ホンのつまみぐい

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馬車道のエスプレッソ専門店ヨコハマプリモディーネ

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 馬車道に突如現れたエスプレッソ専門店。

 ソーダエスプレッソのカクテルとか、リキュール入りエスプレッソとか、普段飲めないようなメニューも多くて楽しいお店です。

 立ち飲みだと値段が100円安くなるというレギュレーションもうれしい。イタリアだと、立ち飲みでサッと飲んで出ていく代わりにちょっとお安くというのは定番の提供の仕方らしいです。

 私は、顔覚えてもらってるから、なんか気を使っちゃってよほど時間がない時以外は立ち飲み使ってないんだけど。

 甘味は三崎ドーナツ。これもボリュームあっておいしいです。

関内風我亭のサラダセット

カレーをメインにした風我亭のサラダセット。

中央はタラモサラダ。柿と苺とエディブルフラワー入り!1500円。お皿もかわいい。

風我亭はフレンチのシェフがやってるのでやることなすことおしゃれで最高。

2024年からビストロになるそうなのでそれはそれで楽しみです。f:id:hontuma4262:20240102115006j:image
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『にホ。〜2年経ったしポジティブでしょうよ?〜』@KT Zepp Yokohamaを見てあれこれ考えた

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 ストリップ経由で知り合ったフォロワーCさんがきのホ。に夢中になっているのをTwitterで観て、少し気になっていたところに、ワンマンライブ無料招待の告知。ファンクラブ会員が事前に参加希望者を登録することで、希望者が無料招待を受けられるという内容だったため、Cさんにお願いしてZEPPYOKOHAMAでのライブに参加しました。

 アイドルのワンマンライブはlyricalschoolの新メンバーお披露目ライブ以来。

 上り調子のグループのワンマンライブは久々でした。のぼりや写真撮影用のスタンドなど、細やかな準備のされた会場に入ると、ステージを熱い目で見守る人々の熱気が塊になっている。始まる前のざわつきの中に心地よい緊張感が広がっていて、初見ながらドキドキしてきました。記憶に残るワンマンは解散や卒業が絡んでいたことが多かったので、演者と客がお互いに積み重ねてきたものを確かめ合うような空気がまぶしかったです。

 ステージが始まり、最初に目に入ったのはメンバーの人数分の直径170cmほどの巨大な白い風船でした。その風船をスライド代わりに使い、オーディション映像を映して観客のボルテージをあげると、今度は風船が割れてメンバーが登場。それからは息つく間もなく曲が披露されていきます。

 奥行きのあるフォーメーションのダンスに、安定感のある楽曲。「弱い部分もあるけれどがんばって道を切り開いていくぞ!」という世界観を、きっちり表現するメンバーたち。アニメのテーマソングになってもおかしくないみずみずしさに感心しながらステージを観ていました。

 特に印象的だったのは演出とMC。冒頭の風船の他、照明のレーザー演出にバンドセット。ライブ後半では銀テープ、メンバーの言葉が書かれた桜の花びらの形の白いカードを飛ばし、現場を盛り上げるだけでなく、手元に残るものまで用意してくれる。

 MCは地下アイドルのライブでオタクが言ってほしいようなこと(「ついてきてね」とか)をきっちり言ってくれて、オタクがやってほしいこと全部やるとでも言いたげなライブ。何の演出もなしにただただ歌い踊る様を観るだけだった、かつてのさまざまなライブを思いだし、感心してしまいました。メンバーはもちろん、これだけ質の高い安定感のあるステージを2年で作るあげた運営陣のすばらしさには拍手を送らざるを得なかったです。

 同時に、最近観たアイドル現場に対する答え合わせのような気持ちが浮かんできました。

 最初に感じたのは地下アイドルというジャンルがある種様式化しているという実感でした。きのホ。のワンマンはMCも洗練されていて、これまでアイドル現場で観てきた冗長さがなかったのですが、一方で「上り調子のアイドルが言いそうなことを巧く話している」という意外性のなさもありました。メンバーとファンがお互いの望みにうまく答えているわけだから、決して悪いことではないのだけど、正直物足りなさも感じました。

 アイドルに限らず、頭一つ抜けて行くには質の高さだけではない何かが必要になります。おそらくそれは、最初は意外性や違和感と表現されるもので、きのホ。にはそういう違和感があまりなかった。

 そういう意味で、BiSにおけるヒラノノゾミや、BiSHにおけるアイナ・ジ・エンドの存在は本当に大きかったし、朝倉みずほの天才性は企まずして意外性や違和感を作り出せることにあるのだなと実感しました。

 また、日頃からストリップやダンスパフォーマンスを観ていたため、ダンスに関してはもっと伸びしろがある……というか、身体表現としてのダンスの可能性をもっと業界全体で突き詰めた方がいいのではと感じました。これはSAKA-SAMAを観ていたときに強く感じてしまったことなのですが、ダンスってただ真面目にこなすだけだと体操になっちゃうんですよね。もちろん、体操っぽいパワフルでスポーティーな身体パフォーマンスの楽しさもこの世にはあるので、そういう踊り自体が悪いわけではありません。今13人編成のGANGPARADEは、むしろ器械体操的な迫力をうまく楽しさにつなげていると思います。でも、漠然と真面目に踊っているだけでは、ただ順番に振り付けをこなしているだけに見えてしまう。

 身体を動かすことで何かを表現するということの可能性を、地下アイドルはもう少し追及できるのではないかと思いました。その表現したいものは「私は世界一かわいい!私を観て!!」でもいいので。

 しかし、ストリップでも身体表現が芸として完成されていると感じる人は、最初から作りたいものが明確な人か、6年くらいのキャリアがある人が多いから、活動期間が短く、プロデュースされることが前提のアイドルという立場でその域に行くのは簡単ではなさそう。

 そして、ライブ後に改めて考えされられたのがアイドル運営の現在について。

 終演後にCさんが「きのホ。は運営が推せる。メンバーが全員社員として雇用されていて、生活には困らないようにしている」と熱弁してくれたので、運営の新井ポテトさんが登場する配信番組「豪の部屋」を観てみました。

 京都で飲食チェーンをやっている新井さんは、アイドルについては門外漢。音楽レーベルを作ってはいたものの、シーンのことなどはよく知らないままプロデュースをスタートしたのだとか。

 そんな新井さんが現状のアイドル運営について、「女の子の人生を扱っている自覚がない」と話していて、その真面目さにしみじみ感動してしまいました。ほんとそれ! まあ、でも振り返ると他人の人生を預かる覚悟って日本の大概の会社が持ってないかも……。

 印象的だったのは、「目標にするグループがない」と話していたこと。ワンマンで初めて観た私にも、きのホ。が地下アイドルとしてある段階まで到達していることは見て取れたのですが、「次はどうしよう」と思った時に、見本にする対象がいないそう。動画中で吉田豪が「3000人の壁」と言った時に、新井さんが「いや、1000人」と訂正していますが、この水準のグループがそこで悩んでいるというのはちょっと驚き。

 昔から「ZEPPまではいけるけどそれ以降が伸び悩み、いつの間にか解散してしまう」という傾向はありましたが、今はそれがリキッドルームなのか? 現状のアイドル界隈の厳しさを実感させられる会話でした。この世界的かつ構造的な不況ではしかたがないだろうけど。

 同時に、AqbiRec、TRUSH-UP、SecoundFactory、Tapestok.incなど、長く活動している運営が、最近ずっと同じグループ同士で対バンをしていることも思い出しました。昔はもっと意欲的な、異文化交流的イベントをやっている運営たくさんあったのに……。でも、「そういうの赤字なんですよ」「喜ばれるけど動員は増えないんですよ」と言われてしまうんでしょうか。とはいえ、同じグループとずっと対バンされると常連ですら足が遠のいてしまうし、内輪以外に情報が届かなくなってしまうので、無理してでも外に出て行った方がいいとは思ってしまうのだけど。

 かつてはコーチュラとかフジロックとかいうホラをふいてた人たちが、そういうことをしなくなってくるのも寂しいものがあります。

 今は特に本現場もなく、たまにふらっと気になったところに行くだけの自分があれこれ言うのは傲慢かもしれないけれど、きのホ。を観たことで地下アイドルの今がクリアになったように思えて、ライブの善し悪しとはまた別の意味でも刺激的でした。

 最近はこんな記事も。

mag.minkabu.jp

www.youtube.com

女の子たちと公的機関

 

 

理不尽な指令や無意味な報告をさせられ、澱んだ日々を送るロシアの文化施設で働く女性たちの日々を、抽象的に綴った説明の難しい1冊。

不思議な物語で、この本には主人公がいない。一人称で目の前の出来事を解説してくれる語り手はいるのだが、それが特定の誰かではないように書かれている。

非人間的な体制に縛られ、精神に澱が溜まっていくような日々を送る女性たち。彼女たちは労働の場(公的機関)で個人であることを剥奪されている。

中に生理の周期まで被ってくるという描写があり、大きなビルで働くと同じ時間にトイレが混むことを思い出し、苦い気持ちになった。

また、半ば強制的に「似たような人々」にさせられている女の子たちの間にも自殺を考える人がいたり、いじめにあったりする人がいるというのが生々しい。

印象的なのは共闘が打開のきっかけにならないところ。

先にこの場を出ていく人に影響を受けて変わっていく「誰か」がいるが、その描写があまりロマンティックでない。

政府が人々の共闘を制圧しようとしている現状から、あえて抽出的な表現にしているのかもしれないけれど、その湿度の低さにむしろ勇気づけられる部分がある。

つながりのない孤独の渦中にいても、他者のありように希望を見出すことができると感じさせるからかも。

黒目の入らない人物たちの姿を描いたイラストも本の世界観をよく表していて見飽きない。f:id:hontuma4262:20231218115252j:image
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我が友、スミス

 

 

化粧や恋愛を選択せずに、プレーンで質素な生活を営むU野。日々黙々と筋トレに励んでいた彼女は、ある日ボディビルの大会にスカウトされる。大会出場を目標に、さらにトレーニングに励むU野は、ボディビルのさまざまな側面に触れていく。

意外だったのはボディビルが極めて社会的な尺度での「感じの良さ」が求められる世界であるということ。特に女性は笑顔や身体の丸み、ハイヒールの着こなしなど、女性らしさの強調が加点要素となるらしい。

U野は肉体を己の望む姿に変えていき、自分自身の世界を作り上げたいと望むようになり、その信念を「別の生き物になりたい」という言葉で表す。

そのU野の思いと、憧れのボディビル大会の概念が対立するのである。

このあたりの葛藤が湿っぽくなく、しかし、大真面目に語られているところに引き込まれる。

好きな場面はテレビに映ったボディビルダーの姿を見た家族に、「ああはならないでほしい」と言われるところ。

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 遂に、私は吠えた。
「あのねえっ、運動とか一切しないお母さんにはわかりっこないけど、こういう風になりたくても、簡単にはなれないんだよっ」
 なれるもんなら、なってみてえよっ。
 えっ、怒るポイントそこ? 四人は、目を点にした。我関せずだった父と弟も、はっとテレビから目を離した。私の怒りは、その珍しさもあり、結構迫力があった。
 場の雰囲気としては、ちゃぶ台ならぬニトリのローテーブルをひっくり返してもよかったが、私に、そういう破壊衝動はなかった。ジッパーを顎まで引き上げると「帰るね」と、忍者のように立ち去った。
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また、筋トレ時の感覚の言語化が面白い。心と身体の同期を文字で描ける人はすごい。

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 手の平に、鉄臭い冷気が伝わる。まずは、プレートをつけずにウォーム・アップする。 上腕に熱い血が通い、めきめきと目覚めるのを感じる。
 スミスのシャー、シャー、というレールの手応えは、そのまま私の人生に対する手応えであり、私の生きる実感に対する唸り声だった。
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ところで、私は身体改造に対して恐怖感があり、タトゥーや整形に対して強めの苦手意識がある。しかし、これを読むと自分の身体を自分の望む姿に改造することの当人にとっての意味が腑に落ちるところがある。

とはいえ、整形にしろ、タトゥーにしろ、ボディビルにしろ、依存症的に続けている人を見ると息苦しくなるのだが。

特に、整形は社会に流通している美の価値観の影響を強く受けがちなので、自分の望む身体を目指しているはずの人々が、整形を重ねるごとに主体性やその人らしさを欠いたちぐはぐな肉体になっていく姿を見ると、「なんでお金をかけてつまらなくなっていくんだろう」と思ってしまう。