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ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

「STUPiG」リリースイベント@トレッサ横浜&新宿Loft

アイドル

つまらないライブは金と時間だけでなく気力とアーティストに対する忠誠心を削いでいく。

だから、1ヶ月ぶりのBiSさんのライブには、かなりハラハラしながら参戦した。

個別に健闘を讃えたいメンバーはいたけれど、いまいち心が動かなかったBiSでんぱぶりのライブ。

その間に伝わってくるライブの評判はいまいちかんばしくないものばかりだったし、1月11日の代々木は重大発表が出来なくなったという話になるし、夜行バスを用意して挑んだ原爆BiS階段は風邪でふいになるし……。

ほかにもQuickJapanの全裸や渡辺マネージャーの意地の悪いototoyのインタビューで精神を削られまくって、幸せにしてくれるはずのアイドルをおっかけてこんな気分になるっていったいなんなんだ……と気持ちが落ちていた。

久々のライブがもしつまらなかったら、後はソウルフラワーBiS階段等、節目のライブに出かけてフェードアウトしてしまうのかなと不安を感じつつトレッサへ。

12:30頃に到着したが、綱島駅からバスで10分というアクセスの悪さもあってか入りはほどほどだった。
会場はいわゆるステージではなく、テラスの階段の踊り場部分。
何となく2階部分の手すり部分、会場全体が見渡せる位置についた。
会場にはなぜかこたつと麻雀牌が持ち込まれ、研究員の皆さんがくつろいでいるのが見えた。

メンバーが入場してライブスタート。
1曲目は土曜昼のショッピングセンターという立地を意識してか、TRFカバー曲の「survival dAnce 〜no no cry more〜」。

なるほどとっつきやすい曲から入ったなと思ったら続いての曲は「パプリカ」。

イントロが流れた瞬間、思わず手をたたいて笑ってしまった。

パプリカはサビの部分でメンバーも研究員もヘッドバンキングをやり続けるという曲だ。メロディも歌詞も呪術的で、普通に考えるなら家族連れも集まる平日のライブにふさわしい曲ではないのに、あえての選曲だろう。

上から見るメンバーと研究員の真剣なヘドバンの様子は、その真剣さと郊外のショッピングセンターのミスマッチがなんだか間が抜けていてニヤニヤしてしまった。ヘドバン中にメンバーが見ていないのを承知でジャンプし続ける研究員にも笑った。

続いて定番曲「nerve」。
階段をかけあがってはいけないことになっていたので、メンバーが下に降りたり上にかけあがったりして研究員に指タッチにいく。
写真は手すりを使ってポールダンスごっこをするウイぽん(ファーストサマーウイカ)。

そして、新曲「ODD FUTURE」。

「ODD FUTURE」は「BiS」立ち上げ当時のメンバーであるプー・ヒラノを上手に、2013年5月26日に加入したカミヤ、テンコ・ウイカを中央に、2013年11月10日に加入したコショージを下手に置く配置から始まり、BiSの歴史をなぞるような振り付け。

細かいフォーメーションがくるくる変わっていく様はとても見応えがある。

最後に新曲「STUPiG」で〆。

全体的に楽しいライブで、ほっとしながらその場を離れることができたのだけど、同時にいろいろ気がついたこともあった。

まず、本当にずっと言われていることなのだけど、屋外の高い位置で見るとパフォーマンスのつたなさが目立つ。

サキちゃん(カミヤサキ)は歌い出しが弱いし、テンコ(テンテンコ)、のんちゃん(ヒラノノゾミ)は声が小さい。
コショージ(コショージメグミ)は声質はいいけれど、カラオケレベルの歌唱力だし、おまけに歌詞を間違える。

そして、上から見るとダンスといえるような動きができているのがウイぽんとサキちゃんしかいなくて、全体的にわやくちゃしているだけに見える。

メンバーはがんばっていたし、楽しかった。
それは本音だ。

でも、これではたとえ武道館が実現していても、そこでのライブは見た人の心に残るものにはならなかったのではないか。

そんな本音も同時に抱えながら次の約束へ移動した。

ところで、この日は2部から階段をかけあがってもOKになり、「nerve」は下動画のようなカオスに。「primal.」も研究員がサビの振り返りのところで第7のメンバーよろしく階段をかけあがって一緒に振り返りをやるという爆笑ライブになったらしい。どっちもBiS現場らしい、ルールをぎりぎり守った上での悪ふざけ。しみじみ体験したかった……。

26日。

新宿Loftでアウトストアライブ。

混雑しそうだったので、列に並んでいる間に会ったマナティーさんに「今日は後ろで見ますわ……」と言ったけど、なんとなく気が変わって上手3列目くらいに入り込む。普段は比較的後ろで見るタイプなので、前に入り込むのは久々だ。

さすがにこの辺は有名研究員ばかりだなあ……と思いながら開演を待つ。

合間に「まだ人が入りきっていないので開演が押す」旨がアナウンスされた。

10分ほど送れて幕が開くと、メンバーが新しい衣装で現れ「IDOL is DEAD」が披露された。

あまりライブでやらない曲なので会場のテンションがあがったのがわかる。そこから攻め込むように「IDOL」。

その後は「ODDFUTURE」「Bisumilation」「Fly」「nerve」「STUPiG」。
曲に合わせるようにフロアも激しく盛り上がる。

この日のライブは終始緊張感に満ちていて、距離が近いことも大きかったのだろうけど、メンバーの存在感に圧倒された。

ライブハウスの照明にゆらゆら照らされたメンバーの妖しい美しさや、楽曲の激しさに相反するクマの帽子のかわいらしいミスマッチも含め、これぞ「BiS」というパフォーマンス。

BiSにはときどき、「この瞬間、この子たちが一番かっこいい」と思わせる瞬間がある。

いや、BiSに限らずアイドルには「この瞬間、この子たちが一番魅力的」と思わせる瞬間がときどき到来するものなんだろう。BiSの不思議なところは、対してレベルが高くもなく、最低のライブをやることだってしょっちゅうあるのに、最高の高揚の瞬間もなぜか作り出せることだ。

これがあるからなかなか抜けられないんだなとつくづく実感。

IDOLではサキちゃんがダイブしてくるところをベストポジションで見ることができて満足。
照明を背に、美女が機材に足をかけてぬっと飛び出てくるところは、まるで映画の一場面のようだった。
ほかには「IDOL is DEAD」でのウイぽんの引き締まった表情、くまの帽子でくるくると踊るのんちゃんの可愛さも印象に残った。

最後のMCでは感謝の言葉と同時に、アルバムの発売が発表。事前に用意した花束を研究員がそれぞれに手渡す。

この際に、よく見えるようにと前方の研究員がざっと腰をおろす。カオスと言われる現場だけど、こういうマナーの良さが好きだ。

後方がはっきり見渡せるようになったところでウイぽんが「こんなにお客さんがきてくれたんだ」と口にして、会場がどこか晴れやかな空気で満たされるのがわかった。

一言発するのが精一杯の高速握手会を終え、事前に約束していたBさんから闇鍋音楽祭のチケット引き取りをすませて退出。メンバーはこの後もずっとチェキ会だ。本当に大変な仕事だと思う。

2階から眺めた屋外ライブと最前付近で見たライブハウス。

どちらも楽しかったのだけど、トレッサでのライブは現状でのBiSのクオリティを改めてつきるけるライブだった。

歌唱もだけれど、目立ったのはダンス。
BiSはもともとお金のないDIYアイドルだったから、ほとんどのダンスはメンバーの振り付けだ。

それが距離のある場所で見ると、メンバーの不器用さもあり、どうしても見劣りしてしまう。

以前でんぱ組.incのプロデューサー・もふくちゃん(福嶋麻衣子)が、「ダンスのレベルが高くないので、あえて芝居がかった、メンバーの個性を際立たせる振り付けにしている」というようなことを話していたが、でんぱのその選択は正しかったとしみじみ思う。

一方で、くるくるフォーメーションの変わる「ODD FUTURE」は、全体で見ると難しい振り付けがあるわけではないのに、なぜか見とれてしまうような出来になっていた。こちらの思い入れのせいもあるけれど、プーちゃんがメンバーに囲まれてサビを歌いあげるところは思わず目に涙がにじんでしまう。

昨年はモーニング娘。が再評価されていて、彼女たちの魅力を表すのにフォーメーションダンスという言葉が使われていた。でも、もともと大きな会場を前提としてダンスが作られるであろうモー娘。の場合は、後方の人でも楽しめるようにとフォーメーション重視になるのは当たり前だったのではないだろうか。まあ、この辺は検証がいるところだけど。

5ヶ月前、昨年の9月1日に開催されたライブ「IDOL SUiCiDE」は、そのキャパシティにふさわしいライブではなく、最後方で見ていた人たちがほとんどみんなしらけた顔になっているというつらいライブだった。

今また、あの規模の会場でライブをやって、BiSはちゃんと後方の人間を巻き込むことができるのか。それができなければ、たとえ武道館クラスのキャパを埋めることができても、意味がないだろう。

まずはコショージ、一日もはやく歌とダンスを覚えてほしい。

*写真はカンジさんからお借りしました。BiSさんのリリースイベントは撮影可なのです。