年末年始用に地元のちょっと気の利いた洋食屋でおせちや洋風総菜を頼んだ。
母が惣菜を頼んだお店に「近所にこんなおいしいものが食べられるお店があるなんてありがたいです」と話したら、「昔は予約でいっぱいになったこともあるんですけどね。最近は全然」と言っていたらしい。
おせちは別の、もう少し高級な店で頼んだ。けっこうな値段だけど、味がとてもいいし、食材も多彩で好奇心を刺激してくれるお店。しかし、取りに行った弟が、マダムに「また何か月後に、ぜひ来てください」と言われた話を聞いてちょっと戸惑ってしまった。
そのマダムはもともとおしゃべりで、自分の店の料理がいかにすばらしいかをちょっと押しつけがましいくらいの勢いで話す人で、まあ、そこがチャーミングなのだけど、今までずっとそんなことを言ったことはなかったからだ。
おせちのお重の箱も安いものに変わっていて、味はいつも通り最高だったけれど、ちょっと悲しかった。本当はそんなことしたくなかったろうに。
切り捨てられる側の「ちょっとした贅沢」たち。
自分がおいしいものを食べるために、やっぱり世の中をいい方に変えたいと思った年末年始。