ホンのつまみぐい

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Maison book girlワンマンライブ「Solitude HOTEL ∞F」という体験についての雑感

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 私はブクガをサクライケンタの作った美しい水槽だと思っていた。


 きれいな水が張られ、中を可愛らしく演出した水槽は美しいし、光によって色を変える穏やかな華やかさがある。でも、それはあくまで箱の中の物語で、その世界を愛好する人たちが耽溺するのが一番だと。

 

 でも、この日のブクガが観せてくれたのは、愛好家に向けた美しい世界ではなく、もっと生々しく、しかし完成された表現だった。

 

 アイドルって表現者なんだという、忘れがちな事実を思い出した。


 ある時は血糊で血どろみになり、ある時は映像の中で炎に包まれ、ある時は照明の作る水の中に溶け込む4人。別の世界で生きている人たちの姿を客席から観ているようなところもあり、目が離せなかった。


 不思議なのは、それなのにブクガは今ここにいる私たちの日常と繋がっているという感覚があったことだ。その感覚を担保していたのが何かは未だにわからない。


 ライブの演出で最も印象的だったのは、コショージが走り去っていき、そこから皆が舞台の上から消える場面。


 コショージはずっとBiSの末っ子のイメージだったけど、もう彼女が動くと物語が動くような人なのだ。4人の歌とダンスからは、アイドルを形容する時にありがちなほつれや初々しさはなく、サクライケンタの世界に溶け込みつつ、それを増幅させ、打ち破るような強さがあった。


 最後にコショージがただ一言「ありがとう」と言ってから、4人が舞台から去った。しばらく誰も何も言わずに、拍手もしなかった。彼女たちの作り出した世界から戻ることが出来ないまま、ぼんやりと座っていたのかもしれない。


 ブクガに対する感情が「Solitude HOTEL ∞F」以前、以後になるような体験だった。


 ただ残念なのは、これまでのブクガをあまり知らないのでそれが何なのかがよくわからないことだ。

 

 その正体を知りたくて、ファンの人が作ってくれた当日のセトリのプレイリストを何度も聴いている。

 

music.apple.com 

 あと、帰り道にファンの人同士が本当に誇らしげにどこがよかったのかを語っていたのが最高によかったです。

「俺が言うのもなんだけど、歌うまくなったよなあ」「コショージのダンスすごかったなあ。芸術だった」とか。