着いたところで最後の曲だった。
ざっと見た感じ、あんまりB系の人がいないなと思いながら人の山を見ていたら、ライブ終わって前例にいたガチ勢がバラバラと崩れると同時に、酒臭い人が大量に姿を現して、「やっぱ、そういうもんだよな〜」と思って笑ってしまった。
ライブはU-zhaanのタブラと鎮座のお経のようなフロウが相まってラップミュージックと言うより東南アジアの民族音楽のようで、最後のタブラの連打に客が大きく沸く。その歓声も「イエーイ!」というノリでなく、「ヒューッ」というアーティスト様向けの沸きだったのが何だか印象的だった。
- アーティスト: U-zhaan,HIFANA,KAKATO (環ROY x 鎮座DOPENESS),Ametsub,ハナレグミ,DE DE MOUSE,坂本龍一,Cornelius,Babui,agraph
- 出版社/メーカー: Golden Harvest Recording
- 発売日: 2014/10/08
- メディア: CD
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酒を呑むかちょっと迷ったけど、体調いまいちなのでイス代わりに用意された鉄骨に座っていると、幼児ふたり連れのご夫婦が横に座る。2人ははしゃぐ子供たちを見守り、時に「踊ってきていいよ~」なんて言いながら、合間に20年前に偶然FIREBALLに会った時の思い出話などをしている。
最近はこういう時にちょっとうらやましいというか、かっこいいなと思ってしまう。子供がいないとか結婚していないとかで人を見下したりはしないけど、自分のこととなるとちょっと話が別だ。
こっちは暇つぶしに音楽を聴きに来ているのだけど、この人たちは普段小さい子供たちを育てるために忙しい日々を過ごしていて、その子供と一緒に今度は音楽を楽しみに来ている。それは、やっぱり、単純にかっこいいと思う。主観的に見て、自分の生き方にそうした日常に匹敵する密度があるだろうか。
懐かしい雰囲気のゆったりしたテンポの音に、PUSHIMの低温ボーカル。昔、休日午後のラジオから聴こえてきた洋楽という感じ。
小さな子供を肩に担ぎながら揺れる大人たちの笑顔や、音に合わせて踊ったり、時に飽きてタイルの隙間をいじったりする子供たちの姿と音がとてもマッチしていた。
ライブが続くにつれ、少しずつ空の青みが濁り、日が落ちる準備が始まっていく。
FIREBALL
横浜のレゲエグループという知識だけで見たFIREBALL。「UNDER THE BLUE LIGHT~ハマのテーマ~」という地名を入れ込んだ曲があったり、途中でワンフレーズ唐突に「ブルーライト・ヨコハマ」をかけたりと、ご当地グループらしい盛り上げ方。
ギターの2人を引き連れて6人で前にせり出してくる場面があったり、二人ずつで肩を組む動作があったりと、茶目っ気がかわいらしい。ボーカル4人全員サングラスだったけれど、明るい雰囲気で威圧感がないのも面白かった。
アッパーな曲で踊らせてからバラード調に行く流れで、最後の「みんなのうた」「Wonderful Days」という率直な人生賛歌2連発にベタに感動。歌い方のクセがちょっとサザン・オールスターズを思い出させた。