ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

偽史山人伝(チラシのウラ)の次に読む、かわいくて怖い伝奇・幻想マンガ

偽史山人伝は2017年の8月に知ったマンガで、読んですぐに紹介ツイートをしたのですが、その時はまったくと言っていいほど話題にならなかったんですよね。


それがいきなり1万RTとかびっくりしました。いやー、「こんな面白いマンガが話題にならないのおかしい!」と思ってたので「やったー!」という気分です。

偽史山人伝は民俗学・伝奇風ですがSF短編っぽいそのほかの作品もめっちゃ面白いです。↓

チラシのウラ漫画

 

私、もともとこういう
「かわいいキャラクター」
「有機的な背景」
「不条理な物語」
の組み合わせが大好きなんですよね。


なので、「チラシのウラ先生の他のマンガも全部読んでしまったけど、まだまだこういうの読みたい!」という人のために、とりあえず今手元にあって読み返せるやつで、次におすすめしたいやつを勝手に書いていきます。

 

シトラス学園」 山本ルンルン

シトラス学園 完全版 (Ohta comics)

シトラス学園 完全版 (Ohta comics)

 

少し昔のカトゥーンを日本向けに落とし込んだような画の山本ルンルン。小生意気な少年少女の心の機微を描かせたら一流の、児童にも評価の高い作家ですが、実はデビューはガロなんです。シトラス学園は他単行本よりダークな初期短編が多く収録されていて、苦みのある終わり方にゾクッとします。
新装版ではどちらにその初期短編が入っているのかよくわからず……。

シトラス学園 バニラ

シトラス学園 バニラ

 
シトラス学園 キューティ

シトラス学園 キューティ

 

ここでちょっと本編読めます。

『シトラス学園 キューティ』  |  このマンガがすごい!WEB

『シトラス学園 バニラ』  |  このマンガがすごい!WEB


「どらン子小鉄」 はるき悦巳

どらン猫(こ)小鉄 (アクション・コミックス)

どらン猫(こ)小鉄 (アクション・コミックス)

 

下町人情ものと思われがちな「じゃりン子チエ」が、実は人と人のすれ違いや、取り返しのつかない過去とのつきあい方を教えてくれるハードボイルドな物語であることは読んだ人なら知っているでしょうが、そのハードボイルド成分をさらに煮詰めたのが猫たちの物語です。
本編にも時々猫たちの抗争や旅の物語が出て来ますが、用心棒から話の骨格をいただいた「どらン子小鉄」は、表情豊かな猫たちと絵画的な背景、そしてグロテスクな世界観がばっちりはまった大傑作です。死んだ仲間の首を吊して、どれが最初に腐り落ちるかをベットするとか発想がハンパない……。単行本はもう増刷しないらしいので、手に入れた方は捨てないでいただけると……。
あと、はるき悦巳はもともとつげ義春に影響を受けていて、「ねじ式」につらなるような不条理な夢の描写を「じゃりン子チエ」本編にもよく取り入れています。あれも「夢のような」マンガの中でベスト5に入るくらい素晴らしい。

↓「映画秘宝」好きな人なら全員読んだ方がいい傑作レビュー

雷蔵と呼ばれた男

 

「足摺水族館」「動物たち」など panpanya

足摺り水族館

足摺り水族館

 
動物たち

動物たち

 

 現実とよく似ているけれど、どこかノスタルジックでところどころズレた風景の中を、見た目も自我のあやふやな人間がさまよい歩く(本人にさまよっている自覚はない)。まるで夢をそのままマンガ化したような作風で、チラシのウラさんの作品と一番イメージが近いのはこれかもしれません。ビニールカバーの「足摺り水族館」とか、カバーを外すとコンクリートの写真がエンボス加工で印刷されている「動物たち」とか、装丁もそれぞれ図鑑っぽいのが魅力。


ねこぢるうどん」 ねこぢる

ねこぢるうどん

ねこぢるうどん

 
ねこぢるうどん (2)

ねこぢるうどん (2)

 

 自殺によりその作家生命を終えたねこぢるの初期短編集。サーカスで出会った大魔導師と話しているうちに虚無の世界に取り残されてしまう姉にゃー子の話と、夜中にカブトムシを取りにいったら彼岸に近い場所に迷い込んでしまった弟にゃっ太の話が好きです。

ガロから離れ、発表媒体が広がるうちに、少しずつ露悪的な攻撃性が前に出てくるようになって、そのあたりになるとちょっと読んでてつらいのですが、「ねこぢるうどん」は淡々とした話の筋とかわいいキャラクターの取り合わせが超越的な印象を与えてくれて心がすっきりします。

 

「船を建てる」 鈴木志保

船を建てる 上

船を建てる 上

 
船を建てる 下

船を建てる 下

 


かつて「ぶ~け」という、少女マンガ誌で一番「かっこいいが似合う」雑誌があったんですが、そこの看板連載のひとつでした。まるで海外の写真集を眺めているような美しい背景の中、かわいらしくも不気味なデザインのアシカたちが遊び続ける不思議な物語。彼岸の世界をこれ以上スタイリッシュに描くマンガ家はいないでしょう。白黒のコントラストの芸術!

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「クッキー缶の街めぐり」 田中六大  

クッキー缶の街めぐり

クッキー缶の街めぐり

 

絵本画家でもある田中六大のコミックス。表紙はのどかで、画もかわいいのですが「二千年前からの先祖の頭蓋骨が陳列された塔を守っているおばさん」とか、「身体が半分溶けたギャルっぽいしゃべりの天使」とか、「生け捕りにされた人食い鬼の鼻水を使ってジュースを作るおっさん」とか、ダークで無遠慮な世界が広がっています。


「クロとマルコ」 掘骨砕三

クロとマルコ (ヤングチャンピオン烈コミックス)

クロとマルコ (ヤングチャンピオン烈コミックス)

 

 人体改造・異種間交配エログロマンガの第一人者・掘骨砕三の一般誌連載作品。18禁もそうですが、この人の作品は身体が目も当てられないほど変化しても開き直るでもなく明るく振る舞っているところがほんと気持ちよく読めますね。SF調、伝奇調、都市伝説モチーフとさまざまな短編が収録されています。本命は「下水街」や「ひみつの犬神コココちゃん」なのですが……。


「マヨネーズ姫」 松井雪子

マヨネーズ姫 (1)

マヨネーズ姫 (1)

 

 純文学小説家でもある著者のガロ連載作品。何度死んでも生き返る双子の美少女、デパートの中に閉じ込められ、ずっと一人で遊んでいる女の子、食べても食べてもお腹の減らず、その大食いを見世物にしている美少女などなど、女性であることの渦を遠回しな表現で描き尽くす短編集。久々に読み返したら松井雪子意地悪すぎてちょっと気持ち悪くなりましたが、奇書であり名著であることは間違いないかと。


「寒くなると肩を寄せて」 鈴木健也

寒くなると肩を寄せて (ビームコミックス)

寒くなると肩を寄せて (ビームコミックス)

 

 「おしえて! ギャル子ちゃん」でブレイクした鈴木健也作。でも、こっちの方が変態的で圧倒的に強力。体臭のきつそうな人物とねちっこい絵柄とコマ割は、これまで紹介した作品とかなり趣が違うとは思いますが、知名度低くてもったいないと思ってるので入れてしまいました。

ここで無料で読めます。

寒くなると肩を寄せて - 鈴木 健也 | マンガ図書館Z - 無料で漫画が全巻読み放題!


あと、単行本見当たらない&持ってないんで解説あきらめたんですけど、
ディスコミュニケーション植芝理一

ディスコミュニケーション(1) (アフタヌーンKC)

「不安の立像」諸星大二郎

不安の立像 (ジャンプスーパーコミックス)

ねじ式つげ義春

ねじ式 (小学館文庫)

「拡散」小田ひで次

拡散 1 (アフタヌーンKCデラックス)

S60チルドレン」川畑聡一郎 

S60チルドレン(1) (イブニングコミックス)

Kindleで読めるようになってるとは…!

「チキタGUGU」TONO

チキタ★GUGU(1) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

宮沢賢治童話集」 ますむらひろし  

ますむら・ひろし宮沢賢治選集 2 銀河鉄道の夜 (MFコミックス)

「ミルク・クローゼット」富沢ひとし

ミルク クローゼット(1) (アフタヌーンコミックス)

「水域」漆原友紀

水域 愛蔵版 上巻
空が灰色だから」 阿部共実

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

GOGOモンスター」 松本大洋

GOGOモンスター

とかも多分好きな人多いんじゃないかな。
SFが少なくてすみません。これも面白いよってのがあったらコメント欄とかで教えていただけるとうれしいです~。

ねこぢる生誕50周年記念 ねこぢる&ねこぢるy展@ぎんけいさろん&ギャラリー

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ねこぢる作品は人生ベスト10に入るくらい大切なマンガだ。淡々とした暴力と理不尽が続く世界の中で、かわいい猫の姉妹が何事もなく生活している超越的な作風は、「世界はあらかじめ狂っている」という悟りを与えてくれた。


ひたすら息苦しくて出口のない気分で生きていた高校生の頃、初めて「ぢるぢる旅行記」を読んだ時の安堵感と解放感は忘れられない。


しかし、その時はもうねこぢるは自殺によってこの世を去っていた。


ねこぢるの死後、夫の山野一さんはねこぢるy名義でねこぢるのキャラクターを使ったマンガを描き続けていた。当時の私は、ねこぢる本人の描線より太い線で描かれた虚無的な表情のキャラクターも、重苦しい色調かつ、メタリックな質感すらあるデジタルな色彩も好きになれなかったし、そうやって作品を描き続ける山野さんの気持ちもよくわからなかった。


それから20年近く経ち、意外なことに山野さんと直接お話しする機会に恵まれた。「ねこぢる生誕50周年記念 ねこぢるねこぢるy展」の場だ。


山野さんが再婚し、お子さんのことをマンガに描いていることなどは把握していたが、いまだに「ねこぢるy」として活動しているのは知らなかった。


個展の会場は銀座のぎんけいさろん&ギャラリー。銀座の通りから少し歩いた小さなビルの中にあった。


小さくて少し暗いスペースで、ギャラリーとあるけれど、最初からそれを目的に作られたというより、空いた部屋を借りて、照明などを追加してギャラリーにしたのではないかと思う。


中に入るとねこぢるマンガ原画とイラスト原画、そして、ねこぢるyの原画が貼られていた。そのほかにも、ねこぢるが趣味で制作していたというろうけつ染めの布や、4歳児くらいの背丈のにゃー子にゃっ太のフィギュアも置かれていた。


私の訪れた時間帯には山野さんが在廊されており、展覧会用のハガキの裏に一枚一枚画を描いていた。


原画はねこぢるのマンガ原画、イラスト、フィギュアや布、ねこぢるyの原画イラストという順に並べられていた。


大切なマンガとは思っていたけど、ねこぢる作品を読むのは久々だった。展示されていた「大魔導師の巻」という短編は、サーカスに遊びに行ったにゃー子が、そこで怪しい魔術を使う老人に接触し、虚無の中に取り残されてしまうという話だ。


サーカスでの演目の場面で、切り落とされた女の首が宙を舞う描写がある。笑いながら中空を飛び回る首をアップにする、映画的なカットの挿入に、「ねこぢる」の実態がユニットであることを改めて実感した。


マンガ家・山野一により、作画・マネジメントの両面でサポートを受けながら、ねこぢるが描いていたのが「ねこぢる作品」なのだ。


原画を順ぐりに見回し、ねこぢる自らが染めたという布の前に立つと、それまで中央の椅子でずっと絵葉書に絵を描き続けていた山野さんが立ち上がり、「これはねこぢるが染めたものなんですよ」という解説をはじめてくれた。


何を話せばいいのかわからなくて一瞬戸惑ったし、何を話したのか残念ながらほとんど忘れてしまったのだけど、その穏やかで丁寧な語り方に安心させられて、思わず「ねこぢるを読んだのは高校生くらいだったんですけど、読んで『救われた』と思ったんです」と口にした。


山野さんは少しだけ不思議そうな目で「どうしてかわからないけど、そうおっしゃる方が多いんですよね」と返事をしてくれた。


オブジェの展示に続くねこぢるyの画は、とても穏やかな色彩で、にゃー子にゃっ太の目つきからもあの不穏さは消えていた。でも、死ととても近い世界にいたねこぢるのキャラクターは、そのノスタルジックな色彩の世界でとてもくつろいでいるように見えた。自死によってこの世を去ったつれあいに対する慈しみがにじんでいる。そんな画が描けるまで、どのくらいの時間や出来事が必要だったのだろうか。


物販を購入して直筆イラストの描かれた絵葉書をいただくと、丁寧に署名を入れてくださった。お礼を言う自分の話し方が、子供の頃に戻っているのがわかった。

 

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ねこぢるうどん

ねこぢるうどん

 
ぢるぢる旅行記 (総集編)

ぢるぢる旅行記 (総集編)

 
おばけアパート・前編 (TH COMIC Series)

おばけアパート・前編 (TH COMIC Series)

 
四丁目の夕日 (扶桑社文庫)

四丁目の夕日 (扶桑社文庫)

 
そせじ(1)
 

 

その地獄は他人事か、地獄に文化は必要か? ラップの似合う街・川崎の今を書くルポルタージュ「ルポ川崎」(磯部涼)

「気付いたら15の時にはヤクザの鞄持ち」


ヒップホップグループ・BADHOPのメンバーの一人・T-PablowがTV番組「フリースタイルダンジョン」内で、この言葉を口にした時に、一部で「あんなのハッタリで、本当はまともな家の子なんだろ」と毒づく人間が現れた。


これはT-Pablowの番組内での折り目正しい態度に加え「そんな人間がテレビバラエティーに出ているはずがない」というバイアスによるものだろう。


しかし、彼の言葉に嘘はない。モニターの向こうからT-Pablowをちゃかした人たちが、「ここは本当に日本なのか」と思うような土地が、彼の生まれ育った場所だ。


音楽ライター・磯部涼によるルポルタージュ「ルポ川崎」は、川崎で活動あるいは生活する人々に取材している。


川崎市は東京に面した細長い市で、街の様相は区によってかなり異なるが、本書のメインとなる川崎区周辺は市の中心地であると同時に、同市の中でもっともハードな環境の土地だ。


まず驚くのは、川崎中一殺害事件(10代の少年グループが中学1年生の少年を凄惨な方法でなぶり殺し、川に捨てた2015年の事件)の取材を進める著者の前に現れる街の様相だろう。


火災で11人もの死者を出した簡易宿泊所の跡地におもむくと、背後の公園からひどく酔っ払った中学生くらいの少年が現れる。地元の若者に話を聞くと、宿泊所火災も中学生によるリンチ殺人もよくあることと返される。


死者すら出した、南北戦争と呼ばれる暴走族の対立や、中学生から上納金を徴収するヤクザの話、アルバイト感覚で違法薬物を売りさばく青年たち。どれも多くの人にとって、「同じ日本とは思えない」話だろう。


こうした地域で、著者はミュージシャン、スケーター、ダンサー、福祉施設職員など、さまざまな立場の人々に話を聞いていく。


本書の軸の一つとなっているのは冒頭で紹介したBADHOPの存在だ。メンバーの多くは幼稚園の頃からの幼なじみ。中学生の頃にはヤクザから上納金の徴収を受け、資金の確保のために窃盗を繰り返していたという彼らは川崎の街の暗部を身をもって体感しており、音楽によってそうした境遇から抜け出そうとしている。


T-PablowとYZERRの高校生RAP選手権出場を一つの契機に、「本当の大人」と出会うことになったBADHOPは、その後ラップスターとしての道を歩み始める。彼らの成功に牽引され、ラップを始めた若者たちの存在が本書には何度も登場する。

 

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本書が悲惨な状況を写し取っていながら、全体としては陰惨な印象だけで終わらないのは、こうした能動的な人々の営みが繰り返し描かれているからだろう。


10年続いた、工場の屋上でのレイブ・パーティー「DK SOUND」。日本社会になじめないまま大人になる在日外国人の多く住む、桜本で開催される社会福祉法人主催の多文化フェス「桜本フェス」。街の自転車屋さんとして親しまれながら、若いスケーターの交流の場所となるスケボーショップ「ゴールドフィッシュ」。お互いの音楽を認め合うことで、不良同士の対立から逃れた「FLY BOY RECORDS」の面々。


著者は後書きでこう記す。


「例えば、BADHOPが発端だったとはいえ、もともと、本書では音楽を主軸にするつもりはなかった。しかし、取材を進める中で痛感したのは(元)不良少年たちが人生を軌道修正するときに、音楽ーー大袈裟な言い方をすればそれを含む“文化”がいかに重要かということだ」


ここで言う「文化が重要」というのは、なにがしかの芸術や娯楽を享受すれば「上等な人間になれる」とか、「幸福になれる」という効能の話ではない。


自分が何を愛する人間なのかを知ること。文化というフィルターを通し、自分自身や身の回りを見直す契機を得ること。出自や立場の異なる他者と愛するものを分け合うこと。


ここで文化によって育まれているのは、自身がどのようなものに囲まれて育ち、何を愛する者なのかという自覚、つまり“アイデンティティ”にほかならない。


桜本フェスを開催している鈴木健は「桜本フェスが終わった後も、理由があってこの街に住めなくなってしまった子が、『ここがオレの地元だ』って泣いていました。もちろん、彼ら彼女らを取り巻く環境は改善していないわけだから、『フェスが、地元意識が、なんになるんだ』という意見もあるでしょう。それでも、生きていく上で何かしらの力になるんじゃないか。いや、なればいいなという、僕の一方的な、祈りに近いような想いですよね」と話している。


また、自らの育った街をとんでもないところだと話しながら、「でもさぁ、東京のヤツらって友情が薄くない? やっぱり、川崎はその点が濃いからいいよなぁ」とBADHOPのメンバーは笑いながら話す。別に、東京だって、あるいはそのほかの街だって、友情が薄いなんてことないだろう。でも、そうやって自分自身の街を前向きに言葉にしていく姿に、読者の方が不思議と勇気づけられるのだ。

本書はもともとサイゾー本誌・WEBの2媒体で連載されたものだが、初期には「川崎の悪い面を強調しすぎ」と批判を受けたという。これを踏まえた上で、著者は自らの中に「次はどんなヤバいことがあるのだろうか」という下世話な好奇心があったことを否定せず、自らの行動をスラム・ツーリズムから一歩進んだものにするためには「やるべきことは、書くことだ」と書いている。


観光客から当事者になり、彼らの生きる場所を自分たちと地続きの場所とするための行動。


そして、面白いのはヒップホップという文化に「ヤバいものを安全なところから楽しみたい」というスラム・ツーリズム的な欲望を満足させる要素があるところだ。

 

現在、日本語ラップ好きの間では、かつてA-THUGと同じSCARSというグループに所属していたSEEDAの運営メディア「ニートTOKYO」が話題になっている。ここで配信されるインタビュー動画は、これまでメディアで取り上げられることの少なかったアンダーグラウンドなアーティストが多く登場し、内容も時折きな臭いものが混じる。これらの動画のヒットは、間違いなくある種の下世話な欲望に牽引されているだろう。

 

2017.11.20 SEEDAインタビュー書き起こし(素起こし) #DOMMUNE #ニートTOKYO - RED NOTE

www.youtube.com

 

また、本書に登場するA-THUGが参加しているDoggiesの曲「Doggies Gang」では、「雹と雪が降る 野菜を食べる」という表現で違法薬物を取り扱っていることが示唆されている。

 

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私がクラブでこの曲を聴いたのは、おおよそイリーガルな生活には無縁の青年たちが主催したイベントでのことだった。


そこではアイドルアニメ「Wake Up, Girls!」の曲の後に「Doggies Gang」が流れていてたし、彼らが制作した曲の中には、「野菜を食べる」というサビのノリをそのまま楽曲に転用した、ふざけたリキュール賛歌もある。

 

soundcloud.com


イベント後の呑み会で、現場で体感したDAWG MAFIA FAMILYにおけるA-THUGのスター性について親しげに語る彼らを見ていると、ある種の当事者性を彼らが文化を通して獲得していることを実感させられる。


こうした形での親密さは、別に社会運動につながるようなものではないだろうが、結果的に断絶しがちな階層の人間同士を、「同じ国に住む者だ」と自覚させる役割を果たしているはずだ。


「ルポ川崎」を通して描かれているのは、私たちと同じ日本のとある街の現状であり、文化が人間に果たす役割に他ならない。

 

ルポ 川崎(かわさき)

ルポ 川崎(かわさき)

 
写真集 川崎 KAWASAKI PHOTOGRAPHS

写真集 川崎 KAWASAKI PHOTOGRAPHS

 

 単行本にもかなりの量の写真が掲載されていますが、写真集は紙の違いにより、まったく違った質感を持った、作品として見応えのあるものになっているので、ぜひご一読を。

BADHOP「Life Style」のPV監督、Ghetto Hollywoodさんが「夜明けから朝方までの時間を書かせたら日本一」と評した、磯部さんの文体に近い印象を与えるのも写真集の方だと思います。

tocana.jp

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hontuma4262.hatenablog.com

余談ですが、ヒップホップとスラム・ツーリズムと言えば、以前ロベルト吉野が「東京DEEP案内」に書かれたドリームハイツの紹介文(当然古びた街という揶揄的な表現)を「僕の街イケてるでしょ」という感じにシェアしていて、それを何となく「メタラーの吉野さんがヒップホップの人っぽいこと言ってるな」と思ったことなんかもふと頭に浮かびました。

かっこ悪いところ見せてでもかっこつけたい人の集まり TINPOT ALTERNATIVE @月あかり夢てらす

@f:id:hontuma4262:20180103151912j:image

ヒップホップ4大要素のひとつであるダンス。

ということで、チンポオルタナティブでスタジオチンポの面々がダンスバトルという新しい悪のりをスタートさせてました。

2016年9月からわりとまじめに参加しているスタジオチンポのイベントですが、今回は当日に京浜東北線が架線故障で止まってしまい、開始1時間半頃に到着するというしょっぱい状況に。

入ったタイミングではメブさんのDJ中。ぽ太郎さんのDJと、MANOYさんのライブは終了したところでした。ざ……残念。

この日は秋葉原サイファーの関連メンツが別個リリースパーティーをやっていたこともあり、人は少なめ。当たり前だけど、イベント来続けるってそれだけでけっこう大変だし、来てもらい続けるってのも大変だよなあ。

DJ終わって始まったのがuglinexくんのライブ。普段は演劇畑で活動しているという彼のラップは、ちょっとポエトリー寄りで、聴き取りやすい。あとは、かっこつけることに躊躇がないのが強い。

uglinex「Afterburn」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

ライブ終わって始まったのが中高でダンスをやっていたJavaraさんによるダンスショーケース。会場に入った時も、入場者にも気づかず鏡の前で練習をしていた彼のダンスは、衣装も併せて本格的。

なるほど、前にインタビューで聞いた拍を取るってこういうことかと実感。かっこよかった!

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お次はダンスバトル
一部参加者は前日にダンスの練習をしていたそうで、中で評価の高かったマジコン、ヤボシキイによる試技の披露。披露されたバトルは、拳を振るう動作のマジコンくんに刀で切りつけるヤボシキイくんというリアルストⅡ(ゲームの感覚が90年代から止まっててすまん)調。つきあいの長い2人なので、お互いがちゃんと息の合った掛け合いをしている感じが面白かった。

「はい、観ればわかると思いますけど、これはガキの頃やった『たたかいごっこ』ですね」というアナウンスから参加者を募るも、さすがにラップほどは人が集まらない。

そんな中、果敢に参加した細身のらいんひきさんがダンスダンスレボリューションのまねごとをしたり、大学の応援団長だった遊牧民さんが完全に応援団あのムーブで音に乗っていったりと、公園の砂場のような原初的な空間が形成されていました。(でもビートは泉まくらとかK-BOMBとかFla$hBackSとか)MANOYさんのちょっと手旗信号感のあるダンスはチャーミング。泉まくらで踊る遊牧民さんとオラディーさんのダンスはちょっと泉まくらファンに怒られそうな感じでした……。

お次のいぬいぬさんのDJはアニソン多めだったんですが、曲の構成に「ん?校庭カメラガール?」と思うものが多くて、コウテカのアニソン遺伝子を改めて実感。

ソロEP公開を終えたばかりのオラディーさんのライブは、EP同様フロウの無駄使い感がすごい。「年下の女の子声優に!夢中になっちまったら終わりや!」ってどんなフックだ。さすが声豚ラップの第1人者のひとり。でも、声がなめらかなのでフロウが決まる感じがすごい。楽しかった!

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 ダンスバトル第2回戦はあらいぐまさんとカクニケンスケくんが加わってさらにカオスの様相を呈しました。

ヤボシくんが、遊牧民さんの技を受けて床に座り込むリアクションをしたところに、遊牧民さんがいきなりキスをしたのはまじで非道だと思いました……。

第2回の最終戦はあらいぐまさんとカクニケンスケくん。K-BOMBの曲で痙攣したようにエセ暗黒舞踏を踊り出すあらいぐまさんと、若干引きつった笑顔を浮かべながらいきなりコサックダンスを始めるカクニケンスケくんとか、形容しがたい異様なものを見ることができました。ダンスと言うより身体を使った大喜利と言う方が近いかもしれない。ちなみにカクニケンスケ勝利!

でも、参加者みんなの「かっこわるいところを見せてでもかっこつけたい」感じがエモいと言えないこともなかった。

そして、今度は運営陣「チンポマニア」によるライブ

DJドクマンジュにヤボシキイとジャバラで3MCというボリュームのある編成。

この編成は3月のチンマニぶり。で、ヤボシくん今までのライブで何度か歌詞を飛ばしていて、しかもそれを私がブログに書き残しちゃったからドクマンジュくんがTwitterで怒ってたのを見たりしてたんですよね。

「あっ、やべえ」と思いつつ放置してたんですが、この日はちゃんと圧のあるライブが出来ていて、鍛錬が見て取れました。何より、クラブの音響で聴くと、それぞれの曲のラップミュージックとしての正統ぶりが際だって、「皆のラップに対する愛情がオリジナルティーを持って形になってる」感がよかった。

フックは「俺も赤ちゃんプレイしてえな」だったり、「原発反対!」だったりするんですけどね。そして、めっちゃ盛りあがるんですけどね。でも、それもむしろヒップホップ感あるよね。

大丈夫音楽「OSHIMAI BABY PLAY」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud


最後は100均の道具を叩くセッションから、JavaraDJでのんびり終了。

後でドクマンジュくんがダンスバトルを「みんなラップは安定しちゃったから、新しいことやってもらったらめっちゃハラハラして最高だった」みたいなことを書いていて、やっぱ信頼できるなと思いました。

2018年またヤボシキイ名義の新しいアルバムが出来るらしいので、その後のチンマニが楽しみです。

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umaneco presentsおいでよ !ワンパク村!~クリスマスだよ全員集合~で、もつ酢飯ライブ納めをしました

もつ酢飯のライブ納めということで、クリスマス当日に恵比寿BATICAに行ってきた。

ラーメン屋、高い飲み屋、高い飲み屋、ラーメン屋と続く恵比寿の表通りを歩くと、こじゃれたガラス扉の外にぽつんと教壇のようなカウンターが置かれていて、そこでスタッフが入場料を受け取っていた。こんな寒い日に道路で金を受け取るってえらいしんどいな。

中でモスコミュールを頼んで、ライブ会場である2階にあがるとペペ長谷川さんが歌っていて……。って、ペペ長谷川さん。いい声だけど、普通の頭の薄いおじさんなんだが。何やってる人なんだ。

www.youtube.com

もつ酢飯の2人を見つけて声をかける。ペペさんのライブが終わると、2人ともフロアから直接ステージにあがってライブがスタート。

もつ酢飯のテーマから、1on1、服屋wars、ブラック・リフレクション、But,無理 is よくない、ごはんパンというセトリ。

もつ酢飯のテーマは間奏での「男の子!女の子!」「1階席!2階席!アリーナ席!」というアオリが定番になっているようだった。

そこから女の子同士のマウンティングの様子を歌った1on1。息の合ったかけあいで、二人の仲の良さがうかがえるのに、歌ってるのはdisりあいというのが面白かった。あとで考えると、メルカリに4℃のアクセが山ほど転売されているというクリスマスの夜に「4℃とかハンパでやだわ」という歌を歌うのめちゃくちゃタイムリー。

f:id:hontuma4262:20180103122430j:image

ビートの個性の違う曲が次々披露されるのを観ながら、ちょっとこの1年を思い出した。

もつ酢飯の最初の楽曲はサイファー主催のドクマンジュくんのビートで、ひねくれた歌詞にアブストラクト気味のビートという謎に攻撃的なG.I.R.Lという曲だった。

soundcloud.com

それが今ではバトル・ライブ・学校とさまざまな場所で出会った人の曲でラップしている。テーマもオタクの自虐とdisりから、マイペース人生宣言、炭水化物賛歌とどんどん広がっていって、自分を過去にするスピードが早い。

t.co

motsusumeshi.bandcamp.com

もつ酢飯のテーマの初披露は、タイダルトガリネズミというイベントで、ムノウちゃんが緊張で歌詞を飛ばしていたりとまだまだ「微笑ましい」レベルだったのだけど、もうちゃんと演者だな~と思いながら楽しんでいた。

www.youtube.com

もつ酢飯 (ワッショイサンバちゃん作の公式HP)

もつ酢飯終わって2人と話したりしていると、ORETACHI(丸省&METEOR&高野政所がスタート。秘密結社MMRはMETEOR×丸省×RIND編成だから、政所さんが入った時をORETACHIとしてるのかな。

丸いおじさんたちの聴きとりやすくてくだらない歌詞と、あっぴろげなMCが何だかもうびっくりするくらい面白かった。

ラッパーのギャグ、基本「微笑ましい気持ちで観る」のが正解だと思ってて、「楽しませてもらう」ものじゃないと思ってたんだけど、もはや笑いすぎて内容を覚えていない。レポートできないじゃないすか。無能だな、自分。いや、アンダーグラウンドは現場にしかないからいいのか。

冗談抜きでくだらなすぎて、ストレートすぎて心に花が咲くので少年ジャンプを本気で読んでいた頃に戻りたい人は観てほしい。

年末に秘密結社MMRのCDも買ったし、これを聴いて1月を乗り切りたい。

「10年後もこんなことしていたい」的なMETEORさんのバースを聴きながら「その頃には現場に飽きているかもしれないな。何やってるんだろ10年後」とふっと思った。

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スーパーヒップホッパーズ ~幻の巨大魚編~

スーパーヒップホッパーズ ~幻の巨大魚編~

 

1階に降りてフードを食べていると、元気そうなお兄ちゃんと「ORETACHIよかったですね」「誰目当てですか」みたいな話になって、「もつ酢飯です」と答えたら、「もつ酢飯もよかったですね~。前出たときはあんまり盛り上がってなかったんですけど」と話してくれた。相手の人は一瞬「余計なこと言っちゃったかな」というリアクションを見せていたけど、成長を目の当たりにしたようでむしろうれしかった。

ごはんを食べて2階に戻るとディスク百合おんさんのDJ中で、最後にゲストにアンパンマンのビニール人形を持ち込んだりしていて、馬鹿馬鹿しく楽しく盛り上がっていた。

最後のおやすみホログラム

カナミルがフロアにつっこんできて、それを観てかインドのサリーでアクセサリーもバチバチに決めた女性(umanecoメンバーの方だったのかな?)もリフトされてカナミルに手を伸ばしていたのが何だか洪水っぽくてよい画だった。

ごちゃごちゃしているけど、それがマイナスにならない、熱量があるんだけどどっかのどかなライブ。初期からの代表曲多めのセトリも、たまにしか観ない人間にとってはうれしかった。

翌日の仕事のことを考えておやホロ終わってから帰ったけど、結果的によいライブ納めになった。面白くてのどかな現場が作れるのはすごいことだ。ワンパク村はまた行きたい。

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サブカル不毛の地・横浜から生まれた「nuance」はローカルアイドルとして正しい

横浜のご当地アイドルnuanceがドルオタの間で話題になっていると聞いたときは、マジかと思いました。

 

横浜ってサブカル不毛の地と呼ばれてるんですよ。理由は簡単で、何もかもが東京で足りてしまうし、何かやろうとしたら東京に行った方がいいから。だから、新しいものが生まれないし、狂人は居残らない。

 

アイドルももちろんそうで、ナチュラル・ポイントやポニカロードといった先人はいたけれど、じゃあそれがそのまま東京に行ったり、横浜に人を呼んだり出来るかというそこまでの存在感はなかった。

 

それが、いきなり「横浜」をアイデンティティに添えたグループが話題になってる。しかも、アー写にも衣装にも曲にもちゃんとお金をかけてる感じ。ライブアイドルにありがちな「とりあえずやってみました」感がない!

 

調べてみると、サウンドディレクターは乃木坂46遊助への楽曲提供もある佐藤嘉風(かふう)。そして、楽曲提供は劇団鹿殺しからオレノグラフィティ、横浜のフォークデュオN.U.ら。「キンプリ」「プリパラ」に歌詞を提供している宮嶋淳子も。振付はこれまた劇団鹿殺しの浅野康之。ダンスレッスンには横浜元町でダンススタジオを開設しているFUYUMI。最新のジャケ写はハービー・山口。地元のクリエイターに加えて多彩な制作陣が参加している。

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ライブアイドルである程度の質を保っているところって「イカれた大人が人生投げ出しつつ無茶を通して運営する」イメージを持っているので、「横浜にもそんな気合いの入った狂人が……」ということに驚きました。

 

HPを見ると横浜市商店街総連合会に関わる企画らしい。たしかにあそこ知り合いいれば何とでもコラボする印象あるし、アイドルバックアップしててもおかしくない。その後、運営はコンテンツ制作の何でも屋さんであるミニマリング・スタジオが行っていると知り、安定感のあるパッケージングとコネクションの強力さに納得しました。

とはいえ現場まで行くつもりはなかったんですが、なんとワンマンの会場は横浜に1946年からあるダンスホール・クリフサイドというじゃないですか。清竜人25の「Mr.PLAY BOY…♡」PVの撮影場所ですね。

 

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年配のお客さんを中心に、未だにダンスホールとして機能している希有な箱。また、ジャズライブやダンスの発表会なんかも行われています。関東圏のドルオタなら東京キネマ倶楽部をイメージしてもらえばいいと思います。

 

ただキネマ倶楽部と違って石川町駅もしくは元町・中華街駅から降りて少し歩く、元町商店街の裏手の坂の途中という見つけづらい場所にあり、地元の人間ですら存在を知らない人が多い。ましてやアイドルのライブなんて開催されたことありません。

 

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横浜駅周辺ですら来てもらうの大変なのに石川町て……(まあ、閉店したリザードも含めると横浜の代表的なライブハウスは石川町に集まってるんですが)。連合会のバックアップがあるみたいだし、クラウドファンディングも行っていたから運営が大赤字になることはないかもしれないけど、どう考えても無謀。

 

というわけで、前置きがめちゃくちゃ長くなったけど、横浜で無謀なことをしている人がいるらしいという好奇心でnuanceワンマン行ってきました。

 

中に入ると、立派なソファーのある待合室やホテルのようなクロークが出てきて、ここでもう元取った気になりました。会場にはあちこち古い写真や絵画も置かれていて、歴史を感じさせます。

 

そして、ドリンクカウンターにはYシャツに黒ベストの品のいい服装の年配の女性。白ワインをグラスで渡していただきました。ダンスホールっぽいぞ!古い映画の中みたい!

 

ドリンクを受け取って会場に降りると、背景に古い喫茶室で使われるようなレタリングでのクリフサイドという文字が躍るステージの上で、すでに4人の女の子が踊っていました。会場内はご家族・関係者と思わしき人が40人くらいで、オタクが50人くらいかな。

 

低いステージの後ろから見ていたので振り付けはよく見えなかったんですが、曲はたしかにいい。革新的なことをやっているわけじゃないけど、軽やかで聴き心地がよくて、アイドルっぽい少し抜けたかわいらしさもがある。楽曲派受けしそうな出来。

 

ステージングも「レベル高い!」っていうわけではないのですが、全体的に誠実で、ちょっとおっとりした感じで、いい意味でいかにもローカルアイドルっぽい。

 

ぼんやり見ていると「6曲駆け抜けてまいりました。次からは後半戦です!」というMCから、メンバーがいったんはけて、misakiちゃんによるギター弾き語り。

 

「名だたるアーティストがPVに使っているような場所で弾き語りが出来るなんて夢のようです。でも、これもニューメンとメンバー3人のおかげなので」というMC。めちゃくちゃしっかりした子で、歌も安定感ありました。

 

次に出てきた女の子は頭にミツバチの触覚ヘアバンドを着けた珠理ちゃん。「いつも4人でいるから1人心細いな~。でもがんばろ!」といいながら「ハチミツ片思い」というラテン調の曲を披露。「ハチミツ片思い~」というサビがものすごく頭に残る曲で、今でもたまに思い出します。

 

ソロコーナー終わってから衣装を着替えて、再び4人でのライブへ。

 

ロコドル感たっぷりの楽曲「We Love 商店街」がとても盛り上がっていて、これまでの活動の歴史を感じてほっこり。合間合間にのんびりしたMCをはさんだり、アンコールでのサイリウム点灯に珠理ちゃんが泣き出したりと、アイドルらしい場面もはさみつつ、ゆったりした空気で終了しました。

 

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最後に、メンバーが垂れ幕を持って2階のバルコニー上のスペースにあがり、サプライズで発表したのは6月のO-WESTでのライブの発表。

 

バックアップがあるのかもしれないけど、まだ横浜のちょっと話題になってるくらいのロコドルなのに、キャパ600の箱って正気じゃないなー。でも、面白いし、応援したい。

 

nuanceって、ただ「地元の可愛い子を使って人を呼びたい」じゃなくて、「横浜でも面白いものが作れるよ」と「地元の人も知らない横浜の面白さってこういうとこだよ」というプレゼテーションができてるんですよ。つまり地域の再発見ってやつですね。ご当地として正しい。

 

制作が昔から地元の広報誌や映像、企画を作っているミニマリング・スタジオなのが大きいと思うんですが、そういう思想のあるなし大切。

 

半年後にO-WESTは大きな挑戦だけど、成功してほしいなあ。 

 

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