MAZAIRECORDSのMANOYさんがRAP酒場でライブをやるというの渋谷Dimensionへ。ライブ自体は20時半からというので、ごはんを先に済ませようかなと思ってとりあえず会場前まで行くと、同じビルに森の図書室というカフェっぽいものが。
名前はなんとなく聞いたことがあったので、試しにと思ってインターホンを押してみた。ドアは基本的にロックされていて、中の店員にお願いしないと開かないやつ。
施錠が解除されると、中は完全にカフェ&バーで、壁に面した本棚があった。
利用の方法を聞くと、年会費は1万円で基本会員優先。会員以外の利用は席料500円&飲み物らしい。店員の女の子の自信なげな話し方を見ながら、「あ、これダメなやつ」だなと察する。
メニューを開くと、電気ブラン(夜は短し歩けよ乙女)、カステラ(ぐりとぐら)などが並ぶ。うわ、安易だなー。オタ界隈では「キャラクターのイメージに合わせたカクテル」なんてのを即興で作ってくれる店が出てきている中で、何となく全体的に設定がヌルい。「こういうの気が利いてるでしょ?」感。
とりあえずビール600円を頼むと、店員の女の子が箱を持ってきた。箱の中にある24種のコースターから、1枚を選んでくれという。
「コースターにはオーナーが読んだ2,000冊から選んだ、24冊の本のタイトルと感想が印刷されています」という、丁寧だけど何となく舌足らずな説明が添えられる。いや、オーナーの感想興味ないから。しかも内容がこれって……。
読んだ本やその感想の中身で人を見下すのは、基本的には下品なことだと思う。しかし、読んだ本の量をわざわざ見せびらかしたがってる奴に対しては話は別だ。この程度の感性しかない人間が、なんでブックカフェ経営してるんだ。
ビールはグラスぐらいの量しかないし、コップは安っぽい硬めのプラスチックで、唇に当たって飲み口が気持ち悪い。
帰り際にレジを見たら、そのコースターやチロルチョコくらいのサイズのシールを100円で売っていて絶句してしまった。
「ああ、これはスノッブな本好きの脳内妄想を金で具現化して、若い子とか人のいい本好きとか知性を金で買いたい人から搾取してる空間なんだな」と理解。
「こんな業態が一応成り立つ渋谷ヤバいな」と思って帰宅してから調べたら、クラウドファンディングで作ったらしい。
まあ、作るのは勝手っちゃ勝手だけど、人の金使うなって感じだし、こんなのに騙されて金払うなよ。本好きの人たちは。
しかも「読書を押しつけるのではなく、なんとなく本を手に取ってみたくなるような、友達の家のように気軽な空間を目指しています。」とか書いてあってしゃらくさい。こんな自意識を見せびらかすために作ったような空間のどこが気軽なんだ。
というスノッブな空間に呆れかえってからのRAP酒場は、人情とハピネスにあふれた本物の空間だった。って、前置きが長くなりすぎたので、エントリをわけます。RAP酒場の話は次で。