中学生の頃からの友人Kとごはんを食べていたら、Kの友人ふたりと遭遇。そのまま4人でとりとめない話をした。
Kはゲイなので、LGBTの友人が多い。同席したふたりは「性自認が男性な女性」と「性自認が女性な男性」のカップル。
Kが私を紹介する段になって、ぽろっと私が「うーん、私は普通だからなあ」と言ってしまった。平凡というくらい意味だったけど、そこでちょっと気まずい空気に。
しかし、改めて考えると、「LGBTが平凡でない」あるいは「平凡でないのがいい」というのも何か奇妙な話で……。訂正しても何となく相手を変に特別扱いすることになるかなと思って、うまく言葉を繋げなかった。
そのあと、みんなでゲイバーに。観光用のゲイバーではなくて、ゲイがやっている、ゲイが集まるバーだ。
店の中では私の方が性的少数者で、だからどうと言うこともないんだけど、同じ空間の中で自分だけ「いや、私はこの場のみんなと違うんですよ」という立場になるのは、ちょっと奇妙な感じだった。普通ですみません的な。私はどちらかというと、「みんな」になじめないできた人間なのに、自分がそういう風に感じてしまうことが。
好奇心で入ってきた大学生男女のカップルが輪に加わって、そのふたりにKが横浜のゲイバーの特徴について話していたりした。
東京は店が多いので、セクシャリティーや好みによってお店が分かれているけど、横浜はそこまで大きくないので、結果としていろんな人が集まっている。この店もそうで、いろんな嗜好や立場の人がいる。
そんな話だった。
帰り際に、Kがふざけて私のことを「あ、こいつ男だからー。中学の時の友人なんだけど、高校出てから、実は…について相談されてさあ」と周りの人に紹介して、そういう時にうまく「そうなんですよ〜」とおどけられない身としては、けっこう困った。「訂正しないとこっちがウソついてることになるのでやだなあ」というのが私の判断なのだけど、どうせ酒の席だし、そのくらいのウソはつく方が盛り上がるのだろうか。こういう場面でたいがい「あ、そうなんですかー。どっちか迷ってたんですよ」と言われるので、余計悩む。
- 作者: 牧村朝子
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