ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

オンディーヌとさかな共和国(フィリップ・デュマ)

オンディーヌとさかな共和国 (世界の傑作絵本B)作者: フィリップ・デュマ,Philippe Dumas,末松氷海子出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 1981/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る小さい頃に読んで印象に残っていた本が図書館にあったのでつい…

最近読んだ本

戦時児童文学論―小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って作者: 山中恒出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2010/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (5件) を見る『戦時児童文学論』 小川未明、浜田広介、坪田譲治を中心に、第二次…

「カンナ道のむこうへ」(くぼひでき)

この本に関しては公平に語る自信がないのです。発売前にゲラを見せてもらって、作者であるくぼさんの意図を聞いてしまっているので。カンナ道のむこうへ (Green Books)作者: くぼひでき,志村貴子出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2012/07/01メディア: 単行…

「あたたかい水の出るところ」木地雅映子 書評というより感想です

木地雅映子はデビューから一貫してサバイバーを書いている。 あるいは学校に、あるいは家族に殺されないために、少年少女はいかにして生きていくるべきか。そういうことをずっと書いている作家だ。 彼女のデビュー作である「氷の海のガレオン」は、「自らを…

「ああ、玉杯に花うけて」を青空文庫で読了

なんで佐藤紅録なんか読んでるのって、そりゃあ、かの少年マガジン編集者宮原照夫が梶原一騎を「少年マガジンの佐藤紅録になってくれ」ってくどいたっていうあの逸話を聞いたからですよ、はい。 さて、「ああ、玉杯に花うけて」は、誇り高き貧乏人と、人身卑…

児童書読書会に行ってます。

最近ツイッター有志の児童書の読書会に行っています。 主催は@ko_ffeeさん、@yasumisuさん、@yamada_5さん。 レジュメをきっちり切ってくるようなまじめなメンズの中でぼんやり聴講している私ですが、あまり普段自分から読まないような本ばかり課題に挙がる…

最近読んだ本

子どもの本と〈食〉物語の新しい食べ方作者: 川端有子,西村醇子出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2007/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見るベジタリアンになる竜の話とか、『秘密の花園』と『小公…

代官山蔦屋書店はおしゃれなヴィレッジヴァンガードだった

古い雑誌が読めるラウンジとか、ソフト化されていない作品をオンデマンドでDVD化してくれるシステムとか、ほんとうに豊かでありがたいなーと思いつつ、現段階では「金のかかったヴィレッジ・ヴァンガード」というのが一番実感に近いような…。かつて書店員だ…

「ハーレクインの世界」を読んで ハーレクインとBLと

「(前略)ハーレクインの世界だと、言葉で愛を表現するじゃないですか。(中略)言葉がないと二人の愛が承認されないシステムになってるんです。女性は、愛を言葉で説明して欲しいと常に思っている部分があると思うんです。(後略)」「(前略)楽しみ方と…

『遺体』石井光太

震災以来、ずっと問いかけていたことがある。ボロボロになった心は、果たして回復するものなのだろうかということだ。私は4年前に父を亡くしているが、その時のことを思い出すと今でも胸がつかえるような気分になる。父は何年かの闘病の末に亡くなったので…

「森山大道 路上スナップのススメ」森山大道・仲本剛

「もっとも大切なのは、欲望だね。撮る本人は、そのとき、その瞬間に抱えている欲望。それを持ってないと、見ることすら出来ないから」著者の仲本剛が森山に同行してその際に発した言葉を拾い集めるという構成。 ある程度彼のことを知っている人にとっては「…

ホンマタカシ ニュードキュメンタリー@東京オペラシティ アートギャラリー

ホンマタカシの仕事でいちばん有名なのって「東京の子供」なのかな。 子供を撮ってるのにぜんぜんかわいくない。大人の考える枠組みからはずれた、異質な他者として児童を撮った写真集。あれがわかりやすくかっこよくて好きだった。写真の持つ観察の力のよう…