クラムボンの途中から入場。
いっぱいになった会場が静かにステージを見つめている。もう2曲目だったようで、フロアがじっくりとあたたまりはじめたところだった。
途中、ギターとドラムの長い間奏が入る曲があった。「re 雨」かな? ゆっくりと激しくなり、厚みを増していく音。熱を増していくバンドの音に、スッと乗り上げるように原田さんが声を乗せる様子がとても美しかった。うん、音楽が声を乗せる船のようだ。バンドってすごいな。
クラムボンが終わると、山崎ゆかりさんとのコラボで呼び声。
終わっての第一声が山崎さんの「最高に贅沢なカラオケじゃない?」。初めて知ったが、クラムボンの3人と山崎さんは同窓なのだとか。しかも、2マンは初らしく、お互いが感慨を語る瞬間が、この日は何度も訪れた。
原田さんの丸みのある声に比べると、山崎さんの声はとてもクールだ。冷たいわけじゃないけど、湿度が低い。山崎さん、何に憧れてこの場に立っているのか、検討がつかない人だな。
目を瞑って聴いた時、クラムボンが連想させるのが懐かしいみんなのうたのアニメーションなら、空気公団は人の映っていない、晴れの日の風景写真。
音が膨らんでフロアを満たしていくように思えたクラムボンと、引き算をするような、スッとした音の空気公団。まあ、空気公団はクラムボンほどメンバー編成が安定していないせいもあるのかも。
空気公団を知るきっかけの「青い花」が聴けて、少し懐かしい気持ちになった。「青い花」は志村貴子の同名コミックのアニメーション主題歌。あの頃はライブハウスに行く習慣なんて全くなかったな。
最後は再び、コラボレーションの「旅をしませんか」で〆。
クワトロ名物、ステージ両脇の柱のせいでよく見えなかったけれど、肩を大きく出した青いドレスの山崎さんと、緋色のトップスの原田さんのコントラストもよかった。
終了後の出口近くに、山崎さんが3人に宛てたという手紙が会場に貼りだされていた。音楽の専門学校時代の昔話に加えて、音楽家としての誠実さに敬意を示す内容。最近「続けてきた人」の話に弱いので、スッと心に入ってきた。ただ、これは二組のことをよく知っている人の方がどうしたってグッと来るはずで、クラムボンもっと予習すればよかったなという悔しさもちょっと。
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