生ハムと焼うどん写真集 photograph collection and DVD vol.1
- 作者: 生ハムと焼うどん,ロフトブックス
- 出版社/メーカー: ロフトブックス
- 発売日: 2016/09/18
- メディア: 大型本
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「セルフプロデュースJKユニット!」ながら3月に赤坂BLITZでのライブを決めたと聞き、予習がてらに無銭ライブを観に行きました。
池袋のニコニコ本社に15分前に到着。すでに階段に人があふれていて、100以上の整理券が出ていました。時間ギリギリに着いたため、最後方で観ることになったけれど、あちこちにモニターがあるので、不自由はありませんでした。
きれいに筋肉のついた長い手足の美少女がステージの中央に立ち、「ついてるついてるツインテール!」という歌詞を連呼するアンバランスな曲を歌い出す。
と思うと、いきなり歌を止めて嘆き出し、寸劇が始まります。
劇の内容は大したことではなく、ついでに合間に繰り出されるギャグも大したことではない。「ツインテール」の連呼からフランシスコ・ザビエルのお面をかぶって「ザビエルザビエル」と歌いだしたり、「うんことかダメだよ!うんぴょって呼ぼう!」と叫んだり。高校演劇の練習中のエチュードみたいな、特に特化したところのないギャグなのですが、なぜか笑える。
このグループの特徴はオタいじり、客いじりと言われていますが、オタの人も協力する気はあっても、ほかのアイドル現場にありがちな「自分らが場を盛り上げなくては!」という過剰な使命感を持ってない。だから、オタクをいじっても特に面白いリアクションは返ってこないのだけど、それでも面白い。
以前誰かが「ギャグというのは基本緊張と弛緩」と話していましたが、生ハムと焼うどんのふたりはとにかくこの緊張と弛緩がうまい。だから、話していることがたわいなくても面白い。でも、お笑い芸人とは違ってアイドルらしいハツラツとした空気をまとっていて、それが見ているこちらの気持ちを盛り上げてくれる。
この日はライブは2曲で終わり。その後に椅子とりゲームでマグカップと帽子とTシャツを奪い合うというオタクを巻き込んだ長尺のMCをやっていましたが、その客捌きと空気作りの見事さはもはやアイドルと言うより手品師や大道芸人のようでした。
ふたりとも芸能系の学校に通っているそうで、劇団での演技経験もあるとか。
インタビューで
東 普通のアイドルさんって、曲をやって「(鼻にかかった声色で)え~、私たちぃ~○○はぁ~、何月何日にぃ~、どこどこでライヴがあります! イエイ!」みたいなMCして…って構成がほとんどじゃないですか。
西井 悪意はないですよ。忠実に再現しているだけで。
東 そうそう。でも、そういうMCって記憶に残らないじゃないですか。
西井 アイドルグループをやってるときから思ってたんですけど、そういうMCって退屈なんですよ。
と話していましたが、それがただのいきがりでないことは、ライブともコントともつかないステージが証明していました。
西井 だから練習をしないとこわいんですよ。練習すればするほど舞台上でゆとりが生まれるし、反応を見て変えることもできるから。
東 余裕があれば、ほかのことも考えられるんだよね。ここでウケたらAパターン、しらけたらBパターンって、複数の進行を考えたりしてます。
西井 特に生うどんは客いじりが多いから、お客さんがどう返してくるかわからないんですよ。なにも反応してくれない可能性だってあるし。
東 だから、アドリブに見えても実はなんパターンもシミュレーションをして、その中から状況に応じて答えを選ぶときもあるんです。もちろん、完全にアドリブのときもありますけど。
NHKの0655的なものに出られるんじゃないかという強度とゆるさ。 そして、ガニ股でマンガのキャラのようにステージを闊歩してるのに、降りるとむしろ大人っぽい感じの美少女というビジュアルインパクトがすごい!
この日の会場は客200人でちょうどいいくらいの規模でしたが、ワンマン会場の赤坂BLITZは規模感が全く違うので、新しい側面を見せてくれそう。すごい子たちだなと思いました。
西井 私、人間が一番輝いてるのって10代だと思うんです。その時期に人に認めてもらうのって、かっこよくないですか?
東 うん。あとは「現役高校生の」ではなく「東と西井の」生ハムと焼うどんとして認められたいという気持ちも強いです。いま、生うどんにかける時間が多すぎて、出席日数がヤバいんですけど、なんでここまで生うどんに時間をかけるかって言ったら、やっぱりライブのあとに「ホントに楽しかった」って言ってくれる食いしん坊の顔が好きだからなんですよ。