絵本編集者で、トムズボックスという小さな子どもの本専門店を運営していた土井章史さんが、トムズボックス名義で発行していた本の展示。
土井さんが編集した子どもの本かと思ったけど、土井さんが編集した絵本作家たちの私家版の展示だった。
ちょっとあてが外れたけど、多くの作家たちが子ども向けでは見せない不親切な筆致を本の中に残していてそれはそれで刺激的だった。懐かしい言葉でいうと、「ガロっぽい」本ばかり。実際、田中大八や西岡兄弟など青林工藝舎の作家の本もあった。
飯野和好が藤沢周の新聞連載に寄稿したイラスト集が「飯野和好は青年をこんなに官能的に描けるのか」という意味で印象に残った。
土井さんご本人がいらしていたので、本当は応援の気持ちも込めて声をかけたかったのだけど、いい感じの言葉が思い浮かばないまま去られてしまって残念だった。井口真吾の「Zちゃん」のピンバッジを買って帰った。