ホンのつまみぐい

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夢眠書店はどんな場所だったか

 でんぱ組.incを卒業した夢眠ねむさんが入場予約制の書店を始めたと聞いて、下北沢に出かけたついでに足を運んでみた。

 

 行ってみるまで理解していなかったけど、未来の本好きを作るための本屋というコンセプトで、基本的には女性か子どもか、つきそいの父親しか入れないようにしているらしい。母親がゆっくり授乳をしたり、デリケートな話をしたりできるような場所にするのが、彼女の理想なのだそう。

 

 下北沢の一軒家をほぼそのまま使った家屋の入り口をくぐると、夢眠ねむ…ねむきゅんが出迎えてくれた。彼女はアイドル現役の頃のボブカットをやめて、ロングヘアを後ろで縛っていて、生活雑貨屋の気さくなお姉さんという風情になっていた。

 

 店内は入り口に児童書と女性向けの小説やエッセイなどが並んでいる。奥の部屋ではキッズルームとカフェを一体化させたくつろぎスペースがあり、その部屋の押入れにはねむきゅんの私物の本が置いてあった。カフェスペースではフードコーディネーターのねむきゅんのお姉さんが、飲み物と軽食を用意しながら、訪れたお客さんたちと話している。

 

 この日はでんぱ組.incファンの女の子が多かったように思うけど、小さな子どもとデザートを食べながらのんびり本を読む母親や、息子2人が真剣に本を読むのにつきあう母親の姿もあった。どこか公民館のようだと思った。私はカフェスペースで、ねむきゅんが出版業界の人々にインタビューした本「本の本ー夢眠書店、はじめますー」を読んだ。

 

 昔、本屋で働いていたことがあるので、最初は夢眠書店を本屋と分類していいのか少し迷った。本屋と考えると、本を買う楽しみや出会う楽しみは希薄だし、本人たちもそこにこだわっているように思えなかったからだ。

 

 ただ、旧来型の書店経営が成り立たなくなり、本屋の意義をそれぞれが問いたださなくてはいけない今、まずゆっくりくつろげるスペースの提供を目指すのは理解できた。ただ本の背を眺めてぼんやりするだけで、なぜか気持ちが落ち着くというのも、本屋という場所の力のひとつだからだ。

 

 「本屋ならもっとこうしてほしい」「これでは経営が成り立たない、つまり持続できないだろう」という気持ちもあるけれど、彼女は自分の中にある理想を丁寧に具現化しようと考えているので、それがうまく行けば、今までにない形の本屋のあり方を作り出せるのかもしれない。困難だろうと思うけれど、成功してほしい。

 

 ところで、店長夢眠ねむのしゃべり方も距離感も、アイドル夢眠ねむだった頃と変わりなく、それは彼女がアイドルの頃から偽りなく人と付き合ってきたことの証明のようで、潔い、美しい生き方をしていると思った。

 

yumemibooks.com

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本の本: 夢眠書店、はじめます

本の本: 夢眠書店、はじめます

 
本の本―夢眠書店、はじめます―

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 追記:夢眠店主が裏アカがはじめました。「うちは敷居の高い店だし店主も超気難しいです」「子供好きと思われることもあるが普通です」「『私にしかできない選書』をウリにしない本屋を目指したい」など、彼女らしい言葉が並びます。それぞれ、どんな流れで書かれた言葉か自分の目で確かめてほしいです。