ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

15分くらいでわかる校庭カメラギャル

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校庭カメラギャル(以下ウテギャ)のことを考えると思い出すのはお披露目の日のぱたこあんどぱたこちゃんの憂鬱そうな表情です。

 

ウテギャはもともと校庭カメラガールの派生ユニットとして誕生したという経緯があり、お披露目の日は「もともと校庭カメラガールツヴァイ(以下コウテカ2)として活動していたぱたこあんどぱたこちゃんとらみたたらったちゃんの最後のコウテカ2としてのライブ」と「校庭カメラギャルとしての最初のライブ」が同じ公演の中で行われていたのでした。

 

最後にコウテカ2としてライブをこなすぱたこちゃんの、不安そうな少し投げやりなような表情を見ながら、「大丈夫かな。ほんとはいやなんじゃないかな」と思ったのをよく覚えています。

 

コウテカ2での当時の2人は歌割りも少なく、正直グループの中でどう力を発揮していいのかわからないまま続けているのが伝わってきていました。後のインタビューでぱたこちゃんは「自分からウテギャになりたいと言った」。らみたらたったちゃんは「いきなりウテギャになることになった」と話していますが、いずれにしろ2人がコウテカ2のままでいることの限界を悟っての移籍だったのだとなんとなく思います。

 

dot.asahi.com

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そんな校庭カメラギャル、当初3人編成で始まったものの、すぐに1人抜けてしまいます。曲はコウテカ2と比べてヒップホップ寄りのアイドル現場では浮きがちな音作りだし、歌ってることもヒップホップのパロディなのか、攻撃的でひねくれてるから対バンに出てもオタクが反応しづらい。しかも、コウテカ2と違ってなかなか曲が増えないから、30分の持ち時間に同じ曲を2回やるという時期が数ヶ月続いたり。

 

「ヒップホップよりでアイドル現場で浮きがちな音」って、私も書いててよくわからないけど、要はMIXとか入れづらい曲ってことですよ。サビないし。しかも、LyricalSchoolとかと違って「聴いてて楽しい!」ってリリックじゃないし。

 

校庭カメラギャル 1st album"スマイルアゲイン" teaser by tapestok records | Free Listening on SoundCloud

リリックはここで読めます。

http://tapestokrecords.com/smileagain/

 

リリスクが「女の子はハッピーじゃなくちゃって誰かが言ってた」って歌ってる時に、「これだから最近の若いヤツは とか言っちゃうおじさん インダ 満員電車」だから……。

 

数ヶ月前のブブカのインタビューでも答えていたけど、めちゃくちゃ大変だったと思います。よくやめなかったと思う。

 

でも、ウテギャのふたりが尊敬できるのは、こういう状態からちゃんと自分たちのライブを作り上げたことです。

 

ふたりとも音楽的才能に恵まれているわけじゃないと思うんだけど、「ルサンチマンを抱えた女の子が自分の心にある衝動をはき出して、その熱で人の心を動かしていく」ということがちゃんと出来るようになっていて、これは本当にすごい。自分を変えたくて青森から出てきたぱたちゃんと、それまでの「生きてるのか死んでるのかわからない生活」をやめて飛び込んできたたらちゃん。ギャルドリームのリリックが刺さります。

中途半端なマイライフ 嫌いなんだ自分が
ずっと変わりたかったけど
変われなかったから だから
わざと遠回りをして光を塞いだ

あと、ウテギャのリリックはすべて運営のVivid Jasさんが書いているのだけど、Disやエモだけじゃないくだらない曲もあって、それもまあ、ヒップホップっぽいといえばぽいのかな。だから、ライブとしてちゃんと楽しい。私は「みんないい人だって言ってるけど実際はあいつサイコパスだしヤバい」の曲が好きです。

 

みんないい人だって言ってるけど実際はあいつサイコパスだしヤバい (rough) / 校庭カメラギャル by tapestok records | Free Listening on SoundCloud

 

ワンマン前の最後のライブで、ぱたこちゃんが「アイドルでもヒップホップでもない!校庭カメラギャルをやっていく」と宣言してたけど、そりゃそうせざるを得ない。アイドル現場でもヒップホップ現場でも浮いてるもんね。

 

www.youtube.com

 

ふたりとも決して器用じゃないし、ライブでの立ち居振る舞いも無骨だし、特典会とかでもアイドルとしての釣りのうまさみたいのもないんだけど、それも含めて「校庭カメラギャル」としてちゃんと自立しつつあるんだなあとちょっとじ~んとしました。

人の書いたリリックでどう表現するか
この声は紛れもなく私の声だ 

ウテギャも売れてほしい。なぜなら「何でもない女の子たち」が「わけがわからない存在」にメタモルフォーゼしたハイブリッドアイドルだから。世の中に「わけのわからない」が多い方が面白いでしょ?

 

そんな、色んな意味で嘘がなさすぎるふたりによるワンマンライブは今日20時から!当日券あるので気になった方はよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

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スマイル・アゲイン

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mikiki.tokyo.jp

※ちなみに、プロに言わせると「いわゆる〈アイドル・ラップ〉となると90年代の日本語ラップ感を下地にした人が多いなか、彼女らはサザン・バウンス~トラップにハードコアでギャルなノリをまぶした現代的なもの。フックが歌じゃない作りも含め、USモノ好きも一聴の価値あり」らしいです。そうか、こう聴いてこう書くのか……。

大英自然史博物館展@国立科学博物館

入場40分待ち。人がたくさんいてゆっくり見ることは出来なかったけど、小さな子供がたくさん来ていて、そのリアクションが面白かった。

 
館内には大英博物館内を絶滅動物が歩き回る、リアルな映像が流されていたのだが、それを見た小さな子が「ドラえもんの世界みたい」と言ったり、見た感じ小学4年生くらいの女の子がモアの展示を見ながら、「関節を見ただけで飛べないってわかるんだよ」と親に指南したり。
 
剥製がいっぱい展示されていたので、生物の大きさを体感できるのがいい。キリンの頭部は中でもインパクト大。おそらく、図鑑でも同じ知識を手に入れることはできるのだけど、こうして体感するとやはりその不気味な存在感に圧倒させられる。
 
ただ、展示の密度や完成度を考えると圧倒的に常設展示の方が上だった。
博物学だと、情報をどう解釈するかがキモなので長い年月展示することを前提に作られた物の方が、そりゃいいに決まってる。
今度は常設もじっくり見たい。
 
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直径2ミリはあろうかというどデカいサファイアの圧もすごかった。
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イギリスらしい写真。
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イイ顔で映る研究者の方々。
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こうの史代「この世界の片隅に」原画展』@タワーレコード渋谷店

タワーレコードtofubeatsのリリースイベントを見たついでに立ち寄っただけで、正直全く「見ることによる感動」は期待していなかったのだけど、思いの外心を打たれてしまった。

 

そして、こうの史代はマンガがうまいことに今さらしみじみ気がついた。「夕凪の街」を雑誌掲載時に読んだくらいには昔から知っているのに、今さら言いだすのもおかしな話だけど。
 
コマ割りによる時間のコントロール。それによる内面の変化のコントロールがとても巧みだ。
 
たとえば、幼い頃のすずが望遠鏡をのぞく場面では、動作に3コマ使う。これで読者に「それがこの子が今持っている時間や動作の感覚なのだ」と思わせる。
 
すずが大人になってからは、このようなコマを重ねて動作を描く描写は減っていく。その余裕の無さは、慌ただしい戦時下の緊張感に覆われた人々の重圧のようにも感じられる。しかし、リンとすずの桜の樹の上での会話は、丁寧にコマを重ねて描かれる。それは、緊張感を読者に共有させ、すずにとってその時間がどれだけ重要なものだったかを表しているのだろう。こんなことに今さら気がついた。
 
原画を見て感じたのは、その線の頼りないほどの細さだ。これは残念ながら単行本の印刷では再現出来ていない。恥ずかしながらこうの作品の絵には単純な黒ベタがほとんどなく、すべてカケアミやそれに近い斜線の塗り重ねであることに初めて気がついた。
 
そして何より、展示された大量の広島の作画資料写真(2006〜08のものが多かった)や、自作の年表などの取材の痕跡を見て、感極まってしまった。
 
展示されたわずかな資料ノートから、多くの人々が戦争によって哀しみや怒り、どうしようもない喪失を抱えてしまったことが伝わってくる。
そして、それを受け止めて物語を描くことの重さも。
こうの史代はこの作品の制作について、「孤独だった」「人生観が変わった」などと表現しているが、その重さが少しだけ感じ取れるような気がした。
 
 マニアならすでに周知の鳥の羽根や口紅で描かれた原画も展示されていた。口紅で描かれた原画は、もともと口紅で描いた絵をさらにコピーして原稿に貼り付ける形で制作されている。
 
率直に言うと、私はこれまでなぜ作者がそのような方法を取ったのかが理解できていなかったのだけど(もちろん、物語に登場する小物であることは理解しているけれど)、改めて展示を見回すと、作品の中にそういった形で念を込める必要を感じていたのかなとも思う。
 
原画展にはあまり積極的ではない性質だけど、行ってよかった。30日まで。
 
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www.cinra.net

 

この世界の片隅に

この世界の片隅に

 
この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

 
「この世界の片隅に」公式アートブック

「この世界の片隅に」公式アートブック

 

 

神様は大森靖子に憧れた人の数だけいる/ ユリイカ2017年4月号特集「大森靖子」

神様をやるなら断言してしまった方がいい。

みんな自分の生を肯定してほしいし、自分が立っている場所を否定したくない。
だから、「お前はこうだよ」と断言してあげると安心する。「私の言うことを聞いてればOKだよ」と言えばいい。信者を作るにはそれが一番簡単だ。
 
しかし、多くの神やら宗教やらと呼ばれるアーティストと違い、大森靖子は断定を肯定しない。彼女はアルバム「kitixxxgaia」のリリースに向けて、神を引き受ける旨を表明しているのに。
インスタントにどいつもこいつも神だ神だと言われる昨今ですが、しかしどうしようもないとき我々が叫ぶ「神様助けてください!」は「誰でもいいから助けてください!」と同義なので、ダチョウさん方式で最後に私が遠慮がちに手を挙げて神様やらされることになったとて、それでも誰かがこの世に丸くおさまるなら素敵やん、ですよね。
 誰かの生を肯定するのが、あるいは良く生きるための道標を作るのが神様の役目だとしたら、本来は神様は人の数だけ必要だ。だから、神様を引き受けながら、それがそれぞれのうちにあるものだと表明する。
神というのを作り出せるのは人間しかいないわけですけど、その神というのは人間の思想の剥がれていったところだと思うんですよ。
-「ユリイカ大森靖子特集インタビュー “神様”を作り出す音楽
キチガイアという当初発表から、大人の配慮でkitixxxgaiaという表記になったアルバム名について、大森靖子はこう語る。
それは想像してほしいから、ですね。いろんなものと向き合える言葉が好きなんですよ。わたしの意図はこうです、というのはあまり言いたくなくて。「キチガイア」という言葉が出てきたときに、やっぱりなにかしら考えるじゃないですか。その考えるという作業が削られるのがいやなんです。
-「ユリイカ大森靖子特集インタビュー “神様”を作り出す音楽
大森靖子のファンの中には、彼女の作品にふれて何かを語り始める人、あるいは作り始める人が他のアーティストと比べて圧倒的に多い。本人が直接的にそうするようにアジテーションしたわけでもないのに。神であろうとしながら、考える時間を提供しようとする彼女を観ているうちに、皆が自然と自分自身を探り始めてしまうのかもしれない。
 
ファッションデザイナーの東佳苗による寄稿での言葉を借りるなら、「“世界を変えられる”という根拠のない自己愛を、私たちだって安易に掲げていいんだ。整頓された可愛い自我ではなく、みっともない自己愛が必要だと靖子ちゃんは身を以て教えてくれた気がする」。

自分自身を愛すること。そして、それを表現として表に出していくことの肯定。
 
神様は、大森靖子に憧れた人の数だけいる。
 
特集としては交友録が多すぎて、もう少し批評の形で彼女を立体化する言葉がほしいと思わざるを得なかったけれど。
 
最後の小野島大の「大森靖子クロニクル」は状況の変化に伴う作家としての進化が整理されつつ、現場に立ち会った人らしい生々しい実感も書かれていて面白い。これを最初に読んでから他の論考を読むのがいいのでないかと。
kitixxxgaia

kitixxxgaia

 

あめとかんむり初ライブumbre @中目黒solfa で大比良瑞希、MCpero、kiki vivi lily、八月ちゃんを観ました

かつての校庭カメラガールのもるももる、ソロプロジェクトあめとかんむりで再始動。配信ですでに2曲発表はされていましたが、今回は初ライブということで、tapestokの主催イベント! ブッキングはもちろん、会場装飾もいい感じ。
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kiki vivi lily
寺嶋由芙ちゃんがカバーした「80デニールの恋」(ゆり花名義)で名前を知っていたものの、パフォーマンスを観るのは初めてのkiki vivi lilyさん。
 
マリンキャップに蛍光イエローのTシャツとレザーのミニスカートという甘すぎない可愛さの衣装で登場。
 
安定感のある歌とシティポップ風味のトラックで、気持ちよく聴ける90年代風味のシティポップ&ラップ。
 
福岡から来ているらしく、ちょいちょい西の言葉が挟まるMCにほっこり。歌詞で描かれる女の子はあまり生々しさがないのでギャップが面白い。
 


kiki vivi lily / Goes All Right


kiki vivi lily / LOVIN' YOU trailer

LOVIN' YOU

LOVIN' YOU

 
MCpero
 
ラウンジのDJブースの前にショートボブでナチュラルメイク、白のTシャツにデニム色のバギーパンツの女の子がいて、「あ、今日はドルオタじゃなさそうな雰囲気のある女の子がいる」と思っていたらMCperoご本人。
 
ジャケットやアー写ではロングヘアだったので気付きませんでした。
 
ドクマンジュくんが彼女のアルバム「ひとりあそび」を面白がっていて気になっていたラッパーのひとり。
 
そっけない表情のまま「かかとつぶしたうわばき 思い出はいいことで上書き」というラップするというスタイルはともすれば簡単に「サブカル」のくくりに入れられてしまいそうだけど、彼女の場合はビートがおかしい。
 
重めのドラムが無愛想に配置されたビートに、時折挟まるキュートな電子音。ポップに寄せきってない低音のインパクトと、どこかいたない声質との組み合わせの妙がクセになる。うお……。これ、めっちゃ好きっす。
 
MCでは「私は足立区で働いてるんですけど、久々に渋谷区に来たら街歩く人がみんないけすかなくみえて」。わかる! 中目黒高そうな飲み屋ばっか。
 
音源では低音のインパクトが削がれてしまってちょっと残念。

 

MCperoの一人遊び

MCperoの一人遊び

  • アーティスト: MCpero,CHOP THE ONION,BAOBAB MC(JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB),泉水マサチェリー(WEEKEND),YOSA,食品まつり a.k.a. foodman,TSUBAME(TOKYO HEALTH CLUB),小山秀一郎(中小企業),Chic Alien
  • 出版社/メーカー: OMAKE CLUB
  • 発売日: 2016/06/08
  • メディア: CD
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SKIP / MCpero official MV

大比良瑞希
 
シティポップのくくりに入れてしまっていいんでしょうか。
 
エレキギターかかえて足で機材いじりながら、安定感のある声でしっかりした歌を聴かせてくれるの、アイドルやラッパーにはなかなかないボリューム感がありました。
 
ちょっとハスキーな声にR&Bっぽい苦さみたいなのもあって、そこがまたマッチョすぎず甘すぎない雰囲気とあっていて気持ちよかった。
 
動画でもかっこいいですね。

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TRUE ROMANCE

TRUE ROMANCE

 

あめとかんむり

 
レインコートっぽい浅葱色のジャケットで登場。
 
アイドルだった頃の彼女を思い出しながらドキドキしながら見てしまいました。
 
重量感のあるトラックともるちゃんのひっかかりのある声の不思議なマッチング。ああ、こういうのをハウスミュージックっていうんですね。
 
新曲のrain raderは配信済みの2曲よりピアノが目立つ、メロディアスな色調の音。どういう形で続けるのかわからないけど、アルバムという1パッケージで世界観をかっちり構築したのを聴いてみたくなる感じ。
 
途中のMCでは、「私がtapestokの音楽を守ります」と宣言。なんとなく腑に落ちた気持ちに。
 

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lie night

lie night

  • あめとかんむり
  • エレクトロニック
  • ¥250
i know

i know

  • あめとかんむり
  • ハウス
  • ¥250

 

最後はDJオーガスタことおやすみホログラムの八月ちゃんのDJ。率直に言ってめちゃくちゃ下手くそでした! というか、「DJの良し悪しわからない」ってちょっと前に書いたけど、「これが下手なDJか!」と思いました。でも、8mmでの持ち歌「センチメンタル」を流しながら歌ってくれたのはとてもよかったです。ハハノシキュウさんの、同じ単語を繰り返し使って堂々巡りの感情表現するリリック、ほんと女の子のナイーブさに合う。

最後にもるちゃんが出てきて、八月ちゃんと乾杯。
「ありがとう! 唯一の友達」というもるちゃんの言葉がインパクト大でした。
 
前回のtapes loungeもそうだけど、tapestokがちゃんと組んだイベントは音楽的に満足度が高くてGood。現場でお話しして下さった方々ありがとうございました。
 
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前回の感想はこれ

もつ酢飯のライブを観にRAP酒場へ行きました@渋谷Dimension 5/17

渋谷の渋谷Dimensionで開催されているRAP酒場へ、もつ酢飯のライブを観に行きました。RAP酒場は丸省さん主催のゆるめのサイファー&MCバトルイベント。

 
20時前くらいに着いたら、ワッショイサンバちゃんは弟を、ムノウちゃんは友人を連れてきていて、久々のライブを前にしてテンション高め。ちょうどバトル参加者の募集中で、各人が100円の参加費をベットしていくところ。参加者が積んだ100円が、そのまま優勝者の総取りになるシステム。バトルの間にライブとDJタイムをはさんでまたバトルという構成。
 
第1回のバトルにムノウちゃんとぎぎぎのでにろうくんが参加。
 
この日はほぼバトル初みたいな人も多かったけれど、やっぱり技術がないなりに個性が出せないと難しいですね。ラッパーっぽいクリシェを言うと、よっぽどうまくないと負ける。
 
ムノウちゃんの一回戦はやたらベタな下ネタ使うサラリーマン。いや、ムノウちゃんにそんなバトル一年生みたいな下ネタで攻めて勝つの無理でしょ……。てか、下ネタ使うのかっこ悪い空気がちょっとずつ出来てる気がしてたけど、こういう場だとそうでもないんだな。ということであっさりムノウ勝利
 
印象的だったのはオタクアピールでムノウちゃんを倒しためりーくんと、ぎぎぎのでにろうくんの試合。
 
「自分が間違いないと思うことを乗せていく それがヒップホップ」というでにろうくん対して、自分がどれだけけいおんが好きか(自分が信じてるものについて語るという形で)を語っためりーくんがすがすがしい。うまく噛み合った試合でした。
 
あとは、ピースとフローにこだわるでにろうくんと、爽やかかつストレートに攻めるレクサスくんの試合も熱かった。
 
でにろう×レクサスは延長だったんだけど、2試合目でビートの色が全く変わったのもよかった。うまいMC同士だと、ビートが変わることで「今度は違う面白さになるんじゃないか」ってワクワクした気分にさせてくれるのがいいな。
 
試合が続いてMCの力が拮抗してくると、手癖じゃ勝てなくなるからお互いの個性が出てくるのも面白い。
 
最後はでにろう対null。優勝はnullくんでした。
 
もつ酢飯のライブは「世界一簡単なフックでーーす!」のもつ酢飯のテーマからスタート。フックの繰り返し、ライブで盛り上がるからほんといいよなあ。

もつ酢飯「もつ酢飯のテーマ」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

そして、かつてアシッドパンドカフェと呼ばれていたこの箱で、SIMON JAPさんに「B-BOYならヒップホップを広めろ」という呪いを授かったドクマンジュくんのビートがかかるの中々エモい。
 
1on1はムノウちゃんの感じ悪いアオリ口調の悪口パートの後に、ドスの効いたサンバちゃんのバース入るのが迫力ある。
 
2曲終わって長めのMC。
「イエーイ! もつ酢飯〜〜本日の〜〜おすすめ品〜〜! 新生活が始まって1ヶ月ですが、皆さんいかがでしょうか。我々四月からトウキョウトガリネズミに所属させてもらうことになりました!」
 
そして、サンバちゃんの「新曲本邦初公開!」に、ムノウちゃんが「え?日本以外ではやってるのかーい!」というボケ。そして、「こういう『無理イズよくな〜〜い』」から新曲の「無理イズよくない」。
 
田島ハルコさんの可愛らしいトラックに乗せるリリックは、疲れた女の子が自分自身を励ますように「無理イズよくな〜〜い!」と繰り返す、これまたほっこりした内容。
 
お互いのバースに合いの手を入れることで曲に厚みが出来てるし、もう一度聴きたくなる出来!
 
マジか! 売れそうじゃん! サブカルじゃん! LOFT(歌舞伎町じゃない方)でかかってそう!
 
新曲披露のあとは服と化粧の黒歴史を語るブラックリフレクション。「どうして誰も止めてくれないんだー」などなど合いの手がわりにガンガン入る小芝居。
〆のG.I.R.Lは、バースに入る前に社会人として新生活を迎えた2人の近況報告。
 
ムノウちゃんの「上司に協調性ないって詰められて」と、サンバちゃんの「やめたいですって言ったら上司3人に詰められて最近周りが優しい」で笑いを取ってから、「社会に立てなミドルフィンガーついでに添えな メディスンフィンガー」!
最初の1曲目はちょっと緊張気味でラップが乗ってなかったけど、どんどんテンションが上がってきて、最後は顔に張り付いた汗がいい感じにエモくなってたサンバちゃん(なぜか靴を脱いでいた)と、それを支えるように安定したラップをするムノウちゃんのコンビネーション、絵になってました。
 
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ライブ後はDJ 浮世神鬼の日本語ラップDJタイムをはさみ、2回目のバトル……。なんですが、総勢45人参加のバトルということで、こりゃ最後まで観てると終電逃すなと思い、途中帰宅。
ライブ中もDJ中も誰よりも楽しんでいる表情の丸省さんが印象に残った一夜でした。
 

ououo.hatenablog.com

もつ酢飯EP

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MC松島さんが作ったRemixも!