ホンのつまみぐい

貼ってある写真は本文と関係ないこともあります。

文喫行きました

 そういや先週、ストリップで知り合ったKさんと、うわさの入場料のある本屋こと「文喫」行きました。それぞれの仕事的に何かプラスになるかなーと思って、文喫の中の人ことAさんとアポ取ってたのですが、Kさんと私がAさんにストリップの話をしまくって終わりました。写真1枚も撮ってない……。3人とも仕事の後で微妙に疲れていたのに、私とKさん二人で順番にしゃべるから、サラウンド方式で途切れずストリップ話が続くという謎の1時間半。まあ、でもAさんに「ストリップはエモい」ということが伝わってよかったです。

 えーと、「文喫」ですが、書店の新しい価値を模索しているというのはよくわかりました。「入場料のある本屋」って表現されるけど、「きちんと選書された本があり、なおかつゆっくりくつろいで本と向き合える空間にお金を払ってもらう」ってことなんでしょうね。書店というものの社会的価値を問い直すというか。

 書店はもともと、全国に配置された知のインフラでした。毎週新しい情報が掲載された紙の束が送られてきて、何十年・何百年と積み重ねられてきた地の集積が時に数百円で手に入って、幼い子どもたちが初めて手にするフルカラーで描かれた物語がある。

 書店の存在というのは、それだけでその地域の文化的豊かさを保証してくれるものだったと思います。

 しかし、様々な要因によりそれが成り立たなくなった今、「書店・取次(問屋)が次に社会に提供できる業界ならではの価値ってなんだろう」ということに向き合った結果なのかなと。

 まあ、「この業態でどうやってもうけを作るんだ」とか「六本木だから成り立つのかな」とかいろいろ考えてしまいますが、ありとあらゆる試みが行われるべきだと思うので、プラスの一撃に向かうことを祈ってます。

 私ももっと、最近増えてきた小さな書店さん回ろうかなと思いました。書店が改めて自らの社会的価値を見直す時が来ていると思うから。

 入場料1500円(税抜)なんですけど、いい感じの人文書がいっぱいあったから、企画書作りたい人とかレポート書きたい人にはいいと思います。飲み物や食べ物もかなりちゃんとしているし、音うるさくないし、イス高いやつだし。コワーキングスペースとして使う人も多いんでしょうね。ちなみに入場料、平日19時以降は1000円になるとか。

 そして、入口をくぐったとたんに「おしゃれですね……」とぐったりした声で口にしたKさんを改めて好きになりました。

bunkitsu.jp

www.cinra.net

 

また大阪に行ってきました

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世紀末というイベントのために大阪に行きました。

後ほどもう少し整理された言葉で記す予定がありますが、ほのぼのしていて居心地のよい空間でした。

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それにしても、初めての場所で人と話すのが下手だなあと改めて思いました。

だからこそ、自分に負荷をかけたくて取材をするのかもしれない。そうじゃなかったら誰とも話さないものね。お会いした皆様ありがとうございました。

 

翌日の夜はれだん。SNSで見てずっと気になってたお店です。支店の谷町四丁目店に行ったのですが、刺身の盛り合わせにくじらが入っていたり、蟹味噌のムースがあったり、菜の花の葛豆腐なんてのが出て来たり、とても気が利いていました。

21歳の青年がひとりきりで飄々としたていでお客さんをあしらっていながら調理をしていて、気持ちの良い空間でした。
「鹿児島から修行に来た」というその青年を、常連のおばあさんが「この子はほんとにエラい子やねん」と何度も力強く褒めていました。

 

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もうひとつ、小鉢に入った親子丼があったのだけど、写真を撮り忘れてしまった。

 

梅田駅周辺では、路上ライブをする人たちをたくさん見かけました。にぎやかでいい。ディスクユニオンじゃりン子チエのトートバッグを購入して、ギリギリ時間があったので東洋ショーに引退する渚あおいちゃんのステージを観に行きました。

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渚ちゃんが終わってすぐ劇場を出たけど、とても暖かい時間でした。しかし、東洋の規定の「リボン・タンバリンなし」はやっぱりちょっと寂しいかな。

大阪、楽しかったです。また行きますね。

 

hontuma4262.hatenablog.com

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渚あおい引退週「aoidol」2019年4月頭@東洋ショー劇場

渚あおいちゃん、引退日前日の公演に行ってきました。会場は大阪の東洋ショー劇場。人がぎっしり入っていて、東京で見たお客さんもちらほら。

 

渚ちゃんは初めて大和ミュージックを訪れた際に観た踊り子さんで、ポールを使った涼しげなダンスに目を奪われたのをよく覚えてます。客のいなし方も含め、陽性のパワーにあふれた人でした。

 

2回目に観た時は、泥酔したお客さんが延々と爆音でタンバリンを叩き続け、それに激怒した彼女が小道具と靴を投げつけるというトラブルがありました。


本人にしてみれば不本意極まりない状況だったと思いますが、その時の怒りを隠さない目は、いつも以上に大きく開かれていて、彼女の肌の白さと相まって格別に美しかった。申し訳ないけれど、特別なものを観た感動がありました。


その直後の写真撮影とオープンショーで、皆に「せっかく楽しみに来てくれたのにキレちゃってゴメンね」という身振りをしていて、強気で自信ありげな表情の奥の優しさに触れた気がしました。


そんな彼女が最後に選んだ演目は「aoidol」。いかにもAKB48的な衣装やダンスで、ベッドショーも終始ニコニコの明るい演目。


彼女のステージは、よくニヤッとしたナルシスティックな表情が目について、私はそこに力強い華やかさを感じていました。


しかし、この日の彼女は劇場空間全体を愛おしむような感極まった表情で、その湿度の高さはこれまでのカラッとした涼しげな美しさとは異なっていて、少し意外に感じました。でも、オープンショーで膝を折って、チップを渡す客ひとりひとりの手を握りながら、いつもより崩れた笑顔で「ありがと〜」と言う様子に、「ああ、これが感情が溢れ出るということなのか」と納得しました。

 

チップの列が長すぎて、いつのまにか用意した曲が終わってしまったけど、会場の皆による拍手をバックに、彼女はぐるりと舞台を回り終えました。


最後に、衣装の一部らしきものを思い切り放り投げ、お客さんにプレゼントして舞台を去りました。その後の写真撮影や全員集合のフィナーレの時間には参加できなかったので、その爽やかで力強い遠投が、最後に観た彼女の姿になりました。

tofubeats vs 思い出野郎Aチームを観に行ったら、tofubeatsがギラギラしていた@代官山UNIT

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 「CHOICE 19」tofubeats×思い出野郎Aチーム

 平易な言葉しか使わないのに、知性を感じさせるもの同士ツーマン。

 思い出野郎は中盤の「野放しになってるヘイトよりも禁止されたダンスビート」でおなじみの「無許可のパーティー」からの、スポットライトに照らされて 僕らの肌はまだら模様」という表現が美しい「フラットなフロア」が、声に体重がかかっていてぐっときた。言いたいことがちゃんとある人、言う覚悟がある人、かっこいい。

 最後が「去った!」で、だいぶ前にライムベリー最古参のAさんが「思い出野郎の切なさややるせなさはアイドルにあう。ライムベリーに曲を作ってほしいけど、今のライムはそういう想像力がないから無理だと思う」と嘆いていたのをふと思い出した。これから、「去った!」聴くたびにライムベリーとAさん思い出すのかもしれない。

 

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 それにしても、この大所帯で、この年代で、おのおの仕事をしながら、このクオリティを保つのは大変だろう。だから、「久しぶりにデートしたかと思えばタワレコかユニオンだし」(週末はソウルバンド)なんだろうけど。

 

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 久々のtofubeatsは陽のオーラが大幅に増していた。

 最初に観たtofubeatsのライブがFantasyClubのリリースパーティーで、その頃の彼はどこか遠慮気味にライブをしていたと思う。

 それから何度か見る機会があって、どのライブも楽しそうだし、こちらも楽しかったのだけど、それでもその時は「tofubeatsを見せる」ことより、「DJとして音楽を楽しんでもらう」ことを重視していたように感じた。

 しかし、この日はtofubeatsというMCがはっきり前に出ていて、それはワンマンを重ねてきたことや、会社を経営してきたことと無縁ではないのだろうけど、ちょっとびっくりしてしまった。

 新しい代表曲「RIVER」ではシンガロングをうながしたり、少し声に力をこめて「平成の代表曲」と言って「水星」を流す。tofubeatsは引き受けた場、選んだ場を盛り上げるために、自分自身の光量をあげることを選択したのかもしれない。その場というのは、当然ライブ会場だけではない。

 

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 私は彼のアー写が好きだ。いつもそっぽを向いていたり、口に手を当てていたり、正面からの写真では少し眠そうな目をしていたりというはぐらかし方に、シャイな性根がにじんでいたから。

 でも、いつか正面を向いてにこっと笑うアー写が出てきたりするのかもしれないな。

 ともかく、無理やり躍らせるようなことはしないのに身体が勝手に動いてしまう水の流れのようなDJは素晴らしくて、しかもこの日は何だかアッパーなセトリの組み方で大変盛り上がっていた。

 

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追記:そういえば、ストリップ好きの女の子が「もし自分が踊り子さんになったらオープンショー(ググってください)で『無許可のパーティー』を使いたい」と書いていたのも、聴くたびに思い出すことのひとつ。

銀座で買い物の仕方を教えてもらって、「装い」への恐怖心を減らしてきました

 ドルオタ仲間のKさんに買い物につきあってもらい、銀座でコスメと服を買い足しました。

 た…楽しかった……。勉強になった……。

 私は「装い」にまつわること全般が大変苦手です。

「装い」の何が面倒って、それを身につけて人前に立つわけじゃないですか。だからミスると影響が大きいんですよ。いきおい慎重に時間をかけて選ぶ。だけど、それが正解か不正解かってわからないんです。

 だって、言わなくないですか。「あんたの格好、変だよ」って……。私だって言わないし。

 選ぶのに時間かかるのに、「自分が正解かどうかわからない」のけっこう負担。選ぶって心に不可かけますからね。無印良品が一定の人気なの、ある意味で「選ばなくていい」からだと思う。いや、無印は大好きですが。

 もちろん、見た目で人にあれこれ言うやつのことは愚かだと思ってます。というより、見た目のことなんかまったく気にしなくても自信を持って生きていけるのなら、それが最高というのは基本としてあります。

 私がめちゃくちゃ尊敬している女性アーティストに座敷わらしみたいな人いるけど、彼女は仕事の中身がかっこよすぎるから着ている服がどうなんて全く気にならない。

 しかし、それはそれとして今の立場で職業人として「ちゃんとした人」に見られる必然性はあるし、「装い」のせいでバカにはされたくないという欲もある。何より「せっかくお金を使うのだから、いい買い物がしたい!」という気持ちがありました。

 だからこそ、とにかくもう「お前はこれが似合うので、基本これに沿っていけ」という指標がほしくて。こりゃ、人に聞くしかないでしょうということで、はてなのコスメエントリでバズったこともある理知的なコスメ好きで、人間的にもすごく気持ちがいい関西出身のKさんに頭を下げてつきあっていただきました。

  結果、すごく参考になりました。ありがとうございます。

・濃いめのハッキリした色を選ぶといい。にごりのある色は顔が黄ばんで見えるので避けたほうがいい。

・使いたいけど、似合わないという色がある場合は、顔から遠いパーツ(スカートなど)使う。

・そもそも横縞が似合う人は少ない。縦の線を作ってストンと見せたほうがいい。

・とろみのあるシャツだと、体型が生きる。

・服が暗い色の場合は、靴やバッグを明るくする。

 ・機械で肌の状態をチェックして問答無用でその人に会うコスメを紹介するIPSAというブランド。

・艶というのは光が当たって凹凸が強調されるということ。

資生堂は日本人に似合う赤を作ってる。

・リップにはなじみのよさ・悪さがある。

・女性の販売員はジェンダーに縛られがち。男性の方が「いかにも」ではないメイクを提案してくれる。

・コスメカウンターは「買わなきゃいけない場所」じゃない。考えたい時は「一日おいて肌に合うか見てからまた来ます」でOK。

 などなど、いろいろ教えてもらいました。もっといろいろあったけど今パッと出てくるのこのくらい。

 ハァ……。これでだいぶ恐怖心が軽くなったし、何よりカウンターで楽しそうにお話しするKさんを見て、メイク楽しそうって思えましたよ。ありがてえ。

 そのKさん、お礼のお茶のために銀座を歩く道すがら、「今度大阪行くんですけど、おすすめの場所ありますか?」って聞いたら「大阪という土地自体がおすすめですから」って言ってたのも超よかった。

 あと、お互いが好きだったアイドルについて、彼女の熱い思いをしっかり聞けたのも。

 昔の自分はこういうことが苦手だったので、アイドルオタクになってよかったなーと思った日でした。

 写真はリンツで食べたチョコレートパフェです。

 

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#itisrape_japan 「性暴力と性暴力判決に抗議するスタンディング」に行って、三原順作品を思い出していた

 

 行きました。携帯の電池切れで写真が1枚もない……。

 到着は20時頃。目算で300人ほどの人が集まっていました。終了後に「400人ほど集まっていたらしい」というツイートを見かけたので、2時間トータルでの人数はそのくらいだったのでしょう。「O-nestには入りきらないけど、WWWは埋まらない」と思ったので。

 私が到着した際は、メディアで働く女性ネットワークの代表世話人をしているというフリージャーナリストの方がマイクを持っていました。

www.huffingtonpost.jp

 その後は、飛び入りで多くの人々が、自身の体験と絡めた性暴力への怒りや、現状の社会への投げかけを続けていました。

 時々すすり泣きが聞こえる現場は、どこか宗教的な空気がありました。熱狂的だったからでも、誰かが崇拝されていたからでもなく、誰かの人生をかけた告白に皆が真剣に耳を傾ける場所だったからです。

 他者の人生が損なわれてしまった話を聞くのはつらいけれど、言うまでもなく語る方はもっとつらい。それなのに多くの人が自ら手をあげ、予定時間を1時間超えてスタンディングが続いたのは、「ここで語ることで、私がさらに損なわれることはないはずだ」という信頼があったからではないでしょうか。

 人前で話すのは初めてという人も多かったと思いますが、よどみなく理論立てられた言葉が続いていたことに驚きました。それは、マイクを手にした人がずっとこの問題について考え続け、言語化し続けてきたからでしょう。その情報量と理論の明瞭さは、この日のスピーチだけで本が作れるくらいの内容でした。

togetter.com

 でも、こんなことに真剣に悩まないで、何も考えずにいられる方が楽には違いない。私はずっと三原順の言葉を思い出していました。

守られようとする者はいつ迄も守られ…
気遣おうとする者はいつ迄も気遣い…
戦おうとする者はいつ迄も相手に不足する事なく…
誰が温室の花を荒野へ置き去りそこで咲けと言うだろう?
誰が野の花の為そこに温室を建てようとするだろう?

余程の事がない限りこの世では見事な逆転劇などにはお目にかかれないという事か?
オレはまだ見た事がない!
役割通りに生きている人達しかどうしても思い出せない!!

 これは、その正義感と不器用さのせいでずっと損をしてきた友人男性のことを、ある青年が思う場面のモノローグ。家族とうまくいかず、疎外感を持って生きてきた友人は、ある女性と結婚し幸福な家庭を作ろうとします。しかし、不幸な事故が重なることにより彼女は流産し、二度と子どもが作れないと宣告されるのです。

 青年は、友人がさまざまな困難と闘い、傷付きながら生きてきたことをよく知っている。だから、闘いから逃げることが出来ない友人の哀しみに胸を痛めています。

 この「戦おうとする者はいつ迄も相手に不足する事なく」というのが、今となっては本当によくわかる。

「こういうことに怒る」のって本当に大変です。だって、それは「自分は他人に人間扱いされなかった」ことを認めるところから始まるから。誰だって、そんなこと認めたくない。でも、認めないと怒れない。

 日本人は怒るのが苦手と言われますが、それはたぶんこの辺にも関わりがあるのではないかな。自分が虐げられていることを認めることができない。

 でも、たとえ自分に直接被害がおよばずとも、誰かが傷付いていたら、怒るのは当たり前のことのはず。

 いろいろ考え込んでしまった日でしたが、私は怒る側の人なので、この日聞いた話は忘れないし、いつかまたこの日のことについて語ることもあると思います。

 三原順の登場人物だって、役割通りの生から逃れられずとも、未来の自分と自分が愛した人たちを幸福にするべく生きてます。なんせ、先ほど紹介した流産を経験した友人は、その後4人の家出少年を引き取って、これまた苦労の多い(しかし、彼が自分らしいと思える)人生を送るのだから。しかも、ユーモアを忘れずに。

 そういう損をひいちゃう姿勢って、「どう思われようと自分の人生をちゃんとやる」という意志の現れでもあるんですよね。

 とはいえ、怒る側、死ぬほどめんどくさいんですけどね……。まあ、でもやりますけど。

 ついでに、もう一度この作品も貼っておきます。

note.mu

 

 引用したモノローグは↓の「ロングアゴーⅢ」から。

三原順傑作選 (’80s) (白泉社文庫)

三原順傑作選 (’80s) (白泉社文庫)

 

 4人の子どもを引き取る話は「はみだしっ子」のシリーズ後半に。

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

 

 北原みのりさんによる記事。

www.lovepiececlub.com