ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

化学反応とはこういうことだ、アイドルとヒップホップの融合の正解 /lyrical school MY DATE ON NOV.

音源が好きで、現場が楽しいのも知っていたけど、何となく行きそびれていて、3年ぶりになったlyrical school現場。

そして、自分が最後に観た頃のメンバーがminanちゃんしかいなくて、ライムベリーで観たきりだったhimeちゃんがいるlyrical school

リリスクはラップ×アイドルというコンセプトで7年前から活動していて、曲もライブも評価が高いグループだったけど、2017年2月にメンバーが3人卒業。前述の二人のみが残されるという大きな変化に見舞われていた。

だけど、4月に新メンバー3人を迎えてからのここ1・2ヶ月のライブはとにかく評判が良かったし、My dateというタイトルの3ヶ月連続対バンのブッキングも気が利いていた。

9月 Maison book girl×フィロソフィーのダンス
10月 Enjoy Music Club×アナ×思い出野郎Aチーム
11月  SUSHIBOYS×サイプレス上野とロベルト吉野×Young Hastle

そして、今やフロントマン的な存在感を見せるようになっていたhimeちゃんはヒップホップの現場に行きまくっていたし、自分が何に惹かれているのか、何を理想としているのかをどんどん率直に言葉にするようになっていた。

 

 

VISIONの場所がわかりづらくてSUSHIBOYSの途中から。当然リリスクのオタクが一番多いのだけど、フロアで踊りまくったり、後ろでのんびり観てたりと、立ち振る舞い見た感じヒップホップオタクっぽい人も少なくない印象。

SUSHIBOYS

PVがバズってweb販売EP500枚即完、ナード系ラッパーの新星になっているSUSHIBOYS。

今風のトラックにタイトなラップと、3人それぞれの立ち振る舞いの軽快さのバランスが心地よくて、ゆるいんだけど退屈させない。

歌ってることは段ボールがどうとかママチャリがどうとかなんだけど、合間のMCの「俺たちがここに赤道を運んでるんだよ-」「3人でスシハウスに住んでるんだけど」「タイヤに釘が刺さってた時の気持ちを歌にした」とか、キャラクター性の高いMCに、途中でぐるぐるまわったりするふざけたステージングがばっちりハマってる。

スチャダラパーとKICK THE KAN CREWを足して二で割って、ちょっとあざとく、でもさっぱりさせた感じ。衣装はおしゃれなスーパーマリオとも呼べるコミカルさで、たぶん誰でもとっつきやすい。

これは売れるなー。観た人みんな楽しくなっちゃうタイプのライブだし、NHKでも深夜のクラブでもフェスでも出て行けるタイプの世界観。

音を重ねすぎないトラックが多いのも、笑いながら聴くのにいいと思う。

思ったよりも

思ったよりも

  • SUSHIBOYS
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

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amebreak.jp

サイプレス上野とロベルト吉野

DJルーティーンからロベルト吉野からのシャウトでスタート。

アセ・ツラ・キツイスメル、ぶっかます、よっしゃっしゃす〆、サ上とロ吉というアゲ曲ルーティーンから、スクラッチで童謡演奏。ベイスターズタオルを掲げる客いじりに、ロベルト吉野の手打ちでのヒップホップクラシック演奏(新しい機材らしいけど、何という機材なのか聞き取れなかった)。レコードを差し替えまくって投げ捨てながら、そのトラックの上でフリースタイルと情報量が多い!

プリンス・オブ・ヨコハマはハードロックの上でシャウト。攻撃的なシャウトにVISIONの点滅照明が合わさって雷のようで、それまでのハッピーな空気が一転してフロアが完全に固まっていたのを、サイプレス上野が「なんか寂しくなっちゃってるね」と言ってたのがちょっと面白かった。

ライブ中盤にDJパフォーマンスを多めにとって、MCではちょいちょいヒップホップについて説明する教育的な内容。ただ、この構成だと曲間が切れてしまうので、個人的にはもっとがっつり曲をつなげて聴きたいし、音に乗っていきたい。

でも、上サイン(曲名です)の前に「ヒップホップでは自分の所属している場所を示すためにハンドサインを使うんだけど、このLAっていうハンドサインを俺たちはLAWSONって意味で使ってたのね」と楽しそうに話す姿からは、ヒップホップに対する愛情とそれを目の前に人と共有したいという感情がにじみでていて、そういう思想や生き様が反映された部分をあれこれ言えないよなとも思う。

最後の「WHAT’S GOOD調子はどう?」で少し空を見上げるところや、コーレスで「SUSHIBOYS WHAT’S GOOD」「lyricalSchool WHAT’S GOOD」「ヤンハス WHAT’S GOOD」と、その日の演者の名前をあげていたところに何だかグッときた。

WHAT'S GOOD

WHAT'S GOOD

  • provided courtesy of iTunes

 

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Young Hastle

ヤンハス、絶対アイドルオタクにめちゃくちゃ愛されるだろうな……と思っていたら、案の定というか思った以上。

名ガイドブック「このマンガがすごい! comics 日ポン語ラップの美ー子ちゃん (このマンガがすごい!Comics)」をものした服部昇大によると、Young Hastleの曲は「そのまんま言う」系ラップに分類される。

「酔ってる」
「バイトしない」
「飯はなるべく一緒に喰う」

「毎日仲間と酒呑んで遊ぶのが尊い」という歌、完全にアイドルオタクの思想。しかも、単純だからこそコーレスがめちゃくちゃ入れやすい。ばっちり盛りあがってたし、途中で出てきたK-YOの違和感も含めて猥雑さとコミカルさのブレンドが面白かった。

最後の方で「今日誕生日近い女の子いる?」と聞いてハッピーバースデーを歌ったり、Tシャツをその子に向かって投げて「ヤンハ臭がするよ~~」と言ってたのも、それを受け取った子が「いいにおい!ほんとに~!」と言ってたのも最高にばかばかしくてよかった。

ヤンハスはもっとアイドルオタクと絡んだ方が絶対いい。リリスクのオタクはちゃんとした人が多そうだから、もうちょっと頭のおかしいオタクがいる現場だともっと盛りあがりそう。

飯はなるべく一緒に食う (feat. KOWICHI & TY¥ SIGN)

飯はなるべく一緒に食う (feat. KOWICHI & TY¥ SIGN)

  • DJ TY-KOH & YOUNG HASTLE
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Forever Living Young

Forever Living Young

 

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YOUNG HASTLE / Forever Living Young - Words & Sounds

始まる前は面白ラッパー対バンなのかなと思っていたけど、振り返ると「観てると笑顔になる」「コーレスが入れやすい」「サービス精神旺盛」という意味で、結果的にアイドル性の高いラッパーを組んだ感じ。

なるほどアイドル対バンだなーなんて思っていると、リリスクはサ上とロ吉のGET READYを出囃子にして登場。

lyrical school

ちょっと記憶があいまいなのだけど、最初は全員黒いジャージで登場して、途中からそれを脱いだり前を開けたりしていたのかな。Tシャツの子も言れば、ジャージを着たままの子、そして、ヘソ出しタンクトップの子もいて(himeちゃ~~ん!)いる。

このスポーティーな、衣装とも言えないような服装が今のリリスクにとてもあっていた。

ダンスをやめて、それぞれが好き勝手にステージの上を動き回るようになったという話は聞いていたけど、そのおかげで小さくないVISIONのステージが広く使えている。

ステージ端でフロアに手を振ったり、中央でくるくる回ってポーズを決めたり、メンバーそれぞれが自分の好きなように、そして自分がかっこよく可愛く見えるように動いている。

縦横無尽に動くメンバーの中で、一人だけ肩の力を抜いて歩き回り、歌パートを決めていくminanちゃんが独特の存在感を放っていて、これは観たことないものを観ているぞという感じがハンパなかった。

himeちゃんがインタビューで名前を出していたKANDYTOWNのように、うろつき感はヒップホップ的なんだけど、好き勝手に動き回る女の子たちがもたらす可愛さの迫力をフロアが受け止めて返す感じはいい意味でアイドル的。

私はアイドルがヒップホップっぽいことをやることに特に価値を見いだしていなくて、むしろ「媚びる必要ないのに」と思う方だけど、今のリリスクのヒップホップぽさは正しい。「音楽にあわせて好き勝手に動くのは楽しい」というクラブミュージックの根幹を、演者が客にプレゼンできているからだ。

セカンドまではけっこう聴いていたのに知ってる曲が最後2曲しかかからなくて驚いたけど、被せと勘違いするくらいどの歌もちゃんと歌いこなせていて「ああ、もう完全に違うグループなんだ」と思う。

ノンMCで9曲やりきって終了。フロアはすっかりはしゃぎ疲れて汗だくのオタクでいっぱい。

最後の全員集合で、サイプレス上野が「同じラッパーとしてすばらしいと思った」。ヤンハスが「今度はfeatさせて」と言っていたけど社交辞令じゃない。このリリスクだからこそ、ラッパーと対バンすることに意味があったのだと思う。

それはそれとして、曲が「ヒップホップという枠の中のいい曲」になっている物足りさはあるのだけど……。補足:トラックがちょっと古いのと、歌詞に新鮮さがないのがもったいないなと。(tofubeatsとか、brand new dayにおけるLITTLEくらいいい詞があればOK)

ライムベリーワンマンのステージで「ラップに人生を捧げます」と語り、そのライムベリーを理不尽な形で脱退することになった時に、「ラップというよりライムベリーに一生を捧げていたんだと今になってすごく実感しています。」と書いていたhimeちゃん。

彼女がキーパーソンになって、自分が愛する音楽をアイドルというフィールドに落とし込んでライブを作っている姿はめちゃくちゃかっこよかった。化学反応とはこういうことだ。

つれてってよ/CALL ME TIGHT 【通常盤】

つれてってよ/CALL ME TIGHT 【通常盤】

 

 

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