ホンのつまみぐい

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MICScream ラップ × バイオリン"fukuchan" × 餃子@代官山ロッヂ2月7日

植本一子写真展「家族最後の日の写真」からの「MIC Scream ラップ × バイオリン"fukuchan" × 餃子」。

もつ酢飯が出る。女性エントランスフリー(ワンドリンク)、餃子が食べられるというので来てみたら、エントランスで久々に男に間違えられる。
 
すまんな、眉毛ちゃんと手入れするわ。
 
この日初めて知ったイベント「MIC Scream」。どうやらヒップホップ・フリースタイルラップを土台にしながら、何か面白いことに挑戦するという気概で運営されているようで、過去に行っていたセッションとして
・和太鼓&尺八
・お坊さん集団×木魚×除夜の鐘サウンド
・タップダンサー
ビートボクサー
・ファンキードラマー
・アヒージョ
・ジャークチキン✖︎WORLD MUSIC
が紹介されていた。 
 
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会場の代官山ロッヂは3階建ての小さな民家を改造したライブバー。
 
DJタイム終わって、餃子について語るオープンマイク15分がスタート。無能ちゃんとワッショイサンバちゃんが参加しているのを見学。
 
もともと自分のスタイルがしっかり出来ているサンバちゃんに加え、無能ちゃんの「餃子といえば韻踏合組合 その心はどちらもヒダが大事」的なとんちの効いたフリースタイルが面白かった。もつ酢飯はふたりともエンターテイナーなのだ。
 
オープンマイク終わって、そんなエンターテイナーコンビのライブ15分。
 
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12月のデビューライブからシンデレラMCバトルでの敗退を経て、どこかさっぱりとした表情でライブに挑んでいた2人。
 
セットリストは女の子社会の建て前をディスりまくるG.I.R.L2、G.I.R.Lから、口気持ちいいバースの連続の無意味な飯賛歌meshiagare(ワッショイサンバソロ)、いわゆる女子の輪からズレた自分の立ち位置を歌う頭文字M(無能ソロ)。
 
デビューライブではちょっとふわふわしたところがあったけど、シンデレラMCバトルを経てラップの基礎体力が上がっているのがよくわかる。
 
声が聴き取りやすいとかフロウに工夫があるとか、基本的なことなんだけど、おかげで浮き足立ったところがなくなってきた。後で聞いた話によると、カクニケンスケくんがシンデレラMCバトルの後に2人に特訓を授けていたとか。短い期間に歴史を作ってるなあ。
 
そしてそれを観ている私は動画を撮ろうとし、容量制限に引っかかってアプリを削除するという動作を繰り返していた。
ライブ終了後はビートセッション。
 
バイオリンの音色に、ニラや白菜を切る音や酒瓶を叩く音を乗せていく異種格闘技戦。曲もバラエティー豊かで、バイオリンの気まぐれで突然マリオの曲が始まったりするのも面白かった。
 
奇妙なビートにさらにフリースタイルがかぶさり、だいぶデタラメな感じに。夜も更けて人もだいぶ増えてきたので、訪れた人たちに主催者がマイクを回していくけど、けっこう断る人が多い。
 
何となくもったいないなと思いながら、自分からマイクを取る勢いがなくて見送ってしまう。しかし、結局それが引っかかって何となく、その後のお題バトルにエントリーしてしまった。
 
私はラップをするにあたって特に目標を持たないようにしている。それは何のプレッシャーもなく楽しめるようにしたいという理由で、だからマイクを取らなくちゃいけないという気概も基本ない。だけど、この日は「マイクを断る人」を見て、何となく「機会があるなら握らないと」と思ってしまったのだった。
 
バトルは変則ルールで、ジャンケンで勝つと普通の1on1、アズワン形式の2on2タッグ、地元レペゼン、好きなもの語り、口説き、お客さんにお題を選んでもらうという形式が選択できる。とりあえず「住みたくなるようなラップを競う」という地元レペゼンを選択。
 
私の後攻でスタート。相手のHERBEくんが地元大阪愛を語りつつ自分をあげてくのに対し、地元を「犬と老人しか歩いてない きれいなのは景色だけ」「お前横浜市の税金日本一高いんだぞ 払えんのかよ」という、聞いた人が住みたくなくなるようなバースを吐いてインパクトで勝った。
 
その後は初対面のブロガー鼎さんを無理やり誘って2on2でもつ酢飯とバトルしてコロッと敗退。鼎さん、恥かかせてすみません。
 
この日はしかし、そのゲイでヒップホップ好きの鼎さんともつ酢飯の2人がすごかった。
 
もつ酢飯は2on2で2小節ずつでマイクを回す驚異のコンビネーションを見せる(普通は4小節)。まるで持ち曲G.I.R.Lの続きがその場で出来ていくような息の合ったdis。
 
特に女子同士でAS ONE対決になった時の、「別に私ラッパーとかじゃないし」と言って逃げる女の子に対する「キャットファイトとか言われながら戦ってきたんだぞ」とか、「こっちは社会人だぞ」的なバースに対する「こっちは心の傷を乗り越えてきたんだよ」という返しには生き様が出ていて、ちょっと忘れられない。
 
しかし、そんなもつ酢飯をぶっちぎってこの日一のインパクトを残したのは鼎さん。
 
時に身体をくねらせるオカマっぽいリアクションを交えつつ、「あたしの母さんオカマを産んだ!」「生まれる〜〜。生まれる〜〜たまごっちが!」とか、意味はないけど、インパクトのあるリアクションを取り続け、いつのまにか優勝をかっさらっていった。ウィニングラップもリスペクトとユーモアを交えた熱い内容で、デタラメな夜の最高の〆だったと思う。
 
細かいところに気を配っていた主催のNakid a.k.a. Kiyo(GWC-MCZ)さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

アトムの遺伝子を感じる人体改造もの「錆のゆめ」(久間よよよ)

観測の範囲でないので正確な時期はわからないが、男性向けエロマンガとBLが表現においてどんどん重なり合ってきているというのは何となくでも伝わってきていた。

 

重なり合うというのはおかしいか。男が考えつくようなエロに女だって興奮するし、なんなら自分でも描くということだ。
 
だから、人体改造BLマンガ「錆のゆめ」が商業出版物として刊行されているのを見た時は、女性向けでもこういうものが出るようになったのかという驚きがあった。私はショタにも商業BLにも全く明るくないので、先行する例があったら申し訳ないのだけど。
 

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巨大な機械の手に半裸にブーツという奇妙な姿のかわいらしい少年。彼は妹の進学のために資産家のセクサロイドになることを決意し、白痴の異形に改造されたという過去を持つ。この気の毒な少年の世話役を引き受ける進藤という男の視点で話は進む。
 
男性向けエロマンガでは、メジャーではないものの「人体改造」は古典的なテーマという印象があるし、セックスで白痴化する人間はエロ&BL問わず定番ネタ。
 
ただ、エロマンガ(ポルノグラフィティ)ではどのような性暴力も飛躍したフィクションとして受け取れるのだけど、錆のゆめはポルノと物語の狭間にあって、これがこちらの感情を揺らすのだ。
 
カタコトでしか話せず、考える力も奪われた少年は、進藤が世話をするうちに少しずつ意思や思考する力を取り戻していく。2歳児が4歳児になるようなゆるやかな回復の中で、少年は元に戻った体で進藤に愛される夢を見る。この幸福な夢の様子がなんとも切なくて哀しく、こちらの胸を打つ。
 
一方で、彼の造形はどこからどう見ても「かわいそうなところがかわいくてエッチ」なように描いてあるのだ。
 
小さな耳に、頭に意味もなく施されたベルト。そして機械の手に編み上げのロングブーツで、性的に搾取される続ける少年の姿は悲惨なのだけど、一方でその姿は嗜虐心を誘うし、喘ぐ姿も眠る姿も、かわいくてえっちとしか形容しようがない。
 
悲惨な境遇の少年に萌えてしまう罪悪感と悪趣味な設定に対する胸糞悪さがブレンドされ、見てしまったからにはその後を見届けなくてはという気持ちにさせられてしまう。タチが悪いが引きは強い。そして、マンガらしい飛躍を活かした作品だと思う。
 
ところで、少年のデザインを見て何かを思い出す人はいないだろうか。ピンと立った耳、黒髪短髪、広いおデコ。
 
そう、これはかつて浦沢直樹手塚治虫鉄腕アトムの二次創作物として描いたPLUTOでのアトムとそっくりなのだ。
 

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そうやってさかのぼってみると、少年の半裸に編み上げのロングブーツというフェティッシュなデザインにも、アトムから受け継いだフェチズムを見てとることが出来る。
 
これも間違いなく手塚治虫の遺伝子のタネだ。
 
最後に一言。これはBLなのでおそらくハッピーエンドを目指すのだと思うし、個人的にはそれを願っているけど、多くのエロマンガのようになんの救いもなく終わり、消費されてしまってもよいと思う。撃てない銃を撃つために、殴れない相手を殴るために、出来ない不貞を満喫するためにフィクションを利用するのは責められるようなことではないからだ。
 
フェミニストがBLやエロマンガ、二次創作物において、彼ら彼女らの政治性や倫理観では、本来とても了解されないはずの保守的な物語を消費しているのもよくあることだしね。もちろん「良い子はマネしちゃダメ」が前提だけど。
 
追記:ちなみに本作は「BLってこの程度でいいんだ」って思わせる終わり方をしたの、私の中でなかったことになってますが、とりあえず文章そのものは残しておきます。
錆のゆめ 上 (Canna Comics)

錆のゆめ 上 (Canna Comics)

 

 

 

PLUTO (2) (ビッグコミックス)

PLUTO (2) (ビッグコミックス)

 

 

名付けようのない時間を定着させる「家族最後の日の写真」植本一子写真展@Nidi gallery

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展覧会タイトルの元になっている書籍はまだ読んでいない。

 
石田家の日常と、病院での日々と、植本さんの日々。
 
食道がんで入退院を繰り返しているという今のECDは、私の父がガンで亡くなった年齢と近い。
 
泣くかと思ったけど、一枚で情動の引き鉄を引くような写真はなかった。マスクをつけたふたりの娘がベッドに横たわるECDを見ているところが唯一物語のある写真だろうか。懐かしい恐怖心がよみがえってきて、少し悲しくなった。
 
写真には撮影者と撮影対象の距離が映るというが、実際は定義しきれない対象との距離を客観視するためにシャッターを切ることもあるのではないか。
 
日常はかけがえがないとか、すばらしいとか後から定義するもので、その場には名付けようのない表情が存在する。そして、写真がそれを捉える。
 
最終日、植本一子さんが在廊。なぜか寺山修司のお面をつけながら、サインや会話に応じていた。 
 
ECDはどの写真でも、あの、何かをのぞきこんでいるような穏やかな目をしていた。
 

 

家族最後の日

家族最後の日

 

 

 

昭和元禄落語心中の最終回、キレた人の感想

ちょっと過程と結論を事細かに説明する気力はないのだが。

 
おいおい、与太郎の人生は八雲のための……。なんだこれ、噛ませ犬? 引き立て役? いろんな言葉が出て来ていずれにも当てはまるな。聖なる道化はたしかに便利だろうけど、これじゃ尻拭いするために作られた便利な人にしか見えないぞ。
 
こういういい話風の暴力が私は一番苦手なのだ。他人を侵害するなら殴り切ってくれ。「落語の世界は駄目な奴にだってちゃんと優しいんだ」って言うけど、そういうことじゃないだろ……。たとえ与太郎が全てを知っていたとしても、これ許しっつうより、死に逃げじゃないか?
 
私はこのマンガの芸に対する考え方とか好きだったよ。松田さんの使命感とかさ。だから結局盛り上がりが人間関係に集約されてしまって、芸の継承や変化の物語を描けていなかったのがつくづく残念だ。
 
作中、松田さんは与太郎を「無我 無欲 純然たる落語のための容れものだった 君は自分の想いを落語に託さないんだ」と評したけど、雲田さんは与太郎の器に便利な道化役以上の意味を与えられたのか?
 
与太郎がどんな落語を作り上げるのかが知りたかったのだけど、結局それはわからなかった。説明はしているが、わかるように描かれていなかったし、八雲や助六ほどの気合いも感じられなかった。
 
いや、遠回しな言い方になったな。雲田さんが八雲に萌えすぎてて、与太郎への関心の薄さがどうしても目に見えてしまう。物語上でも、とにかく生者は皆八雲を引き立てようとするから、与太郎の生も芸もすべて八雲を描くための書き割りに見えてしまう。
 
1巻が一番面白かった。悲しい。

 

昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)

昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)

 

 

チンポジム vol.7&猫まみれサイファーに参加しました

チンポジム vol.7@渋谷

1月21日 18時〜21時
 
下ネタOK、サイファーありバトルありのスタジオ練習会。
 
カレー会&秋葉原サイファー&その他いろんなところから来た人々でスタジオがいっぱい。15人くらい?
 
何気に秋葉原サイファーのメンツとちゃんとサイファーするの初めてでしたが、みんな長くやってるだけあって上手かった。声の特徴も含めて、自分のスタイルを持ってる感じがしますね。あらいぐまさんの声の強さから出る迫力がすごい。
 
サイファーは「ラッパーでカードゲームを作る」話と「自分が使っている電車での思い出」話が盛り上がりました。
 
バトルは終始スタイルウォーズ。ポジムのバトルは基本テーマ選択ありのパンチラインカウント制ですが、面白いこと言った方が評価されるバトルはやっぱり見応えあるなと思いました。半年ぶりにバトル参加したけど、前回に引き続きキレ芸を披露してしまった……。
 
※お題制変則ルール「パンチ・ラインカウント制」を導入したMCバトル。先攻が提示された3つのお題の中から一つを選び、両者それに沿った話題(正直おもしろければあんまり沿ってなくてもいい…)でバトルする。審査員が「かっこいい」「おもしろい」「キモい」といった独断と偏見に基づいた基準で試合中のパンチ・ラインの数をカウントし、その合計数で勝敗を決める。
 
決勝戦のお題は刃牙。私には何を言っているのか全くわからなかったけど、言葉を交わす2人がとても盛り上がっていたのが印象的でした。
 
ぽじくんがその場の声を使ってビートを作るという面白いことをやっていました。飲み会もいろんな話が聞けて楽しかったです。
 
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猫まみれサイファー@新宿
1月24日 19時30分〜22時30分
 
 
先日惜しまれながら解散したガールズラップクルー・校庭カメラガールツヴァイのオタク主催のサイファー。
 
猫まみれ太郎 a.k.a 蓄電くんが新宿のスタジオを取ってくれました。
 
参加者はおおさわちゃん、猫まみれ太郎くん、こたろーくん、えっつんくん、ケンホーさん、じむじむくん。おおさわちゃん以外みんなコウテカのオタクでした。
 
サイファーメンバーが多かったので、ほんとにビートに乗って話したいだけ話す、ただの10〜40代しゃべり場でしたが楽しかったです。
 
「高校球児だったが今はうぉーうぉーとぅーみーのオタク」
「お前のその自慰行為 お前それでもBBOY」
というラインが面白かった。
 
ポジムの場合はビートメーカーのぽじくんやヘルガくんが持ち込んだ機材でビートを流しますが、今回は主に猫まみれくんがiPhoneに入れたインストおよびyoutubeのインスト曲でのサイファー。
 
コウテカのインストが入ると途中でカラオケになってしまい、おおさわちゃんを置いてけぼりにしてしまった。おおさわちゃん、ごめんね。ああ、カラオケボックスでコウテカの歌を歌う未来があってほしかった……。
 
猫まみれくんが「バトルに出たこともあるけど、disれなくていつも一回戦で負けちゃう」というので半ば無理やりバトルをやらせたら、だんだんと面白いdisり方が出てくるようになったことや、最初遠慮がちだったじむじむくんがだんだんノレるようになっていく様子が印象的でした。
 
あと、遠慮してdisってこない猫まみれくんに対し、自分も含めた女性陣が容赦ないこと言ってたのがひどかった。しかし、「そう、三次元のオタクは金がかかる \もう限界だー/」という引用出せたのが楽しかった。
 
サイファーもところ変わればで面白いですね。
 
その後の飲み会で、えっつんくんと猫まみれくんが2016年8月のガンダム前広場でのコウテカ2のイベントでサイファーをしていた男の子ふたりだったことを知りました。ラップアイドル現場でもオタがラップすることってそんなにないので、印象に残っていたのです。
 
えっつん&蓄電はおっぱいズというユニットを始動させるそう。ビートはDJケンホー。面白い曲が出来るの待ってますよ!
 
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MOROHAⅢ RELEASE TOUR MOROHA×STERUSS ×naf @厚木Thunder Snake 2016年12月4日

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かなり期待していた対バンでしたが、体調不良につき楽しみきれませんでした……。寒空の下、鎌倉の露店でビールとソーセージをかっくらってから映画を観て、そこからさらに本厚木に移動というスケジュールが祟ったのか。

 
会場は厚木サンダースネーク。小さめの箱でしたが、小田急通ってるとはいえ、本厚木なんてアクセスの悪い場所の箱が埋まっていたのは驚き。180人は来てたんじゃないでしょうか。
 
 
厚木の2ピースバンドという自己紹介からのライブ。いい声のボーカル&ギターと力強いドラムのコンビ。
 
「俺らも本当はそっち側だったんだけど、MOROHAが来るってんで無理矢理ぶち込んでもらいました」という熱いMC。音もちゃんと感情乗せてる印象。最後のドラムのズダダーン!!という音に「出し切った!」という安堵感を見ました。

www.youtube.com

 

nostalgia

nostalgia

 

 

 
こっちの体調もあるけれど、正直熱量をあげるのに時間がかかっていた印象でした。直前のBELAMA2さんのツイートを思い出し、「やっぱり働きながらは大変なのかな」と思ったり。
でも、
 
crime6 37~38歳のMCが止まらずどんどん走り抜けるというテーマでやりました。
BELAMA2 固てえな~。
crime6 やっぱ固いかな?
BELAMA2 これだから日本の教育は……。
crime6 笑いがないとね。
BELAMA2 いいんじゃない? 人それぞれで。
 
というMCからのオールドルーキーという単語が入った新曲の流れは熱かったです。STERUSSには、これからも続けることの価値を証明し続けてほしい。
 
大時計のダンスが聴けたのも嬉しかった。地元補正もあると思うけど、地名を並べ立てて歌うの、地図をたどるような面白さがありますね。ラップの形式と相性いいと思う。
 
余談ですが「そごうの時計は踊ったまま」というライン。この時計とは横浜そごう入口の巨大なからくり時計のこと。かつては一時間ごとに、訪れる人の目を楽しませていたこの時計は2008年老朽化によりからくり時計としての稼働を停止しています。
 
私は「止まった時計を思う歌」かと思っていたのですが、実際は停止前に作られた歌なんですね。

zzsteruss.exblog.jp

 

www.youtube.com

 

円鋭

円鋭

 

 

MOROHA
 
ラップのアフロにギターのUK。
 
アフロの声の聴き取り易さやくどいほどの熱量はMVからも感じ取れるのだけど、生で聴くとそのMCの饒舌さも含めて少年マンガの主人公のよう。新井英樹がジャケットを書いているのもよくわかる。
勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ
勝てなきゃ皆やめてくじゃないか
勝てなきゃ皆消えてくじゃないか
あらかじめ結論を歌っておいて「お前はどうだ?」と問う様には、自己完結的な部分も感じたのだけど、そのある種の堂々としたマッチョさも含めて聴き手の気持ちを引き上げる存在なのでしょう。
 
UKのギターの甘さがロマンチシズムを強調しつつ、うまく全体をコントロールしていたように思います。
 
最後は疲労でぐったりで、楽しかったかと言われるとノーですが、観られてよかったです。

 

MOROHA II

MOROHA II