ブログを読んでくれたMさんの要望で中華街の愛群に足を向けたものの、中華街はガラガラ。愛群はお休みで、結局、徳記に。徳記も悪くないけれど、愛群の牛バラに比べるとちょっと満足感が薄く、なんだかMさんに申し訳なくなったのが3月上旬。
中華街のいくつかの店舗に、脅迫の手紙が届いたのがニュースになったのも上旬。老舗の人気店海員閣がツイートしたことで話題になった。海員閣に小さい頃から親しんでいる地元の人もよく話題にしていたが、その中に「中華街の老舗は日本人の役に立っているからいいけれど、そうじゃない外人は不要」というのが透けて見える言葉があった。有名食べ歩きサイトの管理人だけど、よくそういうことを言えるものだ。それを周りがいさめないのも怖い。横浜は市長もそのメンタルなのでよけいがっくりする。
中旬。叔母の誕生日に鳳林で「まじでコロナウィルスに負けるな宴会プラン」。
エビの炒めもの。
でかいホタテの入った炒めもの。
6時間醤油ベースのタレで煮込んだあとにしばらく置いて味を染み込ませたふわふわの牛すね肉。
砕けて安くなっているけど、むしろ味がしみやすいという大量のフカヒレ煮。
自家製甜麺醤がおいしい北京ダック。
油切れがよくて口触りのいいポキポキサクサクの衣がおいしいエビのカダイフ。
骨からふわりと外れるように煮込まれた口当たり最高の丸ごと鶏。
すっきりとした香辛料の辛さが魅力の麻婆に、さらに牡蠣が入ったスペシャルなもの。
薄く切って軽く火を通したことにより、独特の口触りのよさがを味わえるイカの入った海鮮チャーハン。
マンゴーがゴロゴロ入ったプリン。
シェフが見せてくれた獅子舞も盛り上がった。
普段なら絶対こんな値段で食べられないだろうという内容で、なんだか申し訳なくなり、せめてもと思ってお酒を頼んだ。
獅子舞の後で息を切らしたかっぷくのいいシェフは「ホテルで働いていた父の味を守っている」「お腹いっぱいになる中華を目指している」と話してくれた。味と店を守るというのは大変なことだ。また落ち着いたら食べに行きたいし、その時までお店に持ちこたえてほしい。
3月下旬、楽園。五目ワンタンとシュウマイ。すっきりした味のワンタンスープとシンプルなシュウマイ。
下旬。招福門の食べ放題半額キャンペーン。この倍くらいは頼んだけど、写真を取りそびれた。この内容で1490円は申し訳ない。定価の3000円でもだいぶ安い。手持ちの関係で買えなかったけど、今度来たらお土産を買っていかなくては。
現代社会では仕事は人の自我と深く結びついてしまう。個人商店ならなおさらだろう。だから、小さいけれど誠実なお店の理不尽な苦境を見ていると、人の生が損なわれているように感じてしまい、つらくなる。
私が時々「誠実な料理を出す人には幸せになってほしい」と書くのは、料理の向こうに誰かの人生を感じ取っているせいだ。
過剰な入れ込みなのだろうけど、やはり「外食をするというのはその店から生まれる人格にふれる」ことでもあると、こういう時はさらに強く実感する。どうしても胸が痛んだり、焦りを共有したりしてしまう。