auのCMとかクリケットの星とか全体的に勘弁してくれって感じなんですが。コンテンツに愛がないのならパロディとか作らないでほしいわけですよ。
まあ、愛というのが戯言としても「持ってないやつがダサい」的な広告のために『ドラえもん』やら『巨人の星』やらを使うのはほんっとに勘弁して。
しかし、10年くらい前は広告って「中身がないものをキラキラ飾って買わせる」と揶揄されたものですが、今は「持ってないやつがダサいと脅して買わせる」モデルになってしまったわけで、哀しいものがありますね。
一方でやっぱりこういう↓贅沢なCMはやっぱりぐっときますね。これはほんとうにお金のかかった仕事だと思いますが、贅沢さは必ずしも金銭だけに支えられるものではないと思うので、私も自戒をこめて努力したいと思います。
で、口直しに更新。
最近見た愛のあるほうの『巨人の星』パロです。
光の大社員 ÖYSTER
おもちゃ会社に勤める熱血社員、輝戸光が主人公の4コママンガです。
「4コマってほのぼのくすっとはさせてくれるけど、ダハハって笑わせてはくれないよね」と思っているあなた、ていうか私が思わず1本ずつ「グフフッ!」って笑った。4コマ敬遠している人こそ読むべし。
輝戸くんはあんまり飛雄馬に似てませんが、ライバルの伊達勲くんはかなり花形っぽいのでご一読を。
もともと吉崎観音作品の背景を書いてらしたそうで、トーンのバランスのよい画面と、可愛いキャラクターも大きな魅力です。女性キャラがまた可愛い。
先生!それ『巨人の星』特有じゃなくて当時の少年マンガに共通の汗をふくしぐさです!
『公爵様とわたし』黒川あずさ
黒川さんと言えば『新・巨人の星』の薄い本を出していたことで有名……いや、一般的に一番有名なのは『バングラデシュで玉の輿』ですね。
『バングラデシュ〜』は、さっぱり読者に好かれようとしない姿勢にちょっとハラハラしましたが、『公爵様とわたし』は、意地の悪さがハーレクインの甘さに対していいスパイスになっていて楽しめました。
しかしビル・サンダーとか知らない人の方が多いよ!
『砂漠の野球部』 コージィ城倉
ここほんとは『グラゼニ』の2巻に出てくる牧場春彦っていう漫画家を紹介するつもりだったのですが、2巻が見当たらないんでとりあえず。
『砂漠の野球部』はほんとに梶原マンガ&60〜70年代マンガネタが多いので、どきどきしますねー。表紙も昔のマガジン調だし。絶版なのが惜しい。こんどまたじっくり取り上げたいです。
『グラゼニ』は牧場くんだけじゃなくて、主人公の凡田の行きつけの定食屋が「キッチン味平」だったりしてニヤッとします。
<追記>
『グラゼニ』 森高夕次:原作 アダチケイジ:作画
“森高夕次”は、コージィ城倉が原作やる時の名前です。コージィ城倉がいかに梶原一騎好きかはこちらのインタビューに。
『グラゼニ』は2巻の「危険な株、安全な株」に牧場春彦という漫画家が出てきます。こっちの牧場くんは主人公の凡田に災厄をもたらしたりしませんが、風情はやっぱり気持ち牧場くん意識してますよね。このちょっとイラっとさせるところとか…。担当編集宮原さんだし…。
『グラゼニ』は、対決主義でも友情主義でもない、お金に振り回される野球選手たちの話なのですが、容赦の無い話でありながらほのぼのした空気が漂っていて読んでいて気持ちがいいです。だんだん登場人物が可愛くなってくるのがおもしろいな。