ホンのつまみぐい

いろんなもののファンをやっている人が、日々のよしなしごとを綴っています。

ただただ正しい道を行くsora tob sakanaのメジャーデビュー発表「天体の音楽会」@中野サンプラザ

sora tob sakana主催の天体の音楽会。チケット4,200円に見合わない豪華な座組みに、これは「お知らせ」(よい方)あるやつだなと思いながら中野サンプラザへ。ソールドではないけれど、会場9割埋まってたんじゃないでしょうか。

OPはパンダみっく

白いポンチョ&スカートに、幾何学モチーフで黒を追加したアニメちっくな衣装。みんなまだ中学生らしく、見るからにちっこい。エモ系ロックで楽曲のクオリティは高いし、ステージも誠実だけどハウリングがひどくてちょっとつらかった。パンダみっくというゆるっとした名前を裏切るライブ。

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sora tob sakana(オケ)

海中をイメージさせるVJを繊細なイラストレーションの金色のクジラが泳ぎ、その美しさに感動していると「天体の音楽会」という文字が映し出されました。

凝ったOPに格段の気合いを感じながら眺めつつ、トリのバンドセットに力を残していたのか、ライブとしてはわりとあっさりだったかも。15分だしね。


amiinA
惑星が光り輝くようなVJから浮かび上がるamiinAの文字から、お互いの背を抱く振りのあるBreathという流れに精神がグラグラ揺れました。
ここんとこ日本語ラップ関連のあまりに幼稚な話に精神を削られていて、「自意識の感じられる音楽を聴くこと自体がめんどくさい」状態だったのですが、二人の少女と、その周りにいるたくさんの人々の信頼関係が作り出すステージの明瞭な美しさに思わず涙。完全に老人……。

2人組という少人数編成だけど、背景にまで物語を感じさせるコンテンポラリー調のダンスや、質の高い音響のおかげでホールの広さに負けないパフォーマンス。久々のatomの力強さも感動的でした。

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26時のマスカレイド
一曲目は古いアメリカのミュージカル映画を思わせる音作りと、一人一人細かく違う衣装が合わさって女子高演劇部のミュージカルっぽくて面白かったんですが、2曲目以降わりとよくあるロックになってしまった感があってちょっと物足りなかった。最後の曲、何だか落ちサビが多いように思ったけどメンバーごとに割り振ってるのでしょうか。

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KingGnu

終わった後にインタビュー読んでみたんですが、ジャンルは「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」だとか。別にミクスチャーだけが由来じゃなし、いろんな要素を取り込んでるから東京NEWだそう。

ドラムの重量感とか、メインボーカルの歌の強さとか、全体的に迷いのないうまさなのに、ボーカルが一人拡声器使ってたり、KingGnuというちょいダサいけど覚えやすい名前だったり、「こじんまりしたイイ音楽」を作るつもりはないという意志を感じました。MCが滑ってたこと以外はとてもかっこいいライブ。女の子にも音楽関係者にもモテそう。

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siraph

sora tob sakanaプロデューサーの照井順政が参加しているオルタナバンド。ちょい疲れたので着席で、目をつぶりながら見てました。芯のある女性ボーカルで心地よかった。

 

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Maison book girl
年末のワンマンの作り込まれた世界が話題になったブクガ。cotoeriのフードをかぶって登場するところとか、カギを落とす音で振り返るところとか、演劇的な振り付けが会場にあっていました。「裏切られて裏切られて裏切られて裏切るの」など、やっぱりブクガの厭世的な落ちサビ好きです。

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tricot
こちらも座って鑑賞。名前のふわっとした印象を裏切る、変拍子&ポストロックのかけ合わせに、力強い演奏と幅広い楽曲。ボーカルの鋭い感じも相まって女性に人気出そうな印象でした。

普段あまりバンドを観ないのですが、出てきたバンドにみんな強度があって、これをブッキングするのはアイドル側にも負けない覚悟がいるなと実感。

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ゆるめるモ!
モ!が初めてがっつりMIX(オタクの)の入るグループでした。2曲目に「逃げろ!」をやった以外は最新アルバムの曲で構成。4人のゆるめるモ!は初めてでしたが、みんな歌がうまくなっていて底上げは出来ている。でも、やっぱりちょっとさびしいような不思議な感じ。
「だるまさんが転んだ」が振り付けに入ってたり、泣いてる相手をなぐさめる動作があったりで、何となくでんぱ組.incのキラキラチューンを想起。モ!はいつもある種の優しさに満ちているけれど、それが芸能の場では弱さになる部分もあるのだろうなと思いました。みんな強いものが好きだからな……。

天竺というインド舞踊のような曲が、かなり凝った構成で個人的に好きでした。

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sora tob sakanaバンドセット

質の高い演奏、適切な音量、そして、緊張感がありながらものびのびした歌とダンス。アイドルバンドセットとしてダメなところが一切ない! ただただ正しい!

 

メンバー4人の、「バンドの人たちがものすごくかっこいいんだから、今日の自分たちもすごくかっこいいし、そうするのが当たり前!」というような気合いが凛々しかったです。

 

ただ、これだけいいパフォーマンスをしていても情動的にはまったくピンと来ないんだから、私はオサカナ向いてないんだろうなと実感。声が整いすぎてるのが原因なのかもしれませんが、よくわかりません……。前に座っていた人が振りコピおじさんで、ちょっとほほえましかったです。

 

さておき、合間に来たお知らせは「メジャーデビュー&ホールワンマン発表」。これまで繊細なVJを映し出してきたスクリーンに、無骨で大きな文字が躍り、客席から声が漏れます。会場の拍手の音が落ち着いたところで、メンバーのMCなどは挟まずに「メジャーデビューミニアルバムに収録される新曲です」からの新曲披露。

 

この流れのよどみなさに美学が感じられて何ともかっこよかった。ライブはそのまま明るく、アンコールのないまま終了。

 

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すべてにチームsora tob sakanaの信頼関係や理想の高さがうかがえる、とても密度の濃いイベントでした。

 

ここのところ解散や卒業など崩壊のニュースがどの現場にも続いていましたが、理想の音楽像の追求を怠らず、なおかつ女の子たちが健全に活動できているグル―プが支持を集めているというのは希望のある話です。

 

そして、「真っ白い衣装に10代の少女たち」「amiinAの盟友」という共通項に、ちょっとだけ、2月24日に急な解散が決まったアイドルネッサンスを思い出してしまいました。

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