ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

『少・女・漫・画・喫・茶』

明治通りにそって原宿の交差点を渡り、小さな路地に入ると、原宿の町にも幼稚園がある。
そこを右手に沿ってさらにいくつかの角を曲がると、奥まった場所に「ROCKET」というギャラリーがある。
目的地はそこで開催される『少・女・漫・画・喫・茶』だ。

もともと『シブカル祭。パルコの女子文化祭』という渋谷パルコで行われた企画の一部なのだが、今回原宿のギャラリー「ROCKET」に場所を移して新たに開催された。料理研究家の福田里香、コミックナタリー編集長の唐木元など、漫画好きたちの選書で1200冊が集められている。1ドリンク制で、12:00〜20:00までの間は漫画読み放題だった。

少女漫画喫茶という名前のついたイベントは初めてではなく、2010年3月20〜22日に『文化系少女のための少女漫画喫茶』というイベントが開催されている。
タイトルも基本コンセプトもほぼ同じだけれど、展示している本を販売していたこと。花郁悠紀子佐々木淳子など少し古いレアな作家の作品が多かったこと。また、何人かのクリエイターの少女漫画にささげるイラスト展などがあったことなど、以前のイベントのほうがコアな漫画好きには刺激的だったかもしれない。

今回のイベントは、同世代のクリエイターが持ち寄ったものが中心になっていたので、30代前後の女性をターゲットとしたものが中心となっていた。
「FEELYOUNG」枠からねむようこ、河内遥、やまだないとら。
「YOUNGYOU」「コーラス」枠から羽海野チカ岩館真理子ら。
「りぼん」「別冊マーガレット」枠からくらもちふさこ一条ゆかりいくえみ綾水沢めぐみ種村有菜ら。
「Kiss」枠は磯谷友紀東村アキコら。
「WINGS」枠から高河ゆん伸たまきら。
花とゆめ」「LaLa」枠からは羅川真里茂山口美由紀ら。
「BL」枠からは雁須磨子中村明日美子ヤマシタトモコら。
ほかに、なぜか「行け!稲中卓球部」や「Fellows!」作品があった。

すくいきれず書いていない作家も無論たくさんあるけれど、全体としてはあまり文脈や網羅性は感じられない空間だった。

福田里香が“(前略)『乙女妖怪ざくろ』や『輪るピングドラム』(キャラデザ)のファンなら、池野恋さんの『ときめきトゥナイト』〜蘭世と真壁くんの恋〜は必読。東村アキコさんの『海月姫』の熱心な読者なら、一条ゆかりさんの『デザイナー』と読み比べて、「女子における上京と仕事と男と萌え」に深く思いを馳せるのも、女子っぽいと思います。”と書いていたくらいか?

そういえば、自分も含めて入ってくる客がみな「無印良品お世話になってます」という感じのナチュラル派地味目女子だったのはなんだか面白かった。
TIGER&BUNNY」のチラシがちらっとのぞいてるバッグもあった。これもわかりやすい。

階段をつたってたどり着くギャラリーがまるで屋根裏部屋のようで、友人の家に漫画を読みに遊びに来たような錯覚に陥らせてくれた。木の家具に高い天井、そして明るすぎない照明という空間は、少女漫画をじっくり淡々と読み続けるにはとても理想的な環境だったと思う。

あとはこんなおみやげも販売されていた。

しかし、こういうイベントに行くと、自分だったらどういうイベントにするかを考えさせられる。あまり縛るのも面白くないけれど、やっぱりなにがしかの文脈はあったほうがいい。

「この漫画を読んだ人はこんな漫画も読んでいます」をリアルに実装させるイメージとして考えると、軸になる作品を何作か選んで、「この作品が好きならこれも」を何人かが持ち寄るか? あるいは、なにかテーマを設定してそれに関連した漫画を持ち寄るか。

これは以前マンガナイトというイベントで“「にがくてあまい」の横に何を並べるか”というテーマで書店員3人が棚を作った先例がある。この場合はジャンルや掲載誌にこだわらなかったため、「華麗なる食卓」「花と奥たん」「働きマン」などとつなげることもできて、結果的に面白そうな選書になっていたと思う。

少女漫画喫茶でやるならテーマは失恋、地方都市、雪などだろうか?
雪に岩館真理子三原順
地方都市に「海町Dialy」「青い花」「本屋の森のあかり」などを組んでいけばなかなか面白い空間になりそうな気がする。
これは自分でも何かイベントをやるべきということなんだろうな。ベルばらかるた会に活かすか。