風の少女、炎の少女。
イベントのタイトルそのままの、まるでジブリ 映画から出てきたようなふたりの少女。
2月13日、風の少女が舞台から去り、炎の少女は大きな舞台を目指す決意を語りました。
ふたり組の中学生アイドルユニットamiina 。そのまま本格派のミュージカルや、NHK のテーマソングとして使われそうな壮大さを備えた曲を、のびやかな明るい声で歌い上げる山井あみちゃんとかわいみいなちゃんのユニット。
小さな身体で踊る姿は可憐で軽やかで、細い背中がとても美しい。
どちらかというと陰のある曲と年齢高めのアイドルを好みがちな私ですが、12月13日に、校庭カメラガール目当てで行ったamiina 主催イベントWonderTraveller!!!で、その品のいいほがらかさと運営のホスピタリティーに感動して、すっかりふたりのことを好きになってしまいました。
そんなamiina ですが、かわいみいなちゃんが脱退するとの知らせが年末に。
私は、音楽が大好きです。 この活動を通して、やる前よりももっと大好きになりました。 たくさんの音楽を聴いて、大好きなバンドやアイドルさんも増えました。 ただ、少しずつ自分たちのステージも大きく、応援してくださる人も増えていく中で、その責任の重さを感じ、いつからか、ステージは自分の立つ場所ではないかもしれない、自分はファンのみなさんの前に立つのではなく、友達と一緒にライブを観に行く、普通の中学生になりたい、あみや他のアイドルさんを応援する側になりたいと思うようになりました。
amiina みいなより皆様へお知らせ | amiina Official Web Site
続けるということと、やめるということは同じだけの勇気と覚悟がいる決断であると思います。 皆様には彼女のこれからの未来とamiina の続いていく道を、これまで以上に優しく、厳しく見守っていただけますと幸いです。
あとひとつだけ言わせてください。 クソ寂しいよ!!!!
amiina プロデューサー 齊藤州一
かわいみいな、amiinaについて | amiina Official Web Site
脱退に伴う運営のアナウンスも、みいなちゃん本人の言葉もあまりに誠実で、寂しいけれど、きっと最高のライブを観せてくれるだろうと思い、みいなちゃん最後のライブに足を運びました。
会場のルイード に着くと、天井一面に可愛らしいフラッグが。ステージ上のバックフラッグはこの日のライブタイトルをデザインした洗練されたもの。「Girl of Wind,Girl of Fire」の文字を中心に、1羽の鳥は枝に止まり、もう1羽の鳥はビルの方へと飛んでいく。デザインした人の気持ちがぎゅっと詰まっているようでした。
DJのおじさん(どこかの運営さんかな?)が校庭カメラガールとのコラボのcanvas を流しているのを聴きながら、12月13日のましゅりどますてぃ、もるももるのふたりが加わったcanvas を思い出していました。
時間が少し押して、ぴょんとあみちゃんとみいなちゃんのふたりがステージに。
「今日はあみがMCを務めます」と、ちょっぴり緊張しながら話し始めました。「ふたりとも高校に合格しました!でも公立の受験があるからがんばります」という話からの「まず最初はライムベリーさんでーす」。
■ライムベリー
今は高校生ふたり組のラップユニットとして活動するライムベリーは、サポートにDJのおじさんを加えてのステージ。
一曲目はいきなり……。MIKA☆RIKAの「下っ端」のイントロ。ズッコケるMIRIちゃんと笑うMISAKAちゃん、DJのおじさん。
ショットカートのMIRIちゃん、MAGiC BOYZにいても違和感ない美少年ぷりです。MISAKAちゃんはツインテール の似合う、絵に描いたような可愛らしさの美少女。
MCでMIRIちゃん「下っ端ですが今日ライムベリーが一番盛り上げちゃうんじゃないのというくらいにしたいと思います。今日は歴史に残るくらいの卒業ライブに…」と、話し始めたところで、DJのおじさんの横で踊り出すMISAKAちゃん。「だからお前は何やってるんだ」とつっこむMIRIちゃん。漫才っぽいやりとりになってました。
Eチケライムベリーを観ていた頃からすると、楽曲はずいぶんオラオラ系になった印象。マッチョな感じがちょっと物足りなくはあるけど、ハバナ イスデイというフレーズが入る曲と、適当にという曲はもう一度聴きたいと思えました。そして、なぜか〆も下っ端!(ちなみに、MIKA☆RIKAのふたりも観に来ていました)
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■963(くるみ)
こちらも中学生ふたり組のラップユニット。楽曲はlyricalschoolやライムベリーのようなパーティーチューン寄りではなく、どちらかというとお嬢様学校の女の子ふたりの早口言葉が音楽になったような感じ。まだカバーの方が多いのかな。
どこかマザーグース を思わせるようなナンセンスな歌詞もあり、amiina とは違った意味で、NHK でもいける感じ。
そして、MCが楽しい。ライブも半ばを過ぎたころ、MCで「今日暑くないですか?」と叫んで「こんなところにタオルが!」「五億円で売るつもりだったんだけど2500円です!」と強引な物販紹介。こういうの、照れが見えると痛いんですが、子供が本気で叫んでいるのでつい笑ってしまう。
「まだ2回目の対バンなのにこんな大事なライブに呼ばれてしまって戸惑っている」といった意味のことを正直に話していたのも微笑ましい。
オリジナル曲の「夢・幻・ドロップス」も、もちろんいいけれど、インパク トがあるのはやっぱりぱいなっぷるくらぶカバーの「すけるとんがーる」。まるで水槽の泡の音のような淡々としたトラックに乗るのは、交通事故で死んだ女子中学生が自分のお葬式を目にするという不思議な歌詞。大島弓子 の「四谷怪談」か、清家雪子の「まじめな時間」か……。
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■校庭カメラガールツヴァイ。
会場は暗いまま、メンバーがそれぞれのフォーメーションに立つ。しばらくすると、ターンテーブル のもるももるちゃんとののるるれめるちゃんにスポットがあたり、amiina との思い出を話し始める。 「緊張するね」「覚えてるね。初めてやった日のこと」「うわ!いる!って思った」「こんなに仲良くなれてよかった」「曲もだけど、ふたりの綺麗さとか。全部きれいだよね」という言葉がどちらともなくぽつぽつと。
そして、「今日は全部の思いを込めて歌います」というMCからのライブスタート。
amiina とのコラボ曲の「Her L Bo She」、「Lost in Sequence」、「Unchanging end Roll」、「Last Glasgow」と、みいなちゃんに贈るような寂寥感のある歌を詰めたセットリスト。
本日2回目のライブの新メンバーうぉーうぉーとぅおーみーちゃん、しっかり歌えていてびっくり。12月に見た時の、ステージの熱気がひとかたまりになってぶつかってくるような重 量感はありませんでしたが、「 Lost in Sequence」 や「Where the Wild Things」は曲の叙情が伝わってくる丁寧なパフォーマンス。全体的にまだまだと思う部分もありますが、これから成長していくのでしょう。らみたたらったちゃんがしゅりちゃんパートを受け継ぎ、堂々としたラップを披露していました。
ところで、この日はしゅがしゅららちゃんの存在の大きさに気づきました。いつでもほがらかに笑っているように見えて、実はちょっとシニカルで醒めたところもあるしゅがちゃん。ステージでマイペースに笑う彼女は、美少女に変身したチシャ猫みたいな存在感があって、シナモンシュガーみたいな人だなと。
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■3776
音楽オタクのおっさんが、自分の心の中の宇宙を具現化させるために、女の子をプロデュースするというのが今のアイドルのある種のテンプレですが、中でもおっさんの変態度が高そうなのが3776。
グループアイドルとしてスタートした3776ですが、今は実質中学生の井出ちよのちゃんのソロプロジェクトとなっています。 そのちよのちゃん、初めて生で見たけれど、果てしなかった。この日のライブは「春が来た」からスタート。3776の曲はわかりやすいメロディーラインのない、どこか脱臼したような印象を与える曲ばかり。それを自らつけた振りで踊るちよのちゃんは、アイドルというよりダンサーで、意志のないコッペリア のようにも、異国のお姫様のようにも見える。バレエをやっていることが大きいのでしょうが、振りでごまかさずに音に自分の身体を合わせる力が突出しています。
同じ中学生でも、amiina や963のあどけなさとは違う貫禄。いや、これはきっとアイドルや音楽以外のところにも届くよ。只者じゃない!
そんな怪物のようにも感じられるちよのちゃんの、中学生らしい思いの溢れたMC。
「私ね、すごい人見知りなの!でも、この子たち(amiina )がいたから若干克服できたの!」 「あみいなサイコー!! 」 「同い年くらいのソロアイドルっていないじゃん? まあ、ふたりだけど!」 「学校で仲良い子より私的には仲良いつもりなの!」 「伝説のアイドルだよね!」 「今日ほんとこれてよかった!」
そんなMCをふまえて披露されたのがamiina とのコラボレーション「3.11」。
「もっと遊べばよかった」という歌詞は、「3.11」というタイトルを踏まえるとちょっと悪趣味に感じてあまり好意的になれないのですが、ミントグリーンの衣装のちよのちゃんをセンターに、白いスカートのふたりがくるくる踊る姿はとても華やかで力強かった。(※最初青いスカートと書いていたのですが、このコラボは一つ前の衣裳ではないかと、私よりずっと長いことamiina と3776を見てきたイラストレータ ー松村早希子さん からご指摘いただいて直しました。人の記憶あいまい!)
踊り終えたあと、3人が「楽しかった3.11」「3人いるとよくやるよね。恒例の3.11」と話していたのに、ついつい笑ってしまいました。
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※1.00.30頃からコラボ「3.11」
ちよのちゃんがはけて、シークレットゲストとして呼び出されたのはデスラビッツ!
■デスラビッツ
デスラビッツはうさぎの耳をつけた女の子3人とダースベイダーのコスプリをしたデスボイスのおじさん(37歳・通称部長)の4人という、これまた趣味性の強いアイドル。
この日はシークレットということで、息のあったオタクいじりはありませんでしたが、楽しげな「恋する季節」を披露してくれました。
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3人がはけるて、デスラビッツの部長がステージに残ります。
とたんにamiina を待ち受けていたフロアの「かーえーれ!」コール。
「おお、怖いなあ。会場アルコール充満してるね」と一言話してから、amiina との思い出を語り始めました。
デスラビッツの主催イベントの第一回に出ていること。とても礼儀正しくて、「あー、高まるな」と思ったこと。ダンスに歌に、独特の世界観、これはくるぞと思ったこと。
「連絡を受けた時は、部長も悲しいなと思ったけど、決断したふたりを楽しく送り出してあげましょう」という優しい言葉に、フロアも神妙な空気に。
そして出てきたあみちゃんとみいなちゃん。黒いワンピースに青いベスト、スカートにはタータンチェック の様々な色の布を巻きつけた衣装はどこかエキゾチック で、ふたりのハツラツとした可愛らしさと、質の高い楽曲をしっかり演じきる底知れなさによく合っています。
1曲目のilluminaから、ときおりMCを挟みつつの構成。人でいっぱいになったフロアで、正直ステージがよく見えない時間も多かったのですが、人の隙間からでもふたりが思い切りライブをやりきろうとしているのがわかりました。
最初のMCは美味しかった遠征先でのごはんのこと。ひつまぶしとカニの話が出ました。ちよのちゃんと一緒に食べたことも何度もあったそうで、同世代同士の仲の良さがうかがえました。
「キーメーカー」はMIRIちゃんとのコラボ。しなやかさと力強さが印象的な「3.11」コラボとは違い、お姉さんが駆けつけた!という感じのコラボ。不良っぽい空気で出てきたMIRIちゃんがフリーラップをかまして祝辞を述べたのがカッコよかった!(何言ってたかはわからなかった)
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コラボ終わって、「このキーメーカーは最高ですね。宝物ですね」というあみちゃん。
MCでは、お互いの一番の思い出についての話も。ファンに話す前に、ステージ上でこっそりと一番の思い出を教えあい、一緒だった!と喜ぶふたり。
ファンの前に披露された最高の思い出は、主催イベントWonderTraveller!!! のでした。
「楽しかった」という言葉を、何度も口にするあみちゃんの早口のMCは、話したいことが溢れて追いつけなくなっているようで。かわいくてちょっと切なく、その後のDropでこちらが少し涙ぐんでしまいました。
amiina のライブは互いの背をあずける場面が多いのですが、背と背の間のその距離が遠い時でも、その間の空間に心地よい緊張感が流れていて、ステージ全体がちゃんと彼女たちが作り出す世界に支配されているのを感じました。
背伸びし過ぎない、でも、本人たちを未来へ後押しするような歌詞を聴いていると、このプロジェクトは本当に運営している人たちがふたりに大きな夢を乗せて作ったものなんだというのが伝わります。歌っていることも大きい世界のことだものね。
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そして、ライブも後半、みいなちゃんからあみちゃんへの手紙が読み上げられました。
小6の夏にamiina を作ったこと。最初はカバー曲をやっていたこと。プロデューサーのさいとうさんに会って、自分たちの曲が出来たこと。そして、脱退に対しての言葉。
「勝手に決めてごめんね。でも、自分で決めたので後悔はありません」 「この活動を通して音楽が大好きになりました。これからは応援する側としてあみを全力で支えます。こんな私とamiina をやってくれてありがとう」
礼儀正しく「こちらこそありがとう」と答えるあみちゃん。
「あみの一番のファンでいたいです。これからもずっと友達です。また遊んだりしようね。これからもよろしくお願いします」
みいなちゃんの言葉を聞きながら、時折涙声で「ハイ」というあみちゃん。
みいなちゃんの手紙が終わった後のあみちゃんの「泣かないのにね(普段は)」という言葉には、つい先日のワンダートラベラーでの泣き顔を思い出し笑ってしまいました。
「こんな手紙をもらえるなんてとっても幸せです。これを力にしてこれからも頑張っていくので、応援よろしくお願いします」 というあみちゃん。
もちろん応援するよ!
どんなに背中が遠くても相手の呼吸をきちんと受け止めている。そんなふたりの息のあったダンスが最後になるのは残念だけど、あみちゃんはきっともっと遠くまで行けるはず。旅や宇宙について歌う、その楽曲に相応しく。
そして、おそらく予定されていた最後のMCの時間で、あみちゃんからみいなちゃんにあてた手紙が読み上げられます。
「ちゃんと話します。声が震えちゃうかもしれないけど」という前置きから始まる話。
「車の中でamiina というユニットを作るといったのが始まりでした」という、リアルな女の子同士の約束のこと。 「つらいこともいっぱいあったけど、アミがいてくれたから乗り越えられたよ」 「amiina はあみとみいなでamiina だから、どっちが辞めるって考えてなかったから、最初はとてもショックでした」 「これからの自分に自信がないけど、自分は中途半端が大嫌いなので、絶対有名になります。だから、大きいステージに立った時にお客さんとして見にきてください。これからもよろしくね」 「ありがとう」
あみちゃんは練習中にみいなちゃんと話すのがとても楽しかったという話をしていました。よくアイドルは少女時代を犠牲にしてやるものだと言われるけど、そうではなくて本当にこのふたりにとってamiina でいる時間が楽しくて幸せな時間だったのだろうな。
それでも、みいなちゃんはステージを降りることを決断して、あみちゃんはもっと大きな世界へ進むことを誓う。
高校進学を目前にして、自分自身のこれからを決めて言葉にできるふたりと、ふたりの気持ちをきちんと送り出せる運営。
にわかオタクでも、その健やかな美しさにはやっぱり涙が出てしまいます。
でも、歌っている瞬間、踊っている瞬間は感傷的な甘さはなく、ただただ緊張感に満ちた楽しさだけが伝わってきて、それがやっぱり最強にかっこいいし、さわやかでおしゃれな音に合っているのでした。
アンコールは、シンガロングが気持ちいいcanvas 。
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ダブルアンコールは予定になかったらしく、しばらく時間をおいて飛び出てきたあみちゃんが、「部長さんとかみんなが行きなよって言ってくれて……」と話しているのを聞いた時に、心から拍手してよかったと思いました。
曲の準備が出来るまで、「私立は受かったけど、公立の受験はまたあるんですよ」という話をして、「実感ないな……」とこぼすあみちゃんに、「いや、実感持とうよ」とつっこむみいなちゃん。フツーの中学生の会話で、ふたりはきっとこの後もずっとくだらない話をしたりするんだろうな。
最後はドラムとギターの疾走感が力強いSignal!
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ステージもフロアも力を出し切った2時間が終了しました。
風の少女は飛んでいって、炎の少女はまた旅に出る。
また、少しでもその旅路を見守ることが出来ればいいなあと思います。
ototoy.jp
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Girl of Wind,Girl of Fire ラストライブ|あみいなオフィシャルブログ「あみいなのキラキラDreamブログ」Powered by Ameba
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