駅から最低でも30分近くバスに乗らなくてはいけない横須賀美術館が会場というのに、結構混んでいて、併設のレストランがずっと10〜20人待ち状態だった!今回最大の衝撃。
原画は充実の展示量。ただ、もうちょっとチョーさんの謎を解き明かす手がかりを見せてくれたらよかったかも。長新太は「どうやってあの世界にたどり着いたか」がよくわからない人という印象なので。
そういう意味で、「第1稿はとても出版できないくらい過激なのだけど、編集と話したりしながら改稿を重ねて形にする」「常に独りよがりにならないよう、普遍性を失わないよう配慮していた」という解説は発見だった。
彼の作品は不条理なのだけど押し付けがましくなく、こちらの足元を脅かすこともないのが不思議だったのだけど、それは端正にコントロールされたものだったのだということが知れた。締切に必ず間に合わせていたというのも、いい話。
しかし、絵本の多くがまったく原画の鮮やかさを再現出来ていないのはつくづくもったいない。ブタ山さんのような寒色が多くて古い作品は特に印刷の色が重い。昔の絵本だから、今さら版を変えられないのだろうか……。あとは、いろいろ意図があってのことなのだろうけど、図録が文庫サイズだったのが残念。