叔父に相談事があり、弟と小田原へ。父も優しい変わり者だったけど、叔父もそうだということを改めて確認できて、何だかほっとした。
弟に「インタビューしてる人っぽいしゃべり方をしていた」と指摘され、相談事とはいえ、親族と話すときにそんな話し方はどうなんだと自問。叔父との距離感が20年前とほぼ変わらず、自分はいつまでも子どもっぽいなと思う。
帰りに小田原のものを食べようということで二人で街をぐるぐる歩くが、どうもピンと来る店がない。
歩き回った途中に気の利いた「和の燻製」という燻製屋があったので、こぶりな燻製セットをおみやげとして買う。
お店の人に「このへんで、おいしいごはん食べれるとこありますかね?」と聞くと、奥の立ち飲みスペースにいた恰幅のいいあんちゃんが「連れてったるで」と出てきてくれた。いかにもその店の常連ぽい風情で、「小田原で店探している人おると、案内しとるねん」という。
海鮮を食べたい旨伝えると、万葉の湯前の「RYO」というお店を紹介してくれた。
あんちゃんは「ここが気に入らんかったら、また店来れば教えたるわ」と言って去って行った。
まだ19時台で、これまで見てきた店はどこも空いていたのに、この店は席の9割埋まっていて、これはアタリの風情。
入るとフロアマネージャーらしきスーツの男性が「ご予約でしょうか?」と。当然予約ではないのでカウンターに。
お酒。ビール類は高いけど、なぜか日本酒550円と手頃。伯楽星と浦霞で一応乾杯。
お通し。チーズ?
あぶりトロさらだ。
さっとあぶったトロの身は、表面は香ばしくて、中身はコクがあって独特のうまさ。もともと新鮮な魚を使っているからか、歯ごたえがあって、弾力が口の中で気持ちいい。なんだこりゃ、新機軸の味。
刺身盛合わせ2人前。
白い魚は薄く、赤い魚はたっぷり厚くのバランス最高。
上にある白くて丸いのなんだろ?と思ったら生タコだった。生タコ、食べたのだいぶ昔だから全然わからなかった。おいしい。タコの下にはわかめが敷いてあって、これもおいしい。
あら煮大根。
味付けは甘めなんだけどしつこくない。黒糖かはちみつなのかな?大根はしっかり味がついてるのに、魚の身がふわふわですごい。
あら煮と言えばぶりという固定観念に、これもぶりだと思っていたけど、後で調べてみると小田原って「オシツケ」という深海魚が有名で、このお店もその煮つけをよく出しているのだとか。ちなみにオシツケは俗称で、アブラボウズが正式名称。命名のもとは脂が多いから。
うーん、正直「新鮮だとぶりもこんなにふわふわした感じになるのか」と思いながら食べていたから、オシツケだったのかどうかが不明。しかしおいしかった。オシツケは入荷が安定しないようだから、メニューには魚の名前を書いていないのかな。
白子の天ぷら。
ふわとろ。
チヂミ
これは割と普通。小麦粉に包むと海鮮の良さが消えちゃうかも。
マグロ味噌カツ。
魚の肉を食べてるんだぞ!という満足感。ツナ的なパサパサ感ゼロ。
あと、写真忘れちゃったけど、しらすの天ぷらで終えて二人で1万円だった。
だいたい一皿3人前で作られてることを考えると、これはよい。混むのもわかる。唯一欠点があるとしたら、店員さんが忙しそうで持ってきてくれた魚の種類が聞けないこと。しかし、おいしかった。
帰りに立ち飲みスペースに寄ったら案内してくれたあんちゃんがいたので「美味しかったっす!」と言って走り去った。お酒を呑むと元気な自分。
やー、単純だから小田原好きになったよ。あと、金時と和み場arという店も教えてもらったのでいつか行きたい。