「私も目玉焼き好き。完璧な食べ物のひとつだよね」
友人の結婚会場。席に着くと、折りたたまれたナプキンのところに、こう書かれたカードがあった。
私が招待状に書いた「岡崎京子のマンガに、″目玉焼きの黄身ってなんてうつくしいのかしら。今日はこの美しさのために生きていこう”っていう言葉があるの。二人はこれからずっと目玉焼きの美しさをわけあって生きていくんだね」という言葉への返事だ。
「完璧な食べ物」という表現がとても彼女らしく頼もしくて、いっぺんで気に入った。その言葉に習うように、披露宴も二次会も完璧な時間だった。
客席には彼と彼女がひとりずつに書いたカードが用意されていて、席に着くのはみんな新郎新婦のことが好きな人たちだ。
友人の大学時代の先生は、「政治学なのに小説のような論文を書いてきた」という昔話を笑いながら語る。
あったかくて、完璧な空間だった。
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/23
- メディア: コミック
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