして、久々に聞いた「BiSの○○担当○○で~す」的自己紹介に衝撃を受けました。963みたいな高校1年生のあっさりした自己紹介ならそんなでもないけど、BiSはみんな大人だから、改めて聞くとすごくアンバランスでお遊戯会的。いやー、つい1年位前までPOPの自己紹介とかほほえましい気持ちで聞いてたのにな。ライブはnerve、primal.など既存曲も多く、それぞれの曲の良さを実感。堂々としたパフォーマンスと豊かな表情のサキちゃんは、今までで一番「望む姿でいる」のかもしれません。スパイシーなビジュアルに反して生で観ると身長160cmの身体はとても細くて小さいのが印象的。あとは終始表情が固まったまま、まわりを観ながら踊るももらんどちゃんがインパクト大。「初期のヒラノノゾミちゃんこうだったんだろう」という感じで、話題になるのもわかりました。

 


BiS / SOCiALiSM

SOCiALiSM【CD】

SOCiALiSM【CD】

 


amiinA「Valkyrie」 タワーレコード横浜ビブレ店 6月12日

15分くらい過ぎてからの途中参加。さすがにライブハウスほどの熱気や爆音はないものの安定したライブ。やっぱりアイドルオタだけじゃなくて、いろんな人に見てもらいたいなあ。ただ、ふたりとも小さいので後方だとダンスが見えなかったのがちょっと残念。でも普段なら「別にダンスなんて見えても見えなくても」みたいなところもあるし、amiinAには求めてるものの水準が違うのを実感。しかし、現場の年齢層が高くて保護者会感はんぱなく、ちょっとヘコみました。

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Valkyrie

Valkyrie

 


ここからちょっと雑感。

私がアイドル現場に行くようになったのは2013年からなのですが、その頃に比べて明らかにシーンが縮小している中、生き残れるのは「自分が与えているのは何か」をきちんと理解している人たちなのだと最近よく思います。無策で始めて無邪気に突っ走れる時代は終わってしまい、職業観をしっかり持っていない人は生き残れない。(このへんは自戒もこめられています)

もちろん、しっかり本人が自覚を持って活動していても、運営がうまくいかなくて消えちゃう場合もありますが。そういう意味では、解散のアナウンスもなされず、ひっそり消えていったStereo Tokyoのメンバー・西園寺未彩ちゃんはとても尊敬できる人でした。

同じ状況をそれぞれの立場で頑張ってきて

同じ空間をそれぞれの立場で感じてきて

それを見てくれたひと共感してくれたひと応援してくれたひと興味をもって(叩いて)くれたひと

支えてくれたパリピがいて

やっとStereoTokyoでした。

 

さわがしい音楽と話題で

台風みたいに通り過ぎたあの時間を

みんなはどんな気持ちで思い出すのかな?

あんなに激しい現場だったけど

思い返すと穏やかな気持ちになるよ。

楽しいって何だっけ?って聞かれたときに

ああいうの!って感情を指差せるの(●>ω<●)/♢キラキラ

誰に何と言われようと誇らしいよ♪

本当に何も考えずに生きれるときなんて中々ないから

そんな瞬間があったpartyはすごい体験だったなっておもう!

意味なんて考えない時間が

意味になることを知ったよ(●>ω<●)/♢キラキラ

 

ameblo.jp

解散後のブログ。お別れについて、詳細は濁しながらこんな本質的な文章をファンに向けて書いてくれるの、本当に誠実。アイドルという皮をかぶりとおしたプロフェッショナルな彼女だからこその言葉。EspeciaもStereo Tokyoもあれだけ愛されていたのにな……。シーンが縮小した分粗雑な運営が減るかと思ったら、ひどいところはよりひどいままなのが悲しいです。ひどさで言えば、つばさなんてくらべものにならないくらいひどいところもあるのがまた……。

ステトー解散については、以下にオタクの立場から見た意見が書かれています。

syakste.hatenablog.com

d.hatena.ne.jp

goodnight! records「おやすみホログラム/ハハノシキュウ/sone + JitteryJackal」3タイトル同時リリース記念イベント

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goodnight! recordsはおやすみホログラムの主催レーベルでいいのかな……?
詳しく知りませんが、ハハノシキュウさんが8mm(八月ちゃん&MC MIRIのコラボユニット)に提供した曲をカバーしたり、sone+JitteryJackal「LIFE CIRCLE」にはオガワコウイチさんが曲を提供したり、おやすみホログラムがfeatで参加したりとお互いの仲の良さうかがえます。
 
sone+JitteryJackal/LIFE CIRCLE
 
おやすみホログラムのトラックメーカーもやっている小林樹音さんの曲に、ボーカルはシュッとしたボブヘアにモッズ風ワンピースがかっこいいsonezakiさん。
 
安定感のある高い声に、エレクトロなのにどこか生っぽい音が気持ちよくて身体がいい感じに揺れました。メロディアスかつ静かな高揚感のある曲の構成が気持ちいい。MPCじゃない何かを叩いてリズムを作っていたと思うけど、距離的によく見えず……。なんて書いて、全部オケだったら恥ずかしいな。最後はおやすみホログラムのふたりを呼び込んでコラボ。

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LIFE CIRCLE

LIFE CIRCLE

 

sonejitteryjackal.bandcamp.com

今回のリリースとは直接関係ないですが↑もいい……!

ハハノシキュウ×オガワコウイチ/Perfect Blue
 
何気に生で見るのは3回目。どんなイベントでも女の子が5〜10人いるのがすごい……。
 
いわゆるラップっぽい音よりピアノのセンチメンタルな音にラップを乗せた方が映える感じ。リリックもラップもポエトリー寄りですよね。叩きつけるような歌い方で気持ちを打つラップはこの日も変わらず。前回に続き、ストーリーテラーが一番印象に残ったかな。合間にオガワコウイチさんのコーラスが入る感じも何かよかった。
 
せっかくなのでCDにサインもらいました。インストア初めてという話になったので「ハハノシキュウさんは声が迫力あるので、場所を選ばないですね」と言ったら、「(場所や共演を)選ばないようにやっていきたいとは思ってます。でも、ヒップホップのイベント呼ばれなかったりもね」というハハノシキュウさんに、オガワコウイチさんが「いや、でももともとなんでもありなのがヒップホップだから」と一言。
 
Perfect Blue

Perfect Blue

 
 
1年半ぶりのおやすみホログラムは初のアコースティック。
 
かなり間が空いたけど、まだちゃんと続けているのも、安定していい音楽を作っているのも本当にすばらしい。
 
この日はカナミルが睡眠不足らしく、フラフラしたMCをしていて、対象的に明るく柔らかい空気を発して場を盛り上げようとする八月ちゃんのオカンぶりが際立つ。
 
おやホロはいまだにフロアに飛び込んでくるカナミルの獣のようなパフォーマンスの印象が強いのですが、アコースティックでのふたりの声の伸びの美しさは女性デュオならでは。追いかけ追い抜くようなオガワコウイチさんのギターもよく馴染んでいて、お互いに対する信頼感を感じられるという意味でもとてもよかったです。
 
エルフの村の住民のような衣装も可愛かった。あと、両サイドを刈り上げてツインテールを作り、髪を真っ青に染めた八月ちゃんが昔の鳥山明のキャラクターのようでなんか目がいきました。

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0413

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ステージ上の圧倒的自由を祝福するamiinA×TOKYO FM presents 『Arch Delta Tour』@新宿ReNY

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19時着なのに新宿ReNYがパンパンで衝撃を受ける。VJの準備のためか、両脇と最後尾は入れないようにしてあったけど、それでも400人以上は確実に集まっていた。

新宿ReNYは2015年12月のWonderTraveller!!!ぶり。あの日もアイドルイベントとしては豪華なメンツだったけど、休日なのに後方はゆとりがあった。今日は平日18時半スタートの3マンでパンパンというのは如実な進化と信頼を感じさせる。

私も、前日に少し予算外のお金が入ることが決まって、即チケット買ったからなあ。

sora tob sakana

以前も書いたようにポストロック×白いワンピース×洗練されたVJが印象的な、音楽オタクが子供にちょっとガチ目な曲をやらせる系のグループ。

前回は、「ああ、よくあるやつね」で見過ごしてしまったのだけど、今日はとにかく4人の女の子がキラキラしていて、それに目を奪われた。

こういうコンセプチュアルな曲に、若いを通り越して幼い女の子の組み合わせ。ありがちではあって、インタビューなんかで女の子のほうが「○○には全然興味ない」と言ったりするのも半ば定番化している。○○はヒップホップでもロックでもR&Bでもシティポップでも。

sora tob sakanaメンバーが自分たちの曲をどう評価しているのかはわからないけど、「この曲に合わせて歌って踊る私たちはかっこいいでしょ?」みたいな自信が感じられて、それはもうかわいさとかっこよさを合わせた明るい迫力があった。


ああ、女の子が誇らしげに歌って踊る姿は美しいな。キラキラしてる。完全に合唱コンクールの中継を見て唐突に涙しちゃう人間のメンタル。

前回は広告の街がVJと合わせて強烈に印象に残ったけど、今回は満遍なく楽しめた。VJもバラエティ豊かで、明朝体で歌詞をガンガン出してくる尖った演出の「広告の街」みたいなのもあれば、シンプルなイラストで描かれた街並みを投影した「みんなのうた」を思い出させるようなものもあって目が楽しい。

MCで「マジで?」みたいな言葉の使い方をするのも、無理してない感じでいい。会場に吊ってあるシャンデリアを見て、「わー!きれい」と叫ぶメンバーの声に応え、スタッフがシャンデリアの灯りをつけてあげて、気持ちがあたたかくなった。

 


サカナ日記27日目 「広告の街」ダンス映像


sora tob sakana - 夏の扉

 

cocoon ep

cocoon ep

 
sora tob sakana

sora tob sakana

 

 

 

The band apart

 

おそらくジャンルはロックなんだろうけど、ジャズっぽい軽快さもあって、歌詞はほぼ英語で、身体を揺らしながら見ているうちに、気持ちが明るく開いていく感じがとても楽しい。

 

MCで「アイドルのお客さんって暖かいよね」を連発してくれるボーカル&ギターの人にほっこり。

キャリアを感じさせる安定感のある音ではじまり、最後の方はどんどんステージの熱量が上がっていって、鋭く強くなっていくのがたまんなかった。途中のMCでsora tob sakanaたちのことを「みんながんばってたね。おじさんたちもがんばりますので」と言ってたけど、ずっとがんばってきて、今まだステージに立ってる人たちのかっこよさを感じる。

でも、一方で「私が好きなのはもう少し歪で正体のしれないものなんだよな」とも、ちらっと思ったり。

 


the band apart / ピルグリム【MV】


lute exclusive LIVE:□□□ × the band apart 「夜の向こうへ」

 

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amiinA

VJは高速で回る時計でスタート。

 

客の様子もうかがわず、新曲を抱えていきなり飛び込んでくるところが潔い。新曲Valkyrieの振りは、二人で最後に宙にかざしたお互いの手を合わせる動作が美しい。


ワールドミュージックの要素も併せ持つamiinAの曲は、空に向かっていくような音と前のめりな振付が観ていてとても楽しい。清楚な白ワンピースの上にちょいワイルドなジャケットというのも旅というコンセプトを明確に感じさせる。

 

ステージで動き回るふたりの少女の、力強さと軽やかさのバランス。

ふたりの声が遠くへ伸びていく瞬間に感じる圧倒的な表現者としての自由さと、それを祝福するフロアの子供じみた幸福感。私たちは誰もあんな風に踊れないし、歌えないけど、その美しさに憧れることは出来るんだよね。どこかヨーロッパの民謡を思い出させる音は郷愁に加えて、ロックやジャズやテクノとはちょっと違った踊ることの楽しさを思い出させてくれる。

ミュージカルのようで、その音の激しさはロックでしかなくて、その透明感はアイドルで。

 

いつの間にかモッシュ曲やウォールオブデス曲、肩を組んで円陣を作って回る曲が出来ていて、おっさんたちの盛り上がりようがすごかった。

 

新曲はまだちゃんと聴けていなかったのだけど、Callin`のディズニーランドでかかっていそうな音の明るさが気持ちよかった。最後はコーレス曲Canvasからのキーメーカー。楽しかった!

 

ところで、この日は観るたびに泣いている印象のamiちゃんがお姉さんぶっていて、それがとても微笑ましかった。高校2年生、表情も透明感を保ったまま、大人びた鋭い顔になる場面がある。それと相反するように、時々ふっとこれまでの笑顔を崩し、感情を吐き出すような強い歌い方をするmiyuちゃん。そんなmiyuちゃんを優しく見つめるamiちゃん。ああ、いい感じに仲良くなってるなあ。

 

最近はアイドルを色んな人に観てもらいたいという気持ちが薄くなっていて、薦めるにしても音楽に興味のない人に関心を持ってもらうのは難しいだろうと諦めていたのだけど、amiinAはたとえば、彼女たちより少し小さい小学生や中学生の子供に観てもらいたいし、その親に観てほしいとも思う。

 

こんなにかっこよくて、可愛くて、自由な女の子たちがいるんだよ。音楽って、ダンスってとても楽しいものなんだよ。

 

3回連続3マン。次回公演の相手はまだ知らされていないけど、きっと最高に決まっている。

 

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今回も美しい会場装飾!……と、プレイヤーがないから買わなかったけど、可愛い飛び出す絵本タイプのレコード!

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Valkyrie

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Avalon

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15分くらいでわかる校庭カメラギャル

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校庭カメラギャル(以下ウテギャ)のことを考えると思い出すのはお披露目の日のぱたこあんどぱたこちゃんの憂鬱そうな表情です。

 

ウテギャはもともと校庭カメラガールの派生ユニットとして誕生したという経緯があり、お披露目の日は「もともと校庭カメラガールツヴァイ(以下コウテカ2)として活動していたぱたこあんどぱたこちゃんとらみたたらったちゃんの最後のコウテカ2としてのライブ」と「校庭カメラギャルとしての最初のライブ」が同じ公演の中で行われていたのでした。

 

最後にコウテカ2としてライブをこなすぱたこちゃんの、不安そうな少し投げやりなような表情を見ながら、「大丈夫かな。ほんとはいやなんじゃないかな」と思ったのをよく覚えています。

 

コウテカ2での当時の2人は歌割りも少なく、正直グループの中でどう力を発揮していいのかわからないまま続けているのが伝わってきていました。後のインタビューでぱたこちゃんは「自分からウテギャになりたいと言った」。らみたらたったちゃんは「いきなりウテギャになることになった」と話していますが、いずれにしろ2人がコウテカ2のままでいることの限界を悟っての移籍だったのだとなんとなく思います。

 

dot.asahi.com

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そんな校庭カメラギャル、当初3人編成で始まったものの、すぐに1人抜けてしまいます。曲はコウテカ2と比べてヒップホップ寄りのアイドル現場では浮きがちな音作りだし、歌ってることもヒップホップのパロディなのか、攻撃的でひねくれてるから対バンに出てもオタクが反応しづらい。しかも、コウテカ2と違ってなかなか曲が増えないから、30分の持ち時間に同じ曲を2回やるという時期が数ヶ月続いたり。

 

「ヒップホップよりでアイドル現場で浮きがちな音」って、私も書いててよくわからないけど、要はMIXとか入れづらい曲ってことですよ。サビないし。しかも、LyricalSchoolとかと違って「聴いてて楽しい!」ってリリックじゃないし。

 

校庭カメラギャル 1st album"スマイルアゲイン" teaser by tapestok records | Free Listening on SoundCloud

リリックはここで読めます。

http://tapestokrecords.com/smileagain/

 

リリスクが「女の子はハッピーじゃなくちゃって誰かが言ってた」って歌ってる時に、「これだから最近の若いヤツは とか言っちゃうおじさん インダ 満員電車」だから……。

 

数ヶ月前のブブカのインタビューでも答えていたけど、めちゃくちゃ大変だったと思います。よくやめなかったと思う。

 

でも、ウテギャのふたりが尊敬できるのは、こういう状態からちゃんと自分たちのライブを作り上げたことです。

 

ふたりとも音楽的才能に恵まれているわけじゃないと思うんだけど、「ルサンチマンを抱えた女の子が自分の心にある衝動をはき出して、その熱で人の心を動かしていく」ということがちゃんと出来るようになっていて、これは本当にすごい。自分を変えたくて青森から出てきたぱたちゃんと、それまでの「生きてるのか死んでるのかわからない生活」をやめて飛び込んできたたらちゃん。ギャルドリームのリリックが刺さります。

中途半端なマイライフ 嫌いなんだ自分が
ずっと変わりたかったけど
変われなかったから だから
わざと遠回りをして光を塞いだ

あと、ウテギャのリリックはすべて運営のVivid Jasさんが書いているのだけど、Disやエモだけじゃないくだらない曲もあって、それもまあ、ヒップホップっぽいといえばぽいのかな。だから、ライブとしてちゃんと楽しい。私は「みんないい人だって言ってるけど実際はあいつサイコパスだしヤバい」の曲が好きです。

 

みんないい人だって言ってるけど実際はあいつサイコパスだしヤバい (rough) / 校庭カメラギャル by tapestok records | Free Listening on SoundCloud

 

ワンマン前の最後のライブで、ぱたこちゃんが「アイドルでもヒップホップでもない!校庭カメラギャルをやっていく」と宣言してたけど、そりゃそうせざるを得ない。アイドル現場でもヒップホップ現場でも浮いてるもんね。

 

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ふたりとも決して器用じゃないし、ライブでの立ち居振る舞いも無骨だし、特典会とかでもアイドルとしての釣りのうまさみたいのもないんだけど、それも含めて「校庭カメラギャル」としてちゃんと自立しつつあるんだなあとちょっとじ~んとしました。

人の書いたリリックでどう表現するか
この声は紛れもなく私の声だ 

ウテギャも売れてほしい。なぜなら「何でもない女の子たち」が「わけがわからない存在」にメタモルフォーゼしたハイブリッドアイドルだから。世の中に「わけのわからない」が多い方が面白いでしょ?

 

そんな、色んな意味で嘘がなさすぎるふたりによるワンマンライブは今日20時から!当日券あるので気になった方はよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

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スマイル・アゲイン

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※ちなみに、プロに言わせると「いわゆる〈アイドル・ラップ〉となると90年代の日本語ラップ感を下地にした人が多いなか、彼女らはサザン・バウンス~トラップにハードコアでギャルなノリをまぶした現代的なもの。フックが歌じゃない作りも含め、USモノ好きも一聴の価値あり」らしいです。そうか、こう聴いてこう書くのか……。

大英自然史博物館展@国立科学博物館

入場40分待ち。人がたくさんいてゆっくり見ることは出来なかったけど、小さな子供がたくさん来ていて、そのリアクションが面白かった。

 
館内には大英博物館内を絶滅動物が歩き回る、リアルな映像が流されていたのだが、それを見た小さな子が「ドラえもんの世界みたい」と言ったり、見た感じ小学4年生くらいの女の子がモアの展示を見ながら、「関節を見ただけで飛べないってわかるんだよ」と親に指南したり。
 
剥製がいっぱい展示されていたので、生物の大きさを体感できるのがいい。キリンの頭部は中でもインパクト大。おそらく、図鑑でも同じ知識を手に入れることはできるのだけど、こうして体感するとやはりその不気味な存在感に圧倒させられる。
 
ただ、展示の密度や完成度を考えると圧倒的に常設展示の方が上だった。
博物学だと、情報をどう解釈するかがキモなので長い年月展示することを前提に作られた物の方が、そりゃいいに決まってる。
今度は常設もじっくり見たい。
 
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直径2ミリはあろうかというどデカいサファイアの圧もすごかった。
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イギリスらしい写真。
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イイ顔で映る研究者の方々。
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