ホンのつまみぐい

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山本ルンルン漫画家21周年記念展「LUNLUNHOUR」

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 とってもよかったです。各作品ごとにA3くらいのサイズ書下ろしのイラストがあり、それがすべて素晴らしかった。

 普段のルンルン作品は印刷を前提としているためか、かなりはっきりした色合いでカラーを着色しています。しかし、展示用作品は淡い色やにごりのある色で描かれたものも多く、それが独特の上品さや大人っぽい雰囲気づくりに役立っていました。どれも画として完成度が高く、いくら眺めても時間が足りない感じでしたが、『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』と『オリオン街』の描き下ろしの大人っぽい雰囲気がよかった。黒がべったりした黒ではなく、少し銀の光沢の入るような深みのある黒で、大人っぽいけど柔らかい絵になっていました。でも、明るくやわらかな蛍光ピンクが印象的な、カトゥーンの表紙ようなデザインの『宇宙の白鳥』のイラストも、パワーにあふれていて可愛かったなあ……。

 お客さんの多くは、かつて『マシュマロ通信』のアニメや朝日小学生新聞の連載作品にふれていた子どもたちのようで、感想ノートも独特の熱量を帯びていました。

 同人誌でしか読めない『いとしのフェルナンド』がまたいい話なので、いつか商業単行本として表に出てほしいものです。