ホンのつまみぐい

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渚あおい引退週「aoidol」2019年4月頭@東洋ショー劇場

渚あおいちゃん、引退日前日の公演に行ってきました。会場は大阪の東洋ショー劇場。人がぎっしり入っていて、東京で見たお客さんもちらほら。

 

渚ちゃんは初めて大和ミュージックを訪れた際に観た踊り子さんで、ポールを使った涼しげなダンスに目を奪われたのをよく覚えてます。客のいなし方も含め、陽性のパワーにあふれた人でした。

 

2回目に観た時は、泥酔したお客さんが延々と爆音でタンバリンを叩き続け、それに激怒した彼女が小道具と靴を投げつけるというトラブルがありました。


本人にしてみれば不本意極まりない状況だったと思いますが、その時の怒りを隠さない目は、いつも以上に大きく開かれていて、彼女の肌の白さと相まって格別に美しかった。申し訳ないけれど、特別なものを観た感動がありました。


その直後の写真撮影とオープンショーで、皆に「せっかく楽しみに来てくれたのにキレちゃってゴメンね」という身振りをしていて、強気で自信ありげな表情の奥の優しさに触れた気がしました。


そんな彼女が最後に選んだ演目は「aoidol」。いかにもAKB48的な衣装やダンスで、ベッドショーも終始ニコニコの明るい演目。


彼女のステージは、よくニヤッとしたナルシスティックな表情が目について、私はそこに力強い華やかさを感じていました。


しかし、この日の彼女は劇場空間全体を愛おしむような感極まった表情で、その湿度の高さはこれまでのカラッとした涼しげな美しさとは異なっていて、少し意外に感じました。でも、オープンショーで膝を折って、チップを渡す客ひとりひとりの手を握りながら、いつもより崩れた笑顔で「ありがと〜」と言う様子に、「ああ、これが感情が溢れ出るということなのか」と納得しました。

 

チップの列が長すぎて、いつのまにか用意した曲が終わってしまったけど、会場の皆による拍手をバックに、彼女はぐるりと舞台を回り終えました。


最後に、衣装の一部らしきものを思い切り放り投げ、お客さんにプレゼントして舞台を去りました。その後の写真撮影や全員集合のフィナーレの時間には参加できなかったので、その爽やかで力強い遠投が、最後に観た彼女の姿になりました。