「サイコパス」という概念を「社会を脅かす怪物」として丁寧に解説するくだり、精神疾患への誤解を深めること間違いなしで険しい。ホラーだし、そもそもフィクションだし、ほんとは目くじら立てたくないとこだけど、現実に与える影響を考えてしまう。京都を舞台にした保険会社のお仕事小説としてはとても面白い。保険の理念や職業倫理もわかる。
1話目のケンジのご家族の気遣いがダントツいい話だけど、ケンジが店長として講演する話が泣けた。私も仕事を積み重ねたい……。年始のドラマ特別編は「いわゆるいいセリフ」が多すぎて若干冗長だった。ジルベールの磯村くんの演技は秀逸。鯛めしおにぎりを前にして「味薄い系かあ〜」ってセリフは絶妙すぎた。
良くも悪くも思うところありすぎの1冊。詳細な感想はこちら。
中学校ではいじめ、家では両親のケンカという状況に疲れ、開放的な性格のおばの愛子のところに下宿を始めた花美。カフェ運営をしながらイラストレーターとして働く愛子のもとには、居所のない子どもたちが集まる。自分以外の子どもたちと食卓を囲むうちに、花美はあることを思いつく。
中学生の女の子の発案で「夜カフェ」というこども食堂的施設が始まるという現代的な話を明るくまとめている。
登場人物が賢い人ばかりで、話の進みがめちゃくちゃ早いのでびっくりしたけど、児童書のスピード感はこんな感じだったか。まだ始まったばかりで夜カフェ運営の話は出てこないので今後に期待。
男性学研究者の田中俊之がジェンダーバイアスからの解放を説く新書。読者に直接語りかける大学の講義に近い形式なので、思索を深めたい人には物足りないだろうと思う。というか、啓蒙的な語り口がちょっとウザい。でも、読書メーターの感想を見ると「目からうろこが落ちた」という類のものが多いので、これでいいのかも。マンガにしたらウケそう。
kindle unlimitedで読めるのでなんとなく読み始めて絶句。文庫も含めてソノラマで出ていたもの、ヘルスワーク協会から出ていたものは読んでいたけど、あまり知られていないものの中にハードコアな傑作が多くてのけぞった。絶対まとまった形で文章を書く。kindle以外にもいくつかの配信サイトで手軽に読めるようだ。
水樹さん、登場したての頃は萩尾望都フォロワーだったんだなあということがわかった。
これは良い本。自分の頭の中も整理されたし、人に紹介したくなる。後ほど詳しく紹介したい。