- 作者: 山中恒
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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小川未明、浜田広介、坪田譲治を中心に、第二次大戦中に書かれた児童文学を検証。戦時において児童文学を書くことの葛藤を綴ったかと思いきや未明や譲治はめっちゃノリノリでプロパガンダ児童文学を書いているように見えるんですが…。
あんなに繊細で幻想的な物語を書く人でも、子供のための物語を“お国のために”書いてしまうものなんですね。しかも、「国の貢献できてうれしいです!」とか言いそう。過剰な弾劾や戦争責任の追及をひとまずおいて、文学として冷静なツッコミを入れる山中恒の文章は読み応えがあります。
探偵小説と記号的人物(ヨミ キャラ/キャラクター) (キイ・ライブラリー)
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/07/27
- メディア: 単行本
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登場するミステリ作家を京極夏彦、宮部みゆき、西尾維新くらいしか読んでないから例に挙げられる作品がイメージできなくて大変でした。キングやトマス・ハリスの小説ではなぜトラウマを持った人物が登場するのかとか、清涼院はミステリの歴史においてどういう意味を持つかとかそんな内容。でも、該当作品を理解できればきっと名著。笠井潔、もう64歳なのにエヴァとか最終兵器彼女とかきちんと読んでてすばらしくいい人ですね。
プリキュア シンドローム!〈プリキュア5〉の魂を生んだ25人【描き下ろしポストカード3枚付き】
- 作者: 加藤レイズナ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本
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ただのプリキュア好きの一青年が作品の現場の人たちに話を聞いてライターとして成長していくというある種のビルドゥングスロマンのようなインタビュー集。
いろんな人が丁寧に語っているので詳細ははぶきますが、個人的にはりんちゃんという著者のお気に入りキャラがグッズ化の際にいつも外されてしまうことにまつわる話が面白かったです。
りんちゃんを削らざるえなかったバンダイの人の後悔を受け止める加藤さんは、すでに彼らの戦友なのだなと思いました。