よかったです。楽しかったです。
コウテカって、1の初ワンマンがましゅりどますてぃの卒業で、2のワンマンが解散で。3の日本初ライブはワンマンだったけど、あれは積み上げてきたものを吐き出すというより、顔見せの一発で。
今回はちゃんと「今のコウテカを知らない人にもいいものを見せて、次につなげるぞ~~」と言う気概が感じられて、しかもそれがちゃんとステージとフロアの熱狂に結びついているという。
ドライのスタートからずっと着ていた衣装が「新衣装にチェンジ!」だったのに、新しい衣装も真っ黒で、魔女みたいな女の子3人がステージの上でぴょんぴょん好き勝手に動いている。でも、ラップは堂々とかっこつけてて、そういうバランスがよかったな。それぞれが自分のソロパートで正面に出てきたり、立ち位置をちょこちょこ変えたりしてたんですけど、その流れがすごく自然で、ちゃんと3人が信頼関係築いてる感じがしました。
あと、ぱちょとんぱちゃん。立ち居振る舞いに「自分はステージに立つのが当然の存在なんだ」と言わんばかりのふてぶてしさがあって、それがいい方に向いてるなあと。自撮りが一切笑っていないというクールさも含めて、今のコウテカの方向性に大きな影響を与えていると思います。韓国のヒップホップをよく聴いているらしくて、ラップに平坦さがない。
そんなぱちょさんのソロ曲披露や、Girlz Can’tのアカペラ、Slowly WorldのMVに出演してくれたダンサーのTAMさんの参加など、「ただ歌ってアガって終り」じゃない、緩急の着いた構成だったのもよかった。いい意味でエモに引っ張られずに、きっちりワンマンならではのものを用意して来てくれました。
集客的には代官山UNITのフロア7割くらい埋まってて、ソールドには遠かったけど、寂しさは全然感じないという、身体を揺らしながら気ままに楽しむのにちょうどよい具合でした。
とか書きましたけど、私自身は前々日に急性胃腸炎起こしてぶっ倒れてた影響で後ろでおとなしく観てたんですが……。踊りたかった……。
話題のeastaudio SOUNDSYSTEMが手がける音響システムはたしかに低音がごうごうしていて、それなのに耳が痛まなくてすごかった。音の像がクリアになっていて、なおかつ鼓膜が押しつぶされないというか。ただ、それがコウテカのライブにとってプラスに結びついているかどうかは意見がわかれてました。みんな詳しいなあ。
まあ、でも個人的に一番印象的だったのはフロアの様子ですね。アナウンスでプロデューサーのJasさんが「モッシュとかダイブとかいらないです。クラブにそういうのないんでー」と、あの偏屈そうな声で言ってたんですが、実際、リフトが1回入ったくらいで、そういうロックノリは一掃されてみんな身体揺らしまくってました。
これけっこう画期的だなと思ったし、やっと運営側が提供したい世界観がフロアまで浸透してきたのかなっていう感じがしました。
私がアイドル現場に行き始めた頃って、ロック系のアイドルはリフト・ダイブ・モッシュが当たり前で、むしろどれだけそういうはしゃぎ方が出来るかを競っていたようなところがありました。
コウテカ2の解散ライブもモッシュ・ダイブ・リフトありで、私はそれを当然だと思っていました。しかし、解散ライブの直後にクラブで行われた特典会で、あるオタの人が「みんなすーぐモッシュとかダイブに行っちゃう」「コウテカは結局ダンスフロアを作れなかったんだなって」と話していて、それがけっこう心に残っていたのでした。
あれから時が経って、コウテカもただライブするだけじゃなくて、クラブツアーと銘打ったツアーを組んだり、クラブイベントに進出したりと、少しずつ方向性をはっきりさせていきました。フロアもそれにあわせてひたすら踊る場に変化していったんだと思うと、なかなか面白いです。何より、運営が自分が作りたい世界をはっきりさせてくれるのはありがたい。
何度も何度もコウテカをリビルドしてきたJasさんの執念がやっと実ったんだなと。まあ、なんでそんなに何度もリビルドしなくちゃいけなかったのかってのは、運営側の問題が大きいと思いますが……。
2の解散、今思うと「このままだと停滞するだけだから仕切り直し!」だったんだろうなーと思うけど、最後のライブではみんなニコニコしながら終わったし、当時のメンバーもそれぞれの居場所で一生懸命やってるし、まあいいかあ。
友人との約束があって27日の野外フェスに行けないのがとても残念ですが、これからも面白い風景を見せてほしいし、自分なりに応援していきたいと思います。