ホンのつまみぐい

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週刊プレイボーイ6号

 BiS『衝撃の筆下しヌード!』

 プレイボーイにBiSさんの袋とじヌード写真が掲載されたので購入。

 ドルオタをやってない人は「好きな子の裸とかオタクはうれしいんでしょ?」なんていうけれど、マンツーマンで接している時に見せてもらうならともかく、不特定多数の人々に自分の好きな子の裸が晒されるを喜ぶオタクはあんまりいない。いや、ほとんどいないだろ。特殊な性癖の人は知らんけど。

 しかし、前回「QuickJapan vol.111」は中身を読む前から通勤自転車中にほぼ半泣き状態だったにも関わらず、今回はそれほどのストレスを感じなかった。明らかに推してるアイドルが(ほぼ)全裸になることに慣れてしまっている。

 写真の中のメンバーは樹海で撮影した最初の全裸に比べるとはつらつとして健康的だ。「QuickJapan vol.111」での全裸は「進撃の巨人」「リビングで母親の全裸を見てしまった時みたいな気持ち悪さ」などと言われたけど、それに比べれば露出度は高いけど、きちんと可愛くてエロい。

 とはいえ、女の子が半永久的に残るメディアに裸を出すことが当人達にとってリスキーであることに間違いはない。時々、彼女たちの現状認識力を低く見て、ノリで脱いでいるのだろうと言い出す人がいるが、映画「アイドル・イズ・デッド2」の公開インタビューで「私たちは何でもあり。生き様というか、中途半端にはやってられない。アイドルでも恋愛している子たちはいると思うのですが、私たちは脱いだりしているので……。普通、自分の彼女が脱いだりしたら嫌だと思うんですよね。だからそういうのはすべて捨ててやっています」というプー・ルイはもちろん、メンバーはそれぞれ自分たちが裸になることのリスクに対して自覚的だ。そして、そのリスクには、ファンに愛想をつかされることも含んでいる。いや、考えることを放棄したコショージメグミだけは違うか。

 にも関わらず、彼女たちがほぼ全裸を選択するのは、話題になることの価値を高く見積もった上で覚悟を決めて脱いでいるからに他ならない。

 しかし、その選択は正しいのか?

 そして、その選択を肯定せざるを得ないファンは正しいのか?

 たぶん以前の私だったらBiSの選択を盛大に否定したはずだ。

 でも、世間に否定されるのをわかってあえて過激なプロモーションを行う彼女たちを「正しくない」のを理解した上でアイドルとして扱うことができるのはファンだけなのだ。あ、同じアーティストとか業界の仲間は別ですよ。

 だから、嫌がりつつ否定はできないし、裏切られたような気分になりながら追いかけなくてはいけない。

 BiSのメンバーは基本的には普通の女の子達で、でも、芸能の世界にい続けるためにいろいろ踏み外してしまっている。そして、それを追いかけるファンにも踏み絵のように踏み外すことを要求してくるのだ。

 今回の写真で、2年半以上BiSを応援し、ナカヤマユキコの脱退劇も、ワキサカユリカの脱退劇も、推しだったテラシマユフの脱退劇も経験した上で、カミヤサキ推しとしてBiSを応援していたシバタさんが他界してしまった。シバタさんが書くBiSに関する文章が好きだった私はとてもさびしく思っているのだけど、Sさんの感性が本当は人として正しいのかもしれない。