ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

カレー会@都内某所12月2日

 またカレー会にお邪魔しました。

 MAZAIRECORDSは今コンピレーションアルバムを作っているそうで、スタジオ録音と並行してのサイファー。※カレー会、MAZAIRECORDSに関してはちょっと前のブログ参照。

soundcloud.com

 前回参加の際は10人くらいでワンダーワールドな下ネタを回していったのですが、今回4~6人でマイクを回していくことになったため、自分の引き出しのなさに苦しめられました。

 ビートに乗るとか小節をきちんと数えるとかはもちろん大事なんですが、「自分の中身を外に向けて言語化する」というのが、やってみるとまず意外なほどレベルが高いんです。

 「twitterで見た他人の面白ネタ」とか「ただ最近起こったこと」とか「ありがちなオタクネタ」とかそんなのしか出てこなくて我ながらダサかった。ネタがありがちでもオリジナリティのあるエンタメになればいいと思うんですが(これは韻やフロウも含む)、それもなかなか出来ない。楽しかったけど、自分の限界を感じましたね。

 途中から「かわいいものしりとり」になって、8小節でかわいいものを挙げてそのかわいさについてプレゼンしていくという方式になったんですが、これも途中で言葉が出てこなくてつまってしまう場面がいくつかあった。面白かったんですが、「もっと楽しめるようになりたい」という気持ちを新たにしました。途中から「ラッパーはみんなかわいいから」と言い出してネタに詰まるとみんながラッパーの名前を出していったのが面白かったな。

 あと声小さいし活舌も悪いなー。直したい。参加者は樫さん、今日犬さん、ぽじぽじさん、ヘルガさん、マジコンさん、ヤボシさん、ワッショイサンバさんでした。

 ワッショイサンバ×無能のユニットもつ酢飯もEPも発売予定。ライブも決まっているらしいので楽しみです。

 そういえば、フリースタイルダンジョン3on3、2on2を導入してからいまいちですね。私流し見してることが多いのですが、3on3とかもはや誰がしゃべってんのかわからないことも少なくない。

 そして年末に口迫歌合戦とか、また内輪感ある企画なのもつらい。内輪化はコンテンツの死なので、ここんとこ緩慢な自殺まっしぐらですな……。

 30秒でいいからレジェンドとLEGENDオブ伝説によるヒップホップ用語講座とかやったほうがいいと思うんだけどなー。

 DJBAKUの私立FRESH!学園DJ部なんかは面白いのですが。

freshlive.tv

クリスチャン・ボルタンスキー  アニミタス-さざめく亡霊たち@東京都庭園美術館&牛腸茂雄という写真家がいた。@FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館企画写真展

f:id:hontuma4262:20161130191221j:image
 
クリスチャン・ボルタンスキー  アニミタス-さざめく亡霊たち
 
正面入り口にあるチケットの列がやけに進まないと思ったら、おそらく50代後半と思われるおっさんが受付の人に「こんなバカな制度は聞いたことがない」「根拠はあるの?」と怒鳴ってる。何かと思ったら、庭園美術館は土日祝日は館内撮影不可なのね。撮可の美術館どんどん増えているけど、ここはもともと旧朝香宮邸。アール・デコ様式の美しい邸宅の中を歩き回れることもあり、美術オタクだけでなく観光客も多い。客同士のトラブル回避のために日によって不可にせざるを得ないとか、いろいろ事情があるんだろうと思った。 それを斟酌せずに「俺が正しい!」という顔でまくしたてるおっさん。端的に言って醜い。
 
「ああいうの、怒るべきだった……」と思いながら、さらに進むと邸宅入口の受付でもその親父が受付の女性に向けてネチネチと文句を言っている。「実際今日どれだけの人がいるっていうの?こういうくだらない制度を当たり前にしてるのはね、ほんと愚かだよ」とか。 
 
さすがにムカッと来たから「あなたがここでこの人たちにそんなこと言っても仕方がないでしょう?!」って言ったら「だから責任者呼んでるんじゃない。あなたには関係ないでしょ?はい、あっちどうぞ」という反応。
 
私はそこでめんどくさくなって立ち去ってしまったけど、ああいうターンで効果的な罵倒を言えるようになる反射神経がほしいと思った。脳がトロいよ。何のためにフリースタイルラップの練習をしてたんだよ、お前。いや、ケンカのためにやるわけじゃないんだけど。 
 
しかし謎だったのはその男が20代半ばくらいの女性を連れていたことだ。「もういいよ~~。行こうよ~~」ってタメ語で言ってたけど、なんだったんだ。愛人か。
 
そんなこともあってあまり展示に集中できなかったけれど、亡霊という名を付けてそこにいたはずの死者をよみがえらせる試みは好きだった。建物に入ると、スピーカーからは死者の声と思われるボソボソした会話が流れ、心臓の音をサンプリングした部屋や首つりの様子が影絵として映し出されている部屋なんかが用意されている。庭園美術館と展示がお互いを殺し合ってたという意見もけっこうあって、それもわからないではないけど、何度か行ったことのある場所がちょっとした異界になってるのはそれなりに楽しかった。 
 
あの世界観、まるごと山岸凉子がマンガ化したらハマると思う。それにしても、客に似たような雰囲気の人しかいないのがすごかったな。

 

クリスチャン・ボルタンスキー -アニミタス―さざめく亡霊たち-

クリスチャン・ボルタンスキー -アニミタス―さざめく亡霊たち-

 

 


Boltanski interview

 
f:id:hontuma4262:20161130191233j:image
 
牛腸茂雄という写真家がいた。
 
ボルタンスキー展から回したら三浦和人さんのトーク中。話はほぼ覚えていないけど、三浦さんのたたずまいの優しさが印象的だった。牛腸さん、大昔に見た佐藤真のドキュメンタリーでは、どこか謎めいた人としてとらえられていた気がするけど、三浦さんが語る彼は明るくて、ちょっと小ズルいところもある人だった。課題で「磁力だか磁場だかのある写真」と言われて、磁石に砂鉄をつけて撮影して提出したという話がチャーミング。 
 
展示はハガキくらいの大きさのプリントを額に入れたもの。スペースが小さいこともあってちょっと集中できなかったけど、牛腸茂雄の写真の静けさはやはりいいなと思った。 
 
「人間ってこういうなんとも言えない、感情が一種類じゃない顔もするよね」という表情。そして、それらはどれも次の一瞬に消えちゃいそう。以前、友人に「写真の面白さがわからない」と言われたのだけど、「ドキュメントこそが写真の面白さ」という気持ちが彼の写真を見ていると湧いてくる。もちろん、それだけではないけれど、私にとってはね。
SELF AND OTHERS

SELF AND OTHERS

 

 

山岸凉子展 「光 -てらす-」 ―メタモルフォーゼの世界―@弥生美術館

f:id:hontuma4262:20161130191811j:image
竹宮惠子の自伝には、まだ20代の山岸凉子がスッと現れては一言かっこいいことを言い残して去っていく場面がいくつかあり、その存在感が作風にぴったりでゾクゾクしたものでした。 
少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

 

 

そんな山岸先生の原画展。会場は近年マンガ関連展示の多い弥生美術館。 
 
初期作品からすでに透明感のある大人びた色合いのカラーを描いていたのが印象的でした。 
 
アラベスクの原画が多めだったのが個人的にうれしかった。一番読み返している山岸作品なので。ノンナが最後にラ・シルフィードを踊るところが展示されていてワクワクしました。
 
「蒼ざめて透明な真のロマンチックバレエを!」
 
あの霊性漂う点描で描かれたノンナの姿を見せておいて、ステージから降りた彼女が皆の賞賛を受けて「うん、あたしもそう思うの」って普段通りのほわっとした顔で返すのが、クールかつ人間らしくていいんですよねえ。新作の「レベレーション」もそうですが、オカルトとドキュメントを融合させることに成功している不思議な作家。 
 
アラベスクってバレエマンガの歴史年表的には初期の範疇の作品だと思うのですが、もうこの段階で表現に関わる人間のすべてが出そろっているのが恐ろしい。 
 
もちろん、日出処の天子を中心とした日本を舞台とした作品の原画も充実していました。多くのファンにとってはこっちがメインなんだろうな。日本画から学んだものをマンガに落とし込んでいくーーそこにマンガの画面っぽくないなんて遠慮は一切なしに!ーー様子がかっこいいです。 
 
そもそも私、皇子の顔も最初怖かったし、あれを読者に認めさせた山岸先生はすごい。皇子の髪の艶描写は必見です。
 
1・2階が山岸展、3階はコレクション展の高畠華宵特集だったのですが、山岸展見た後だと女の子の顔が1パターンしかないのが物足りなく。 
 
私設の美術館なので照明やガラスケースの構造も含めて展示環境がいいとは言えないのですが、竹久夢二も見られるし、雰囲気込みで楽しめる内容ではないでしょうか。 
 
山岸凉子展 「光 -てらす-」 ―メタモルフォーゼの世界―

会   期 2016年9月30日(金)~12月25日(日)
開館時間 午前10時~午後5時 (入館は4時30分までにお願いします)
休 館 日 月曜日
※ただし10/10(祝月)開館、翌10/11(火)休館
料   金 一般900円/大・高生800円/中・小生400円
竹久夢二美術館もご覧いただけます)

山岸凉子画集:光

山岸凉子画集:光

 
レベレーション(啓示)(1) (モーニング KC)

レベレーション(啓示)(1) (モーニング KC)

 
山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅 (別冊太陽 太陽の地図帖)

山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅 (別冊太陽 太陽の地図帖)

 
アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

 

 

Shing02 & The Chee-Hoos / 田我流とカイザーソゼ / Kojoe & Aaron Choulai Quintet / DJ KENSEI@WWW X9月17日

田我流しか知らずに発作的に行ったやつ。

前売り購入特典として入場時に演者のインタビューが載った冊子「Mary Joy Zine」がもらえたのだけど、これがすばらしかった。プロのライターを使った、内輪感のない作り。ヒップホップはあまり前売り券を買う習慣がないという話を聞いたことがあるけど、こんな特典着くなら確実に行く。


WWWXはこの日が初。音のことはよくわからないけど、横に広くてステージにほどほどの高さがあって、天井が開けてる。開放感があってストレスなく場の空気を楽しめる感じ。壁に面した螺旋階段歩かされるのがキツいけど。

知らずにチケット買ったけど、1MC&バンド編成の3マンだった。


田我流とカイザーソゼ

f:id:hontuma4262:20161127150524j:image

田我流は白いスウェットにズボンで、朴訥で自由な雰囲気。ライブは自己顕示欲とか征服欲みたいなのが全然なくて、なんだか柔らかくてあったかい気持ちになった。彼の地元である一宮町wikiの出身有名人のところには「田我流:最高のバカ」と書かれているらしい。それを受けてライブ中に「さいこうのバカー!」と楽しそうに言っていた。

youtu.be

Kojoe & Aaron Choulai Quintet

f:id:hontuma4262:20161127150552j:image

バンドの調子が悪かったのか、ライブそのものがあまり印象に残っていなくてよく覚えているのはkojoeの長いMC。「日本の平和はアメリカのゲットーに、誰かの間接的な死によって支えられている」という社会に対する純度の高い怒りの演説に人柄が表れていた。


Kojoe & Aaron Choulai Quintet Live @Unit Tokyo

Shing02 & The Chee-Hoos

f:id:hontuma4262:20161127150615j:image

Shing02は真っ黒な甚兵衛にコートとハットで登場。長身に刈上げ頭がインテリヤクザ風でめちゃクール。バンドも3者の中で断トツで音がキレていた。セッション性が高いというか、各人がお互いを引っ張り合って高めてどんどん鋭利な音になっていくのに興奮する。そして、そんな音の中にあって弾丸のように放射されるShing02のラップ。ラップが完全に楽器の一種になっている。音楽全体の調和の美しさと、ライブだからこそのガサガサした緊張感が融合していて、ステージにどんどん全身が吸い寄せられてしまう。うまいというのはなんて価値のあることなんだ! かっこよすぎて死んだ。

youtu.be

 

田我流とカイザーソゼ

田我流とカイザーソゼ

 

 

 

good day bad habit

good day bad habit

 

 

 

Luv(sic) Hexalogy(2CD)

Luv(sic) Hexalogy(2CD)

 

 

 

www.youtube.com

ライブ映像あがってました!タイトルからじゃ誰が出てるかわからないよ~。

もみじ市2016で空気公団、コトリンゴ@多摩川河川敷9月18日

 

f:id:hontuma4262:20161126112417j:image
 
 「コトリンゴ空気公団が無料で観られるから」と友人を誘って多摩川河川敷の「もみじ市」へ。 
 
 もみじ市はハンドメイド関連イベントや店舗運営、書籍の企画・執筆などを手掛ける手紙社の主催イベントで、てづくりエリートの集結の地だ。通常のハンドメイドイベントは公募式で、出店者がお金を払ってブースを確保するが、このイベントは手紙社の声掛けによって出展者が決まるらしい。いわく「つまり、多摩川河川敷に集う大人とは、ただの大人ではなく、私たちが選んだ、極めて上質な、レベルの高い、感性の素晴らしい、ものづくりの世界において日本を代表する作り手なのです」。「極めて上質」という言葉に漂うくらし偏差値の高さよ。手紙社の関連イベントはよくライブをやっていて、コトリンゴ空気公団もこのイベントの常連だ。 
 
 そんなもみじ市に到着してすぐ、「私ほっこりになじめないんですよね」と言い出す友人。私は私で「何か買うんですか」という問いに「いや、こういうところで買ったステキなものって日常生活で浮くじゃないですか」という返事をしていて、無料でライブを観に来ているのに牽制バリバリというなめた態度を取っていた。 
 
  会場は雑貨やら靴やらワークショップやらフードブースやらでにぎわう。手作りエリート界の有名人が集まっているだけあってブースの完成度が高い。草原というロケーションも合わせて小人の村みたい。キッチンカーや屋台が凝った意匠を凝らしているのを観光客気分で冷やかしていた。 
 
f:id:hontuma4262:20161126112326j:image
 
 この日は時折小雨のぱらつく曇天で、すかすかではないけど、人でごったがえすこともない気楽な雰囲気。ぶらぶらと店を見回り、昼食を取ってライブを待つ。 
 
f:id:hontuma4262:20161126112707j:image
 ライブの場所は川を背にしたテントの前。コトリンゴの開始直前にテント前に行くと、正面に敷かれたシートはすでに人でいっぱいだった。私の斜め前にずっと羽虫の小さな渦が出来ていて、それがライブが始まってから終わるまで、ずっと消えなかったのがなんだかおもしろかった。 
 
f:id:hontuma4262:20161126112804j:image
 
 コトリンゴはCDで聴いたままの声で、だけれど、想像よりはるかにふわふわした空気の持ち主で、綿毛のような声でとめどない話をしていた。どこかたどたどしくて、でも、話題が飛んで行ってしまうことを気にする様子もなく、自然体というのはこのことかと思った。 
 
 この日は助っ人として料理研究家でおもちゃ楽器の操り手という良原リエさんが登場。プラスティックのぶたのピーィーという音などを付け加える。おもちゃのチープな音がコトリンゴの郷愁を誘う曲の数々に「みんなのうた」のようないたなさを付け加えていた。出店者の中に花冠を作っている人がいるそうで、コトリンゴも良原さんも頭に生花のブーケをかぶっていて、それが一層おとぎ話のような不思議な空気を醸していた。 
 
 空気公団が始まるまで、またお店を見て回る。雰囲気に酔って、コーヒー屋の人に「いや~お天気もってよかったですねえ」と、だらしない顔で話しかけたりした。 
 
 古本屋も出店していたのだけど、古い海外絵本やおしゃれな雑誌が並ぶ中、なぜか反原発や社会運動の本が固まったブースがあり、一冊一冊を拾い上げながらゲラゲラ笑いあう。 
 
f:id:hontuma4262:20161126112630j:image
 ライブが始まるタイミングでまたテントの前に行くと、ロックTシャツのお客さんが増えていた。コトリンゴ空気公団、共通している部分もあるのにちょっと客層が違うのがおかしい。 
 
 ボーカルのゆかりさんもかりあげ頭にブーケを乗せていて、寒色の花と大きめな目のバランスが見事だった。「髪が少ないから無理かと思った」というその頭は、宝冠をかぶった仏像のよう。 
 
 ライブが始まり、バンドサウンドが流れる中、ふっと気持ちのよい風が吹いてくる。飾られた風船が揺れて、演者の背には多摩川が流れていて、犬を散歩させる人や家族連れが遊んでいる。 
 
f:id:hontuma4262:20161126112846j:image
 透明な女の子という曲の間、小学生4年生くらいの女の子ふたりが川を指さし、そのままふたりで走り去っていった。
 
 友人はサインをもらうためにCDを買っていて、私はサインをもらうために列に並ぶ人々の少し高揚した空気をじっと眺めていた。
 
 友人がゆかりさんと交わした会話について話を聞き、おみやげにジュースを買ってもみじ市を離れた。
 
f:id:hontuma4262:20161126112933j:image

 

 

 


コトリンゴ - こんにちは またあした


コトリンゴ 「誰か私を」 Music Video


空気公団 旅をしませんか

 

trick & tweet

trick & tweet

 

 

 

 

ダブル

ダブル

 

 

コウテカ2ワンマンスーパー先行チケット即売イベント、校庭カメラガールツヴァイ×せのしすたぁ最後のツーマン

コウテカ2ワンマンスーパー先行チケット即売イベント

f:id:hontuma4262:20161123131930j:image

 アイドルの解散に慣れすぎてしまったためか、校庭カメラガールツヴァイの解散発表を聞いた時も、そんなに感傷的な寂しさはなかった。恋をしていたわけじゃないから、メンバーに会えなくなるのもそこまで悲しくなくて、むしろ運営が難しいならズルズル続けてそれぞれの生活の負担になるよりは、終わったほうがいいのかもしれないとも思う。


 でも、「出会っていたらこの曲とあのライブを好きになっていたはずの人がたくさんいるはずなのに、多くの人が出会わないまま終わっちゃうんだ」っていうのは、やっぱり悲しかったし、もっと多くの人の前で歌う姿が見たかったとは思った。


 それが9月21日。10月は資金難と忙しさのせいでまったく現場に行けないまま過ぎて、11月。


 久々に行った現場は西麻布ブレッツのワンマンチケットの手売り会。ワンドリンクでライブ付き。解散後のメンバーの進退について話があるという事前告知もあり、会場はそれなりの人でにぎわっていた。


 ブレッツは赤いじゅうたんの上にソファーや大きめのぬいぐるみが無造作に配置されており、クラブというより大きめの文化部の部室のような空間だ。私がコウテカ2の前身である校庭カメラガールを知る前から、ずっと彼女たちがライブをやっていた、ホームといえる場所でもある。


 メンバーのうぉーうぉーとぅーみちゃんがデザインしたというチケットを購入し、会場のすみっこに座り込んでスマホをいじっていると、運営からメンバーの解散後についての話が出た。


 もるももるちゃんはソロへ。ののるるれめるちゃんとしゅがしゅららちゃんはOCHAWANS(表記不明)というユニットで活動。うぉーうぉーとぅーみちゃんは活動休止とのこと。発表と短い質疑の感触からすると、詳細はまだ決まっていないようだった。会場に漂う「まあ、そうだろうな」と「そうきたか」半々の空気。そのままライブのアナウンスへ。


 聞き覚えのない出囃子に誰も戸惑う様子がないのを見て、「ああ、私はほんとにしばらく現場を離れていたんだな」と実感した。


 ライブはTomorrow girl Secret、UncLost in Sequence、hanging end Rollなど、メロウな曲が多めの感傷をあおるセトリだったけど、うまく乗り切れなくて少し遠巻きに見てしまった。解散に向かってエモまるという行為にも疲弊しているのかもしれない。来月はBELLRING少女ハートの朝倉みずほちゃんと柳沢あやのちゃんが卒業するし、少し事情が違うけれどサ上と中江が最後のワンマンをやるし、さっちゃんは体調不良で引退するし、お別れが日常茶飯事すぎる。


 この日は何となく「れめるちゃんはかわいいなあ」と何度も思った。


 サインはチケット1枚につきひとりだったので、一度も話したことのないとぅーみーちゃんへ。アイドルと話すのは久しぶりで少し戸惑ってしまった。


 人見知りなので話しかけられないでいたけど、1月解散なら会う機会もなくなってしまうし……と思ってTwitterのフォロワーさんにあいさつをする。


 おまいつの皆さんはその後、現在のアー写の撮影場所で写真を撮ったりしてきたようで、何となくそういうノリはアイドル現場っぽくて懐かしいなと思った。

 

 

 

校庭カメラガールツヴァイ×せのしすたぁ最後のツーマン

f:id:hontuma4262:20161123131823j:image

 下北沢シェルターでの2マンライブ。せのしすたぁは2014年10月のライムベリーとの2マンぶり。あの頃のライムベリーの3人を観て、さらに今の至るまでの道筋を見ているとMIRIちゃんの変化は頼もしいような、切ないような。彼女自身が勝ち取ったものには敬意を表しているけど、状況を肯定できない身としては、ライムベリーの話題を見るたびに複雑な気分になる。


 フロアは8分目程度の入りで、ライブを楽しむのにちょうどいい感じだった。

f:id:hontuma4262:20161123131900j:image
 久々のせのしすたぁは以前ほどまおさんの煽りが前に出なくなっていて、刺激的ではないけれど、前より明るく柔らかくなったような気がする。特にまおさんが昔より優しい雰囲気になっていた。一時、精神科の薬のせいでかなり太っていたのを知っていたので少し安心。ほぼすべてのアイドルがそうであるように、せのしすたぁも紆余曲折込みでステージに立っている。


 何となくステージの3人が奇面組に出てくる女の子たちのように見えてきて、そういえば普通の素朴にかわいい女の子がステージの上でオンリーワンになるという点において、コウテカ2とせのは少し似ているのかもしれないなんて思った。


 フロアはほどほどのリフトに時折起こるモッシュと、ライブアイドルらしく明るく盛り上がっていて、それを見ながら「普通、人間がこんなに飛んだり跳ねたりすることって幼児の時くらいだな」と思ったりもする。これに比べると先日の戦極MCバトルの客なんてゾンビみたいなものだ。その喧噪の中に突っ込んでいくことはできなかったけれど、何となく懐かしい気分になった。


 まおさんの「せのもいろいろあったけど、この曲に支えられた。音楽ってすごい」という前置きから、コウテカ2に捧げる歌としてNOWを披露してくれた。


 コウテカ2は「調子はどうですかー。ダンスフロアつくりに来たんでー」というMCから入り、先日のメロウなセトリから一転して、フロアを躍らせる曲で攻めてきた。


 明らかに喪服のつもりであろう黒い衣装が、オレンジ色の照明に映えて官能的で、児童文学の主人公のような雰囲気のれめるちゃんが黒で暴れまわるの様子も、この日は赤い髪が魔女のように見えたもるちゃんの怪しさも、マニッシュなショートカットがどこかヒロイックなとぅーみーちゃんも、不思議な大人っぽさのために黒い喪服が最も似合ってしまうららちゃんの汗も、みんな魅力的だった。


 フロアもステージも1曲1曲の熱量が大きくて、2~3人ほどのリフトが上がっていって、それが一体化したエンタメになる様子は、3年位前の私が初めて見た頃のアイドル現場っぽい。なんだろう、これやっぱりかっこいいし、くだらないね。


 リフトは上がらなかったけど、飛んだり跳ねたりしながらそう思った。


 最後はコラボレーション。「袖から見てたけど、なかなかやな」というまおさん。せのと比べると何点くらいという問いに、「コウテカ2は100点、せのは150点くらいかな」という返答。ドルオタでもあるもるちゃんがせのと2マン出来てうれしかったと真面目に話す。コウテカ2はMCの時間がほとんどないので、同世代の女の子たちと笑いながら話している様子がほほえましかった。


  ゆーたんさんは会社の送別会で酔っ払っていて、移動中に「うぉーうぉーとーぅみーは私がもらうから」と言っていたらしく、それに対抗したまおさんが「ふたりでtwitterでリプを送って、どっちが先に返事をもらうか」勝負をしていたらしい。結果はふたりともふぁぼだけで終わり。クールなとぅーみーちゃんの態度が笑いを誘っていた。彼女のふるまいの、見ている方に少し謎を残す感じはとても神秘的で、人気が出るのもよくわかる。


 コラボはせののSTEP BY STEPにHer L Bo Sheのリリックを乗せたものと、せのの3人が加わったSwallow Maze Paraguay。キャッキャする7人が華やかで、なによりハッピーそうだった。


161119/校庭カメラガールツヴァイコラボ@下北沢SHELTER/STEP BY STEP〜Swallow maze Paraguray


 後ろに友人との約束があったので早めに会場を出てしまったけど、過剰にエモまる感じもなく、でも名残惜しさの残るいいライブで、これがなくなってしまうの悲しいというより不思議だなと思いながら下北沢駅へ向かった。


 下北沢周辺も、駅そのものはまるでプラスチックの食器のようなすっきりした白さの建造物に代わっていて、素朴な下北沢の町にプラスチックの文具が噛みついているような雰囲気でこれまた変な気分になった。

 

校庭カメラガール

校庭カメラガール

 

 

 

I'm sick too!!!

I'm sick too!!!

 
STEP BY STEP

STEP BY STEP