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ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

昭和元禄落語心中の最終回、キレた人の感想

マンガ

ちょっと過程と結論を事細かに説明する気力はないのだが。

 
おいおい、与太郎の人生は八雲のための……。なんだこれ、噛ませ犬? 引き立て役? いろんな言葉が出て来ていずれにも当てはまるな。聖なる道化はたしかに便利だろうけど、これじゃ尻拭いするために作られた便利な人にしか見えないぞ。
 
こういういい話風の暴力が私は一番苦手なのだ。他人を侵害するなら殴り切ってくれ。「落語の世界は駄目な奴にだってちゃんと優しいんだ」って言うけど、そういうことじゃないだろ……。たとえ与太郎が全てを知っていたとしても、これ許しっつうより、死に逃げじゃないか?
 
私はこのマンガの芸に対する考え方とか好きだったよ。松田さんの使命感とかさ。だから結局盛り上がりが人間関係に集約されてしまって、芸の継承や変化の物語を描けていなかったのがつくづく残念だ。
 
作中、松田さんは与太郎を「無我 無欲 純然たる落語のための容れものだった 君は自分の想いを落語に託さないんだ」と評したけど、雲田さんは与太郎の器に便利な道化役以上の意味を与えられたのか?
 
与太郎がどんな落語を作り上げるのかが知りたかったのだけど、結局それはわからなかった。説明はしているが、わかるように描かれていなかったし、八雲や助六ほどの気合いも感じられなかった。
 
いや、遠回しな言い方になったな。雲田さんが八雲に萌えすぎてて、与太郎への関心の薄さがどうしても目に見えてしまう。物語上でも、とにかく生者は皆八雲を引き立てようとするから、与太郎の生も芸もすべて八雲を描くための書き割りに見えてしまう。
 
1巻が一番面白かった。悲しい。

 

昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)

昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)