はてなキーワードの校庭カメラガール、校庭カメラギャルの項目を作ってから、たまに「誰か彼女たちについて書いていないか」と思ってクリックすることがある。
キーワードをクリックして該当ページに飛ぶと、「〇〇に関するブログ記事まとめ」という表示が出るのだ。
でも、地下アイドルの名前をクリックしても、そのキーワードが使われたブログが更新されることなんてごくまれだ。
地下アイドルの追っかけの日々は平坦だ。ほとんどの地下アイドルが、入場料2000~3000円、持ち時間各15分、演者は全部で10組という、十把人からげ扱いのイベントを行き来する。売れてるアイドルや、曲やパフォーマンスに驚きがあるアイドルならともかく、ありふれたライブの続く現場に感動を見出すのは簡単なことではないし、それを記録するのはさらに難しい。
しかし、地下どころか地底アイドル現場に通いつめ、年間の現場数は365を超えているのに、ずっと現場の感想を書いている人が、はてなに一人いる。音楽に対する造形も相当深いらしく、地底の感想に加え、たまにクラシックコンサートやフジロック、洋楽のライブの感想も挟まる。
ブログは2008年から始まっている。当初はいかにもこだわりのある音楽好きっぽい現場選びの記述が多いけど、いつからかアイドルの感想がメインになっていた。
言いがかりのようなことを書いている時もあるけれど、つまんないと感じた日はちゃんと「つまんない」と書く人なので、読むと気持ちが安定する。
その人が、ASKAのツアーについて、暖かい筆致でそのすばらしさを記しながら、こう結んでいた。
ただしどうしても思うのがやはりこれはマス受け、最大公約数の音楽だなと。
アンコールでYMCAのカバーがあったけど、ああいうとこだな。
俺が聴いて観てあげないと死ぬ音楽があると思っているので
俺はそっちをメインに見ていきたい。
傲慢に聞こえるだろうけど、私はこれがわかる。「すばらしいけれど、自分がいなくてもいい現場」という感覚は確かにある。無意味な感情かもしれないし、そのせいで得られないものもあるのだろうと思う。それでも、そういう感覚から抜け出すことが出来ないし、この感覚に沿うことで見えるものを見たい。そんなふうに考えてしまう。