終了直前に駆け込みで回った。近代文学館は会場が暗いので、正直絵を見るのにいい会場ではないのだけど、それなりに楽しませてもらった。
蛍光色の使い方が印象的。『たろうのおでかけ』『ロボット・カミイ』など、幼年向け作品でのピンクの存在感はちょっとほかにない。『ぐるんぱのようちえん』でのぐるんぱのほっぺも。
また、『いかだはぴしゃぴしゃ』における黄色と青の線をちらして川を描く大胆な手法に驚いた。
個人的に印象的だったのは小さい頃に親しんだ『マザーグースの絵本』や『秘密の花園』の挿絵。
『秘密の花園』は造園の話なので、もしゃもしゃした荒れた庭の描写が物語の説得力を嵩上げしていた。
マザーグースは気味の悪い歌も多いが、青をうまく使ってうまいこと美しく不気味な絵を描いてくれた。
解説は可もなく不可もなく。正直ちょっと物足りなく、もう少し補助線を引いてほしかった。ここの展示はだいたいちょっと物足りないけど、今回は絵が主題ということもあり、余計に遠慮がちだった気がする。