ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

どこでも「Lonely nights」

 「LONELY NIGHTS」のコメント欄にあった「『頭使っててもまた間違う』はすごい共感したリリック。恋愛ってほんとこれだよなぁ」に対し、反射的に「バカヤロー、すべての歌が当然のように恋愛のために用意されていると思うんじゃねえ!」と思って、次の瞬間に「ああ、でもこういう考え方をするから恋愛力が低いのかなあ」と落ちる日曜午前。

 でも、「LONELY NIGHTS」に描かれているやるせなさを「恋の物語のワンパーツ」でまとめたくないんだ。もっと広い「誰と一緒でもひとりぼっち」という歌のつもりで聴いていたから。たとえKEIJU a.k.a YOUNG JUJUのパートが明確に「私とあなた」の物語を描いていても。

 恋でもないしクラブでもないけど、いつだってどこだって「Lonely nights, 二人でもlonely nights」ですよ。

www.youtube.com

LONELY NIGHTS (instrumental)

LONELY NIGHTS (instrumental)

 

 

野毛の萬里で呑み会

f:id:hontuma4262:20190525215229j:image

久々の野毛の老舗。

肉だんご〜〜。

萬里の肉だんごは、表面カッチカチで、中身も片栗粉でギュって固めた感じで、ミートボール的なフワフワ感ゼロなんですけど、それがよい。写真にないけど塩味もうまいっす。

f:id:hontuma4262:20190525220326j:image

凝ったもんが出るわけじゃない街中華なんですが、値段お手頃で油!肉!塩って感じでお腹いっぱいになります。北京料理ベースだからタレ甘め。

からあげが美味しかったな〜。ふわふわで、噛むと脂がジュッと出るやつ。は〜、からあげとステーキが肉料理の二大帝王。

平岡正明が「港湾労働者のためのメシ」として紹介してた、焼き豚と海鮮の天ぷらと八宝菜(ほぼ白菜)が入った特別ランチが900円いくらになってて驚きました。

当たり前だけど、野毛にも値上げの波。

f:id:hontuma4262:20190525214729j:image

f:id:hontuma4262:20190525215239j:image

 

 

 

横浜的

横浜的

 
横浜的―芸能都市創成論

横浜的―芸能都市創成論

 
野毛的―横浜文芸復興

野毛的―横浜文芸復興

 

 

ハイパーエクスボルテージ vol.2@LOUNGENEO

f:id:hontuma4262:20190520171738j:image

 大阪でお世話になった DJhOLysHiTさんのDJ観にハイパーエクスボルテージ vol.2に行きました。

  めっちゃ久々のなにがしかの現場だったんですが、ダンスミュージックメインだったので、気張らずに楽しめました。あんまり意識したことなかったけど、普段ってけっこう「表現を受け止めなくちゃ」って緊張してるんだな。

 クラブはクラブで緊張する要素あるんですけど、ぼく脳さんがDJブース前に立ち、「後ろにめっちゃ音楽好きそうなやついるでしょ!」と叫んで、その「めっちゃ音楽好きそうなやつ」の出す音に合わせてオレンジ・ライム・レモンなどをしぼっていく「smell jockey」というDJごっこを披露してくれて、「あ、そういう感じでいいんだ」と思ってから、のんきに揺れてました。

f:id:hontuma4262:20190520171741j:image

   最後に「これ、ドリンクに使って~」と使い終えた果物を片付けていました。

 DJhOLysHiTさんのDJもよかったです。どこがいいのかは語彙がなくて言語化できないけど、好きな感じの曲がたくさん流れていたので楽しかった。

f:id:hontuma4262:20190520174442j:image

 テクノウルフはドラムと電子機器の組み合わせでビートを叩きまくるやつで、かっこよくてめちゃくちゃ踊れました。後で即興と知ってびっくり。

f:id:hontuma4262:20190520171728j:image

 黄倉未来さんも、かっこいいテクノセットからいきなり落語の芝浜の一節をつぶやいたり、床を叩いてビートを作り、客に無理やり手拍子をさせて曲を作ろうとしていたりしてやばかったです。見た目がちょっとタイのお坊さんみたいなのでギャップが面白い。

f:id:hontuma4262:20190520171734j:image

 VMOは相変わらず暴れる人がいっぱいいて、この日は酒が回ってる人が多かったので、最後は一部プロレスみたいになってました。元気!

f:id:hontuma4262:20190520171731j:image

 タスク抱えすぎて(抱え込むと「自分はなんてダメなんだ…」と思ってすべてが止まるタイプ)ストレスで頭回ってなかったんですが、踊って笑って、気持ちがすっきりしました。音楽とお酒があることで、安心して心が裸になれるってことが、やっぱり人にはあって、それは生きるうえでとても大切な時間なんだな。この日は心だけでなく、物理的に裸になっている人もけっこういましたが、そういう場ってやっぱいいな。VJもよかったな〜〜。

ライムベリーの痕を追って見つけたもの

 ふと思い出したので軽い気持ちで書くけれど、E TICKET PRODUCTIONが制作した「ILLNINAL vol.2」のリリイベはアイドルラップ現場で5本の指に入るくらい印象的だった。

 E TICKET PRODUCTIONはライムベリー分裂後しばらく、グループを運営して定期的に活動していくということができなかった。だから、シングルCD「ILLNINAL vol.2」には南端まいな野本ゆめか(当時はアイドルネッサンス所属)、Summer Rocketと、さまざまな当時の現役アイドルが参加している。

 メンバーの課外活動扱いの展開では、しっかりとした練習もライブもやりようがない。Eチケさんの復帰を横目で見つつ、MVに目を通すくらいであまり関心を持っていなかった。

 タワレコ錦糸町でのリリイベにふと足を運んだのは、ちょうどlyrical schoolRHYMEBERRYを観たばかりで、「せっかくだからアイドルラップに一通り目にしておこう」くらいの気持ちだったと思う。

  ライブの内容はお世辞にもこなれたものではなかった。しかし、私はものすごい衝撃を受けてしまった。

 「なるの♪ 何になるの♪ なるよILLになるよ♪」と、歌うアイドルたちが「アイドル」じゃなくて「児童」だったからだ。アイドルは「客や本人が望む女の子の形」であろうとする。しかし、児童は当然そこまで自分にも客にも責任を負わない。

 ライブそのものの質はお遊戯会程度だったのにもかかわらず、そこにいる女の子たちがあまりに生々しく、しかし、フェティッシュないやらしさとは無縁の、健やかな明るさに満ちていて、そこに驚いてしまった。普段のアイドルの姿より、数段きままに歌う女の子たち。それは、消費されがちな「少女」のイメージより、ずっと自由で、どこか荒々しかった。

 その時、はじめてEチケさんの音楽が表現しているのが「子ども時代」だということを意識したのだった。

 Eチケさんは「子ども時代の幸福」を歌を通して描いていて、「幸福な子ども時代から飛び出していく女の子」に願いを込めている。それが特別に響いたのは、私がそれなりに屈託のある子ども時代を過ごしたからだろう。

 作者と作品世界を同一視するのは危ういことなのだけど、中学2年生で不登校になり、そのまま文章の仕事を始めるようになったというEチケさんから、こうした世界が生まれてくることに納得せざるを得なかった。

 青春の手前、まだ未分化な女の子の内面が、アイドルというフォーマットを通して私たちの前に現れる。彼女たちを見ていると、自分が子どもだった頃の記憶と、目の前の彼女たちの朗らかさや切なさが混ざり合い、記憶の境目がなくなってしまう。

 ライブは3曲で終わってしまった。

 アエロさんと松村さんが来ていたので、「Eチケはヤバい」と伝えた。アエロさんは、歌詞の中に、かつてMCMIRIのパンチラインだった言葉があることを興奮気味に話していた。アエロさんはロマンチストなので、悲しい時もうれしい時も興奮気味に話す。

 それから数日後、信岡ひかるを観る機会があった。かつてライムベリーでDJHIKARUとして活動していた彼女は、当時から現在まで、ソロアイドルとして活動している。しかし、登壇するイベントはどれもとても小規模かつ内輪向けで、興味が湧くものがなかった。

 その日はご当地「鍋」フェスティバルという野外イベントがあり、そこにステージが設けられるとのことだった。

 会場に着くと、日比谷公園内のステージには小さなテントが設けられていた。すぐ隣に屋台、正面は鍋を食べる人向けのイスと机。小雨のぱらつく天候。

 ほとんどの客が鍋にかぶりついてワイワイやっている中、ドルオタは内輪向けの馴れた雰囲気で固まっていた。普段は自分がアイドルオタクであることも、オタクの内輪なガヤガヤ感も気にならないのに、その日はあまりに開けた場の空気とのギャップに、少し居心地悪く感じてしまった。

 ステージに現れた信岡ひかる……ひかるんは長身でスッとした美女になっていた。

 相変わらず媚びたところのない雰囲気で、「ああ、やっぱり美少女だ」と思いながら眺めていると、1曲目を終えたところで「私は昔ライムベリーというグループにいたんですけれど」という話から、ライムベリーでの曲「きみとぼく」が始まって、なぜかわからないけど感極まって少し泣いてしまった。

 MIRIちゃんもhimeちゃんも、もう歌うことのないあの歌が、ひかるんに屈託なく歌われていることに安堵したのかもしれない。

 「きみとぼく」を目を見開きながら聴いていると、スッと陽が射して公園全体が明るくなった。ひかるんがそれを見て「やっぱ晴れ女だから晴れたわ~!」と力強く叫ぶ。

 その姿は本当にキラキラしていて、差し込んだ陽の光とよく似合っていた。

 簡素で音の悪いステージで、10人もいないドルオタと通りすがりの人たちが相手でも、信岡ひかるの健やかさと美しさはそのままなのだ。ああ、本当にライムベリーはすごい女の子たちの集まりだった。そして、それはもう失われてしまったのだ。

 だけど、もう皆がそれぞれの場所で動き続けていて、きっとこっちの感傷は無用の長物なのだ。

 最後の曲は、カバー曲「夢をかなえてドラえもん」。ひかるんはステージから降りて、通りすがりの幼児やオタクと一緒に手をつないで、短い輪を作っていた。

 彼女のあっけらかんとした、でも楽しそうな表情は、ずっとそのままだった。

 

ILLNINAL vol.1(通常盤)

ILLNINAL vol.1(通常盤)

 

 

ILLNINAL vol.2(通常盤)

ILLNINAL vol.2(通常盤)

 

 

これは、E TICKET PRODUCTIONの詳細なインタビュー。

note.mu

note.mu

note.mu

note.mu

松村さんによる信岡ひかる生誕祭のレポ。

note.mu

ご当地「鍋」フェスティバルの記録。

note.mu

末広町の二代目司流とことんらーめんの醤油ラーメン+チャーシュー

 「お肉が食べたい」スイッチが入って行ってしまった……。

 醤油ラーメンにチャーシュープラス。あんまりコスパ言いたくないのとめんどうなのとで、ブログでは食べたものの値段をあまり書かないようにしてますが、これで850円は泣けます。食べても食べても肉が出てくる。

 ゆで卵とかスープもほんとに「ちょうどいい」んですよお。麺が柔らかいのだけは人を選ぶかもしれないけど、そこが気にならないくらいほかの要素が良し……。

 

f:id:hontuma4262:20190517093757j:image

はやく人間になりたい

f:id:hontuma4262:20190513145313j:image

 連休中に友人を呼びだしてごはんを食べたのだけど、あんまり話が盛り上がらなかった。私が相手の話をちゃんと聞いていなかったからだ。

 どうして話を聞けなかったのかをよくよく考えてみると、私は本当は、その時「相談したいこと」があったのだ。でも、友人に話している瞬間は、「自分には友人に相談したいことがある」ことに気が付いていなかったのである。

 話したいことがあって友人と会ったのに、それをずっと閉じ込めているから、相手の話が耳をすり抜けていく。

 帰宅してその日の会話を思い出して、「いい年してこんなことあるのか」と落ち込んでしまった。

 望む姿にはまだまだ遠い。