ホンのつまみぐい

誤字脱字・事実誤認など遠慮なくご指摘ください。

最近のストレス

 文章を書くときは「現実に生きている人間>歴史>自身の好き嫌い」という優先順位をつけるようにしている。

 それゆえ、ストリップについて好意的にのみ書くことに対し、激しい葛藤がある。

 「劇場は愛のある場所である」ということは、そのまま「劇場は愛を搾取している場所である」ということと同義であり、何年も見ていると、その搾取がもたらしたものを目の当たりにすることになる。何度も。

 ストリップ業界は極めて不健全な不均衡に基づいて運営されている。それゆえ、現実に誠実になることは、人間のための状況の改善を意味しない。

 歴史に誠実になるのであれば、私はその不均衡こそを書かなければいけない。

 しかし、それが人間のための状況の改善を意味しないのであれば、控えなくてはいけない。

 いつか劇場がすべて滅びた時に、やっと歴史に誠実になることができるのだろうか。しかし、その頃までにどれだけの人が搾取されるのだろうか。

 ステージがどれだけ美しくても、一時もこの不均衡を忘れることができない。