ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

タワーレコード横浜VIVRE店でamiinA「Jubiliee」リリイベから、みなとみらい赤レンガ倉庫で大海賊祭

6月24日(日)は現場かぶりがひどかった。

 

13時からヴィレッジ・ヴァンガード横浜ワールドポーターズlyrical school「WORLD’S END」リリイベ。タワーレコード横浜VIVRE店でamiinA「Jubiliee」リリイベ。

 

みなとみらい赤レンガ倉庫で12時40分からさいとうりょうじ(feat P.O.P&RHYMEBERRY)。14時45分からサイプレス上野とロベルト吉野

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みなとみらいに朝からいる選択肢もあったけど、野外でamiinAと聞いてまずはタワレコへ。昔はビブレ正面の入り口にある小さな広場にステージを組んでいたけど、この日は反対側の入口にある石の階段の踊り場をステージにしていた。

 

amiinA

amiちゃんが学校行事で遅れるそうで、ピンチヒッターとして参加してくれた3776の井出ちよのちゃんとmiyuちゃんのトークからスタート。内容はたわいないものだったけど、お互いをほめあう様子がほほえましかった。

 

ちよのちゃんは青色の上品なワンピース。miyuちゃんは白ブラウスに黒のスリムパンツで、切れ長に見えるメイクもあわせてちょっとKPOPの女の子っぽい。

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トーク終わったタイミングで、遊びに来ていたMIRIちゃんオタクのにゃがたさんにあいさつ。

 

そして、私服のままでmiyuちゃんのソロ披露。白ブラウスでのダンスは上品なのだけど、何となく物足りない。amiちゃんがいないからだけではない。なんだろう?

 

のんびり見ていると、小柄で青Tシャツの酔っ払いがフラフラ歩いている。一瞬アイドルオタクかと思ったけど、さすがに表情がおぼつかなさすぎるし、ライブ前のアッパーさのかけらもないので、ただの酔っ払いとわかる。さすが町田(JR横浜線で1本)出身のKEN THE 390がリリイベで「西口はちょっと怖かった」と話していた横浜駅西口。

 

この酔っ払いが途中から絡んできて困った。私に声をかけてきたから、にらみ返したら一瞬いなくなったけど、今後はいったんmiyuちゃんが着替えのためにはけ、ステージの上が空になったところでいきなり踊り始めた。タワレコスタッフが叱責してやっといなくなったけど、後始末できない状態でああいう人にかまった私もダメだな。

 

そんな前振りを乗り越え、やっと始まったライブはとてもよかった。

 

スカートがくるくるひるがえる様を見て、miyuソロに足りなかったのはこれだったのかと実感。旅する少女をイメージした衣装は、黒のインナーに青ジャケット、チェックの布に白のスカートと、決して派手な色づかいではない。だけど、ふたりが回転した瞬間にふわっと宙を舞う布の軽やかな動きは、陽の光の明るさもあいまってとても華やか。

 

身体全体がしっかり見えるポジションで観ると足さばきが本当に軽快で、2人の靴の間から音楽が生まれてくるようだった。改めてamiinAは「友人の子供と野外で見たい枠」ナンバーワンアイドル。

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残念ながら途中抜けになったので、にゃがたさんに特典券を譲って大海賊祭に移動。ついてみると大海賊祭は30分以上押していて「ウワ~、amiinA最後まで観られたやん。なんなら特典会出られたやんけ……」という気持ちに。いや、タダで楽しませていただいて、文句のつけようはないのだけど。

 

出演順を変えたらしく、ちょっとだけ観られたBimBomBam楽団はジャズバンドで、ストレートで力強い演奏がかっこよかった。さいとうりょうじfeatRHYMEBERRYもfeatP.O.Pも楽しかったに違いないし、こっちに1日いる正解もあったんだろうな。

 

サイプレス上野とロベルト吉野 

最近行きたいと思えるようなイベントにブッキングされてなくて、わりと久々に観た。

 

横浜高校の先輩後輩の縁もあってオファーされたそうで、MCで高校時代の話が出たり、部活動の思い出を歌にした「Walk this way」やったり。

 

4歳くらいの子供を肩にのせたフジロック2017Tシャツのお父さんが、「PRINCE OF YOKOHAMA」に合わせて肩で踊る子供を、ニコニコしながらスマホで撮影している姿がほほえましかった。

 

いつもの曲が一通り終わって「HIPHOP体操第二」が始まったところで「もう終わりかな」と思ったら、次が「ヨコハマシカ」でテンションがあがった。陽射しが強く突き刺さる赤レンガで聴くには湿り気のある、夜の冷たさを連想させる音なのだけど、その違和感が何だかいい。最後は、家族エリアでの子供たちに笑いかけながらのドリームアンセムで〆。

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ファンキー加藤 

音も歌詞もお客さんもJ-POP。普段行ってる規模のライブでは客がある種の属性みたいなものを服装やたたずまいで主張しているものだけど、何となく「ファンキー加藤のライブしか行ったことがない」ような人が多いように思えて、それはつまり「お茶の間」まで届いた証明なんだろうと思った。

 

ライブは「なるほど多数派」な感じで、「私は今音楽オタクに囲まれているから、こういう曲はピンと来ないけど、偏見なしに聴いたら感動したのだろうか」などと真剣に考えてしまった。

 

プロレスも観てみたかったけれど、熱さに負けて撤収。

 

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第2回「月に吠えらんねえ」(清家雪子)読書会の抄録(2018年4月22日)

4月22日に「月に吠えらんねえ」読書会の第2回を行いました。
今回は、現在大学院で北原白秋について研究しているささ山もも子さんが参加して下さり、鳥井雪さん、高原英理さん、佐藤弓生さん、嘉納、池田での6名での開催となりました。前回の起こしがかなり大変だったので、今回は抄録となります。

第1回の記録はこちらです。

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◆「月吠え」のマンガ表現について

第8巻「むらがる手」の最終2pのさみしいのリフレイン。前回も今回も「清家雪子は詩人でない」という話が出たが、こういうところはとても詩的。

 

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6巻「悪人」の虚子の「椿が」という描写はまさにマンガ表現による詩にほかならない。萩尾望都は画を取り払ったところに詩があるけれど、清家雪子はマンガ表現が詩になっている。そういう意味では竹宮恵子っぽいかもしれない。

 

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朔ちゃんの顔が丸くなってるのは意図的なのか。女性というより子供化してるというか。

小説街の建物などは芥川龍之介のエッセイのイメージか?銀座のカフェやホテルというモチーフ。小説街は建物が大きく、少し遠近感が狂った状態で描かれてる。また、空がよく見えず□街にくらべて全体的に解放感がない。ポール・デルヴォーやキリコを連想させる。

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◆月吠えはマンガとしてどう受け止められているか

画の色気がとても好き。いくらでも見ていられる。8巻最後の白さんと朔くんは特に色っぽい。

マンガ好きに勧めても「難しい」という反応が多い。はまってくれる人と腰が引ける人の2種類にわかれる。

ドラゴンボールみたいにわかりやすい勝ち負けがあるならみんな抵抗感なく読めるけれど、この作品は何が嘘で何が本物かわかりづらい。
作家ではなく作品を擬人化にしたもので、清家雪子の解釈を読む作品。物語に酔いたい人にはそこがダメなのでは。


トークイベントでご本人が「連載が続くかがわからなかったため、1,2巻は教科書レベルの作家しか出せていなかった」と話していた。「3巻以降はかなり計算して描いている」とのこと。内容的にも1、2巻はエンタメ性が高く、あまり物語に没入しなくても読める。


よく「二次創作」と言われるが、そうでもないのでは?「なんちゃって」と言える留保がある。なんちゃって新撰組世界である「銀魂」みたいとも言える。

石川くんの回からわかるが、そうした二次創作な目線で見ている自分自身にとても厳しい。


◆今後の展開について


龍くんが「白さんに向き合わなくちゃ行けない」と言っているが、どういうことか。
今後□街は保持されるのか?
これまで□街を作ってきたのは中原中也宮沢賢治萩原朔太郎。彼らは戦争から一番遠く、なおかつその時代を定義づけてきた人ではないか。そして、詩人としての評価の高まりが中也→賢治→朔太郎だったから?
では、なぜ一番人気があったはずの啄木ではないのはなぜか?彼は崇拝されてはいないからではないか。歌人はどうも立場が弱い。


当時の歌人二大スターは斎藤茂吉与謝野晶子。この両者は短歌を読み慣れてくと面白みが理解できてくる。伊藤左千夫は短歌の世界の巨人だけど、圧倒的人気なのは茂吉。
しかし、茂吉は茂吉のまわりにあるものしか描写しない。だから□街の世界を作れないのでは。一方で、正岡子規など俳人は朔太郎から遠い存在だから□街では自由に振る舞える。


ポピュリズム批判は戦争だけに向けられるものではない。マスになった時に人間は愚かな方向に行ってしまう。戦時下ではそれが翼賛一色になる。そうした翼賛精神は詩人の中にもあるもの。そうした状況に対する批判がこめられている。

 

谷川俊太郎はかつて「歴史に興味が持てない」と言っている。それは「時間の流れでものをとらえたくない」という考え方によるもので、詩人にはそういう考え方をする人が多い。そういう意味で、清家雪子は詩人じゃないと強く思う。

 

一方、犀は半分詩人で半分小説家。彼が観た世界そのものが、□街に対する批判になっている。

なぜ白さんや朔くんは犀の顔が認識できないのだろうか。彼が半分小説街の人間だから?実は1巻で三好くんやJUNさんは犀の顔が認識できていることがわかっている。白さんや朔くんが彼の顔を認識できないのは、二人が戦前に死んでしまったからではないか。
宮沢賢治の造形について。カルト宗教の教祖っぽいところがよく書けている。楽しそうだけれど、みんなお面をかぶっているという世界。しかし、朔太郎はお面がうまくかぶれない。
以前「賢治は長生きしたら国粋主義的な詩を書いていただろう」という話になった。「純粋なものを守る」という童心主義的発想は国粋主義的なものと結びつきやすい。童心を守るためには庇護者が必要になるというのもその一因。北原白秋は母性信仰のある人で、自分の母を絶対悪く言わなかった。また、小川未明浜田広介・坪田譲二らも当時は翼賛的な児童文学を書いている。


モダニズムは今そこにあるものを書くという思想。科学技術が飛躍的に伸びたので、都市に住む人々には個人主義で純文学的な作家がダサく見えた。
朔太郎は個人主義者で、自分自身の心を描く。モダニズムの詩人はそんな朔太郎を否定した。しかし、モダニズム詩を書いた人がみんな翼賛詩を書いてしまったことで、戦後になって十把一絡げになってしまった。
戦後、詩人はみな戦争責任を追及され糾弾される。果たしてその物語は書かれるのか。
現代詩では戦前と戦後が途切れている。今の詩人は戦前詩をなかったように扱うが、月吠えには「たしかにあった」ということが描かれている。

 

萩原朔美さんが講演会で「これ、最後死ぬよね」と言っていた。しかし、この作品内における死とは?


□街には死という概念がないのに死体は存在するというのはどういうことか?
本来の萩原朔太郎は時間の流れの中で生きていて、本編にも青年期や老年期の萩原朔太郎の姿が描かれている。では、□街の朔くんは時間の流れの中に戻ったら消えてしまうのだろうか?

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現代詩手帖もとても充実した内容だった「月に吠えらんねえ」。この抄録が読解の手助けになれば幸いです。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

 

現代詩手帖 2018年 06 月号 [雑誌]

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戦時児童文学論―小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って

戦時児童文学論―小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って

 

 

 

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

 

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月に吠えらんねえ(2) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(3) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(4) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(5) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(6) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(7) (アフタヌーンKC)

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月に吠えらんねえ(8) (アフタヌーンKC)

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※ご参加頂いた高原さんと佐藤さんの著書です。

書肆侃侃房 » 「うさと私」

うさと私

うさと私

 

bookclub.kodansha.co.jp

不機嫌な姫とブルックナー団

怪談生活 | 立東舎

怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影 (立東舎)
 

ゴシックハート | 立東舎

高原英理「アルケミックな記憶」 - アトリエサード Atelier Third

アルケミックな記憶 (TH SERIES ADVANCED)

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月光果樹園 - 平凡社

月光果樹園―美味なる幻想文学案内

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筑摩書房 リテラリーゴシック・イン・ジャパン ─文学的ゴシック作品選 / 高原 英理 著

筑摩書房 ファイン/キュート 素敵かわいい作品選 / 高原 英理 著

4. 『モーヴ色のあめふる』 佐藤弓生 | 現代短歌ロード

 

モーヴ色のあめふる (現代歌人シリーズ)

モーヴ色のあめふる (現代歌人シリーズ)

 

 

また、ささ山さん入魂の月吠え関連記事はこちらです。 代表的なものだけ貼っていますが、「月に吠える通信WEB」内にはささ山さんの記事がたくさん掲載されていますので、ぜひ検索でじっくりチェックしてみてください!

magazine.moonbark.net

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校庭カメラガールドライクラブツアーRainbows over Paradise tour in ENOSHIMA At.OPPA-LA

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江の島オッパーラ最高!ロケーションでもう100点!!
だからライブが塩だって大丈夫!!!
というわけではないですが、江の島オッパーラでコウテカのクラブツアー初日観てきました。

トップバッターは中目黒solfa以来maco marets。開始直後の雑然とした雰囲気の中でちょっと空気作りにくそうでしたが、相変わらず気持ちのいい音と声で好き。

まあ、私もバターチキンカレー食べながら観ていたから雰囲気作りには寄与していませんが……。写真撮り忘れたけどカレー美味しかった。

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ORANG PENDEK

ORANG PENDEK

 

 

おやすみホログラム

おやホロのオタクの人は質量が大きいので、オッパーラがぎゅうぎゅうでした。狭い中でダイブ・モッシュが起こり、オタクの上で歌うカナミルさんはともかく、八月ちゃんとか全然見えない。

しかし、それが物足りなく感じないくらいおやホロの歌がうまくなっていてびっくりしました。

おやホロのライブって客の熱気やカナミルのダイブ込みのわちゃわちゃ感も含めての、ある種の危なっかしいエモさや面白さだと思っていたのですが、人の上を泳いでいるのに安定感のある歌声のカナミルと、姿は見えども明るい声はきちんと響く八月ちゃんの歌は、ふたりの姿が見えなくても音楽として満足できるものとして成立してる。

エモ系ロックの印象だったのに、いつの間にかテクノっぽい曲があったりと、引き出しも多くて退屈しない。

オタクのダイブもごちゃごちゃしているけど、波の上をゆっくり流れていくようなところもあって、混沌としてるけどまったりもしてる。フロアも含めてしみじみいい現場でした。

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Primula

校庭カメラガールツヴァイのカーテンコールの作曲者・Primulaさんのビートライブ。なぜか体操着に「プリ村」と書いた服装で登場。

オッパーラ自慢のパンケーキを食べながら聴いていましたが、乙女チックな音ですごくよかった。最後の方でセーラー服を身に着けて、手旗信号の振りをやっていました。

CDを買ったところ、どうやら「アイタイキミニ」を表現しているようでした。

パンケーキふわふわでおいしかったです。

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Aquarius

Aquarius

 

 

校庭カメラガールドライ

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ぱちょとんぱさん加入からどんどんアングラディープ感を増してきたコウテカ3。曲もダークな方に振り切っていて、それはそれでメンバーの個性を活かすという意味では完全に正解なんだけど、長尺で見るとちょっと飽きる……。

これ書くとどうしても「昔の曲をやってくれないのが不満」に見えちゃうし、そういう部分がゼロとは言わないけど、まあでも普通に1時間おんなじようなアゲ方だと、気持ちが切れちゃうとその後没入しずらいですよね。この日は最初の30分は楽しかったけど、あとは冷静に見てしまいました。

今作った言葉なんですけど「ラップアイドルはいせーの問題」というのがありまして。

この少し前に行ったlyrical schoolのリリイベ。最初チルめの曲が続いたから、最前付近はともかくオタクがあんま音に乗るとか踊るとかに慣れてなくて、パッと見楽しんでるのかどうかよくわかんない状態だったんですよ。

で、後半に「そりゃ夏だ!」が来たらめっちゃわかりやすく盛り上がってて。tofubeats曲は合いの手入れやすい構造になってるし、そりゃそうだなと。


lyrical school / そりゃ夏だ! (MV)

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別にクラブノリが正義ってわけじゃないし、おとなしく観ている人が楽しんでいないわけじゃないと思うのですが、音に乗るという楽しみ方が浸透してないのだという感じがいたしました。ワンマンとかだと多分また違うのでしょうが。
日本語ラップに昔からある話に「メジャー行って歌サビ増やされてなんかふやけた出来になって結局売れなくて終わる」というのがあったと思うんですが、リリスクのメジャーアルバムであるguidebookは割とこれですよね。

メジャーから降りて、がっつりラップミュージックに寄せて、高評価を得ているのが今のリリスクで。でも、やっぱり盛り上がるためには「はいせーの」感がある曲も必要なんだなあというのが先日の実感でした。(そういえば、昔のリリスクはオタクがMIX入れるかどうかでケンカしてたイメージが……)

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で、コウテカはLovin flash Da Bagdadの歌詞にあるように昔から「この世界には踊るか踊らないかしかなくて」と繰り返し繰り返し言っているグループ。

だからオタクもめちゃくちゃ踊る。踊るじゃなくてモッシュになってることも多々あるけど、それはともかく。「踊る人が正しい」という価値観を作り上げてきた現場です。

そんなコウテカ3のToronto Lotにおける「星になるの」のシンガロングって発明だと思ってて、控えめに見てオタクめちゃくちゃ楽しそうなんですよ。

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この日とか、みんなで円を作って、ピースにした指の先をくっつけて星型を作りながら歌うとかね。この曲は新しい「はいせーの」の正解だし、今のコウテカの武器。

 

 

でも、盛り上がってるのはいいことなのだけど、踊らせることに特化した似た構成の曲が続くとやっぱ退屈なわけで……。その前のおやホロが緩急のあるライブしてたから余計にね。「普通のポップス」に寄ると、お金かけてトレーニングしてる人たちとか、自分で作品プロデュースしてる人との違いがむしろ浮き彫りになっちゃうところもあるし。

あと、ギュウ農フェスの時も感じましたがたらちゃんが2人より声小さくて、これは曲調うんぬん抜きで改善してほしいな。

新曲のうち1つはぱちょちゃんの声に合わせた煙たい感じすら漂うドープな曲で、こういうのが増えてくるとまた全体の印象もいい意味で変わってくるのかなとは思うのですが。

ぱちょちゃんはStereo Tokyoで話題になってた頃のイメージを裏切らない、攻撃的なフロア制圧力で、低音で重めのラップがいいです。ちょっと遅れて入ったりできるのも面白いし、必ずしも歌詞が聞き取れる歌唱ではないところも含めて、いろんなラップを聴いている人の歌だと思います。でも、まだまだ音楽としては「この3人の完成形」って出来ではないかな。あと、なんかの曲でたらちゃんが手を上下するヒップホップ風のノリを要求して、「言えよホ―――!!」って言っててなんか面白かった。

そんなわけで私のテンション的にはちょっとシケた感じでライブが終わり。UNITでは仕上がってるといいなあ。

でも、自称ハロプロオタのDDで、カナダツアーでコウテカを観てきゃちちゃんのオタクになったという女性が、今は日本在住という連れの男性と二人で観に来ていたのは感動的でした。

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Toronto Lot

Toronto Lot

  • provided courtesy of iTunes
Girlz Can't

Girlz Can't

  • provided courtesy of iTunes

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lyrical school「WORLD’S END」リリースイベント@CUTUP STUDIO→RAP酒場もつ酢飯@Dimension

 

私のアイドルラップの基準が完全にtofubeatsとE-TICKET PRODUCTIONであることを差し引いてもらっていいのですが、実は新生リリスクの新曲MVが出るたびに「なかなかいいけど、PARADEやプチャヘンザを超えてこないな」と思っていたのでした。

 

実際、ポップスとしてのパンチ力についてはtofubeatsプロデュースって抜けてると思うので、その意見を大きく修正するってわけじゃないんですが、それを念頭に置いても今回のアルバムって断トツでいいんじゃないでしょうか。MVではちょっと物足りないと思った曲も、アルバム1枚の流れの中ではむしろ落ち着いた存在感を発していて、ジャケのデザインも含めてトータルでの完成度が高い。

 

 

WORLD'S END

WORLD'S END

 

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メンバーのラップスキルがあがったことによって「消える惑星」のような夜が似合う曲がすっと耳に残るようになって、これは今までのリリスクにはなかった個性ですね。チルなビートの「常夏リターン」も、くだらない言葉遊びの最後に、急に古風なリリシズムがはさまるという歌謡曲的なバランスの良さが楽しい。

 

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リリイベはもつ酢飯のライブと同日の6月20日、渋谷タワレコCUTUPSTUDIOに行きました。

 

メンバーはサングラスにTシャツで登場。途中でサングラスを外すスタイル。「常夏リターン」の「二度と買わない人プチャヘンザ」を聴いてやっぱりrisanoちゃんいいなと思ったり、「Hey! Adamski!」でのhimeちゃんの「とにかくパーティーを続けよう パーティーを続けよう ずっとずっとその先も今が続きますように」を聴いてぐっときたりしました。ここだけじゃなく、himeちゃんのラップの説得力というか、言葉を人の心に置いていく力の高さってすごいですよね。

 

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メロウな曲が続いた後の「そりゃ夏だ!」のアッパーな盛り上がりが印象に残りました。

 

tofubeats曲、やっぱりアイドル楽曲として強い。誰の耳でも追いつけるビートを作っている感じだし、「女の子が口にしたらかわいいだろうな」って言葉を選ぶのがうまい。オタクが「そりゃ夏だ!」とか「めっちゃかっわっいー!」とかコールできるようにしてくれるのもずるいな……。ラップやクラブミュージックが好きじゃなくても楽しく聴けるし、乗りやすい曲。

 

後ろにもつ酢飯が控えていたので、特典会は出ずに退場。

 

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RAP酒場には先日マザレコの新しいラップ練習会に遊びに来てくれたもるがんさんが来ていました。マザレコ呑みの席で聞いたところ、彼女はバトルをきっかけにもつ酢飯にたどり着いてくれたそうで、動画でのバトルのチェックはもちろん、ライブもわざわざもつ酢飯目当てに来てくれているそう。

 

最近はありとあらゆるところで、バトルブームの終焉を感じているのですが、巻いた種はちゃんと育っている感じで、もつ酢飯になる前から二人を観ている側としてはうれしかったです。

 また実はもつ酢飯最古参(デビューライブ観覧者)の猫まみれ太郎くんが来ていたのも面白かった。猫くんが主催してくれたサイファーも楽しかったな。しかし、彼がコンスタントに舞台に立つ側になったのはちょっと意外で、人の縁って面白い。

 

ライブは「もつ酢飯のテーマremix」からの始まり。ビートはもちろん、歌詞が大幅に変わっていました。

もつ酢飯「もつ酢飯のテーマ」 by studio tinpot | Free Listening on SoundCloud

服装の黒歴史ソング「ブラック・リフレクション」がウケてたのが何だか面白かったのと、息の合った合間のMCにほっこりしました。

 

2人とも本人いわく「運動神経がない人の動き」なんだけど、それがそのまま滑らかになってるのがちょっと笑えて、でも、どこか華が出てきたという感じもあり。ライブを重ねてきた成果が出てる。

 

そして、半年ぶりに会ったワッショイサンバちゃんがとてもキラキラしていたのにほっこりしました。

 

彼女は昔よく「コンテンツになりたい」と話していて、老婆心ながら「危なっかしいことを言う子だな」と思ってましたし、何となく所作に焦燥感を感じさせるところがありました。でも、この日は「But,無理 is よくない」の「like a コバーン27で死にたい but 早死の努力はしない」とてもポジティブに響いて、気持ちがすっと入ってきました。きっと、ライブを自分のために楽しんで、なおかつお客も楽しませるということが出来るようになっているのだと思う。

 

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ちょっと話した感じ、私生活ではいろいろ苦労もあるそうですが、たとえ時間がかかってもそれを前向きに変えていける聡明さが彼女にはあると思います。頼りになるMCムノウという相棒もいることだし。

 

夏を目標にEPを制作しているそうなので、リリパには前回以上にいろんな人に来てほしいな。

 

そして、この日も丸省さんがゲストライブ中に誰より楽しそうに踊っていて、流行り廃りに左右されない場を作るのはこういう人だよなとしみじみ思いました。

 

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ヌード展で思い出した「ストリップは芸術」という不思議な表現 @横浜美術館「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」

評判通りの面白さでした。

 

かつてヨーロッパには「これは裸ではなくヌードである。ヌードにおいては、ポーズは挑発的でなく、背景は日常的でなく、モデルの顔は個性的であってはいけない」という口実があり、タブーである裸を描くために、神話の世界が利用されていたという背景があるのだとか。

 

ヌードという言い訳を前提として裸を描く時代から、人々の日常にある全裸を描く人々が現れる過程がわかりやすく可視化された前半から、人種や性別、立場による裸の扱いの違いを暴いていく後半というのがおおまかな流れ。絵画・写真・立体と、それぞれの表現の違いも面白かったです。

 

直接的なエロティシズムを感じる作品は少なかったけれど、六本木の蜘蛛「ママン(MAMAN)」の作者ルイーズ・ブルジョアによる絵画が、なぜか生々しい性を喚起させました。

 

個人的に印象に残ったのはフレデリック・レイトン 「プシュケの水浴」(1890年発表)です。いかにも全裸を描くために神話の形をとるしかなかった時代に描かれた画なのだけど、このプシュケが先日拝見したストリッパーの渚あおいさんにそっくりなのでした。

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髪形も、小ぶりな乳房も、ナルシシズムにあふれた微笑も、もう渚あおいが白人になったのかってくらい。今までの私だったら「こういう芸術っぽい全裸つまんないな」って思ったはずだけど、「あっ、こういう裸体この間見たわー」って思えたのは大変よかった。

初めてストリップを観た人はよく「ストリップは芸術」と言うんですが、それはこういう神話的な図像が人々の中で芸術とされていることと関わりがあるのではないかと思うと面白いですね。

ヌード絵画の有り様を芸術と思っているからこそ、バシッとポージングを決める踊り子さんのことを「芸術」と表現する。

ただ、「芸術」という言葉を用いることで裸体を特別視することは、裏返すと女性の身体をタブー視する目線が私たちの中に組み込まれていることの証明でもあるんじゃないかなというもやもや感も……。

もちろん、見ている方は美しい肢体を維持し、ポーズやダンスを繰り出す踊り子さんへの敬意を込めてその言葉を使っているのでしょうが。うーむ。

芸術新潮 2018年 04 月号

芸術新潮 2018年 04 月号

 

 

川崎駅の東と西

SPECIAL OTHERSを観にラゾーナ川崎に行った。

 

ラゾーナは川崎駅西口にある神奈川県屈指の巨大ショッピングモールだ。

 

休日ともなると市外どころか県外からも大量の人が訪れ、多くの家族が車で出向いて買い物をし、フードコートでご飯を食べて帰る。

 

でっかいモールの中央にある屋外広場は、屋根の着いたステージを円形の人工芝が取り囲んでいて、スペアザファンだけでなく、買い物を終えたであろう多くの家族が集まっていた。

 

芝の上で走り回る子供と一緒に聴くアコースティックのSPECIAL OTHERS。これがよくないわけがない。スペアザファンも通りすがりのお客さんものんびりと音を楽しんでいて、まるで楽園にいるようだった。

 

スペアザのファンは「地に足の着いた音楽好き」という雰囲気の人が多く、品のいい素朴さにあふれている。きっと、今までもこれからも同じように彼らの作る音楽と過ごしていくのだろう。普段はうっすらと焦燥感の漂う地下アイドル現場やクラブにいるせいか、その翳りのない幸福感が強く沁みた。

 

一方で、ラゾーナの出来る前、もう15年ほど昔に川崎駅東口側のテナントで働いていた自分としては、ちょっと複雑な気分にもなった。

 

東口側はBADHOPの生まれた川崎区側。つまり、ガラの悪い方だ。区の境は京浜東北線の線路に沿って引かれていて、東口は川崎区、西口は幸区(さいわいく)にきっぱりとわかれている。

 

働いていた頃はビル周辺の様子しか知らなくて土地の特徴には疎かったけれど、たしかに昔も今もどこか散らかっていて、翳りのない場所とはお世辞にも言えない。

 

その後、私は同業界の別業種につき、改めて東口のお店にうかがうことになった。東口の店にとってラゾーナ出店の影響は大きく、店舗ごとの自助努力では補いきれないものがあった。ラゾーナの出店だけが理由ではないだろうが、かつてお世話になった店舗の中には、閉店したところもあれば、親会社が変わったところもある。

 

仕方のないことではある。私だって子供がいたらラゾーナの芝生で遊ばせるはずだ。ちょうどいい値段設定の店が一つに集まるモールは便利だし、この日だってシャツを2枚買った。行き届いた使い勝手のいい店に人が集まるのは当たり前のことだ。

 

でも、ルポ川崎のトークイベントで聞いた「川崎の不良は『ラゾーナとか雑魚っすよ』と言う」話にも、少しだけ共感してしまうのだった。

 

優しいけれど緊張感のあるアコースティックを聴き、幸せそうな顔でくつろぐ人々を観ながら、ショッピングモールでは歌われないであろう音楽のことが、頭の隅に居座っていた。

 

ルポ 川崎(かわさき)【通常版】

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