ホンのつまみぐい

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「平日ナイト超フィーバー」絶対忘れるなレコ発@O-nestと、もつ酢飯活動休止ライブ「City Rock 2001」@下北沢Three

いきなりぜわすの話じゃなくて申し訳ないのだけど、O-nestのバーラウンジに行ったらワッショイサンバちゃんがいて、彼女と話しこんだ時間が印象深い。

というのも、その日が彼女からもつ酢飯活動休止を聞いた日だったからだ。

O-nestはバーラウンジが6階、ライブフロアが5階にあるため、ラウンジは音も静かで話しやすい。ステージを映すテレビモニターに時折目をやりながら、サンバちゃんといろいろな話をした。
ライブ会場にはnuanceの最後1曲くらいのところで入った。この日はじゅりちゃんがお休みのせいか、メンバーのこれまでにない気合いが見て取れて、最後は短距離走を全力で走りきったような状態になっていた。

ぜわすメンバーはアイドルオタクなので、ライブゲストはみんなアイドルで、会場は熱気でパンパンだった。

お次のlyrical schoolはワンマン直前で気合十分。ツヤツヤと輝いていた。アゲ曲だけで構成する攻めのセトリで、Dance with youでのフロアを指さしながらの「ロックオンー!ロックオーンー!」が盛り上がる。

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サンバちゃんがめいっぱい楽しんでくれて、「himeちゃんかわいいですね。ラップうまいですね」と言ってくれて、なんだか安心。

 

トリのぜわすのライブ。人が減ったりするのかなと思っていたけど、会場いっぱいのお客さんは心から彼らのライブを受け入れ、楽しんでいる感じだった。
ぜわすは大学時代のサークル仲間を中心に構成されているグループで、2010年からスタートしているけれど、活動を活発化させたのはここ1年くらいのことらしい。みんな普段は働きながら、たまに曲を作ったり、ライブをやったりというサイクルで活動している。

そういうグループの実情をみんな何となく共有していて、「オタク仲間がカッコいいことやってるから、応援しなきゃ!」という気持ちを持っているのだろうと思う。

彼らは一切わかりにくい歌詞を書かないし、聞きとり辛いラップもしないので、歌詞がすごく耳に入る。

だから、歌われていることにいちいち「わかる!」という気持ちになった。

 

まさか覚えててくれたなんて!
同じ楽しみを共有できるなんて!

-まさか覚えててくれたなんて

 

こんな調子で生きてきました
少数派でいるのも慣れました
多数派への憧れも消えました
薄っぺらさがわかっちまった
自分の中に持つ尺度を
育てるのは知識と教養
自分がすごくないと知ってるし
ダメでないこともまた知っている

- しゃかまってる

 

絶対忘れるな

絶対忘れるな

 

 

華やかだったのはfeat曲。

アイドル側はくつろいだ空気で歌っているし、メンバーも嬉しそうだけれど気負いはないし、とても幸せそうだった。推しのアイドルを迎えてのライブなのに、舞い上がらず落ち着いてライブをこなすぜわすメンバーの貫禄よ。

間近で見る恋汐りんごこと汐りんは、めちゃくちゃデカかった。しかし、元がガタイがいいのに、自分がデカく見えることを承知で、ふくらんだスカート、ぱっつんツインテール、大き目リボンなどを装着していることに美学を感じた。汐りんは自分のアイドルとしての美に忠実なのだ。

日向ハルちゃんが一人でブルージーな歌声を響かせていて、そこだけワッと色が変わるのがすごかった。ハル推しという志賀さんを「志賀さんはおとちゃんの写真ばっかりRTしてる」と、ちょいちょいいじっていたことにオタクとアイドルの間の信頼関係を感じた。

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アイドルfeat曲、「私の推し、魅力的でしょう?」みたいな空気がステージにもふんわり漂ってるのが面白かった。

平凡のオールスターっぷりもよかった。「いたって平凡」をフックで繰り返す曲で、「おれが私がいかに平凡なのかって話すら、歌にしちゃえば楽しいでしょう?」といういうイズムがすでにいい。それをたくさんの客演を招いてやるというのはとてもいい。

猫まみれ太郎くんが、お客さんに「イメージ通り!」と言われていたのに笑ってしまった。それにしても、「リメンバー絶対忘れんな 現場にいるメンバー」はよくない。元ネタはライムベリーの「世界中にアイラブユー」の名フック。4年前に戻ってしまう。

 

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帰り道で、サンバちゃんが「来てよかった」を繰り返していた。もつ酢飯の活動休止は、その13日後に告知された。

 

 

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もつ酢飯の最後のライブは10月27日のCity Rock 2001@下北沢Three。小さなスペースだったけど、二人の活動の終わりを惜しむ人たちがたくさん集まっていた。

ライブは二人とも楽しそうで、やっぱり息があったコンビネーションで、悲壮感のないまま潔く終わった。

 

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O-nestでサンバちゃんの話を聞いた時、私は「歩幅が合わなくなっちゃったんだねえ」と表現した。

寂しいとか、悲しいとかいう感情はその時はあまりなく、告知していたEPがなかなか出なかったことに合点がいったという気持ちだった。


そしてこの日、二人が別れ別れになってしまうことを、やっと少し残念に思うようになっていた。二人が作っていた音楽がオンリーワンだったというのはもちろんだけど、「曲を作るつもりで集まっても、ついつい遊んじゃうからLINEで制作している」と言っていた頃を知っていたから。でも、「仲たがいではないけど、学生時代と同じようなつきあいが出来なくなってしまった」というのは、制作をしていなくたってよくあることだ。
ライブ後、サンバちゃんには、「明日仕事に行きたくなくなるような曲を作ったっていいよ」と言った。

「あなたはいつもユーモアのある曲を作るけど、憂鬱な曲を作ったって構わないよ」という意味だったけど、うまく伝わらなかった。

ムノウちゃんは体調が悪かったそうであまり話も出来ずに終わってしまった。

ムノウちゃんの新しい曲も、また聴く機会がほしいと思う。

後に聞いたところ、発表予定だったもつ酢飯のEPは、サンバちゃんともムノウちゃんとも関係のない理由で制作が止まっているらしく、それも少し残念だ。

 

 

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