ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認遠慮なくご指摘ください。

横浜中華街鳳林の牛バラ煮込みごはんとカシューナッツの甘炊き

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 コロナでなければもっといろんなお店に行きたいのですが、この状況だと行ったことのあるお店の苦境が気にかかってしまう……。

 牛バラは豚より肉の臭みが出ちゃってて、味は悪くないですが、どちらを選ぶかと言えば豚かな。

 店長がなじみのお客さんに「もう飲食は厳しいですよ。これからもどんどん潰れます」と話していて胸が痛みました。

 お客さんにも丁寧に声をかけている姿を見ていると、こういうお店の人たちに不幸になってほしくないという気持ちが……。

 せめてものと思ってカシューナッツの甘炊きを購入。

 カシューナッツを油で炒ったおやつです。一袋650円と、正直安くないのですが、くせになる味。少し焦げたやつがあるのが、またいいんですよ。

 

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ヴィンテージアロハシャツの魅力@茅ヶ崎市美術館

 俳人の松本てふこさんを誘って茅ヶ崎まで。駅から美術館に行くまでの道がひなびた風俗街でちょっと驚いた。

 なんで「茅ヶ崎の美術館でアロハシャツを」と思ったら、茅ヶ崎市×ホノルル市・郡 姉妹都市締結5周年記念だったらしい。展示規模は小さいけれど、日本からの移民とのつながりや、デザインの変換などなかなか面白かった。第二次大戦中の軍隊の様子を描いたポップでかわいいシャツもあり、気持ちがきゅっとした。写真は最後の部屋の日本の有名人たちデザインのシャツとジョン・メイグスのデザインのシャツ。ここだけ撮影可でした。

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 上3つがジョン・メイグス。アロハのデザイナーの名前はあまり残っていないのだとか。


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  その後は熊澤酒造へ。駅から少し歩いたけど、工場の横に木造りのレストランとカフェとギャラリーがあり、すさまじく雰囲気がよかった。お酒も料理もおいしかったし、吹き抜けのベンチでは犬を連れてくつろいでいる人もいるし、これは最高のやつでは。今度はもっと人誘って行きたい。松本さんとは安野モヨコの話とあの頃のマンガの話をした。

 

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 松本さんと別れて大船で降りてポルベニールブックストアへ。「いい本がたくさんあるけど、選ばれた子どもしかいない私立校みたいな同質性を感じてしまうところもあって気恥ずかしいな」と思っていたら、地元のおじいさんが新聞広告で知った健康の本の取り寄せに来ていてなんだかよかった。お店のトレードマークのペンギンについて話していて、店長さんが「地元のイラストレーターさんに描いてもらったんです」というと、おじいさんは「それはけっこうなことで」と答えていた。

 買った本を読もうと喫茶店を探したが、遅い時間は空いていないようで、近くのビストロで。野菜おいしかった。

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ショーン・タンの世界展

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 「アライバル」で知ったショーン・タン。

 「アライバル」は東日本大震災直後に大ヒットしたサイレント絵本。一人の男性が移民として別の国(星?)を訪れ、生活していく様子を描く。当時からお気に入りの絵本だったけど、故郷から離れて暮らす人々の物語を、当事者性をもって読んでいたわけではなかった。

 しかし、改めて読むと「自分の生まれ育った土地から出ていかざるを得ない人々」の物語はまったくもって他人ごとではない。

 その「アライバル」の制作方法が印象的だった。登場人物と同じ服を着てポーズを取り、その姿を写真に撮ったものをもとに絵を描いたり、コンピューターでコンテを作り、場面の構成を入れ替えながら制作したそうだ。

 この絵本では見慣れない生き物がまとわりつき、奇妙な災害に襲われる街が、実際に地上のどこかに存在するもののように見えるが、それはこうした制作方法を選択し、年代記としての強度を与えたことによるものなのだろう。

 展示の中でもっとも心にしみたのは「内なる町から来た話」の原画だった。動物が今生と違うルールで生息している、人間が特権化された存在ではない世界。あるものはクマに訴えられ、ある集団は蝶の美しさに心を乱される。畳2畳分くらいの大きな絵画を見ているとその絵と同じ空間にずっといたいような気持ち--こここそが自分のいるべき場所ではないかという気持ちになってくる。

 高島屋閉店直前の人の少ない時間に行ったものだから、ほぼマンツーマンで見ることもできて、それもよかったと思う。

 

アライバル

アライバル

 

 

内なる町から来た話

内なる町から来た話

 

 

ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ

ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ

 

 


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劇的な「むすびのことば」が印象に残った【復活開催】明治錦絵×大正新版画-世界が愛した近代の木版画-@神奈川県立歴史博物館

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 復活開催の展示だということを訪れて知った。土曜日の午後に観覧。

 評判になっていたのかかなりにぎわっていて、整理番号式になっていた。呼び出しまでに30分くらいかかった気がする。

 明治錦絵。絵のモチーフや構図、技法は浮世絵と近いのだが、とにかく赤が強く目に焼き付き、独特の派手派手しさがある。明治になってから顔料に西洋の技術が入るようになり、赤が色褪せなくなったと聞いたのでそれだろう。

 「江戸時代は平和な時代」というのは誤認なのだと理解しているが、いまだに江戸のことをどこかのんびりした時代だと感じてしまう癖がある。くどくどしい赤で彩られた明治錦絵を見ていると、「時代の変わり目には絵も暴力的な色彩に変わるのか」と思ってしまう。いかんねえ。絵としてはこういう強い濃い色彩も好きなのだけど。

 大正新版画がとてもよかった。版画で作られる陰影がとても美しい。浮世絵に描かれた風景を遠い昔話のように感じてしまうのと違い、こちらは少しだけ私たちの生きる時代と地続きなように感じられる。描かれるモチーフは江戸や明治の絵と大きく変わらないのに、不思議だ。絵の中から湿度を感じとってしまうことともかかわりがあるように思う。川瀬巴水、土屋光逸、ノエル・ヌエットの名を覚えた。

 中止からの再開にあたってのむすびのことばが劇的で、博物館でこうした前のめりな文章を読みことは少ないので極めて印象に残った。

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10月に読んだ本・マンガ

 

 女子高生がていぼう部という部活で釣りに勤しむマンガ。主人公が「おいしい魚が自分で釣れるのがうれしい!」という動機で動いているのに共感。釣りしたくなる。と同時に、これは師匠が必要だなとも思う。「わからないことがあれば、放課後すぐ誰かに聞ける」部活ってすごくありがたいシステムだったなんだなあとしみじみ。大方の部活の先輩はここまでは頼りにならないと思うけど、それでもゼロからとは始めるのとは全然違うと思う。

 

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

 

  歌がうまい中学生にヤクザがカラオケ指南を頼むコメディ。おもしろいけど、中学生男子とヤクザだと男子の方に負担が大きすぎるように思えてはらはらしてしまった。

 

  著者が中高生の頃の作品集。絵も物語も幼いけれど、不思議な力強さがある。古い児童文学のような、大変ストレートな戦後民主主義的作品群。

 

迷路のない町 ― 齋藤なずな作品集 (1)

迷路のない町 ― 齋藤なずな作品集 (1)

 
恋愛烈伝 [上] ― 齋藤なずな作品集 (2)

恋愛烈伝 [上] ― 齋藤なずな作品集 (2)

 
恋愛烈伝 [中] ― 齋藤なずな作品集 (3)

恋愛烈伝 [中] ― 齋藤なずな作品集 (3)

 
恋愛烈伝 [下] ― 齋藤なずな作品集 (4)

恋愛烈伝 [下] ― 齋藤なずな作品集 (4)

 
片々草紙

片々草紙

 

  どの本も一話ごとの完成度や密度、切り口の鮮烈さがすごすぎて語り切れない……。文豪シリーズは「月に吠えらんねえ」読者必読。愛という状態をこれだけ多彩なバリエーションで描くマンガはなかなかないのではないか。早く「夕暮れへ」も買おう……。

 しかし、これらが紙で読めないことに驚いてしまう。傑作だけど今は流通してない単行本はいくつもあるけど、それでも古書で購入出来たり、図書館などで読めるものが多い。だけど、これは著者が再販NG出したわけでもないのに跡形もない感じ。

 

まくあい! (フルールコミックス)

まくあい! (フルールコミックス)

 

  ひさびさにBL読もうと思っていろいろ見てる。

 大衆演劇女形をやってる高校生と、彼にインスピレーションを受けるマンガ家(同級生)の話。導入は面白かったけど、それぞれの立場から表現について深めあっていくのかと思ったらすぐにくっついて終わってしまった。愛嬌のある人物像と大衆演劇に対する敬意ときれいな絵はよかったので残念。

 

渾名をくれ (onBLUE comics)

渾名をくれ (onBLUE comics)

 

  「ダブル」があまりにすばらしいかったので試しに。眉目秀麗で人気者の青年・ジョゼと、彼を崇拝する画家の天羽という、一見「まくあい!」と似たような設定。

 しかし、こちらは天羽がジョゼを信仰するあまり一人の個人として向き合えないというお話だった。

 ジョゼの美しさの表現がすばらしい。マンガの記号的楽しさを保ちながらこんなに肉体そのものの美しさを描ける人は見たことがない。

 

お母さん二人いてもいいかな!?

お母さん二人いてもいいかな!?

 

  中村珍改め中村キヨが描くレズビアンふたりの子育てエッセイマンガ。商業出版「お母さん二人いてもいいかな!?」で描いたことを、自主出版でより詳細に描いたのが「ママ母手帳」になる。

 街中で偶然出会ったシングルマザーの手助けをすることになった中村氏は、結果的に継母として、女性と子どもたちと共同生活をしていくことになる。

 起こっている物事の量が多すぎてうまく説明できないが、とても死に近い印象を受けるのに、中村氏が常に知性的で優しくあろうとしていて、その力強さに心を動かされる。

 息子のプライバシーについて心配していたが、「レズと七人の彼女たち」では相互でかなり丁寧に取り決めをした上でマンガを描いていることが記されていたので、大丈夫そう。

 https://twitter.com/ngnchiikawa/status/1301174831753211904?s=20https:/https://twitter.com/ngnchiik

  もぐらコロッケの出始めは「かわいい&ちょい不条理。よくあるやつ~~」とか思ってたのにまんまとはまった。魔法の杖から郎、そして草むしり検定の流れは間違いなく面白く、山本ルンルンの「はずんで!パパモッコ」や園山俊二の「がんばれゴンべ」を思い出させるものがあった。友人Kさんもはまっていて、一時期ふたりのラインのやりとりがずっとちいかわスタンプだった。

 

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ベアテさんのしあわせのつかみかた

ベアテさんのしあわせのつかみかた

 

 

  岩波から復刊された「冬の蕾」関連でいろいろ読んだ(復刊はいいけど電子書籍なくさないでほしい…)。マンガの補足として読むなら岩波ブックレットがとっつきやすいけど、憲法作成時のやり取りが詳細に記された「1945年のクリスマス」がもっとも読みごたえがあり、まさに憲法作成時の議論のところは興奮しながら読んでしまった。「ベアテさんのしあわせのつかみかた」は児童向けだけど、わかりやすくまとまっている。

  しかし、ベアテ氏が提案した「国の児童には無償で医療を提供」「学校では民主主義を教えなくてはいけない」といった趣旨の条文がカットされたのはとても残念……。

 

セルフケアの道具箱

セルフケアの道具箱

 

  セルフケアの方法を100紹介してくれる実用的な本。回復の過程を簡潔に、しかし丁寧に紹介してくれる。「すべてを実行できなくても100の方法があるから自分に向いているものをやればいい」という著者の姿勢も優しい。細川貂々の絵も気持ちが落ち込んでいるときでも読める筆致でよく考えられている。

 ただ、本書に描かれている人間像は傷ついて力を失った人々が多く、それは自分自身が落ち込んでいる時の状態と少しギャップがあった。個人的な体験から考えると、落ち込んでいるときは自己に対してはもちろん、他者にも攻撃的になってしまうことが多いように思う。そのせいで孤立し、精神をむしばむことが、気力体力を失うこととは別の、人を死に近づける要因であると思う。

 攻撃的とは言わずとも、感情的になってしまい、「こんな状態の自分を受け入れてくれる他人など存在しないのではないか?」という疑念がわいてきて、誰にも相談できない人は多いだろう。

 そういうままならなさに対する対処法をもっと知りたかった。

 

細木数子 魔女の履歴書 (講談社+α文庫)

細木数子 魔女の履歴書 (講談社+α文庫)

 

  怒りが直截すぎてノンフィクションとしてはいまいち。しかし、細木数子が徹底して他人の人生を乗っ取ることで私腹を肥やし、領域を広げてきた人であるということが知れてよかった。ガチで邪悪(ヤクザ)。そんな人を使うメディアの倫理観のなさも怖い。この本の影響でテレビ出演などが減り、表舞台から退いていったという話もあるみたいだけど、本当だろうか。今は弟子のような人が活動しているが……。

 

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)

 

  所用あり、20年ぶりくらいに再読。就職氷河期に出版社への就職を目指すマンガ好きの大学生が主人公。まだまだどこか浮ついている当時の空気がよく伝わってくる。少女マンガからの引用がたくさん出てきて楽しい。

 主人公が足フェチの老人と付き合ってる設定は、おじさんや老人の地位が下落した今では通用しないのでは。2000年代は「センセイの鞄」とか「カレセンー枯れたおじさん専科」とか、「性欲ギラギラじゃない渋くて優しいおじさんいいよね」みたいな流れが、小さいけれどあったのだ。今は昔より権力差を利用して女性を搾取しようとする年配男性の醜悪さが頻繁に目につくようになっているから、こういう憧れを無邪気に差し出すことはできないと思う。

 

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

  • 作者:川上 弘美
  • 発売日: 2004/09/03
  • メディア: 文庫
 

 

カレセン―枯れたおじさん専科
 

 

 

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 (公財)横浜市男女共同参画推進協会の広報誌。内容は平易だけど、広告と告知がとても勉強になった。

横浜中華街鳳林の豚バラ煮込みごはん

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 豚バラ肉と青菜だけのシンプルなごはんですが、ふんわりした豚の脂がたまらんです。きれいに脂を残して脂肪の存在感を保ちながら、味付けをやわらかでシンプルな醤油味でまとめるのがとってもよいです。いい意味で庶民の舌に沁みる味。

 会社の近くにあったらこればっかり頼んじゃうタイプのやつでした。約束された満足感が大事な、昼休みの一時の一皿。