神保町で開催された「三原順ブックカフェ」、行ってきました。
神保町の裏の喫茶店で、三原順作品に登場する音楽を聴きながら、資料や過去の単行本、掲載誌、復活祭のレポートを読むというまったりしたイベント。
三原順を読み始めたのは1999年の文庫化からですが、その頃からよく読んでいたホームページの管理人の方々とお話できてとても楽しかったです。
2015年は復活祭という名の大規模原画展が開催されたり、関連書籍が多数販売されたり、NHKで取り上げられたりと間違いなく再評価の年でした。
今回のブックカフェは、復刊運動、同人誌製作、遺品の管理、インターネット上でのデータベース作成、原画展の開催などに携わった方々が一同に会する空間で、充実感を感じさせる雰囲気がとても心地よかった。
資料を読んだりお話を聞いたりしながら、「三原順復活祭が密度の濃いものになったのは、語り継ぐことをやめなかったファンの方々の情熱が、幸運な偶然を経て結実した結果なのだなあ……」としみじみ。継承すること、記録することの大切さを、改めて思い知りました。
拝見した資料の中では、復活祭で音楽教室というイベントに登壇もなさった「三原順メモリアルホームページ」の管理者・立野昧さん作の音楽リストと、当時の付録が面白かった。
立野さんに教えていただいたシャルル・アズナブールの「追憶」の歌詞が、人生そのものをひとつの歌に凝縮したような内容でグッときました。
そして、掲載誌を見て三原順の人気ぶりに改めて驚きました。表紙にも付録にもガンガン登場するし、特集ページたくさんだし……。
これも以前書きましたが、三原順って「知る人ぞ知る」じゃなくて、気鋭の人気マンガ家で、読者は4人の可愛さ・カッコよさにちゃんとキャーキャー言ってたんですね。
こういうのも、掲載誌を読まないと実感できない事柄のひとつ。
参加された方それぞれが思い出や情報を持ち寄り話を広げている様子は、見ているだけでとても幸せな気分になりました。
私はこれまであまり趣味の話をする相手に飢えることはなかったのですが、たぶん、三原順の話をするのは久々という方もいらしたのではないかな。
「またやりたい」とおっしゃってましたので、次があるのなら、今度は誰か連れて行ければいいなあと。
ちなみに、私いままでに「出会った人が偶然三原順好きだった」ということが3回あるのですが、大学の第二外国語(ロシア語)、仕事の営業先、地下アイドル現場と、それぞれまったく違った場所で出会えているのがちょっとした自慢だったりします。
しかし、最後の簡単な自己紹介でマックスファンだけがいなかったのは切なかった……。
あ、あと美子ちゃんがこの頃からあったのも驚いた……。
余談ですが、4人のあヴぁんだんどってどこか「はみだしっ子」を連想させる部分があるアイドルグループでしたね。
目力が魅力的なアイドルイラストを描かれている松村早希子さんは、かつてのライムベリーを「はみだしっ子」を重ね合わせたことをブログに書いていたけれど、私は松村さんの素敵な「あヴぁワンマンレポ」を読んで、「見捨てられたアイドル『あヴぁんだんど』は『はみだしっ子』みたい」と思っていました。
この間脱退してしまった星なゆたちゃんの、文鳥という曲の「私は私が大嫌いです」という歌詞が自分事に思えてしまい、どうしても歌えなかったという話。それを、東雲好ちゃんが「ゲームみたいにみんなで言っていこう」と発案したことで、乗り越えられるようになったという話なども、何となくつながるものがあります。
地下アイドルとマンガは全然違うものだけど、好きになるものにはやっぱり根底でつながっているものがあるのでしょうね。
点滅ばいばいの歌詞のいとおしさも。