lyricalschoolことリリスクがたくさんの人のスマートフォンの中で踊っているという事実がとても痛快でうれしい。
リリスクはアイドルにも音楽にも興味のない人、つまり昔の自分のような人の目にふれてほしいグループだったから。
アイドルがラブとハッピー以外のさまざまな感情を歌うのはとっくに当たり前になっていて、ライブアイドルの世界では、若い女の子が哀愁や焦燥を歌うアンバランスさそのものがひとつのジャンルと化している。私も基本的に影のある曲に惹かれがちなのだけど、リリスクの歌はそういう曲が抱えがちな過剰な物語性がない。
もちろん、切なさや寂しさを歌った曲もあるのだけど、そのどれもがささやかな感情を歌っていて、だからこそ日常に寄りそうような暖かさがある。
恋のときめきをあらゆるハッピーな言葉で塗り固めて歌う「リボンをきゅっと」。
女の子はハッピーでなくちゃって誰かが言ってた(そうだ!)
だから細かいことは気にしない
星占いビリでもいいしさ
だって君が一番格好いい
意味なく君がこっち見る
ばっちり目と目が会っちゃって
ハッピーエンド以外ないね
好きという感情のキラキラした明るさが弾丸みたいにぶつかってくる「brand new day」。
(この曲に髪型についてひとつひとつ歌うパートがあるんだけど、ここが可愛くて胸がぎゅっとなる)
精一杯手をふって ずっと好きだったんだ! なんつって
風にさらわれて 何も聞こえないってね(yeah!)
say good bye hello good bye きっと輝いてる brand new day
風にのせられて前をみとけばいいってね(yeah!)
女子大生の日常を思わせる明るさの中に、ちょっぴり照れが交じる軽やかな曲を、気さくな女の子たちが歌う。
リリスクの曲の明るさや楽しさは、スターやディーバが歌うハッピーではなく、普通の女の子たちの日常のハッピー。だからこそ、悲しいときやつらいときに聴くと、仲のいい友達に悩みを相談をしたときのように、気持ちを明るく軽くしてくれる。
ライブハウスという密閉された祝祭空間の中でもっとも美しく輝く曲もあるけれど、リリスクの曲はもう少し開けた場所で、さりげなく、でも、たくさんの人に聴かれるべきじゃないか。ライブハウスにもいかないし、Youtubeのチャンネル登録もしていないけれど、リリスクの曲を大好きになって、毎日何となく思い出してくれる人が、実はいっぱいいるんじゃないか。
仕事か学校か、それとも友人とのおしゃべりの後か。夜の街、家路を急ぐ女の子の姿を歌った「流れる時のように」みたいに。
知らない歌口ずさんじゃう
街角のミュージシャン
風に吹かれて踊る枯葉
あの鳥は何処へ帰るのかな
だから、最初にメジャーデビューの報を聞いた時に、ちょっととまどいつつ喜んだ。メジャーで路線変更や売上を求められてダメになるアーティストも多いので不安もあったけど、それでアニメのタイアップなんかがついてリリスクの曲がたくさんの人に聴いてもらえるならいいじゃないか。
そんな程度の未来を想像していたけど、ずっとスケールの大きい方法で、まさに手のひらに飛び込んできた。
もし、lyricalschoolを今回初めて知ったという人がこの文章を読んでいて、さらに曲にひっかかるところがあったというなら、ぜひアルバムを買ってほしい。絶対に、損はさせない。
ファーストアルバム「date course」のラスト曲「Myかわいい日常たち」の歌詞を借りるなら、ゆっくりと寄りそうようなやさしい音楽が、セカンドアルバム「SPOT」の1曲目「I.D.O.L.R.A.P」の歌詞から借りるなら「全然ないっしょ唯一無二」の音楽がそこにはあるはずだから!
Myかわいい日常たち
ただいま! わたしの普通でかわいい日常たち
ゆっくりと寄りそうようなやさしい日常をいきていくわ
I.D.O.L.R.A.P
ますます輝き待つ Lyrical Schooooooool !!!
↓フリーライブたくさんあるので、気になった方はこっちもぜひ!月末にはワンマンもあります。
明日は2回フリーイベントあります!(18時〜/20時〜です)MVから知って下さった方、横浜ビブレさんでのお買い物がてらでもいいのでみてってください〜自己紹介ラップもあるからはじめての方でも是非💓 #リリスク pic.twitter.com/2Is64lHOTw
— hime514 (@hime_514) 2016年4月8日