ホンのつまみぐい

貼ってある写真は本文と関係ないこともあります。

ストリップを見たりライブに行ったりラテンダンスを学んだり

 1月11日

横浜駅まだしてる工事〜♪ by PRINCE OF YOKOHAMA 2222

横浜駅工事期間中の壁が「横浜の後世に残したいヒト・コト・モノ」コレクションというテーマでペインティングされている。

 

公募制とのことで、登場するひとものことがカオス。

あれがあるのにこれがないがあまりに多いけれど、どこにでもあるランキングよりいいかもしれない。まむし粉末やコブラ粉末で有名な黒田救命堂とか、普通なら絶対入らない。
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歴史上の出来事が外国人殺傷事件の生麦事件のみだけど、推薦した人どういう意図なんだ。

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元町商店街関連企業が多すぎるのに笑った。誰か関係者が一生懸命入れたんだろうな。

第2回を募集していたので、同じような使われ方をするのかはわからないけど、シネマリンとシネマジャック&ベティとパラダイス会館をすすめたい。

あと、いちょう団地とか大佛次郎記念館とか山手西洋館とか。

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1月12日
ez do dan子さんのツイートを見て七尾旅人のインストアへ。新宿のタワレコはかなり混雑していて、売り場を圧迫するくらいの人の量。

 

あまり曲を知らない状態で行ったけど、とにかく声がよく、耳に気持ち良かった。

 

後ろの方に卒業したばかりの夢眠ねむの小さな展示スペースがあって、時々彼女の高くて丸っこい声と、七尾旅人の低くてサラッとした声が混ざるのが面白かった。

 

最後に小さな女の子をステージにあげて、サーカスナイトを歌わせていた。お茶の間で家族に披露するように憶すことなく歌う女の子と、合いの手を入れる七尾旅人。そして、それを見守る客のしんとした空気が印象的だった。

 


七尾旅人 "サーカスナイト" (Official Music Video)

 

ez do dan子さんにちょっとあいさつして久々に会うOちゃんとご飯を食べに。Oちゃんは若いので、呑み屋で大量に肉のおかずを注文していて、頼もしかった。

 

話の流れでOちゃんとストリップに行くことになって、新宿ニューアートへ。ちょうど香山蘭、武藤つぐみ、真白希実と踊れるメンツが揃っていて、初ストリップに安心してすすめられる香盤だった。

 

Oちゃんは香山蘭を観て「よすぎて涙が……」と言っていた。

 

初ストリップのOちゃんのために、武藤つぐみにはエアリアルを期待していたが、この日は明るいR&Bにあわせて踊りまくる新作。

 

時折ドヤ顔をはさみながら身体一つでグルーブを作り出す様が潔いかっこよさに満ちていて、マニッシュな見た目やエアリアルインパクトだけが彼女の魅力ではないのだとはっきり自覚させられた。

 

軽々と自由に自分の身体を扱う様は、とても爽快感があって、そこが女の子に愛される理由の一つなのだと思う。

 

Oちゃんが「みんなが胸が大きいわけじゃないのを見て、それでいいんだなって思った」と、以前取材で会った女の子とまったく同じことを話しているのにちょっとびっくりした。

mess-y.com

 

1月13日 

大さん橋ホールのYOKOHAMA MUSIC STYLEでの建設的へ。

 

海上ライブと新人発掘の同時開催が売りのフェスとのことだけど、いまいち運営の顔が見えない不思議なイベント。地元の小さなお店がちょこちょこ出店しているローカルさと、各音楽レーベルの担当者が集結する資本の強度のバランスが謎。クラウドファンディングもやっていたけど、どの状態をイベントの成功としてるのかがはっきりしない。

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yokohama-music-style.com

大さん橋ホールのPRの意図もあるのかな。後ろにベイブリッジを従えるロケーションは非常にロマンチックなのだけど、駅から遠いせいか、民間主導のイベントが入っているところをあまり見たことがない。

 

建設的だけ無料で、とてもゆるい雰囲気。1時間半観てたけど、ちょっと会場が広すぎて場が暖まるのに時間がかかってた。初めて見たTAKUMA THE GREATがいい声だった。NONKEYが下ネタ曲で笑いを取ろうとしていて、そういうとこがダメ。夜の箱なら気にならないと思うけど。

 

 サ上とロ吉は後半のヨコハマシカからの、サイプレス上野の「MACCHOくん、起きれたら来るって言ってたけど、来なかった~~」いうMCからの、Yokohama la la laの流れが最高だったけど、本人が「わかってるだろ184 もちろん頭には045」というミスをしてガクー。電話かかんないよ~~。ロベルト吉野が後ろで苦笑していた。でも、そのあとZZBBQだったので優勝。

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TAROSOULの双子の娘さんたちが、おめかしして父のライブを観ている様子がキュートだった。

 

会場で最近話題のタピオカミルクティーを買ってみたけど、すぐ飲み飽きる。うーん、なんであんなに流行っているのかよくわからないな……。出店が楽だから店が増えているというのはあるだろうけど。

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その後、若葉町の横浜パラダイス会館で「肉とダンスの夕べfeat.スナッチ」へ。

 

イベント概要には「ブラジル炭火焼肉 を食べながら、スナッチことダンサー砂山典子のバーレスク ダンスを見る夕べ」とあった。目の見えない人向けということで、お客さんの中には盲導犬も同伴の人も。

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防護服を着て踊るスナッチのダンスを見た後は、炭火焼肉屋のガウジイによるダンス教室。来場者にもダンサーがいて、サンバ、ルンバなどが入り乱れて指導されていた。ダンスステップ難しくて聞いた先から忘れる。ガウジイからおじいさん独特の汗のにおいがして、何だか懐かしい気分になった。

 

そのあとパラダイス会館に残って色々な人と話をした。ガウジイの息子が横浜のバトル界隈でけっこう有名なラッパーだとか、ボランティアのNさんから、昔アシッドジャズをやっていて、自分らの演奏の上にLampeyeがラップを乗せたこともあった話とかを聞いた。

 

プライベートな部分もあるので詳細は書かないけど、ガウジイの話もNさんの話も刺激的だった。

 

ガウジイはブラジルにいた頃に、いきなりその辺ではじまった銃撃に巻き込まれて足を撃たれたことがあるそうで、かかと近くの銃創を見せてくれた。

 

saopauloshimbun.com

帰宅して調べていると、ガウジイの半生について細かく書かれた記事があった。

2018年9月中の水鳥藍「ボレロ」@渋谷道頓堀劇場

昭和のラブホのような内装の道頓堀劇場に「次の演目はタンバリンや手拍子を控えてご覧ください」というアナウンスが流れた瞬間の違和感をよく覚えている。

 

幕が開いて姿を現したのは、黒い目隠しをつけ、黒鳥を思わせる黒ワンピースで現れた水鳥藍。そして、か細いメロディから始まる、ラヴェルボレロが流れる。

 

同一のリズムが反復され、楽器の構成だけが変化していくラヴェルボレロ。ダンスのために作られたというこの音楽は、バレエ史に残る傑作舞踊を生んでいる。真っ赤なテーブルの上で、一人のダンサーが音に寄り添うように踊り続ける不思議な舞踊。モーリス・ベジャールによる振り付けのそれは、一度見たら、たとえ画面の上でも忘れられないだろう。

 

水鳥藍は、このボレロにストリップで挑戦したのだった。

 

小さな劇場の舞台の上で、弦の音に合わせ、身体を少しずつ動かしながら、挑むように盆に向かって歩んでいく。

 

途中でさっと目隠し(パンティーだった)を取る。初めて見る彼女の眼は、まるで少年マンガの主人公のような生命力に満ちた目つきで、客でも、場内の壁でもないどこかを遠くを見つめていた。

 

そのダンスがどれだけベジャールの振り付けを引き継いでいたのかは判断できなかった。

 

しかし、15分間まったく緊張感を緩めず、ただただものすごい集中力で踊り続ける彼女の姿は、とても異様で、そしてとてもすがすがしく、野性的だった。

 

バレエのボレロは盆の周りにダンサーがいるが、ストリップ劇場ではほぼゼロ距離に客がいる。そして、盆の上では女の子はたったひとりだ。

 

最高潮に至ったまま唐突に終わるあの曲が、コンサートやバレエと同じように最後を迎えた瞬間、照明も瞬時に消え、彼女の身体も私たちの目から消えた。

 

艶も可愛げもふりまかず、ただただ全身をさらけ出しながら15分を踊り切る。暗転した瞬間の拍手は、にぎやかしの手拍子ではなく、コンサートやバレエですばらしい演奏がなされた時に聴くたぐいの、敬意に満ちた拍手だった。

 

私が観た日、かぶり席に座っていた男性は、ボレロを観ながら退屈そうに首をかしげていた。ストリップという枠が何でも受け入れる土壌を持つとはいえ、敷居の低い演目ではないだろう。

 

それをやり通す無謀さも含めて、水鳥さんは美しい。彼女は「踊っている時間がもっとも生を実感できる」タイプの人間なのだろうと思う。

2019年もその先もおいしいものが食べたい

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年末年始用に地元のちょっと気の利いた洋食屋でおせちや洋風総菜を頼んだ。

母が惣菜を頼んだお店に「近所にこんなおいしいものが食べられるお店があるなんてありがたいです」と話したら、「昔は予約でいっぱいになったこともあるんですけどね。最近は全然」と言っていたらしい。

おせちは別の、もう少し高級な店で頼んだ。けっこうな値段だけど、味がとてもいいし、食材も多彩で好奇心を刺激してくれるお店。しかし、取りに行った弟が、マダムに「また何か月後に、ぜひ来てください」と言われた話を聞いてちょっと戸惑ってしまった。

そのマダムはもともとおしゃべりで、自分の店の料理がいかにすばらしいかをちょっと押しつけがましいくらいの勢いで話す人で、まあ、そこがチャーミングなのだけど、今までずっとそんなことを言ったことはなかったからだ。

おせちのお重の箱も安いものに変わっていて、味はいつも通り最高だったけれど、ちょっと悲しかった。本当はそんなことしたくなかったろうに。

切り捨てられる側の「ちょっとした贅沢」たち。

自分がおいしいものを食べるために、やっぱり世の中をいい方に変えたいと思った年末年始。

「ストリップの過去と未来」を考えるにあたって参考にした文献リスト

キャバレー&ストリップ同人の書き手として名高いうさぎいぬさんに「ブックリスト公開します」と約束していたので参考文献の一部を紹介します。

小沢昭一の著書に代表されるような、古いストリップに関しての本や、フェミニズム関連の本もいろいろ読みましたが、「ストリップの今を考える」のに必要そうなもの、何らかの形で本文に影響を与えているものをここでは紹介しています。

一部感想つけましたが、ないものがつまらないわけではないです。

また、「21世紀の『性器考』」や「一条さゆりの真実」「セックスワーカースタディーズ」など、読むべきだけど読めていないものもあります。(読んだらこのエントリに付け足すかもしれません)

アダルトカテゴリ商品は、はてなブログでのAmazonリンク対象外のようで、取り扱いはあるのにリンクが貼れなかったものがあります。

 

踊り子の自伝・評伝

初代一条さゆり伝説―釜ヶ崎に散ったバラ

初代一条さゆり伝説―釜ヶ崎に散ったバラ

 

不世出のストリッパー・一条さゆりは引退後、交通事故やつけ火でのケガによって身体を壊し、最終的に釜ヶ崎で亡くなります。毎日新聞の記者であり、関西地方で取材を続けていた著者の聞き取りと、死後の関係者への取材によって書かれた1冊。彼女を支援していた人々の記述がかなり詳細で、福祉の現場レポという側面もあり。

ストリップ万歳

ストリップ万歳

 

 

踊り子の日記

踊り子の日記

 

 ・アイドルストリッパー×4(バイフォー)  山岸 伸(大海社) 

 

支配人らの自伝・評伝

 

伝説の女傑 浅草ロック座の母

伝説の女傑 浅草ロック座の母

 
伝説の女傑 浅草ロック座の母

伝説の女傑 浅草ロック座の母

 

浅草ロック座の伝説の支配人・齋藤 智恵子の自伝。後半はビートたけし等芸能人とのつきあいの話が増えますが、面白いのは圧倒的に戦後すぐの興業の話。劇場の女性支配人は彼女以外にもいましたが、ヤクザに襲われてすごんで肩を切り付けられた話など、武勇伝の多彩さが面白いです。

1985年に二代目の進言で2億円かけて照明や音響にコンピューター導入をしたことが、今の浅草の立ち位置を作っているというエピソードが印象的。投資、大事。 

女は天使である―浅草フランス座の素敵な人たち

女は天使である―浅草フランス座の素敵な人たち

 

 

浅草フランス座の支配人にして、ひもとしてストリッパーのマネージメントをしていた佐山淳による劇場周りの回顧録萩本欽一渥美清らの修業時代のエピソードも。印象に残った踊り子のこともいろいろ書いておりますが、個人的にはストリップを卒論テーマに選び、自身も踊り子として舞台に立った女の子のことが気になりました。彼女は運悪く逮捕されることになるのですが、最後まで「何も悪いことしてないのに!」と憤慨していたそうです。

ひも (光文社文庫)

ひも (光文社文庫)

 

佐山淳の成り上がり録を、「ひも」としての実態を軸に書いた伝記小説。そもそも「ひもは女をセックスでつなぎとめて貢がせる存在」なんですけど、まだ経験のない女の子とどんどんセックスしてく様子、完全にレイプ魔じゃないすか……。いや、同意も多いけど、99の同意があったからって1の強姦が正当化されるわけではないので。昭和のモラル怖! 小説の形を取ってるせいか、いろんなことがあけすけに書いてあります。当時の感覚を知るために読んでおいた方がいいかも。

ヒモ一代

ヒモ一代

 

こちらは関係者による佐山についてのエッセイ集。

さらばストリップ屋

さらばストリップ屋

 

www.e-hon.ne.jp

2015年に「すとりっぷ小屋に愛をこめて」と改題し再販。

劇場関係者の自伝・評伝は少なくないですが、多くの本がいわゆる勝者の物語であるのと対照的に、本書は敗者の物語。流山寺祥や山崎哲などアングラ演劇人とのコラボ、泥レス、SMショーなどなど、数々のアイデアで劇場を運営してきた著者。しかし、それは摘発に悩まされる日々でもありました。

独立して劇場を立ち上げ、合法のショーを企画するも、惨敗してトラック運転手に転職……というところで本書は終わり。ストリップ運営の苦しさが詳細に書かれています。生板をやれば3万8千~4万円、白黒なら4万8千~5万円などと細かいギャラが記載されていて、資料的価値が高いです。図版も充実。摘発対策のための複雑な運営体制についての描写も。

ストリップ血風録―道頓堀劇場主・矢野浩祐伝 (幻冬舎アウトロー文庫)

ストリップ血風録―道頓堀劇場主・矢野浩祐伝 (幻冬舎アウトロー文庫)

 

戦後すぐに九州で愚連隊をやっていた矢野ですが、指を詰めさせられたのをきっかけにヤクザの世界から抜け、ドサまわりのストリップを始めます。それから紆余曲折、一時はカタギのセールスマンとしてそれなりに成果を出していたのに、結局ストリップの世界に舞い戻り、最終的に渋谷道頓堀劇場の支配人として名をはせる……。ある種のピカレスク浪漫ものですね。

破天荒な少年期、昔話のようなドサ周りストリップ期、影山莉菜、清水ひとみなど、ストリップ界に次々とスターを誕生させる道頓堀劇場期とそれぞれが面白いです。

渋谷道玄坂百軒店より愛をこめて―俺の「道頓堀劇場」物語

渋谷道玄坂百軒店より愛をこめて―俺の「道頓堀劇場」物語

 

こちらは矢野自身の書いた自伝。映画になっているようです。

movie.walkerplus.com

 

ストリップの帝王

ストリップの帝王

 
ストリップの帝王 (角川書店単行本)

ストリップの帝王 (角川書店単行本)

 

 

ストリップ界のドンと呼ばれた瀧口義弘。

彼は実姉であり、伝説のストリッパーでもある桐かおるに依頼され、銀行マンという安定した職を捨てて劇場の帳簿付けになる。

ヤクザ相手に立ち回りを演じた。ダイナマイトを腹に巻いて警察に乗り込んだ。ピーク時には300人の踊り子を管理するプロダクションを仕切っていた。月収1億8千万に達しながら、すべてをギャンブルで使い切ってしまったなどなど……。

強烈なエピソードからはエネルギッシュな無頼を想像しがちですが、野心があったというわけでなく、時々で合理的な運営方法を淡々と行っていくうちに巨大な存在になっていたという不思議な人です。

妻子ある身で何の相談もせずに銀行マンを辞め、そのまま離婚してしまうなど、考え方や行動原理に理解の及ばない部分が多いのですが、かといって倫理観がないかと言えばそうでもない。裏社会の人間は、「善良な人でも持っている物差しが違う」と思うことがありますが、それを体現するような存在です。

本書では瀧口が個室やなま板を収益の柱としたことで、結果的に「業界の破壊者」になってしまったのではないかと指摘しており、ストリップの歴史を考える上でも重要な資料になっています。

現在休業中の踊り子・松本幸奈も少し出てきます。

 

ノンフィクション・エッセイ

昭和ストリップ紀行

昭和ストリップ紀行

 
昭和ストリップ紀行

昭和ストリップ紀行

 

劇場写真と働く人々への取材で構成された本書。平成の取材だと思いますが、過剰なくらい人々がイメージする「昭和っぽさ」を強調してます。資料的意味を考えるともうちょっと明るく撮ってもよかったんじゃないかと思うくらい。文体もどこかノスタルジックです。黄金劇場の支配人の顔写真が載っているのが個人的にグッド。

 

臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

 
臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

 

若手詩人、文月悠光による体験記。「ストリップ劇場で見上げた裸の『お姉さん』」は、自分自身の臆病さに向き合いながら踊り子に対する敬意を綴る名エッセイ。「相手に指一本触れさせずに、『与える』ことができるんだ。そんな実感が押し寄せて、目頭を熱くさせた。」という描写、観た人ならわかるはず。

男しか行けない場所に女が行ってきました

男しか行けない場所に女が行ってきました

 

「人妻アロマオイルマッサージ」「ドール専門風俗店」「密着型理髪店」「パンチラ喫茶」などを女性である田房が取材。居心地の悪さや理不尽さに対する怒りを直截に綴るルポ。基本的にほとんどの場所で息苦しそうな著者が、ストリップ劇場で号泣している様子に胸が熱くなります。

さいはて紀行

さいはて紀行

 

珍スポットライターとして名をはせ、ストリップについても多くの記述を残している金原みわの著書。ストリップに関しては、芦ノ牧温泉劇場についてイラストも交えた丁寧なエッセイがあります。いわゆる面白要素のピックアップではなく、すぐ近くの異世界を、どこか郷愁を感じながら見つめる目線が光ります。

ほのエロ記 (角川文庫)

ほのエロ記 (角川文庫)

 
黄金町マリア――横浜黄金町 路上の娼婦たち

黄金町マリア――横浜黄金町 路上の娼婦たち

 

地図にない町「黄金町」が、アートの街として消毒される以前に生活していた人々―黄金町の外国人娼婦たち―の記録。ちょっとだけ黄金劇場の話が出てきます。

エイズで亡くなったタイ人娼婦の両親を尋ね、タイまで訪れる著者の熱量と、その熱を過剰に押し出さない筆致のバランスがすばらしいです。週刊誌のカメラマンとして活躍した著者による、夜の街を生きる人々の写真はどれも薄暗く、安易なノスタルジーを寄せ付けません。

主に故郷を離れて過酷な生活を送る女性たちの話ですが、ちょんの間での生活を割のいいバイトのように何の屈託もなく語る若林美保が出てきたり、現場での観察が人々の生活を単純化しません。

じゃぱゆきさん (岩波現代文庫―社会)

じゃぱゆきさん (岩波現代文庫―社会)

 

1980年代、アジアから日本に出稼ぎに来ていた女性の実態を詳細に書くノンフィクション。貧しいアジアの国の苦しさ、入管のという組織の不誠実さ、日本人のアジアや性風俗従事者に対する強固な差別意識や低い人権意識などを丁寧な取材であぶりだしています。

日本における人身売買の実態や、蕨OS劇場での醜悪な生板の様子は、まぎれもなく日本の性の歴史の一部であり、今も続くこの国の人権意識の低さの証明なので、ストリップの歴史を知っておきたい人なら読むべき1冊。

沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち

沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち

 

 

法律関連

「スト客向けの本を1冊だけ選べ」と言われたら迷いなく勧めたい一冊です。ストリップ劇場の営業についての話はほぼないんですが、戦後日本において風俗営業がどう取り締まられていったかの歴史は、日本社会がどのように性を扱ってきたかにまつわる歴史でもあるので。法律と人権、そして国家と警察の関わりを丁寧に可視化する、今後のストリップを考える上で外せない1冊。

性を巡る法律の変化とその背景について現役弁護士が丁寧に書いた本。女性が社会においていかに不利な立場に追いやられているか。そして、法はそれにどう対処すべきかを見つめ直させてくれる良書です。直接参考にしたわけではないのですが、読めてよかった1冊。

 

小説

裸の華

裸の華

 
裸の華 (集英社文芸単行本)

裸の華 (集英社文芸単行本)

 

ステージ上での事故によって引退し、すすきのでダンスシアターを立ち上げる元ストリッパーのノリカ。孤独な天才肌のみのりと、ほがらかでタフな瑞穂の二人のダンサーと出会い、さまざまな出来事を乗り越えていくうちに、ノリカにも変化が……。

狭くて薄暗い場所だからこそ生まれる親密さについてたっぷり描いているところに、現場を見ている人ならではの強度を感じます。ストリップ好きなら泣くだろうと思う場面でベタに泣きました。

誰もいない夜に咲く (角川文庫)

誰もいない夜に咲く (角川文庫)

 

「フィナーレ」というストリップをテーマにした短編が収録されています。

 

人文・評論

永久保存版・煌めく昭和 あのアイドルがなぜヌードに (文春e-book)
 

別冊宝島Real021アイドルが脱いだ理由」(2001年)の再編集。裸を「見る&見られる」ことについて様々な議論が交わされています。ヌード写真集は基本的に男性が企画して、男性が撮影して、男性が消費するもので、そこがほぼセルフプロデュースのストリップとは大きく違うなと。小泉今日子の原住民ヌードとかいうあからさまに差別的な意匠が許されていて、何ならサブカル的でイケてるみたいに消費されていた話が衝撃でした……。

芸能的思考

芸能的思考

 

民俗芸能や大衆芸能についての研究者・橋本裕之の著書。ストリップについてかなりの紙幅を割いています。大衆演劇とストリップの関わりや、踊り子たちの生き方など、題材も多様。客同士の交流について温かいまなざしを向けているのも、いい意味での現場主義指向が感じられます。貴重な「小屋掛け」ストリップについての証言もあり。

社会が漂白され尽くす前に: 開沼博対談集

社会が漂白され尽くす前に: 開沼博対談集

 

AV女優、飛田新地、ヤクザ、北朝鮮といった「グレーゾーン」という言葉で表現される業界や場所に関わる人々。あるいは家族を殺された男性、福島で活動する詩人といった複雑な立場の人々へのインタビュー集。全体的に読み応えのある内容ですが、中でも風営法改正と向き合うクラブ関係者の思惑、飛田新地のスカウトマンが語る風俗営業の実態は必読。

www.museumshop-yokohama.jp

一般流通していませんが、印象的だった展覧会の図録。神話的モチーフを採用することで、後ろめたいことなく裸体を消費する19世紀から、現実の女性の裸体を描く20世紀。

20世紀のリアルな身体描写が当時の社会に否定されていた話は、「女性の身体は常に社会の視線に翻弄されている」という事実を端的に表していると思いました。

hontuma4262.hatenablog.com

「AV女優」の社会学

「AV女優」の社会学

 
鞭打ちの文化史 (中田耕治コレクション)

鞭打ちの文化史 (中田耕治コレクション)

 

2018年よく聴いたやつ

「よく聴いた」なので古いの入ります。あと、「これはすげー!いわゆる年間ベストでは!?」って思ったけど、個人的な思い出がないっていうのが入ってなかったりします。

 

 

クソカワPARTY(CD2枚組+DVD)

クソカワPARTY(CD2枚組+DVD)

 

男性ボーカルが全然聴けない時期があって、その時はひたすら大森靖子とアイドルを聴いてた。大森さんはすごい。あと、MVが強すぎてあんまりアルバム通しで聴いてなかったとこあるんだけど、改めて聴き直すと言葉も音もバラエティ豊かだなあと思う。

「大森ファンの語る大森靖子、もしくは自分」を読むのも好き。本人はもちろんだけど、周囲も含めて雑多な情報の詰まった1冊の雑誌みたいなところある。

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 2018年発売なのでクソカワPARTY貼ったけど、一番聴いたのはこれ。というか、よく脳で鳴ってた。

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世界の終わりのいずこねこ オリジナル・サウンドトラック

世界の終わりのいずこねこ オリジナル・サウンドトラック

 

サクライケンタプロダクトで一番聴いた。落ち込んでる時でも聴ける音楽。耳にやさしい。

 

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yume [通常盤] (特典なし)

yume [通常盤] (特典なし)

 

コンセプチュアルなことやってるアイドルグループいっぱいあるけど、一番とがってて、一番信頼されてるのがブクガ。ポエトリーとかノイズっぽい音が今まで以上にいっぱい入ってる盤なのに、何度も通しで聴きたくなるのがすごい。

 

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WORLD'S END

WORLD'S END

 

「消える惑星」聴いてると、大学生の頃、学祭の帰りとかオールナイトの映画館明けに観た朝の風景が頭に浮かぶ。徹夜明けの早朝は社会人になってからも経験してるけど、なんか学生時代の空気感。もっと話題になってもいいやつだと思う。なんか、まだ聴いたらハマる層に届いてない感じする。

 

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EPISODE V

EPISODE V

 

「アイドル」であるという本人たちの自覚が生々しさを排除しているけれど、同時に等身大の自分たちを気負いなく表すことに成功してもいるという絶妙なバランスで出来た作品。

中学生くらいの頃の、かわいくてたわいもないものが好きで、視野が狭くて、出来ることなんてほとんどなくて、でも無敵!みたいな感覚を思い出す。

 

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E TICKET RAP SHOW 2(通常盤)

E TICKET RAP SHOW 2(通常盤)

 

桑島由一の言語センスが大好き。「野生児猫娘~苺が好きですね」とか、ほんとすごい。あと、ILLNINALの「生きるの全然楽じゃない!不器用な自分さ仕方ない セーブとロード繰り返すアーミン」「私の夢にはゴールがない これは本気でジョークじゃない 負けず嫌い真面目だからつらいことからも絶対逃げない」「弱い自分認めながらミスも糧にしてゆこう」に本気で泣いていた。小学生に聴かせたい。新しいプロジェクト、どうなるんだろうか。

 

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P.O.P

P.O.P

 

超絶今さらだし、今グループほぼ別物なんだけど、改めて名盤と思った。「誰もが傷つかない星なんてつまらないのさ」とか「はなさないでそっと 聞いてほしい話 あるんだよ 笑ってくれるのかな」とか、ちょっと自信なさげな青臭さが好き。WACKは基本エモに走りがちだから、音はこのくらいの軽やかさがちょうどいいのかも。(ネット上の歌詞ページでなぜか「気づかない星」になってるけど、「傷つかない星」が正)

 

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BADHOP ALLDAY vol.2 [Explicit]

BADHOP ALLDAY vol.2 [Explicit]

 

2018年はBADHOP3回観に行ったけど、全部はちゃめちゃにかっこよかったし、全部が「その時歴史が動いた」だった。武道館、もっとラッパー観に行けばいいのにと思った。みんな打ちのめされたと思う。

武道館ライブの帰り道に「おれ、今カード止められてるから」「え」「詐欺でつかまっちゃって」「……」「川崎よりサグいよ……」という会話を「いろんな人生の人が観に来ているんだな……」という気持ちで聞いた。

 

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WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.

WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.

 

メテオナイトで観た混沌としたライブと音源のギャップがすごい。よく聴いたわけではないけど、聴けてよかったなってやつ。

 

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夜のすべて

夜のすべて

 
楽しく暮らそう

楽しく暮らそう

 

黄昏どきの似合う音楽。「ダンスに間に合う」はほんと名曲。「もうとっくに大人だけど、大人をちゃんとやるために弱さや情けなさを見捨てないし、やりすごさないよ」って感じがすごくいい。

わざわざクラブ行かないような人にも愛されそうな気がするけど、そういう人は聴く機会がないかなあ。インタビューからうかがえるクレバーさとか、オピニオンちゃんと表明するところもとても好き。

 

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ドリーム銀座

ドリーム銀座

 

「わかる、わかるよ~~」って言いながら聴いてる(このわかる成分が話すと長い)。トラックもアルバム全体の構成も好き。くだらない曲はあるけど、捨て曲ない。といいつつ、「メリゴ」が世間が言うほどいい曲に聴こえないんだけど……。

「Yokohama la la la」MV撮影中の大ゲンカの詳細が気になる。ロベルト吉野曰く「全部やめてやろうかと思った」くらいの号泣掴み合いの大ゲンカから、「PMXさんもいるから落ち着かなきゃ」と思って手に取ったマイクから出てきた言葉が、MVの間に入る「おれたちは地元の音楽隊だから」のMCというのがエモい。

 

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ICON

ICON

 
Cramfree.90

Cramfree.90

 

ソロもテンギャンも好き。あと、A-Thugもだけど留置所や刑務所で読書に出会う話って勇気づけられる。ヒップホップって本人に関心を持つとより好きになる音楽だよなあと改めて思う。

book.asahi.com

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350

350

 

スシボはポップスの歌詞が作れるのがすごい。しかも、切ないポップスも作れる。「USB」のサビは脳内リピートしてしまう。インタビューで「俺ら世代の人たちは、日本が窮屈だって感じてると思いますよ。ちゃんとした教育を受けているような人たちは別かもしれないけど、俺らの周りには幸せそうなやつなんてほとんどいない」それはみんな未来に価値を見出してないからじゃないかな。俺もまったく未来に期待してないし」と話してたのがショッキングだった。

 

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ai qing

ai qing

 

一時期youtubeで何見てても「Coincidence」がサジェストされて、「もういいよ!」という気になった。MVも本人の雰囲気も全体のリリックも含めて、1枚のCDが1本の映画みたい。客演の人らの、体重ずっしりかけてる感じも〇。

 

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KINŌ

KINŌ

 

ジャケが朝ごはんなので朝によく聴く。いい意味で重くない。

 

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Eternal Timer

Eternal Timer

 

いい意味で何も考えずに聴ける。上に書いたことと矛盾するけど、歌い手個人にあんまり興味がわかないのがちょうどいいんだろうな。

 

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MZEE

MZEE

 

「この1枚」ってわけじゃないけどRYKEYよく聴く。ランダムで流れてくると「ハッ、聴かなきゃ」ってなる。

 

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「この1枚」ってわけじゃないけどdodoはすごいと思う。ランダムで流れてくると「ハッ、聴かなきゃ」ってなる。

 

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ECD

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ECDはあれこれめちゃくちゃ沁みた。個であれ!!!!!

 

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好きなものの傾向がやっと見えてきたかなーと思いながら書きました。しかし、「私の好きそうなもの」っていうラべリングが出来てしまった瞬間から感受性が鈍る可能性はあるので注意していきたいです。

※忘れてたけど、Virgin Babylon Recordsの出す音源はだいたいよく聴いてます。