ホンのつまみぐい

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キエフ・クラシック・バレエ『白鳥の湖』神奈川県民ホールにて

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 ウクライナキエフクラシック・バレエ団による公演。キーウではなく、キエフ表記なのは、もともと2020年予定の延期公演だからとのこと。プリンシパルは長澤美絵という日本人女性と、クリスティーナ・カダシェヴィチの交代制で、この日は長澤さん。日本のバレリーナウクライナプリンシパルになっていることに驚いた。道化役も日本人で、ウクライナと日本の間には数々の交流があったのだと知る。

 バレエはガラ形式のものしか観たことがなかったので、数々のマンガで効果的に登場する『白鳥の湖』を観られたことがうれしかった。

 バレエマンガといえば、なんといっても『アラベスク』。そして、かの有名な「32回転のグラン・フェッテ・アン・トゥールナン」という言葉。その32回転を初めて生で観ることができて気持ちが上がった。いちいち回転の回数を数えてしまった。(しかし、ノンナはキエフ出身だから、ノンナとミロノフが今を生きていたら引き裂かれてしまうのでは?)

 クラシックバレエのダンスは静を美しく見せる感じで、映像で見ていると退屈に思える瞬間もありそうなのだけど、実際に観始めるとなんとなく楽しめてしまうのがすごいと思う。

 私にとっては初めて観る『白鳥の湖』だったので、特に物足りなさはなかったのだけど、よく鑑賞している人からは「男性が少ない(徴兵されているからだろう)」「オケの音が悪い」「大道具が幕だけ」などの指摘があった。

 かなりのタイトスケジュールでの全国公演が組まれていて、ダンサーたちにとってもベストコンディションの公演ではなかったのかもしれない。

 それでも、満杯の神奈川県民ホールで踊ってくれたことに、誰もが感謝を捧げていた。