ホンのつまみぐい

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ストリップと社会と私を考えるZINEイルミナ2号できました

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 イルミナ2号できました。

 大ボリューム120p。カラーページ4p!

 物理的にもすごいことになっていますが、内容もぎっしりしているな~と思います。簡単に紹介します。

 特集は広島第一劇場閉館に寄せて。

 小骨トモさんによる壁新聞形式のイラスト、たなかときみさんによる4pのルポマンガ、劇場を愛する人々に集まっていただいての座談会(りんりんさん、まりもさん、ハレーさん、おやびんさん、たなかさん、ひろしさん)やお客さんの思い出(ロココさん)。そして、20年前頃から広島第一劇場に乗っていた踊り子・牧瀬茜さんがつづる劇場への思い。

 広島第一劇場という場所がどのような歴史を持つ場所で、どのような人々が集い、心を交わしていったかがわかる内容になっていると思います。

 宇佐美なつさんインタビュー。

 創刊号にエッセイを寄稿いただいた踊り子・宇佐美なつさんへのインタビュー。お客さんとしてストリップに出会い、踊り子になるまでの過程や、演者としてのポリシーをうかがいました。参加してくださった結城敬介さんによる随想も必読。

 貫入さんによる短歌の連作。劇場独特の緊張感や時間の流れ、そこから生まれる感情が穏やかな言葉でつづられています。

 踊り子へのラブレター。

 9月に引退なさった美月春さんのページには、カオスちゃんのエッセイ、山中千瀬さんの短歌、唐崎昭子さんのイラスト、ちぇりさんのイラストを掲載。炎のように輝いていた美月さんの姿を、それぞれが記録しています。

 原美織さんのページには、めりぴょんさんのエッセイ、群青さんのイラストを掲載。かわいらしいステージのみならず、抜群のファンサ力で人々の心をとらえて離さない原さんの魅力が伝わることと思います。

 矢沢ようこさんのページには、編集部2名ともさっぴーさん、すーさんのほか、デビュー当時から矢沢さんを観ているsailorさんによる座談会が。矢沢さんが長い月日の中で培ってきたものが、今私達の心をどのように揺さぶっているかについて語られています。

 また、「人はなぜストリップを観て泣くのか」という、語られているようで、深められてはいない話題について、踏み込んで議論しています。

 映画『彼女は夢で踊る』。あきらさんに映画のイメージイラストを寄稿いただきました。また、スト客の視点から語る座談会に編集部2名のほか、半田なか子さん、結城敬介さん、中本那由子さん、松本てふこさんに参加いただきました。座談会はわりと映画に疑義を呈するものになっています。

 今回は演目やダンスの見方に関する記事も充実しています。

 学生時代ちんどんサークルに所属していた夏目ちゃんによる黒井ひとみさんの演目「ちんどん黒井家」のレビューとイラスト。偏見にさらされがちな文化を愛する際の複雑な心情についても語られています。

 きのコさんによる、清水くるみさんの「耳なし芳一」レビューは、演目のレビューにとどまらず、演者としての哲学について書かれています。清水さんご自身は創刊号にレビューを寄稿してくださっています。

 また、武藤大祐さんにはストリップ独特の決まりごと(劇場の大きさや裸になること)がダンスにどのように作用しているかを詳細に分析した舞踊論を寄せていただきました。過去、ストリップがどのように語られてきたかについても知ることができます。

 緊縛モデルの月乃悠さんには、演者としてDX歌舞伎町SM興行の思い出を。

 山中千瀬さんには、コロナ禍中、劇場に行かないことを選択した日々の葛藤について綴っていただきました。

 シリーズ化している消えた劇場。福山第一劇場について地元のお客さんに語っていただきました。

 「ストリップと法」というブログを運営している花月さんに、劇場をめぐる法律について細かく解説していただきました。劇場新設に向けた法改正プロセスについても、具体的な道筋を示してくれています。

 また、4月のシアター上野の摘発について、現状を整理した文章を掲載しています。こちらは私が執筆していますが、執筆中に直面したさまざまな課題に対し、論点をまとめきれず曖昧な内容になってしまい、悔いが残っています。今後、内容を深めていければ思います。

 ざっとこんなところでしょうか。簡単に紹介と書いたのにまったく簡単になってなくてかえって分かりづらい気持ちしますが、参考になれば。