全29曲。MC少な目。全員ラップ巧くなってて聞きごたえあり。合間にこの日だけのソロ&ユニット曲あり。featringでYoung HastleとSUSHIBOYS登場。
以前はrisanoちゃんがいい意味でよく目立っていた印象だけど、この日は全員がバランスよく目にも耳にも飛び込んできて、それぞれがツアーで磨かれていったのがよくわかった。
内容的には文句のつけようのない密度なのに、何となくするっと終わってしまった印象の不思議なワンマンライブ。
lyrical schoolは世界観がしっかりしているのが特徴だと思うけど、それが逆にマンネリ感になっているのかなあと、後で考えた。
その世界観も、開始初期のような「普通の大学生がラップアイドルする」という気さくさとはまたちょっと変わっていて、今は「リリスクっぽさ」に沿って曲が生まれている印象で。
5~10曲くらいだとそんなことまったく感じないけど、29曲だと、ひとつひとつはいい曲でも、どうしても平坦さを感じざるを得なかったのかな……? やなことそっとミュートも、曲が似すぎていて物足りなく感じることがあるけれど。
とはいえ、その世界観が好きな人には最高に楽しいだろうし、対バンで観る5~10曲くらいのリリスクの最強っぷりには異論をさしはさむ余地はないし、アルバム「WORLD'S END」のプロダクトとしての完成度の高さを鑑みるに、これが間違いというわけでもなく……。制作側と観客が世界観をしっかり共有できることそのものは、とても大切なことで、しかも簡単にできることではないのだから。
これは好みの範疇なのだけど、もっと今のメンバーにしか歌えない、今の女の子の言葉を掘り下げてもらえると私はうれしい。
というのも、最近の有名ラッパーのプロデュース曲に少し違和感があったからだ。たとえばPESやYoung Hastleのプロデュース曲。単体では完成度も高いし楽しく聴けるけど、どうしてもカラオケっぽく見えてしまう瞬間があるのだ。メンバーのラップスキルがあがって、プロデューサー側の世界観を再現出来るようになったが故の悩みだけれど。
でも、SUSHIBOYSのシャープペンシルはあまりそういう不自然さを感じずに、スッと彼女たちの歌として聴ける。それは、SUSHIBOYSの言葉が今の若者の言葉だからじゃないかな。
個人的にはリリースするかは別として、himeちゃんにリリックを書いてもらいたいけれど、やらなそうだなあ。
追記:のちに出たライブ盤CDを聴いて「リリスクはめちゃくちゃ優等生なんですよね。だから、ライブでも常にちゃんとしていて、破綻がない。でも、その誠実さが一方で心を解放させるような爆発的な瞬間がないことにつながっているのかも……。とはいえ、破綻すりゃいいわけでもないし、エモければいいわけでもないので、ライブって本当に難しいですね……」という話を、帰りの飲み会でしたことを思い出した。
でも、改めて読み返して思うけど、それって悪いことでは全然ないんだよ~~。うーん。個人的にライブ盤CDの中で一番よかったのは本編最後の「WORLD'S END」。
lyrical school tour 2018 "WORLD'S END"
- アーティスト: lyrical school
- 出版社/メーカー: BootRock
- 発売日: 2019/03/19
- メディア: CD
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Tokyo Burning/Cookin' feat. Young Hastle
- アーティスト: lyrical school
- 出版社/メーカー: BootRock
- 発売日: 2019/01/22
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パジャマパーティー/シャープペンシル feat. SUSHIBOYS
- アーティスト: lyrical school
- 出版社/メーカー: BootRock
- 発売日: 2018/12/25
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それはともかく、南半球remixもすごくよかった。やっぱ、グッドミュージックを作る力は半端ない。