2017年に行った現場のことを今年中に記録していこうと思います。
感情がふくれあがった現場って、筆の上でうまく制御できなくって結局書けないということがけっこうあるんですが、だからって記録できないままなのももったいないので、年間振り返るノリで書いていこうかなと。
ゆるふわギャング Mars Ice House Release Party
音楽大好きシロさんが彼らのアルバムのことをシネマティックと表現していましたが、まさに。
見た目のクリーチャーっぽさや恋人同士という関係性もなんですが、歌詞が描く情景とか感情の厚みが何より物語を喚起させますよね。
ワンマンライブはWWWに白い布を四方から引っ張り、木の幹のようにも、円筒形のゲートのようにも見える舞台装置を用意。ステージの上にはレンガの映像が投射されていて、よりゲートっぽく見えました。
もともと映画館だったWWWは会場が壁に沿って3段になっていて、どこからでもステージがよく見えるようになっているのですが、私含めてサブカル中年や文化系オタクは3段目あたりに固まっていたように思います。
DJタイムが終わって、改めて箱で聴く曲の印象は「アニソンっぽい!」でした。壮大になりきらないけど「物語がはじまるぞ」って気持ちになる音。チープさも含めてちょっと前のゲーム音楽っぽいですよね。スクリーンに映る映像はグロテスクな巨大な目や、空、水中、運転席からの目線らしき地方の道路の風景。
Sophieeは黒ビキニにパンツで、Ryugo Ishidaは中央に☆マークを入れた黒Tシャツ。
Sophieeはあらかじめどうふるまうかを知っているような、しなやかでふてぶてしい動き。髪をかきあげるしぐさ、腰を振って客を挑発する様子、肩をすぼめてマイクスタンドをなでるしぐさのなめらかさ。どれもディーヴァ感がビッチ感を上回っているから品がいい。
比べてRyugoの童子性。校庭の隅で所在無く立ち尽くしている姿が想像できるようなふらふらした雰囲気。その頼りない感じのリューゴのシャウトに、客がワーッと沸く様子が本当にかっこよかったです。
「これじゃもういけない / ぶっ壊しな / Escape To The Paradaise」
そして、最後の「大丈夫」で泣き出すRyugo。
夜空を見上げてる
こんな田舎の町で
大丈夫 車の中
響く 車の中
大丈夫
CDは聴いていたけど、こんなにやさしくていい歌だったんだと思いながら聴いていると、Ryugoを抱き寄せるSophieeまで泣き出して、二人の時間に流れるけだるさが愛おしいSunsetで終了。
もう夕方 なんもできないまんま
気づけば夕方 このまんま
旅を想起させるような壮大さと、流れる感情の素朴さに改めて気づかされる、とにかく二人のことを祝福したくなるような、強烈だけど暖かい時間でした。何より、アルバムもう一回聴きたくなる!
ツイッターで「二人の今までの物語を全部知ったような気持ちになって、友達になったような気持ちになった」というような言葉を見たけど共感できます。
あと、Ryugoと同郷の佐藤雄一さんが、終わった後に興奮した様子でもつれた日本語でしゃべり倒してたのがなんかめちゃくちゃよくて感動しました。
でも、「佐藤さんそんなに感動してるんだー尊いなー」って思ったけど、興奮するといつもあんな感じっぽいのを後で知ってチッてなりました。そういえば、このときからElle Teresaの話してたなあ。
このレポめっちゃいいです。